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カテゴリ: ザックジャパン
 アジアカップ、準決勝。日本代表は、韓国代表を破って決勝進出。勝った。それも死闘を制して。90分戦って、決着がつかず。延長戦を戦って、それでも決着がつかず。最後はPK戦。本田が決めて、岡崎が決めて、長友は外しちゃったけど。最後は今野が決めて。それ以上に川島が、韓国のPKを2本も止めて。ドヤ顔で相手をビビらせて。枠に外させて。結局、韓国は1本もPKを決められなかった。

 勝ったというのも、うれしいけれど。それ以上にうれしかったのは、いい試合だったこと。アジアカップで、ようやくサッカーらしいサッカーが見ることができた。グループリーグの3戦。ヨルダン戦、シリア戦、サウジアラビア戦。準々決勝のカタール戦。これがアジア、これがアジアカップなんだと、自分に言い聞かせたけれど。やはり、中東相手のサッカーは見ていてつまらない。どん引きした相手に対して、ゴールマウスをどうこじ開けるのかというところにしか、おもしろみがない。

 そこへいくと、さすがに韓国。サッカーを知っている。サッカーがわかっている。日本と韓国。実力は互角。しかもお互いに負けたくない。意地と意地のぶつかり合い。プライドをかけた戦い。これが90分間どころか、120分間、いやいやPK戦まで楽しめたのだから、もう言うことはない。リング中央での殴り合い。ガップリ四つ。十分に満足できる試合内容だった。

 前半、韓国はいつもの韓国ではなかった。ちょっと拍子抜けした感じ。いつもなら前からガシガシとプレスを掛けてくる。それが韓国のスタイルだと思うんだけど。準々決勝でのイラン戦の疲れがあったのか。それとも、この試合が延長戦までもつれ込むことを想定したのか。序盤から日本がペースを握る。香川、本田、岡崎とポジションがめまぐるしくチェンジする。そして、常にディフェンダーの裏を狙おうとする岡崎。後から考えると、このいい時間帯に先制しておきたかったのだけれど。

 今野がパク・チソンを倒してしまい、PKに。あのプレイでPKはないなぁ、と思ったけれど。そんなことが通じるアジアカップじゃない。キ・ソンヨンに決められて失点。しかし、ここからが日本代表の強いところ。本田圭佑のスルーパスに長友が走りこむ。そのままドリブルで持ち込んでクロス。このボールを前田が倒れながらシュート。流れの中からの美しいゴール。チャ・ドゥリの裏を何度となく突いた長友の走力に脱帽。

 ところが、後半からは逆に韓国のペースに。韓国ベンチがメンバーを変えていくのに対し、ザッケローニ監督は動かない。延長戦になることを考えてのことだろう。43分に香川に替えて細貝を投入。フォーメーションは、4-3-2-1。長谷部、遠藤、細貝の3人で中盤を厚くして。2列目に本田と岡崎。1トップに前田。

 延長前半、本田圭佑のスルーパスに岡崎が抜けようとして倒される。かみさんは「あれでPKはないんじゃない」と言っていたけど。前半の今野のPKを考えれば、これもPKでしょう。ちょっとペナルティエリアかどうかは怪しかったけど。PKを蹴るのは本田。え~、遠藤じゃないの。PKと言えば、遠藤さんでしょ。頼むから、真ん中に蹴るのだけはやめてくれ、と思っていたら、やはり真ん中。キーパーが弾いて、もうダメかと思ったけれど。ここに詰めていたのが細貝。きっちり決めて、日本が勝ち越し。

 この細貝のゴールは良かった。普通は、PKキッカーが蹴ってからペナに飛び込むんだけれど。ひどいときは、キーパーが弾いてから、あわてて詰めている。それでは、間に合うわけがない。細貝は本田の助走に合わせてスタートし、キックと同時にペナに飛び込んでいる。聞けば、いつもそうしているそうだけど。なかなかできることじゃない。いつくるかわからないことに備えて、常に準備しておく。細貝のプレイには感心した。

 普通ならこれで決まりなんだけれど。ここからが韓国の強いところ。日本がリードしてから、韓国は猛攻。ザッケローニ監督は、前田に替えて伊野波を投入。フォーメーションは、5-3-2に。今野、岩政、伊野波のセンターバック。イタリア人監督らしく、カテナチオで逃げきろうとしたんだけど。正直言って、これは失敗だったと思う。



 危ない、危ないと思っていたら、やはり終了間際にゴールを許してしまう。本田拓也があの位置でFKを与えてしまったのが、そもそもの間違い。今回のアジアカップでは、日本代表はセットプレイからの失点が多い。これも修正すべき点だと思う。結局、120分では決着がつかず。試合はPK戦に。120分間で勝てなかった。最後の最後で守り切ることができなかった。最後まで諦めなかった韓国は立派だと思う。

 PK戦は記録としては引き分けなので、日本は韓国に勝ったわけじゃない。そういう点では、残念だった。だが、最後は川島の鬼神のような大活躍。まさに筋書きのないドラマ。PK戦は先攻が圧倒的に有利なので。コイントスに勝った遠藤が影のMVPかも。PKに失敗した本田が第1キッカー。さすがに真ん中には蹴らなかった。岡崎が落ち着いて決めて。長友は疲れがあったんだろう。軸足に疲れてくると踏ん張れないため、ボールをふかしてしまうことが多い。最後は今野。自らの誕生日を祝うようなPK。PKを蹴る前の今野の顔を見た瞬間、これで決まりだと確信した。決意に満ちたいい顔だった。

 「いいGKはミスが少ないGKだと思っているが、ミスが全くない選手は存在しない」。ザッケローニ監督は、本当にいいことを言う。「ここ数日、彼は私の信頼を感じているし、信頼していると本人にも伝えた」。この日も試合前に「信頼しているから落ち着いてプレーするように」と話したという。ザッケローニ監督の、この信頼があったからこそ、川島は監督の気持ちに応えようとしたんだと思う。選手の力を活かすも殺すも監督次第。川島を使い続けたことで、ザッケローニ監督は川島の力を引き出した。

 さて、いよいよ決勝戦。相手はオーストラリア。ここまで来たら、もう勝つしかない。注意したいのは、DF裏へのロングボール。CBは吉田が帰ってくるけれど。今野と吉田でどうやって、オーストラリアのロングボールを跳ね返すのか。それがゲームの鍵になるかも知れない。さあ、オーストラリアを破って、優勝だ。




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Last updated  2013.08.27 10:45:23
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