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ある意味、今年の冬コミの目玉というべき本、サークル「蛸壷屋」さんの新刊、「俺と妹の200日戦争」。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のパロディ本(同時に『積み木くずし 親と子の200日戦争』も下敷きにしている)。 原作のライトノベルや、アニメを見た人が、まず一概に感じるのは「桐乃は嫌なヤツ」ということだと思う。もちろん、桐乃を可愛いと思う人もいるだろうし、むしろ真奈美や黒猫、あるいは沙織に対して嫌な感じを持つかも知れないが、それでも桐乃に対して「ヤなヤツ」とか「生意気な中学生」という感情は、共通のものだろう。 なにせ、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、モデルの仕事もやっている。もちろん性格が優しくておしとやかで謙虚なら言うことないのだが、超わがままで高飛車でナマイキ。この作品のメイン読者は、いちばん相手にしたくない存在だ。頭のてっぺんからつま先まで、全身から「嫌」の記号を発信している。なんせ原作者の伏見つかさ先生自身が、「嫌なヤツとして描いています」と発言しているくらいだ。読者やファンが桐乃を嫌ってもなんのおとがめもない。 もちろん私も、桐乃はかなりムカつく存在だ。が、この作品でいちばん腹の立つのは桐乃ではない。その兄、つまり作品の主人公である、高坂京介である。 京介は、作中ではあくまで「ごく普通の、どこにでもいる市井の高校生」として描かれている。それはかまわない。ライトノベルの主人公は、あの作品もこの作品もどの作品も、読者の共感を呼びやすいキャラクター像、つまりは「凡庸な学生」だから。京介が普通の高校生でもかまわない。 が、京介はなぜか「自分の普通ぶり」に、揺るぎない自信を持っているのだ。 小説ではひととおり自分の紹介をして「どうだ、普通だろう?」と胸を張り、妹や他の人たちの、ちょっと変わっている人を引き合いに出しては「普通がいちばん。ビバ、普通の人生だ」とうそぶく。そして、京介本人は、その「普通」のままでいたいと思い、昨日と同じ今日がまた明日以降もつづいていればいいとだけ願っている。特に趣味もない、部活やサークルに打ち込んでいるわけでもない(原作5巻からゲーム研究会に入るが、別にゲームを作りたいわけではない)。何もしていないのに、何もしていない自分の人生が素晴らしいと、なぜか根拠なく思っている。 そして、自分から見て「普通の世界の仲間」と認識している田村家に入り浸っては、幼馴染みの真奈美やその弟に安心感を抱いている。しかし、真奈美も髪を切るし、弟もイメチェンをはかったりする。今の自分に満足できずに、何とかして変わろうとしてあがく。それが本当の、「普通の若者」なのだ。自分のことをパーフェクトだと思っている桐乃だって、やめられないオタク趣味をなんとかしようと、日々もがいているのだ。 それに比べて、主人公京介の、なんと向上心のないことか。「今がいちばん」という視点で、実は京介は他の人間をバカにしているのだ。もちろん、作品ではそういう具合には描かれてないし、アニメも京介に対して何の含みも持たせたキャラクターの立て方もしなかったので、おそらく皆さん見過ごされていると思うが、高坂京介、実は相当の「ナルシスト」なのである。けど、「俺の妹」の二次創作作品は、ついぞそういう視点で描いたものはなかった。 蛸壷屋さんは違った。桐乃、(原作からちょっとアレンジされた)あやせ、黒猫、沙織、そして真奈美たちの目を通して、京介をちゃんと「嫌なヤツ」として描いてくれた。45ページ、「フフ」と軽く笑う京介の後ろ姿に「アレ? オレってもしかしてヤリ●ン?」と重なるモノローグ。これ、「京介=ナルシスト」という認識がなければ描けないだろう。 桐乃はその生意気さが仇となって天罰を受ける。そういうシナリオは誰でも書ける。けど、生意気なのは桐乃だけではない。兄の京介も同じくらいかそれ以上に生意気なのだ。 「なあ桐乃、俺達は大人の真似事をやるには早過ぎたのか?」 これである。「京介と桐乃が揃って嫌なヤツ」ということを踏まえている蛸壷屋さんだからこそ、呟かせることのできた心情なのだろう。 だから、蛸壷屋さんの作品が、ハッピーエンドなわけがない。
2011/01/04
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コンプティーク今月号を買った。 さーて、ゆっくり「らき☆すた」見るかな、と思ったら、なんと! 向かいのページに「ステージガールズ 完全版」の広告が! びっくり! …「人間噂八百」の広告は載らないのかな。こちらの方が「らき☆すた」全巻持ってるし、コンプ毎月買ってるし、神社に絵馬を何枚も奉納してるし…。 今年、黒岩よしひろ先生がコンプエースに「マクロスF」の外伝を描いていたので、その縁かしら。コンプティーク 2009年 01月号 [雑誌]
2008/12/10
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攻撃力。それはグラブルの奥深さのひとつであり、魅力のひとつであり、もしくは訳のわからなさのひとつ。編成画面から武器装着画面に移行すると、「メイン武器1つ+他の武器9つ」という画面になります。こういうのね。これは「メインとなる武器を一つ選んで、その他9つの武器はパーティの能力(攻撃力とかHPとかクリティカル率とか)を底上げするために敷き詰める」ということ。で、その敷き詰め方がグラブルの魔境のひとつなんですよね。攻刃、守護、背水、二手、etc.わかんないですよねー! 私もその言葉と意味と使い方を理解したのは、ホンの数週間前。いや、まだ理解しているとは言い難いかも。ま、要は初心者にはわからない、中級者にもわかりづらい、上級者は上級者で、レアで強い武器を力任せに強化して敷き詰めている場合もあるので本当にわかっているのかどうかはわからない。なんといっても、グラブルは手持ちのキャラも武器も、それぞれのレベルも種類も人によって違う、だから「理想の編成」なんてのは、その人が決めるしかない。それでも知りたければ、よく「計算機を叩け」と言われます。でもめんどくさいですよね計算機。私も使ったことはあるけど、新しい武器を手に入れたり、スキルレベルをアップさせたりするたびにやり直さないといけないので、やめました。じゃ、どのようにするのか。よく耳にするのが(そうなのか?)、「武器10個を、全部同じもので染めるのではなく、適当に散らばせる」ということ。つまり、「攻刃(攻撃力をアップさせるスキル。スキルについてはまたいずれ触れます)」武器なら、通常攻刃だけに偏った編成にせず、「通常攻刃:マグナ攻刃:アンノウンの割合」を「4:4:2くらいの割合で敷き詰めるのがいい」と。というのも、「攻撃力は乗算で乗るので、通常:マグナ・アンノウン」が「8:1:1」なら、攻撃力は「8×1×1=8」だけど、「4:4:2」なら、攻撃力は「4×4×2=32」だと。うーむ。よくわからない。なので、実際に試してみました。うん。理屈で分からなければ、実証。サンプルは「ユグドラシル・マグナ」。通常「ゆぐまぐ」です。なぜこの敵かといえば、「私が現時点で確実に倒せるマグナ召喚獣」だから。挑むパーティーはこれ。「ダークフェンサー・ガウェイン・カルメリーナ、クリスティーヌ」。最初はこの武器編成で挑みます。メインはショロトルリッパー1凸(レベル60)、右欄は上左からバハムートダガー3凸(同75)、ジュエルリゾートモデル3凸(100)、ショロトルスタンプ3凸(75)、エントリッパー3凸(75)、ティアマトアムード・マグナ3凸(100)、ティアマトボルト・マグナ3凸(100)、ティアマトガントレ・マグナ3凸(100)、ティアマトグレイブ・マグナ3凸(100)、アンノウンワンド無凸(40)。このうち、ティアマトアムードとティアマトグレイブは「攻刃」じゃなくて「守護」(HP上昇効果。途中で全滅しないようにHPの底上げに入れました)なので、攻撃力に関係あるのは残りの8つ。その内訳は「通常攻刃5:マグナ攻刃2:アンノウン1」なので、単純に考えて攻撃力は「5×2×1=10」。その「10」で、戦ってみました。ダクフェジータのEXアビリティには「メディク」を積んでいます。体力回復アビリティ。全滅いやなので。その他、敵を弱体化させるアビリティなどは適時使用。最初のターンのダメージはこれだけ。その後、挨拶スタンプのポーションを1回使って、26ターンで撃破。さてその次。今度の武器編成はこう。いちばん右下、「アンノウンワンド」の代わりに「ティアマトブレード」を入れました。これは「攻刃」武器なので、「通常攻刃5:マグナ攻刃3」。単純攻撃力は「5×3=15」。さてどうなりますか。相手は同じ「ゆぐまぐ」、戦い方も序盤はほぼ完全に同じ。はいどうでしょう。ほぼ1割強のダメージUP。撃破した画面は取れてなくて申し訳ないのですが、22ターンで終了。確実に攻撃力がUPしてます。さらに、ゆぐまぐから受けるダメージも何故か減少し、スタンプポーションのお世話になることなく、ほぼ危なげない戦いでした。あと、最大HPの上限が少し増えてますね。ということは「守護」の効果は、「同じ属性の武器が増えれば乗る」ということでしょうか。これ地味に重要かも。いちおう結論。「攻撃力は通常攻刃×マグナ攻刃×アンノウン」の乗算で決まるのなら、「一つしかない武器(私の場合はアンノウン)は入れちゃダメ」。長々と書いてきて結論がショボい気がしますが、そういうわけで。いずれ攻撃力でもう一つの大事なこと「スキル」についても書きます。
2016/10/13
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コミックゼノン連載中の「漫画専門学校生の青春」第1巻。 かわいい女の子の周囲に「ネーム? もう出来てます頭の中に」とか「1コマ描いて3時間休憩がデフォ」とか、なんかブラックなネームが舞っているので、それにつられて「ひょっとして、マンガ専門学校の内幕を暴いているのか? 専門学校って生徒も講師も業界内であまりいい評判聞かないし」と、半ばわくわくして買って読んでみると、全然そんなことはなく、中身はいたって健全な学園ラブコメ。 これが「表紙サギ」というものか。 あと、描きおろしのマンガで原作者の横山了一先生が「浦島くん(主人公)はかなりの天然ですが、僕もけっこう天然です!」とおっしゃっているが、それってどうなんだろう。以前、竹熊健太郎先生がツイッターで「入院したら以前からの天然に磨きがかかり…」とつぶやいていたが、「天然」というのは、周りの人が判断するものではなかったか。いつのまに自分から「僕って天然です」と名乗るようになってしまったのか。謎である。【楽天ブックスならいつでも送料無料】漫画専門学校生の青春(1) [ 山田こたろ ]
2014/05/20
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山本寛監督(通称ヤマカン)の新作アニメ、「Wake Up, Girls!」を観た。 1話を見た感想は、面白かったか面白くなかったかというよりも、「続きが気になる」というべきか。いや、「続き、メチャメチャ気になる!」か。とにかく「おおー」って思いましたよ。「アイドルマスター」を見ても、「ラブライブ!」を見ても、「アイカツ!」を見ても、あるいは「プリキュア」を見ても、全然ピンとこなかった自分が求めていた物が、バラバラ落ちている。それでふと気づいた。思い出した。「ヤマカンって、『アイドル好き』だったんだよな」。 いろいろと言われているヤマカンですが、氏の一番強いキャラクターは「アイドル好き」ではなかろうか。ハルヒ、らき☆すた、その後の「かんなぎ」とか見ると一目瞭然なこのことを、「Wake Up, Girls!」見るまで、すっかり忘れていましたよ。「Wake Up, Girls!」で描かれている(もしくは、描こうとしている)のは、「芸能」でもなく「アイドル」でもなく、「芸能界」。社長は事務所の金を持ち逃げするもの。窮地には胡散臭い人物がやって来て、アイドルに無理難題押しつけるもの。アイドルはなろうと憧れる姿ではなく、なってしまった後で苦悩する姿にグッとくるもの。「アイドルマスター」等の作品で都合良くスルーされていたこれらが1話で全部詰まっていた。もちろん、それらを描くのがアニメとして正しいというわけじゃない。アニメ好きがそういうのを見たがるかといえばそうでもない。けど、「アイドル好き」は、そういうのを描きたがるものなんです。「ギョーカイ」とか「裏側」というのを。 ようやく、自分が観たかったアイドルアニメが現われた、という感じでしょうか。だから、早く、続きが見たい。それとみなさん、「これまでのアイドルアニメと違う」という理由でそっぽを向かないでほしいです。ひょっとして、これこそが「アイドルアニメ」かも知れないんですから。BD Wake Up,Girls! (ウェイクアップガールズ) 1 初回生産限定版 (Blu-ray Disc)[エイベックス...価格:6,240円(税込、送料別) 映画、観にいこうかな。
2014/01/11
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