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“本の帯より~“ ちょっと疲れているあなた、ちょっぴり心が痛んでいるあなたへ 二人の ❝元気のかたまり❞ をプレゼントします『徹子の部屋』に淀川長治さんが13回出演されて、その時の2人の対話が本になっています。“サヨナラおじさん”として親しまれた淀川さん。映画のこと、家族のこと、人々との出会い、活動、生活、そして、「日曜洋画劇場」の解説のこと・・・面白おかしく、時には感動したり、為になる話だったり。『徹子の部屋』に出演された時の内容が対話形式で書かれているので、2人の顔と声が浮かんできて、まるで『徹子の部屋』を見ているような気分で読みました。こんな感じで最初から最後まで対話形式 黒柳 皆さまこんにちは、『徹子の部屋』でございます。・・・淀川 たびたびのお招きありがとうございます。・・・黒柳 ほんとに、お元気で何よりです。・・・淀川 あなたこそお元気のかたまりの神様みたいな人ねえ。・・・検索すると、淀川 長治(よどがわ ながはる)さんでした。長治(ちょうじ)さんと呼ばれていたこともあったような。。。
2018.01.20
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この本を購入してすぐに【OUT】がドラマ化されたので読む前にテレビで内容を知ってしまった。あれから約18年も読まずに持っていた(^-^;読んでいる時、登場人物の1人が、なぜか “田中美佐子” さんに思えてくる。調べてみたら、ドラマの中でその役を演じていたのが“田中美佐子”さんだった。だからなんとなく記憶に残っていたのかな。。。本の中ではグロい場面とかあるけどドラマではどうだったんだろう?思い出せない、、、深夜の弁当工場から物語は始まる。主婦達が主人公なので、共感できる部分もあったり。18年前はまだ独身だったから、その頃に読んでいたらまた違った思いがあったかもしれない。
2017.12.28
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オバケちゃんといそがしおばさん / 松谷みよ子*************************************************2009/10/27に怪談レストランを投稿した。『松谷みよ子さんと言えば、絵本や小説は読んだ事があるけど、怪談も書いておられるとは知らなかった。』と書いたけど、さっそく松谷みよ子さんの怪談()を見た。朝、子供と一緒にNHK教育テレビ【母と子のてれび絵本】を見ていたら、松谷みよ子さんの『オバケちゃんといそがしおばさん』が始まった。語りは、優香さん。怪談話というより、子供向けの可愛らしい話だった。気になっている事があると、ちょうどその事が番組で取り上げられたり、読んでいる本の中に出てきたり、誰かと話している最中に、相手がその事を話し始めたり…。そういう事って、結構よくある
2009.10.29
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おつきさまこんばんは / 著者:林明子空に浮かぶお月さまを、赤ちゃんは不思議な生きもののように見つめます。そのお月さまや、お月さまの前を横切る雲とお話をするように描かれた傑作です。裏表紙のお月さまの顔が1番人気かも1歳6ヶ月児検診があった。順調に育っている2009/2/7に投稿した、ブックスタートに続き、今回も絵本(おつきさまこんばんは)のプレゼントがあった検診には、ダンナも一緒に来てくれていた。検診が終わり、その建物と同じ敷地内にある、歴史資料館へ行った。その土地から出土した土器など、いろんな遺跡を見てきた。
2009.10.01
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もりのへなそうる / 著者:渡辺茂男 / 絵:山脇百合子 5歳の“てつた君”と3歳の“みつや君”。自分達で描いた地図を持って森へ探検に行き、大きな卵を見つけます。誰にも見つからないように草や葉っぱで卵を隠して家に帰ります。次の日、その場所に行ってみると変なものが立っています。顔はカバのようで、首はキリンのように長くて、背中からしっぽにかけて、とげとげがあって、太いしっぽは地面の上まで伸びています。おまけに体は、頭の先からしっぽの先まで赤と黄色の綺麗なしま模様です。名前は、【へなそうる】。へなそうるは食いしん坊で、ちょっと怖がりな怪獣。一緒にかくれんぼをしたり、谷川でカニとりをしたり、夢中になって遊びます・・・幼い子供達の冒険こんな怪獣がいて、一緒に遊べたら楽しいだろうなという憧れや想像力。子供達のイメージを大切にし、なお刺激する、冒険の世界が広がるお話
2009.09.14
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小説・捨てていく話 / 松谷みよ子夫婦とはまことに切ないものです小さな劇団を共に築いた、一組の夫婦の別れと絆夫にとって私は一体何だったのでしょう。…ヘドロでつくられたカードがたくさんカード箱に並んで、誰のでもない、それは私のヘドロなのです。一枚、一枚、捨てていけたら、どんなにらくかと思いますけれど、捨てていけるのか、判らないのです。(本書「猫の会議」より) 結婚する前に1度読んだ事があり、結婚してからまた読んでみた。視点が変わったせいか、この本の内容に関しての感じ方が変わった。『夫婦』と一言で言っても、いろんな形がある。私は平凡な毎日を過ごしている平凡な主婦。ドラマみたいな状況に憧れたりもするけど、平凡が1番幸せだという事を以前に思い知らされた事がある。でも、平凡過ぎると物足りなさを感じたりする(^-^;たかが平凡、されど平凡
2009.07.09
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キリンと暮らすクジラと眠るアクセル・ハッケ 作ミヒャエル・ゾーヴァ 絵ひとと動物たちとのパートナー学情緒あふれる博物学入門ハッケはちょっとひと休みして地球上の生き物たちへ目を向けてみたらとアドバイスしてくれたのじゃないでしょうか。現実と空想世界を行ったり来たりしながら、生き物たちと遊んでいるうちに、どことなくくすんで見えた私の日常も、みずみずしい色を取り戻してきたような気がします。 訳者あとがきよりおしゃれ犬プードルの我慢と本音は?人間が卵を食べてしまうことをニワトリが知ったら?ヒキガエルのイボイボは何を意味するのか?虐待されても人間に近づくゴキブリの不屈の精神とは?フラミンゴはスーパーモデルの生まれ変わり?キリンと星空を眺めたら? など・・・ぼくたちの心の奥にうず巻く、生き物たちへの素朴な、とても素朴な疑問。そして彼らのかくされた生活と意見。アカデミックな博物学に対して、『情緒あふれる博物学、繊細な感性によるハートフルな博物学をうちたててしまおう』という考えのもとに書かれた本彼はときに動物の身になって考える。拒まれても拒まれても人間に近づくことをやめないゴキブリに対しては、こう書いている。「それにしても、ゴキブリほど人間に近づこうと絶望的なまでの努力を試みてきた生き物が、ほかにいただろうか?そしてこの生き物が人間へかたむける愛、しかもあそこまですげなく、憎しみをこめて拒絶される片想いが、はたしてほかにあるだろうか?」「まさに破滅型の愛の典型といえるだろう」ゴキブリはともかくとして…キリンと一緒に暮らしたいなあ、とか、ゾウが犬くらいの大きさで、うちで飼えるようだったらいいなあ、とか。そんなことを一度でも考えたことのある人は、ぜひこの本をひらいてほしい。空想と現実のあいだで動物たちと遊ぶことの楽しみを、じゅうぶんに堪能させてくれる本である絵を見るだけでも、不思議な世界に引き込まれたような面白さがあり、さらに癒しの効果もある
2009.04.07
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ねぇ、きみ、耳をすまして、夢を見に行こう。 何気ない風景や感情や想い出から生まれたファンタジーコミックス。ちょっぴり不思議なショートストーリー。詩のような、なんとなく懐かしいような、読んでいて癒される感じいくつもの短編が収録された、森 雅之さんの作品集
2009.03.20
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前回(2009/2/15)に投稿した天使の梯子(はしご)に続き、“天使”つながりで…天使のみつけかた『天使図鑑』どんな天使達がいるのか、たくさんの天使が紹介されているひるね天使なみだ天使告白天使ねがいごと天使ひとめぼれ天使ひらめき天使笑い上戸の天使失恋天使上に書いたのは、ほんの一部の天使達たとえば…おもいがけない場所で、とても会いたかった人にばったり出会った時。行き止まりの考えの中、抜け道がぱっとひらめいた時。そういう時、それは天使に違いない。目に見えなくてもそこらじゅうにいるのです。本文より天使を見つけるコツ(天使によってコツが違う)や、天使のゆびにさわる方法が書かれている。天使を見つけるためのコツ4ヶ条などがある。天使のみつけかたこの本(新潮社)も1番上に紹介した本(大和書房)と同じだと思う。著者は両方とも『おーなり由子』さん。私が購入したのは1番上に紹介した本この本を読んでいると、なんだか、ほのぼのした気分になるそして…『あっ、これは天使のおかげかな』と思うような時がある
2009.02.21
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じゃあじゃあびりびり改訂 くっついた子供の10ヶ月検診に行った時、ブックスタートで絵本を2冊もらった4冊の中から2冊を選ぶようになっていて、上に紹介した2冊を選んだブックスタートは、1992年に英国で始まったそうです。 ブックスタートのロゴマーク国によって、ロゴマークの動物が違う。日本はラッコらしい。このマークが一面に大きく付いた、専用のコットンバッグに絵本を入れてもらった。中身は地域によって違う。絵本+何かその何かとは、例えば…図書館の利用案内や絵本紹介の冊子、スタイ(よだれかけ)など…。【じゃあじゃあ びりびり】は、しっかりした作りの小さな絵本。自動車の音、犬が吠える声、飛行機の音…いろんなものが、どんな音や声を出すのか、わかりやすい絵と文字で書かれている。【くっついた】は、金魚さんやアヒルさん、ゾウさんやおさるさんが『くっついた』口でくっついたり、鼻でくっついたり、手をつないだりする。最後は赤ちゃんのほっぺに、お父さんのほっぺとお母さんのほっぺがくっつく。とても可愛らしい絵本
2009.02.07
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アメリカの話題のロングセラー心を癒してくれるお話68篇幸せを呼ぶ奇跡のお話普通の人々の、平凡な人生のなかに起きた宝石のように輝く小さな奇跡。ひとつひとつのお話が、あなたを勇気づけ明日への活力を与えてくれます。だれの人生にも、奇跡としか思えない出来事があるはずです。たんなる偶然と片付けることのできない出来事。その後の運命を変えた出来事。生きる意味を教えてくれた出来事。人間の力を超えた、なにか大きなものの存在を感じさせられた出来事。幸運とか不思議な巡り合わせと言い換えてもいいかもしれません。そういう奇跡を前にすると、人はなぜだか素直になります。謙虚になります。心がしんとして、思わず頭を垂れています。長い人生のなかで、だれもが経験するそんな小さな奇跡を拾い集めたのが本書です。映画【タイタニック】が日本でもヒットしました。豪華客船タイタニック号の沈没は忠実ですが、それを予言する小説が事故の十四年前に書かれていたことをみなさんご存知でしたか?その名も、【無用の長物―タイタン号の難破】…本書を読まれたみなさんが、これからの人生で出会う小さな奇跡を、ただの偶然と見過ごさず、幸せへの道しるべと思ってくださることを願っています。小さな奇跡は、きっと疲れた心を癒し、乱れた心を鎮め、苦しみを和らげてくれるでしょう。(訳者『はじめに』より) この本に書かれている奇跡のお話は、『アンビリバボー』や『ザ!世界仰天ニュース』という番組でも、いくつか取り上げられた事がある私が1番奇跡だと思ったのは、『教会の火事』という話。二十人の聖歌隊のメンバーは、みんな時間に正確。ある日曜の朝、爆音が響き教会が炎に包まれる。聖歌隊は誰一人逃げ出す事ができなかっただろう…と住民達は哀れむその時、二十台の車が、次から次へと教会の駐車場へ入ってきた。聖歌隊の練習が行われるようになって十二年目にして初めて、メンバー全員が、まったく別々の理由で遅刻してきた。という実話。この本には、遅刻の理由は書かれていないけど、番組では、ひとりひとりがどんな理由で遅刻したのか再現されていた。ありえないような事が、実際には起こっているという奇跡
2009.02.01
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銀河の雫 / 高樹のぶ子先輩と婚約中のバイオリニストを強引に奪って23年、充足しているはずの中年医師の心を、スポーツクラブで水泳を教わる28歳のインストラクターが魅きつける。そして妻もまた、インストラクターの父である、旧知のTV局局長と惹かれあう・・・。激しく愛し、傷つけ、そしていたわりあう二組の男女をそれぞれの視点から描く長編。 『本のカバーより』昔からの知り合いである4人。その4人が交差して相手を好きになる。実際に有りえる話でもあると思う。と言っても、身近でそういう事はないけど(^-^;この小説の舞台は福岡。知っている地名が出ると、その場所に行った事がなくても、なんだか身近に感じるこの本に出てくる人達が実在しないとわかっていても、実在していて、その場所に行ったり、福岡で生活している人達のような気がした。かなり分厚い本だったけど、知っている地名が出て身近に感じたせいか、面白くて一気に読んでしまった※作者:高樹のぶ子さんの『高』の字は、紹介している本に書いてある字が本当だけど、機種依存文字という事で反映されなかったので、『高』のほうを書いています。
2007.05.26
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あるき太郎みなさん、よういはできましたかさあ、あるき太郎と旅にしゅっぱつ『あるき太郎』は旅にでかけます。へんてこりんで不思議な冒険のはじまりです。汽車や船、自動車、飛行機・・・いろんな乗り物に乗って、楽しい旅を続けます。そして最後にあるき太郎がみつけたものは・・・昭和2年に刊行されたモダンでハイカラな絵本本書は、『武井武雄画噺』シリーズの第1巻目として昭和2年(1927年)に丸善から出版された本の復刻版です。昭和2年当時、この『武井武雄画噺』3冊セット(『あるき太郎』『おもちゃ箱』『動物の村』)は武井武雄のデザインによる洒落た外箱付きで販売されました。本書のカバーは、復刻版にあたって新たにデザインしたものですが、絵柄に当時の外箱に描かれた武井武雄の絵を一部流用しています。また、カバーをはずした本の表紙は昭和2年当時の装幀デザインを元にしたものです。 『本のカバーより』復刻版用に新たにデザインされた絵も、昔風の絵で、ほのぼのした感じ昭和2年当時は、旧かなづかいでカタカナ表記だったものが、今回復刻するにあたり、現代かなづかい、ひらがなにあらためられている。ただし、手書き文字の部分は当時の旧かなづかいのまま。発想が面白い内容だったカタカナだけで書かれているのは読み辛いと思うけど、旧かなづかいで全部読んでみたい気がする『ゑばなし あるき太郎 をしまひ』最後は手書きの文字だったので、そのまま旧かなづかいで書かれていた。『をしまひ』とは、現代でいう『おしまい』だろうけど、旧かなづかいで全部書かれていたら、やっぱり意味がわからないものもあるかも(^-^;
2007.05.01
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おしえてウルトラマン『きみの悩みに答えよう。』 これがウルトラマン流人生相談 『本の帯より』子供から大人までの質問に、ウルトラマンがイラスト入りでわかりやすく答えてくれるこの本を読んだ感想を、子供がいる主婦の方が投稿されているのを見つけた『困った行動をする時、この本の中の1文を言うだけで、子供が「そうだった・・・」と納得してくれるから不思議。素直に受け入れる事ができる内容の本』と書かれていた。確かに、ス~ッと心に入ってくるような内容(ウルトラマンの回答)子供が自分で読むより、読んであげたほうが子供の心に響くと思う大人の為の絵本でもあるので、落ち込んでいる時、悩みがある時に、ぜひ読んでほしい1冊
2007.04.25
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幸福な質問(古書籍)幸福な質問 おーなり由子まあたらしい空気につつまれるようなひとことを―大切な人に贈りたい大人の絵本。お洒落で可愛い犬たちのとっておきの質問すきな人に質問をするのは、はずかしい。すきな人に質問をするのは、ちょっとこわい。すきな人に質問をするのは、おもしろい。質問は、返事の言葉よりも、そのむこうに見える何かいいものを受けとめたくてするのかもしれません。黙りこんで言葉を失った返事にも何かが隠されているので油断はできません。さて、望むものは何でしょう。 本の帯より ねえ もしも 神さまが あなたに 「あなたの将来の夢のすべてを あなたの思い通りに してあげるから わたしとは 別れて 死ぬまで絶対に 会ってはいけない」 と言ったら、どうする? 本文より5分くらいで1冊を読み終わる内容だけど、ほのぼのとした雰囲気と、男性と女性では、質問と返事の仕方や内容が違う所が笑えるような、とても温かみのある本上に書いた質問は本文の1部。犬のカップル(夫婦)が、他にもいろんな質問をして、それに対して返事をする男性の様子、女性の様子は、『あぁ、あるある』とか、『女性ってそういうとこあるよね』と、共感させられる感じ。私も同じ質問を旦那にしてみようかなどんな態度で、どんな返事が返ってくるかな
2007.04.18
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傷だらけの放浪 / 笹沢左保東国学園大学理事長で資産家の江口正次郎が殺された。容疑は直前に被害者と激しく口論した養女の千秋にかかったが、彼女にはアリバイがあることが判明した。正次郎の財産を狙う妹の春絵と、その前夫で前科を重ねている三島重吉は、あくまで千秋を陥れようと、正次郎の婚約者であった小宮山鈴子を殺害し、罪を千秋に着せようと画策する…。欲望と孤独と憎悪にゆらめく人間の葛藤を描く長篇ミステリー。 『【内容情報】(「BOOK」データベースより)』年老いて刑務所を出所し、老後の安泰の為に元妻と殺人を計画する話。刑務所を出所しても行く所が無かったり、待ってくれている人がいなかったり、就職が決まらなかったり・・・そういう場合、また刑務所に戻る事を考える人も結構いるらしい。しかも、最近新しく建てられた刑務所がニュースで公開されていて、一般の人も見学していたけど、とても快適そうな1人1人の部屋だった。あんなに綺麗で快適そうな部屋が割り当てられるなら、また刑務所に戻りたいと思う人も多くなるかもしれないと思った。この話は刑務所に戻りたがる内容ではないけど、老後の安泰の為に殺人を犯そうと考えるところが、犯罪を犯して、もう1度刑務所に戻りたがる人と似ているような気がする。【傷だらけの放浪】の他に、【傷だらけの孤独】という小説も入っている。【傷だらけの孤独】のほうは、少年時代から数奇な運命に翻弄される1人の男の話。3~4ページ単位で小見出しが付いているので、区切りが良い所まで読もうと思いながら読み始めたけど、区切りの終わりの文章が、次はどうなるんだろうと、思わないではいられないような、気になる終わり方をするので、とうとう区切りが良い所まで読むどころか、最後まで一気に読んでしまった(^-^;2つの小説、どちらもとても面白かった
2007.04.09
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黒い扇 / 平岩弓枝平岩弓枝サスペンスロマン女のあくなき虚栄と裏切り・・・すべてを失った男の娘が、凄まじい執念でその復讐の代役を演じていく・・・ 『本の帯より』叔母の友達→叔母→私の順番で回ってきた本読もうと思い開いてみたら、上段と下段に分けて書かれていて、文字も小さく、今は使わないような昔の漢字や読み方、小さい『つ』や『や・ゆ・よ』など、小文字も全部普通の大きさで書かれていて区別がつかないそういう理由で読みにくかったので、少し読んではみたもののなかなか続きを読む気になれず、しばらく放置していた(^-^;でも、途中で読みやめるのは嫌なので、せめて1日に1区切りずつとか、区切りが良い所まで読むようにしてみた。そのうち、だんだん面白くなってきて、1日に1区切りずつでは物足りなくなり、少しずつ読む量が増えて、とうとう読み終わった途中から、昔の漢字や読み方、文字の大きさなど全く気にならなくなっていた。読んでいるうちに慣れたというのもあると思うけど、面白くて夢中で読むから、読みにくかったのも気にならないという感じだったのかもサスペンスドラマをテレビで見ているような気持ちで読んでいた
2007.04.04
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愛の流刑地(上)愛の流刑地(下)その男と出会い、女はすべてを捨てた。生まれて初めて知った狂おしいほどの性の悦び。エクスタシーの頂点で、女が男に求めた究極の行為とは。男女の性愛を大胆に描写し、日本経済新聞連載中から大反響を巻き起こした衝撃の問題作。 最愛の女を殺めた果ての孤独な法廷闘争。故意か過失か、あるいは愛の証しか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは。論理ではとらえきれぬ情感の妖しさを描き、現代人の感性の解放をうたうルネサンス的文芸大作誕生。録画していたドラマ、『愛の流刑地』を見た原作は、渡辺淳一さん。渡辺淳一さんと言えば・・・以前、日記で紹介した、【シャトウ ルージュ】や【坊っちゃん先生】の原作者でもある。【シャトウ ルージュ】を読むまで、渡辺淳一さんを知らなかったけど、その後、急に彼の作品をいろいろと目にする事が多くなった。名前を知ったから、その分、目につくようになったのかもしれない
2007.03.24
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女医(上)新書判女医(下)新書判1.彼女は果たして100万ドルの為に患者を殺したのか? 証拠を掴んだ同僚医師の魂胆は?2.彼女はなぜ賭け等の為に命を賭けたのか? 二重婚約を解決する為に彼が選んだ道は?3.彼女は愛の天使なのか、それとも色と欲をからめた単なる淫乱女なのか? 優秀な女医の出世街道の先にあるのは?この年、エンバーカデロ郡立病院を襲った激震にあなたは耐えられるかシドニィ・シェルダン、サスペンスの傑作今までに読んだ本の中で1番面白かったかもしれない上巻のほうは、最初から最後まで一気に1日で読んでしまった。本の帯に、どんなに眠くても、この本は閉じられないと書かれていたけど、本当にそうだった区切りがいい所まで読むつもりが、面白くて次が気になり、あと少しだけ読もうと何度も思いながら、結局1冊読み終わったその後すぐに下巻も読み始めたけど、すでに朝になっていたし、さすがに一旦読みやめて、いろいろ用事を済ませた。その間も続きが気になり、早く読みたくて仕方がなかった(^▽^;本の帯に、白衣姿の中谷美紀さん・りょうさん・大路恵美さんが載っている。『待望のTVドラマ化』と書かれているので、以前にテレビで放送されたらしいけど、まったく記憶にない再放送をしてほしい
2007.02.04
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【海の蝶】/高橋 治 新潮社父と娘二人暮らしの日下由香里は、若き表具師としてその腕をふるっていたが、いつからか全身の筋肉が衰えていく難病に冒されていた。自分の余命が限られたことを知った由香里は、一人家を出て、蝶の舞う八重山列島に魅入られたように向かう。日本の南の涯てから、そのまだ先へと飛ぶ蝶に、由香里が賭けた思いとは―?島の濃密な時間にきらめく生命の深淵を描いた力作長編。難病にかかり、余命があと少しとわかった時、人はどういう行動に出るのだろう。。。残り少ない命とわかってから行動を始めて、誰よりも幸せに生き抜く人もいる。この本に書かれた、ある難病の恐ろしさを改めて知った。現在、『絶版または重版未定』になっている。出版社にも在庫がなく、刷り直される可能性がほとんどない本。でも、古本としてリサイクルショップにはある
2007.01.31
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ひとりぐらし『ひとりぐらし』…愛娘に去られたせつなさに“男のつまみ食い”をくり返す初美(はつみ)。『性欲』…女たらしの兄と同居するのが嫌で、実家を飛び出した柄美子(えみこ)。『家路』…念願のマイ・ホーム購入を決心し、夜のバイトに明け暮れる日菜子(ひなこ)。『求婚』…四十歳を目前に憧れの男性からプロポーズされ、戸惑う一人っ子の伊沙路(いさじ)。このひとりぐらしは通過点それともゴール「ひとり」を選びとる四人それぞれの心模様。4つの短編から成っているオムニバス形式。本の帯にも書いてあるけど、『淋しいけど、自由』、そんなひとりぐらしをしているそれぞれの人生が描かれている。
2007.01.26
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シャトウルージュ シャトウルージュ 【古本】シャトウルージュ/渡辺淳一ドレサージュ(調教)によって、女は変貌するフランスにある古い妖しのシャトウの奥で、異国の男達によって毎夜繰り広げられる美貌の妻・月子に対する性的調教。そして、異国の男達によって弄ばれる妻の裸身を覗き見る夫の若い医師。はたしてこの背徳の行為は二人の運命に何をもたらすのか現代人の不毛な性愛というテーマが浮かび上がってくる。『文藝春秋』連載時から、大きな話題を呼んできた恋愛小説の巨匠・渡辺淳一氏。恋愛小説の第一人者が、現代の男女の『愛と性』というテーマに正面から挑み、鋭く切り込む衝撃の問題作此処が月子がいう『異常だけど正常な、反道徳的だけど自然な』場所であったのか。そして僕と月子の間には、この溝と同じ、深くて遠い距離があったのだ。容易に超えられない溝なのに、ある時、すぐに越えられると錯覚した。男と女と、二人を隔てる距離なぞ、大した事はないと、たかをくくっていた。 (本文より)なんだか凄い内容だった(^-^;この本に忠実に、ドラマや映画化はできないだろうなという感じ。忠実に作ったらモザイクばかりで見る所が無さそうな。。。でも、いやらしいだけの内容ではなく、なんとなく登場人物の気持ちがわかる。どの登場人物かは秘密だけど。※3種類の本は多分同じものだけど、表紙と値段が違っているので一応全部紹介してみた。私が持っているのは1番左側の本。1番右側の古本は画像が無かった
2007.01.22
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【古本】まどろみの秋/藤堂志津子自分を見つめ直す為、涼子は28歳でOLを辞めた。ところが、大学の友人・哲司の勧めで手伝うはめになったある仕事が、彼女の人生を狂わせる。仕事で知り合った女性社長・奈月、彼女の秘書・前田、そして哲司。三人の間には、他人に窺い知れない不透明な関係が成立していた。その渦中に巻き込まれ、涼子は次第に底知れぬ疲労と恐怖を感じ始めた...。嫉妬に歪んだ男女がもつれあう恋愛長編。以前にも藤堂志津子さんの本を紹介した事がある。私は、ミステリーやサスペンス、ホラー系が好きなので、自分で購入する本はそういう本。数日前、読書について書いた日記の中に出てくる叔母の友達は、恋愛小説を好んでいるのか、藤堂志津子さんの本を好んでいるのか、藤堂志津子さんの恋愛小説が多いようだ。だから、私に回ってくる本は恋愛小説が多い。読んでみると、結構面白いしかも、藤堂志津子さんが書く主人公は、なんだか私に似ている所があるので共感がもてる叔母から本が回ってこなければ、藤堂志津子さんという作家さんを知る事はなかったと思う。そして、殺人事件等がまったくない恋愛小説を読む事もなかったと思う。たまには、自分の興味を持っている事以外の事に手を伸ばしてみるのも良い経験になるし、自分でも知らなかった一面に気付くチャンスでもある
2007.01.16
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パンはころころ 『あらすじ』むかしむかし、おじいさんがパンを作ってくれるようおばあさんに頼みました。けれど粉が無かったので、おばあさんは粉箱を引っかいて粉を集めてパンを焼き、窓の所で冷ましていました。パンは、ころころ転がって、部屋、庭、門をくぐり、広い世間へ出ていきました。そして野うさぎに出会います。「パン君あんたを食べちゃうぞ」と言う野うさぎに、パンは歌をうたって逃げ出します。狼や熊にも出会いますが、同じように歌をうたって逃げました。次にキツネにも歌をうたいました。キツネに褒められ調子にのったパンは用心なんか忘れて、キツネの言う通り、鼻の上で歌い、次に舌の上で歌い・・・このお話は、子供の頃に読んでもらった記憶があり印象に残っていたタイトルは違うけど、このお話を知っているという人は多いのではないかと思う。リズミカルな繰り返しの文章が出てくるので、普通に読んでもいいけど、歌をうたうように読んだり、早口で読んだり、いろいろ試してみると面白いと思うこの絵本は、他にも同じような本がたくさんある。登場人物(人や動物)がちょっと違ったり、転がっていく場所が違ったりしているけど、内容は同じもので、焼きてのパンが逃げていくというもの。そのタイトルを紹介すると・・・【おだんごぱん】・【ころころころパン】・【まるパンころころ】・【パンケーキのおはなし】・【しょうがパンぼうや】・【しょうがパンこぞう】他にもまだあると思う。【しょうがパンぼうや】の話は、丸いパンではなく人の形になっている。『子どもがいないおじいさん、おばあさんは、しょうがパンを人の形に焼いて子供にしようと考えます。ところが、焼きあがったしょうがパンのぼうやは逃げ出してしまいます・・・』と、こんな感じ。話の内容は、だいたい同じなので、パンの形や、登場人物、転がっていく場所、絵の描き方などで、子供が気に入る絵本を選んであげたい掲載しているような描き方の絵本もあるし、アニメ風に描かれたものもある
2006.11.24
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100万回生きたねこ『あらすじ』主人公は、100万回も死んで、100万回も生きたねこある時は王様のねこ。ある時は船乗りのねこ。ある時は泥棒のねこ。飼い主はみんなねこを可愛がり、ねこが死んだ時に泣きましたでもねこは、どの飼い主も大嫌いで、一度も泣きませんでした。ある時ねこは、誰のねこでもありませんでした。のらねこだったのです。初めて自分のねこになりましたそれから美しい白いねこと出逢い、ねこは白いねこのそばにいつまでもいましたやがて白いねこは、子ねこをたくさん生みました。ねこは、白いねこと、たくさんの子ねこが自分より好きになっていきました・・・生まれ変わるたびに飼い主から愛され、それでいて満たされずに百万回も生き返ってきた猫が、初めて自分以外の存在を愛せるようになったことで満たされ、ようやく永遠の眠りにつく事ができるというお話。11月11日に、【やさしいライオン】の絵本を紹介したその時、『絵本で泣くという事は、そうある事ではないと思う。』と書いた。でも、このお話も泣けるお話である読んだ事があって内容や結末を知っていても、もう1度読むと涙が出てくる。この日記を書きながら絵本を読み直した時、やはり涙が出てきた。【100万回生きたねこ】は、大人の為の絵本という気がする。
2006.11.17
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やさしいライオン『あらすじ』ある国の野外動物園に、みなしごライオンのブルブルがいました。 犬のムクムクがお母さん代わりになり、ブルブルをおんぶして 子守唄を聞かせたり、いろんなしつけをしたり。 ムクムクに育てられたブルブルは、やさしいライオンになりました。 大きくなったブルブルは、ある日都会の動物園に移される事になり、 年老いてきたムクムクと離れ離れになりました。 数年後、ブルブルはサーカスの人気者になりましたが、 夜になると思い出すのは、ムクムクの優しい子守唄。 ある夜、遠くの方であの懐かしい子守唄が聞こえたので ブルブルはものすごい力で檻を破って飛び出し・・・。『ある方の感想』アンパンマンの作者、やなせたかしさん作・絵の絵本です。母子の強い絆は感動的です。胸が締め付けられるような、とっても悲しい結末が待っています。こんな悲しいお話を子供に読み聞かせる事に躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現実にはこうした悲しい出来事が起きてしまうという事を子供に伝える事も、時には必要ではないかと思います。 この絵本は、深い愛情に包みこみながらそれを伝えられる優れた絵本です。私も、絵本を読みながら涙が出てきた絵本で泣くという事は、そうある事ではないと思う。幼稚園を辞めた後に買った絵本なので、子供達に読んであげた事はない。だから、この絵本に対して子供達がどんな反応をするのかわからない。自分の子供にぜひ読んであげたいと思う。最後のページに、『ブルブルの子守歌』の楽譜と歌詞が書いてある。幼稚園に勤めていた時だったら、きっとみんなで歌っていただろう(^-^)
2006.11.11
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がいこつのやかた久しぶりに絵本の紹介これは、仕掛け絵本になっている。子供達は仕掛け絵本が好きだし、特にお化けの仕掛けだと興奮しながら見てくれるただ、この絵本自体が小さめなので、大勢の子供達の前で読むにはちょっと無理があるかも実際、幼稚園で読んだ時に、後ろのほうの子供達には見えにくかったようだ。ページ数は少ししかないけど、お化けの仕掛けという事で、ちょっとした何か変わった事に子供達が気付き、それを一緒に話したり探したりしていると、結構長い時間この本で楽しめる幼稚園に勤めていた頃が懐かしくなってきた(^-^)
2006.11.07
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クリスマスの本クリスマスの本は、もうすでにたくさんあります。にもかかわらず、毎年、必ずまた何冊かクリスマスの本というのは出るものです。クリスマスは、“聖なる日”です。心が、しん、となる日です。だから、確かに極上の本の何%かは、必ずクリスマスの本で占められてしまいます。と同時に、だから、“節分”の本や“お正月”の本がたくさん作れないんだろうな、と思うな。クリスマスの本は、“行事”の本ではなく、“1年に1度、人々が自分を高く引き上げる日”の事を描く本なのです。 赤木かん子クリスマスまであと九日-セシのポサダの日セシのポサダの日なんじゃそりゃ・・・と思うよね。これはメキシコのお話で、“セシ”というのはメキシコの小さな女の子、“ポサダ”というのは、クリスマスの時の特別のパーティーの事です。九日間、毎晩違う家でするんだってこれは、もうセシも大きくなったからとお母さんが言って、1番最初のポサダを、セシの家で、つまりセシのポサダをやってもらうお話です。メキシコのクリスマスは日本のとだいぶ違うのよ。中が空洞になっている人形(セシのは星でしたが)の中にお菓子を詰めて飾り、子供達がそれを割ったりと、知らない事ばっかり出てきます。第一、雪が無い。でも、子供がそれを待ち望む気持ちは万国共通だし、セシが感じた幸福を、この絵本を読んだ日本の子供達も感じるだろうと思います。例え風習は違っても。クリスマスのつぼ上で紹介した【クリスマスまであと九日】は、メキシコのクリスマスの日を描いたものですが、あの話の中に出てくるつぼ、綺麗に飾って吊るし、最後に割ると、贈り物が出てくるあのつぼ、ピニャータのお話がこれです。主人公の、というのもおかしいけど、このつぼは初めからひび割れていました。だから誰も使ってくれず、人知れず嘆いていたわけです。それが、クリスマスのピニャータに使われる事になったわけで、とても簡単にですが、作り方も描いてあるから、やってみたい人は作れるよでまぁ、ピニャータは割られる事になってるもんでね、おしまいはゴミ捨て場に行ったんですが、驚いた事に、そこには、このつぼが昔、『立派だな』と思って憧れていたつぼも割れて来ていたの。誰だってちゃんと役に立ったんだよというこのつぼの哲学が、私(赤木かん子)はとても好きなんです。サンタ・クロースからの手紙これの作者、J・R・R・トールキンはもちろん、あの有名なモダン・ファンタジー『指輪物語』の作者です。彼は、ヨーロッパのありとあらゆる伝承・伝説を駆使して1つの国の歴史や言語まで創り上げた有能な学者ですが、その才能を使って、毎年クリスマスには自分の子供達に、サンタ・クロースからの手紙を書いて送っていたそうなんですそれもすごく震えた、いかにもサンタ・クロースが書きそうな字で、臨場感を出してね毎年毎年プレゼント作りを手伝っているヘマな北極ぐまが、今年は、はしごから落ちて足を折ったもので大変だったとか、屋根をぶち抜いて水浸しになったとか、風邪を引いたとか、たった1枚の手紙なんですが、それが実に面白いんですねこれは、その手紙の何枚かを復元して、裏に日本語に訳してあるものを封筒に入れてある、という仕掛け絵本で、プレゼントにもとても喜ばれると思います
2006.08.22
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NATURE科学の本というのは、今、何千冊と出ています。そうして物語の本と違って科学の本というのは、一応“事実”を描くわけですから、これはひどいね・・・というものはあまりありません。かといって、本当に面白い秀れた本というのもそうそうあるわけではなく、正直いって大多数の本はB+ってとこでしょう。おまけに科学の本というのは興味がありさえすれば、ほとんど年令も問いません。3才でも、好きな子はラテン名のついた分厚い昆虫図鑑を愛読書にしています。なかなか、ね、自分の好きじゃないジャンルのど真ん中には着地しにくいもんだものね。というわけで、もちろんこれは氷山の一角です。おもしろいな、と思ったら、それぞれご自分の愛せる科学の本を探しにいってください 赤木かん子生物の消えた島今から100年ほど前に、南の小さな島の火山が爆発し、その為にその島は生きているものは何にもいない、死の島になった、という事がありました。でね、世界中の生物学者がこの島に興味を持ったそりゃ、天然の実験室をもらったようなものでしょうというわけで、科学者達は、この100年間、時々この島を訪問し、いつどんな草が生え、鳥が住みつき、動物が増え、交替していったかを細かく観察し、記録をつけてきたのです。この絵本は、それを実に魅力的に解説してくれています。この絵本にはね、大抵の大人がつりこまれると思うよ。“生物学”なんて、全然興味のないような人でもねそれだけ人間て、好奇心の強い生き物なんでしょう。かつ、この魅力の功績は、描いた松岡達英さんにあります日本が生んだ科学絵本界の鬼才だと私(赤木かん子)は思ってます。地球からの手紙(絶版になっているので入手困難)これは毎年行なわれている『全英子ども手紙コンクール』(そういうのがあるんだって)で、1993年に小学校上級の部で第1位になった作品です。それが、たまたまお父さんの仕事の都合でイギリスに住んでいる日本人の井本由紀さん・12才だったので、こうして本になった・・・というわけです。課題が【解放】だったので、井本さんは、“地球を守ろう”をテーマに、火星査察官協会会長のマナー氏が地球に査察にやってきて、地球人は地球を破壊しているので、我々が支配して管理したほうがよい、という報告書を火星の大統領に出す、という、とても奇抜な手紙を書きました。それが31万6千通の中で1番になったというわけです。うん、とても上手だよ特に子どもにはウケると思うな。それを絵本仕立てにしたわけですが、絵をつけている仲條正義氏の絵も、とてもいいです
2006.08.07
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読み聞かせの本 Part2前日の続きいたずらきかんしゃちゅうちゅうこの絵本は、1961年に出版された時からずっと、児童図書館員だったら知らぬ者のない基本図書ですでも、基本図書を入れたらそれだけでこの本(絵本・子どもの本総解説第3版)1冊パンクしちゃうからね1度はこれは省こうと思ったのですが、この前、とある児童図書専門店で5才くらいの男の子が、『これにする』と、【いたずらきかんしゃちゅうちゅう】を手に取ったところ、お母さんが、『こんな色も付いてない汚い本やめなさい』と言って取り上げる、という、とてもショッキングな事件に出くわしましたので、大急ぎで入れる事にいたしました古くから定評のある本が必ずしも秀れた本とは限らないし(ホントよ)時代遅れで使えなくなる本もたくさんありますが、この人には本を見る眼がないのですそうしてそれよりも、子どもが、『これがいい』と言ったものを自分が気に入らないという理由で取り上げる・・・これは大変な侮辱です・・・その子と、芸術への・・・ひとまねこざる改版ひとまねこざる 大型絵本ずーっと日本の子ども達の心の友だった【おさるのジョージ】も、最近はあまり出なくなりました。やっぱりね、もう絵が少~し古いからねでも、もし読んでやって当たったら(その子が喜んだらという事です)めっけものですおさるのジョージは、黄色い帽子のおじさんに、赤の他人なのに可愛がられて、くったくなくいたずらしてまわれるんですから・・・。こういう安定した世界が1つでもあると楽です。子どもは昼間傷つく事があると、たいてい長い本を持ってきます。親に長いことそばにいてほしいからです。“ジョージ”は、どれも40分以上かかるので、親は本当に大変ですが、もしその安定した世界に入りこめて癒され、バランスを取り戻せるのなら、それだけの値打ちはあるでしょうもちろん、本だけではダメな時もあります。そしたら本なんか放り出して抱っこしてやって下さい長くつ下のピッピ改版えっ、これって自分で読んで楽しむ本じゃなかったのと思われる方もいるでしょう。そうなんです。これが発売された当時は、このタイプの本は、小学校5,6年の人が自分でぐいぐい読んで楽しい本でした・・・“でした”というのは、少しでも子どもの本に関わっている人は誰でもご存知の通り、今、こういう本は、かなりの本好き以外の子は手を出してくれないからですでも、日本がこの30年間でどのくらい変わったかを考えたら・・・本だって変わるのは当たり前でしょう今時、日本の5年生で、サーカスに行ってゾウを持ち上げたい、と思う人がどれだけいるでしょうゾウを持ち上げたい、とまだ思える人達、5,6,7才ってとこかな・・・の本になりました。という事は自分で読めない、という事です。よろしくね
2006.07.31
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読み聞かせの本 Part1ここにあげたのは、誰か大人の人(もしくは大きい人)に、声に出して読んでもらう為の本です。つまりね、中味は4,5才向けなのに本が厚いの字が小さいの漢字がいっぱい使ってあるのだから、読んでもらえないと楽しめない本達なんです基本的に本というものは、声に出して読んであげるものです、子どもには・・・。厚い本を毎晩1章ずつ読んでいくのも、好みの本にぶつかったら楽しいものよ本には何才でも(3才から死ぬまで)関係ないものと、“旬”のあるものとがあって、そういう本の中には、自力で読めるようになった時には、もうつまらなくなっているというものがあるんです。どうそ、『もう大きいんだから自分で・・・』と言わないで下さいね(^-^) 赤木かん子なん者ひなた丸ねことんの術の巻今、小学生の特に男の子達にぜひ読んでやっていただきたいのが、この斉藤洋の【なん者ひなた丸】シリーズですもちろん自分でぐいぐい読めるんならいっこうにそれで構わないけど、寝る前に親にくっついて面白い本を読んでもらって、くっくって笑えるのって至福でしょひなた丸は忍者の里の子でまだ見習いです。もう引退したおじいちゃんに術を教えてもらって、一生懸命練習してできる頃になると仕事が舞い込む・・・中堅忍者であるおじさんやお父さんは忙しくて出払っているので、おじいちゃんは危険はないな、と念をおしてひなた丸を行かせてくれます。ところがどっこい問題が起きて・・・でも、あら不思議ひなた丸が、この前習った術を使うと窮地を抜け出せるのよね。本当にピンチになったら、絶対にお父さんが助けに来てくれる安心感と、習った事がすぐに役立つこの快感は子どもの夢でしょうくまのテディ・ロビンソン子どもの本の中には大人の本と違い、年齢的な“旬”がある本があります。ある時期に読むとメチャメチャ面白いのに、それをハズすと、ダメっていう本がね。これはどっちかというと旬のある本で、しかも自力で読めるようになる時にはもうすでに遅い・・・ので、どうしても、誰かに読んでもらわなくちゃならない本です。これは、デボラという女の子のくまのぬいぐるみテディ・ロビンソンのお話ですが、年齢的な目安としては、テディ・ロビンソンが、あっちこっち無器用に失敗するのを、『バッカでぇ、ボクはもうあんな事しないもんね~』という暖かい優越感をもって見守る事ができる年令、つまり6,7,8才というところでしょう。その年を過ぎちゃうと、もうそんな“赤ちゃん”ぽい事は、つまんなくなっちゃうからね。三だいの機関車子ども達、特に男の子の中には、もの凄く、電車、機関車、恐竜などにハマり込む子がいます。そうなると、その手の本はいくらでも欲しいので、頼りは図書館だって、全部買ってあげられないもんね(^-^;そういう中で、1949年という昔に出され、日本でも1973年に出版されて以来、この【機関車トーマス】のシリーズは、機関車好きの子ども達の強い味方そうして親御さん達には不平のタネでしただって長いんだもんそれに自分があまり興味がなくて、おまけに何十冊もあるのを繰り返し読まされるほうにとっちゃ、そりゃ、難行苦行のタネにしかなんないでしょうでもね、それだけ読まれるには、やっぱり理由があるんだ登場する乗り物すべてに名前があって、人格があって、お話が面白いんですせがまれてるうちが華、ですよどうぞできるだけ読んでやって下さい(^-^)
2006.07.30
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小さな人達の為の言葉の本小さい人には、『言語』なんて難しいもんはわかんないよ、と思ってる大人が多いかもしれませんが、どうしてどうして、彼らは大人よりずっと、言語、音、その言葉がかもし出す雰囲気に敏感ですだって、なんたって向こうは言語習得期なんだからね24時間、耳をすまして言語訓練をしてるようなものです。私(赤木かん子)自身が好きだから、そう思うのかもしれないけど、(だから、こういう職業に就いたんだけど)言葉って面白いんだよねこういう本は、まだあると思うから、自分で探してみるのも一興。そうして、この事に関しては、もうすっかり感覚が鈍くなってしまった大人より、子ども達のほうが、はるかに敏感で腕がいいですから、子どもと一緒に、というか子どもに教えてもらうほうがお得です。ではどうぞ、言葉を口の中で転がす楽しさを味わってください 赤木かん子ベーコンわすれちゃだめよ!これは伝言ゲームの変形です。昔よくやりませんでしたか?前の人から順番に長い文章を伝えていくっていう遊び。今の子は、やんないのかなぁそういえば、やってるとこ最近見てないねぇ。お母さんから、『産みたて玉子を6個と、お茶にいただくケーキ、梨をひとやま、それからベーコンお願いね』という、お使いを言いつかった男の子は、忘れないように道々繰り返しながら行くんですが、それが次々に何か目にするたびに変わってっちゃうの子ども達は、たいてい全ページのセリフを覚えてしまって、買う物が変わっていくのを楽しみますそれと最後のオチとっても最高のオチがついてるんですが、これはやはり思いっきり大声で叫ぶのがよろしいでしょううそつきのつきこれはね、ダジャレの絵本です。どのページにも、『このおじさんは笑いません』というおじさんが立っててね。それに、しかつめらしく、『ニワトリが二羽、トリをかっていても』とか、『木になるキリンが気になるキリンがいても』とか言うのが続くの。ま、そういうわけで、この絵本は、ウケる人には、とてもウケるでありましょうこの笑わないおじさんは誰かという謎も最後には解明されます絵のほうは、荒井良二氏ですから、当然のように、『今』の絵です。だから、中・高校生も、『こんな絵本、子どもっぽいよ』なんて言わずに見てくれて、笑ってくれるでしょう。
2006.07.23
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近頃なんだかイライラしてる事ってありませんかそういう時ってね、お腹の底から思いっきり大きな声でわめくと、案外気が晴れるもんだよそこまでいかなくても、体中使って大きな声を出すっていうその事が、快感なんだろうなって事は、日頃、子ども達を見てればわかりますよねでも最近は、『大きな声を出してごらん』と言われても、どうしていいかわからない子ども達もたくさんいますもちろん、生まれつき物静かな性質の子もいますけど、伸びようとする生命エネルギーを閉じ込められれば、当然、体の調子は悪くなりますまぁ、時と場所を考えてセッティングしなくてはいけませんが、時々は、思いっきりわめいたり叫んだり、子どもができる場所を作るのも、あるいは親子でやってみるのもよろしいんじゃないでしょうか 赤木かん子おねしょの名人これは化学系の絵本です。親が知っといて、というよりぜひ知っておいたほうがいい1冊、だと思いますもちろん、子どもが読んだっていいんだよむしろ、それ用に描かれて、作られているんですから。でも、子ども用の科学の絵本て、とても初歩的な事をわかりやすく解説してくれてるけど、大人だってそんな事知らないって事がいっぱいあります。そうしてその中には、子どもを育てるのに必要な知識もあったりするんです子どもは、なぜおねしょをするのか、説明できる大人って少ないでしょそうして、わかれば怒らなくってもすむんです森のようちえんこれは物語ではなくて、フォト・ドキュメンタリー絵本です。デンマークには、初めから建物を持たないで、毎日森に遊びに行くという、『森のようちえん』があるそうで、この発想っていいよねもちろん、森にはバスで送り迎えされるし、先生達もつきます。子ども達は慣れたもので、落ち着いて森の中に散らばって、ゆうゆうと遊び始め、時には丸太に腰かけて、先生が話してくれる物語を聞き、お昼になれば、みんなで楽しくお弁当を食べます。日本では、まず建物や器から入ろうとする傾向がありますが、幼稚園が何の為にあるかを考えたら・・・これはいい方法です。精神だけでもマネしたいね
2006.07.17
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図書館で、おじいちゃんとおばあちゃんが出てくる絵本を集めようとしたら・・・きっと300や400は軽く集まるでしょう。そのくらい、今『老人の絵本』はたくさん出ています。本当の事を言えば、このジャンル(老人)は、大人の本に関しても、まだまだだ、と私(赤木かん子)は思っています。出てくるのも、ほとんどおじいちゃん(男性)で、おばあちゃんが少ないです。それに何を伝えたいのかもワンパターン。そんな中から、おっこれはと思うものを選びました。パターンはパターンでも、きちんと真正面から逃げずに描いているものと、これは新しい切り口だというものを・・・。20代、30代、40代が変化しているように、70代、80代だって変化しているのです。そうして、この『老人問題』というジャンルの文学(フィクション以外ね)では、今のところ、児童文学が1番数も多く、レベルも高いものがそろっていると思います。 赤木かん子おばあちゃん GRANDMAおばあちゃん日本の本には、本当の事が書いてある本が少ないです。特に子どもの本や絵本には少ない本当の事が書ける人も少ないし、本当の事を書くと、たいてい売れないからです。だから、このシリーズを見た時は本当に驚いた日本でこんな絵本が作れるなんて思わなかったから。この【おばあちゃん】はボケ老人です。“昔は美人だった”おばあちゃんも、今はお母さんに“泥棒”と言ったりします。お母さんは時々泣いて、“ぼく”が、おばあちゃんなんか死んじゃえばいい、と言うと黙ってしまいます。“ぼく”は、おばあちゃんは宇宙人だ、と思います。宇宙人と人間が一緒に暮らすのは難しい・・・でも、お父さんもお母さんも、ぼくもいつかは宇宙人になる。。。おためごかしはここにはありません。上段の本は入手困難らしい下段の本に【おばあちゃん】を含めた入手困難な本【ひとり】【せんそうごっこ】が入っているおばあちゃんのたんじょう日ばこ一読して、おぃおぃ、これホントに子どもの本と、つぶやきたくなる1冊です。でも主人公は、7,8才のマイケル坊やで、彼の目の高さで書いてあるんだから、確かに子どもの本ではあるんだけどね。マイケルの家には100才のデューおばあさんがいます。お父さんがみなしごになった時に引き取ったのです。でも1軒の家に女2人がいるのは難しい特にマイケルのお母さんは今の若い世代で、包容力がありません。彼女はかまうべき時にかまわず、かまってはいけない時にかまい、そうしてイライラして泣くのです。未成熟な母親よりマイケルのほうが、ずっと事態を理解しているんですが、それを説明すればするほどお母さんは息子まで自分の味方ではないと思いヒステリーを起こします。日本の3,40代の女性にぜひ読んでいただきたい1冊ですおばあちゃんをすてちゃいやだ!!パキスタンの昔話だそうです。ある時、ターリックという男の子のお父さんが木のベッドを作り始めたので、どうするのかターリックが聞いたところ、働けなくなったおばあさんを砂漠に捨てにいく為に作っているのだ、と、お父さんは答えました。ターリックが、おばあさんを捨てちゃ嫌だ、と泣くと、お父さんは、この村はそういうしきたりになっているので仕方がないのだ、と答えたのですが、それなら僕にもベッドの作り方を見せてくれ、僕がお父さんを捨てに行く時の為に・・・と、ターリックが言うと、お父さんは顔色を変えて村中を説得して、それから年寄りを捨てずに仲良く暮らすようになった、というお話です。う~む・・・でしょで、これまた絵が凄いんだ。止揚学園という知的障害のハウスの人が描いたものですが、実によく本質を伝えてくる絵です
2006.07.11
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よく、『自分の考えている事をきちんと言える個性的な子どもがいいですね~』なんて事をおっしゃってる親御さんや先生にお会いしますが、その時私が思うのは、『え?ホントにそう思ってんの、ホントに?だって個性的な子どもがいたら大変だよ、実力がなきゃとても付き合っていけないよ』という事です。もちろん、これはお腹の中だけでしか言いませんが・・・。もし・・・もしあなたが本気でそう思っていらっしゃるんでしたら、どうぞその信念と食い違うような言動はやめてくださいね。まあ、何でもかんでも人と変わっていればいい、というわけでもありませんが、子どもにとって一番大変なのは、言ってる事とやってる事が正反対なのに、ご本人はきわめて無邪気に一致している、と信じてる大人とケンカする事なんですから。。。 赤木かん子ぼくどこからきたの?ハンディ版掛け値なし、うそっこなしの本当の話・・・の性教育の絵本です。性教育の本でおすすめできるものって、本当に少ないのですが、これはよくできています丸っこくて、でも子どもっぽくない、カッコイイ都会的なイラストに、本当に本当の話が語られています。そうして1番凄いのは、SEXは気持ちがよくて楽しい事なんだ、と言っている事です。これを言ってる性教育の本て少ないんだよ。小学生用ですが大人も読んだほうがいいでしょう。オリバーくんオリバーは可愛いふくろうの子。オリバーはおしばいするのが大好きそして上手なのです。感激したママはオリバーに、演技やタップダンスの勉強をさせてやりました。この子の才能を伸ばしてやらなくっちゃでもパパは反対。パパは医者か弁護士が好みです。でもオリバーはその勉強も、ちゃーんとやってのけましたママもパパも、もちろん大満足で、オリバーが結局何になったかというと・・・それは読んでのお楽しみと言っても、あなたが声をあげて笑うか赤面するか、そのどっちになるかは・・・(たいていどっちかになると思いますが)子どもを育てるのに、“親バカ”は絶対必要です。でも、親バカにも質のいいのと悪いのとあって、悪いほうは、うっかり子どもが弱かったりしたら、その子をつぶしてしまいます。ご用心、ご用心せかい一わるいかいじゅう世界一悪い怪獣なーんのこっちゃと思うでしょうが、これは歩き出した頃の赤ん坊の事と言ったら、あぁと思いあたられるでしょう。でまあ、この一家をね、本当に怪物の一族に描いちゃうとこが、ハッチンス(作家)の腕のいいところなんですよねそして、ここで一番凄いのはおばあちゃんなんせ台所を引っかきまわし、二階まで足跡だらけにし、部屋の中もお風呂の中も、ぐちゃぐちゃにされても、このおばあちゃんときたら、『まあ、見てごらんこの子ったら、もうこういう事ができるようになったんですよ、凄いわねえ、偉いわねえ』の一点張りなんだから。よく考えりゃ実際はそうなんですがね。赤ん坊に悪気は無いし、向こうは存分に、ただ楽しい事をしてるだけなんだからわめき出したくなったら、精神安定剤に、この本をどうぞ続編もあります。
2006.07.05
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親がドキッとする本絵本というのは、みんな小さい子ども向けなのだと思っている方もいらっしゃると思いますが、最近は、そうでないものもたくさん出ています絵本というのは、ただ単に製本のひとつの形式であって、その内容や読み手を特定するものではないんです。というより、これは、その製本の形式を利用した新しいひとつのジャンルなのだといってもいいでしょう。というわけで、チラッとこの手の本ものぞいてみてください。思わず大人がギクッ(・・;)となるものも・・・なかにはあるんですよねぇ 赤木かん子おかえりなさいスポッティ白ウサギの一家に、一匹だけ茶色い斑点のあるスポッティが生まれると・・・このお母さん、動揺しちゃうんだもの。なんと最初の言葉がよ・・・『そんな子どもが生まれた事を知ったら、おじいさんは嫌がるかもしれないわ。かわいそうなスポッティ』って言うのよ。おじいさんが・・・ではなく、嫌がってるのはお母さん自身他の子達はスポッティの事を何とも思ってないのに、家の中へ差別と偏見を持ち込むのは、このお母さん自身なんだそのお母さんの反応を見て驚いた子どもたちが、『ねえ、スポッティってヘンなの?』と聞くと、『バカな事言うんじゃありません』って言いながら、スポッティを変だと思ってるのは自分なんだもんね。そして、おじいさんの誕生日にスポッティだけ置いていく、という罪つくりをします。当然スポッティは悲しむだから愛するお母さんの為に家出するわけ。僕がいないほうが、お母さんは平和なんだと思って。運がいい事に、なんと茶色い斑点のある一家に、たった一匹だけ白ウサギとして生まれたお嬢さんと出会うんですそこの家で嘆いてるのはお父さんウサギ。この本のとっても凄いとこは、この差別された子ども達が、親にこれだけ否定されてるにもかかわらず、しっかりと自分を創り上げてる事です。で、もちろんこのお話では、この二家族は知り合いになり、親二人とも改心して、めでたし、めでたしとなりますが、現実には、とてもこうはいかないのも事実です親達が自分の偏見にしがみつくのには、それなりの理由があるわけで、それを手放させるのは至難の技です。くれぐれも、こういうバカなまねはなさいませんように・・・。ゆんぼくん(1)これはジャンルとしてはマンガですが、西原理恵子の絵はどっちかというと絵本の絵に近く、しかもとても叙情的なので、マンガを読み慣れていない人でも大丈夫でしょうおまけにほぼ四コママンガだし。これは両親を憎んで家出した子が、やがて未婚の母になって“ゆんぼくん”という男の子を育てる話ですが、この母ちゃん、迷いは絶えずありますが、ハンパでなく度胸がすわってる年頃になって初めて家出したゆんぼくんが家に電話かけると、“この番号は、ただ今使われておりません”と言い返すだけ強いし、遊び心もあるし、洞察力もある彼女はね、いつかゆんぼは大きくなるんだって自分に言い聞かせながら暮らしていて、そうして、ちゃんと必要な時が来たら子離れするんだよ。子どもを育てるのに本当に大事な事は少ししかない。特に男の子を育ててる女の人にぜひ読んでほしいですなみにきをつけて、シャーリー改訂新版お父さんとお母さんとシャーリーは、3人で水遊びに海辺に来たのです。ところが、書いてあるセリフは実にみごとに1行残らずお母さんのおこごといわく、『水は冷たくて、とても泳げないわよ』『新しいくつをタールで汚しちゃダメよ』etc。。。左ページの水彩は現実・・・デッキチェアを出してお母さんは編み物、お父さんは昼寝右ページの油絵はシャーリーの空想・・・1人でつまんないシャーリーは海賊船に乗り込み、丁々発止のチャンバラのあげく、宝島の地図を持ってボートで小島へ・・・この両親には悪気はありません。でも、おそらく1人っ子のシャーリーが、子ども1人でぽつんと海辺に放っておかれてもつまんないんじゃなかろうか、とは想像できない人達です。娘の友達も4,5人一緒に連れてきて・・・などとは思わないのです。たまの休みだもの、家族水入らずで・・・なのでしょう。でも、だったら自分達が遊んでやろう、かまってやろう、とも思わないのです。この絵本の裏には4才から、とありますが、4才でこの絵本に共感するなんて悲劇だよ高校生にはメチャクチャウケました『こういう親って、いっぱいいるよね~』だそうです(^-^;この絵本を、『でも子どもってたくましいわね、親はバカでも子どもは育つんだから。。。』と大人達が自分に都合よく解釈して欲しくない、というのが私(赤木かん子)の願いです。
2006.06.28
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1日を幸福に過ごした子どもにとって1番イヤな時間は、ご飯も食べてお風呂にも入って、さあ、もう寝なさい、と言われる時でしょう。実際おやすみ前の優雅なひととき、というのは早く寝かせたい親と、1秒でも長く起きていたい子どもとの、熾烈(しれつ)な戦いの連続です。まだ寝たくないと言って、何のかんのと理由をつける、それが単なるわがままなのか甘ったれなのか、それとも深刻な愛情不足なのか・・・やっている事は同じでも、その中身は下手をすると天と地ほども違うのです。どうぞそういう事に敏感に感づいて、もし傷ついていたならその日のうちにその傷を癒してやって下さいますように・・・。赤川次郎がいみじくも言っているように“子どもは親に、悩みをあずけて眠る・・・”ものなんですから・・・。つきよのかいじゅうこちらは日本の絵本の代表的作家、長新太。これもね“え・ほ・ん”の持っているおもしろみ、楽しさをめいっぱい使いこなした絵本だよなにせ、どのページも大きな湖のそばで、かいじゅうが出てくる瞬間を待ち望んで、テントを張ってカメラを立ててる男、という構図で、全ページほとんど同じ絵、というおっそろしい絵本なんだから・・・めくっていくうちに、少しずつ、少しずつ湖から何かが出てきて・・・こういうのってさ、ドキドキワクワクするじゃないでもってそれが何か、めくってわかった瞬間、ブハハハッ、と思わず吹き出してしまうのです。だから人前では決して読まないよーにホントだよっシンダー・エリー“シンデレラ”の現代パロディーです。舞台は現代のニューヨーク・・・いじわるねえさんが2人いるところまではおんなじですが、なんせ今ですからね。宮廷の舞踏会はバスケットの試合。愛するプリンスは学校一人気のバスケットの選手。ドレスもキンキラTシャツにミニスカート。ガラスのスニーカーかぼちゃの馬車はゴミバケツを変えた自転車性格も強気。プリンスが彼女に見とれてミスをすると、ちゃんと前むいてと叫びます。ユニークなアイデアにポップなビジュアル。こういうことも絵本でできるんです。おやすみなさいフランシス可愛いあらいぐま()の女の子、フランシスは5才くらいかな『私の部屋に大男がいる』『天井のひびから何か入ってくるわ』何のかんのとお父さんぐまに言いに来て、なかなか寝ようとしません。でもさ、このお父さんぐまって偉い『そうかいじゃあ、大男に何の用事だか聞いておいで』『じゃ、お前は歯を磨いておいで、お父さんが見てきてあげるから』イラついて怒鳴ったりせずに、きちんと受け答えしてくれるの甘える子どもに『うるさい、さっさと寝なさい』って怒ったりせずに、きちんと応えていく、このお父さんぐまって・・・なかなかの男だよ声に出して読んでいくと30分近くかかりますが、なんとなく淋しくて少し長くかまってもらいたい時には、子どもは長い本を持ってくるものです。どうぞ、嫌がらずに読んであげて下さいうさぎさんてつだってほしいの女の子が成長するって・・・お母さんの誕生日プレゼント選びを手伝ってくれる、森ののっぽのうさぎさんてね、むくむくっとした可愛いうさぎさんじゃないの。足なんてこう、すらっと長くて小粋に組んじゃってさ、そこまで深読みすんのって・・・とも思うけど、どーっか危険な匂いのする、ダンディな色男純真無垢な女の子が近寄ったら恐い相手ですよ~みたいなカンジなのよね~、別にいいけど。プレゼント選びは無難に片付いてお家に帰る。そうして、うさぎさんの事を無邪気に話すでしょう。で、聞かされたお母さんのほうは、自分も覚えがあるのか無いのか、ちょっとギクッとする。でも動揺を押し隠して、そう、よかったわね、なーんてさりげなく言うの。誰だって成長しなくちゃいけないんだし、いつまでも温室暮らしはできないんだから・・・。当然そこまで描いてないけど、時々お話のその後まで想像しちゃう本ってあるのよね。もちろん、森の優しいうさぎさんが助けてくれたの・・・というようにフツーに受け取ったって、ちっとも構わないんですこの本は・・・。ジョゼフのにわ改訂子育て真っ最中の大人の方にも、ぜひ主人公はジョゼフという男の子。彼の住んでいるコンクリートの家の周りには綺麗なものは何にもありません。草も虫も鳥も猫もいないの。錆びたガラクタだけ。ところが、ジョゼフがそのガラクタをくずやさんにあげたら、おじさんが花の苗木をくれたのよ。ジョゼフは石だたみを1枚はがして苗を植え、大事にしたんですが、花が咲いて、その花があんまり綺麗だったので、折って飾ってしまったの。当然、花は枯れるでしょ次の年ジョゼフは、その花に虫や鳥がやって来るのを見て、ダメにされやしないかと思って上着をかけてやって・・・太陽も雨もしめだされた花は、また枯れてしまったんです自分に必要なものが相手にも必要だとは限らない。大事にし過ぎて潰してしまうって事もあるわけだよね。
2006.06.25
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絵本・子どもの本総解説第3版大人を愛しているすべての子どもたちと子どもを愛しているすべての大人たちへどうぞ今宵一晩、安らかに眠れますように・・・読んで欲しい、読んであげたい、一緒に読みたい子供の本子どもの本のブックガイドで親子のためのガイドブックこの本は、“悩める親御さんたち”および“悩める児童図書館員、教師、幼稚園や保育園のかたがた”その他、本を読んでおもしろい思いをしたい、というすべてのかたたちのために書かせていただきました。親御さんたちに、これは心からのお願いですが、子どもたちが『好き』といって抱きしめた本を、自分が気に入らない、もしくは悪い本だと誰かがいっていた・・・ということで、取り上げるようなことはなさらないでください。 赤木かん子懐かしい本や知らない本など、447冊の本を紹介してある。紹介文を読んで、この絵本はいいなと思ったものや、心に残った言葉をピックアップしてみた本の紹介の文章は赤木さんの言葉をそのまま抜粋。紹介文は、もっと長めに書いてあるが、そのまま全部書くとかなり長くなるので、短めにまとめた。。。でも長くなった(^-^;ジムとまめの木【ジャックと豆の木】ではなく【ジムとまめの木】ジャックと違ってジムは豆をまかずに巨大な豆の木を見つけて登り、同じように巨人に会ったのですが、その巨人は年をとって歯がぬけて、ハゲでおまけに目も悪くなって好きな本も読めないと嘆いて生きる気力をなくしかけていたんですね(ちなみにこの巨人はジャックの時の巨人の息子だそうです)ジムはその巨人に下界でカツラや入れ歯やメガネを特注で作ってきてやってですね、生きる気力をとりもどさせて、ちゃんと金貨を1枚もらうんですぶたぶたくんのおかいものこの【ぶたぶたくんのおかいもの】はですね、おそらく、福音館・・・ここ三十年間、優れた絵本をつぎつぎ出版してくれて、いまの絵本の黄金時代をつくってくれた福音館の、その何千点という絵本のなかでも、最大の傑作といえるんじゃないでしょうか。ぶたぶたくんがおつかいを頼まれるというよくあるパターンなんだけど。。。パン屋さんは背景になんと富士山をしょってる・・・。でもって売ってるおじさんもどこの国の人かわかんないし、並べてあるパンがまた、顔付きパン、というわけのわかんない怖いパンなのよね~。この奇妙に胃袋がねじれたような気がする絵本は、わけはわかりませんが、でも、読んだあと、とても深く深く満足できますぜひ、子どもであるうちに出会わせてあげたい名作スヌーピーのゆうびんやさんこれは誰でも知ってるスヌーピーの絵本5セントで心の相談室をやっていたルーシーが、あまりにも相談が多いのにウンザリして、チャーリー・ブラウンに手紙の返事を押し付けていってしまいます。というわけで、こまったチャーリー・ブラウンのかわりにスヌーピーが返事を書いて、ウッドストックが配達した手紙が全部で5通封筒に入っていて、手紙だけ取り出せる仕掛けです。子どもって、こういうの大好きなんですよねにんげんってたいへんだねこぐまのテッドは、ある日、こぐまでいることにあきました。毎日ハチミツをたべて、川で遊ぶだけの人生にね。魔法が使えるとしよりぐまが何になりたいか聞くと、答えは『人間』人間になるためには、お風呂に入ったり洋服を着たり、くつをはいたり、ごはんを食べる時にはスプーンやフォークを使わなくちゃならないし、おまけに学校ってとこへも行かなくちゃなんないんだ、という説明をし、テッドはだんだん心細くなります。大人にとっては簡単なことでも、子どもにとっては違うんだよね、ということを笑いながら痛感させられ、これでしばらくは子どもに怒る回数が減るかな、という気分になります。まったく・・・頭ではわかっちゃいるんだけどね。どろんここぶたもしこの【どろんここぶた】を読んで、うふふふと笑えるのなら、たぶんあなたは幸せな人でしょう。幸福というものはどういうものか知っていて、しかも他人に何かを強制しない人です・・・自分の幸福のために。だって、こぶたはね、どろんこが好きなんだもの、気持ちがいいんだよ他人がみて、あ、汚くて気持ち悪いだろうな、と思うのは勝手だけど、ホントのとこ、本人はすっごく気持ちいいんだよ人を幸福にしたいなら、その人が幸福だと思うようなやりかたですることですあなたが望むやりかたではなく
2006.06.24
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ぐりとぐらぐりとぐらのおきゃくさまぐりとぐらのかいすいよくぐりとぐらのえんそくぐりとぐらとくるりくらぐりとぐらの1ねんかん1963年に『こどものとも』誌上で発表されて以来、日本だけでなく世界各国で愛され続ける、ふたごの野ネズミ“ぐり”と“ぐら”その時のお話は、【たまご】というタイトルだった。雑誌『母の友』に、読み聞かせのための物語として掲載された。ぐりとぐらシリーズは、上の6冊以外にもある私が持っているのは、この6冊
2006.06.21
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夜の長い叫び 上/森瑶子夜の長い叫び 下/森瑶子優しくしないで、甘やかさないで。別れが透けて見えるいまは・・・・・・。ささやかな嘘を重ねながら生きていく男たち、女たち。そして、それに気づきながら、物わかりのよい妻を、夫を、愛人を演じている優しいパートナーたち。ある日、その嘘の重さに、演技の切なさに耐えきれなくなった時、彼らは・・・・・・。魅力的な3人の女性を中心に、複雑に絡みあう人間模様を通して、現代の孤独の深さを見つめた長編恋愛小説。 ↑本の帯より本の帯に、“NHKテレビドラマ化”と書いてあるけど、検索したら1989年らしいので、17年前という事になる。恋愛小説だけど殺人事件もあったりする。この本を検索してる時に本の紹介として、『ミステリーとして読むと、やや不満が残る終わり方かもしれないが、人間を描いたものだと思えば満足感を得られる、そんな一冊。ミステリーを軸にした、人間ドラマ。犯罪に焦点をあてたようでいて、数多い登場人物それぞれの人間像を掘り下げることに成功している。誰か一人の視点や心情描写に偏りすぎることがない。』と書いてあった。私も読んでみてそんな感じを受けた主人公が一人ではなく数人いて、一人一人が中心人物。別々の違った世界で生きているようで実は、みんな何かの関係で結びついている。最後の終わり方にしても珍しい終わり方だと思う。6月9日の日記←ここに書いている、本から抜粋した桜の話は、この本からの抜粋向かって左の画像は私が持っている本を撮ったもの。上下巻が一緒になっている。真ん中(上巻)と右側(下巻)は検索したもの。その下の文字の部分だけ商品ページに飛びます。商品ページのは古本です。検索している時にオークションも見つけたけど、今のところ1円でした(^▽^)
2006.06.14
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ゾーヴァの箱舟魅惑の動物寓話画集ミヒャエル・ゾーヴァの不思議な小宇宙の住民に出会える画:ミヒャエル・ゾーヴァ 序:那須田 淳↓不思議な小宇宙について 那須田 淳ゾーヴァに、彼の絵のその特徴について直接きいてみたことがある。するとゾーヴァは、ちょっと照れくさそうに笑って言った。「絵はただの絵です」彼は、小説を読んだり、散歩をしていて何かを見たりしてアイデアを得て、彼なりに想像を膨らませながら絵を描いているという。だから、僕たちが目にしているのは、彼の物語の中のワンシーンに過ぎない。ゾーヴァの絵が一見、静かでありながら、何かしら躍動感にあふれているのもそのせいだろう。言ってみれば、ポーズボタンを押して、ある場面を見ているだけなのである。でも、想像というのは、自分の心と向き合うきわめて個人的な作業だと、僕は思う。その意味では、ゾーヴァの絵は、ゾーヴァの心の小宇宙と、見る側の心の小宇宙の出会いの場なのである。数学の集合の、ちょうど重なり合っている部分のようなものだ。ドアといってもいい。そのドアである一枚の絵を通じて、ゾーヴァの小宇宙の住民たちがこちらにやってくるのだ。空飛ぶペンギン、疾走する豚、コンピューターを操る羊たち・・・・・・。それは、とても素敵なことなんじゃないかと思う。この世界の住民が多ければ多いほど、人生は豊かになるにちがいないのだから。もちろん、僕たちの心の小宇宙にも住まうものはたくさんいるだろう。日々の暮らしの中ではなかなか気がつかないだけで。↑那須田 淳さんが書いておられる一部を抜粋。ネットで本を見ていて、表紙の絵とタイトルで購入した物語だと思っていたら、絵と、その絵に付けられた一行の文だけだった。那須田さんが書いておられるように、一見、静かでありながら、何かしら躍動感にあふれている絵。躍動感にあふれているけど、その絵を見ていると、心が和んだり、ゆったりした落ち着いた気持ちになれる
2006.06.10
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劇的に逆転する一人の女の半生のドラマ――今度の事件が、十六年前の事件そのままに進んでいるのも、それが斐子(あやこ)の従わなければならない運命の儀式だからではないのか・・・・・・根拠はない。だが、明日の夜、今の事務所の電話が鳴るその音を待っている自分に彩木は気づいた。一昨日、川口の喫茶店で斐子は今度の事件で彩木に迷惑をかけることはないと言った。だが違う。斐子はまだ俺を騙している。そうして明日の夜に電話をかけてくる。十六年が過ぎ、人が儀式をくり返すように事件をくり返した一人の女は、その儀式通り、十二月九日の夜、またも電話をかけてきて・・・・・・再び、とんでもない告白を始める・・・・・・。 (本文より)長編小説を読む時、話が面白くなってくるまで、なかなか波に乗れない。でもこの本は最初から面白かった今の世の中、推理小説をお手本に犯罪を犯す人がいるけど、この本のやり方なら、完全犯罪が成り立つような気がする。いろんな道具もいらないし、アリバイもいらないような感じ。でも現実に真似しても捕まるかもしれないけど。作家さん達は、よくこんな凄いトリックを思いつくなぁと感心する以前は、小説家(推理小説)になりたいと思ってた事もあったけど、自分でトリックを考えられなければ書けないなと思い、読んでる方が面白い・・・という結論に達した(^▽^;この本の話の暗さ(華やかな話ではない)から考えると、この間まで放送されてたドラマ『白夜行』に似てるような気がする。※画像をクリックしてもどこにも飛びません。ネット上で、この本の画像を探す事ができなかったので、自分が持っている本を撮って載せてみました
2006.05.20
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あの日、あなたは十数年前、喫茶店の片隅で、女に振られて盛大に涙を流していた美しい男。大学時代から勇介だけを密かに見つめ続けていたフリー編集者の郁子は、31歳の引越しを機に最後のチャンスに賭けた。勇介に対して友達の域を越えて接近できる、これが最後のチャンスかもしれない。ひそかにそう考えて、私は勇介のマンションの近くに自宅兼仕事場を探した。そんな時、私は勇介に似た圭哉という年下の男と知り合う。『10年間、1人の男を愛し続けるという事が信じられる?』私は男に訊いた。10年間、1人の男を思い続け、1人で在ることを選びとる郁子を通して、人間の弱さと純粋さ、自由である意味を描く傑作恋愛小説。実際にあり得る恋愛話だと思う。映画やドラマでしかあり得ないような話も面白いけど、身近に感じるというか、こういう経験をしている人も結構多いんじゃないかと思うような話も面白い。私はミステリーやサスペンスが好きだけど、純粋な恋愛小説もいいなぁと思った
2006.05.14
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一人の男が飛行機から飛び降りる楽しい悪夢の再生装置、149の超短編一人の男が飛行機から飛び降りる。涙を流しながら、靴箱いっぱいのラブレターを空中に投げ捨て・・・魚を先祖に持つ女の逸話・世界で最後の煙草を持った男が、ブロンド女からマッチを手に入れようと苦労した物語・サルタンのハーレムを警備していた私が、テントの中を覗き込んで見たものとは…などなど、あなたが昨夜見たかもしれない、リアルでたのしい悪夢、149本の超短編。実際にはあり得ないような、変な感じの話ばかり。例えば上に書いた『魚を先祖に持つ女・・・』や、『賭けをした男が牛の体内にもぐり込む』など、奇想天外な話ばかり時には、というか、半分以上はエッチな話が盛り込まれている(^-^;普通のエッチな話ではなく、どう表現していいのかわからないけど、なんか変な感じのいやらしさとにかく、全部変な感じの内容なので意味がわからない事も多い。というより、意味がわからないように書いてあるような、そんな感じ。上の画像の向かって右側の表紙は、小さいからわかり辛いけど、部屋の中で、いすに座って新聞を読んでいる男性に、後ろからスコップ(シャベル?)で、せっせと頭の上に泥を乗せている男性の絵。座っている男性は、自分の頭に泥を乗せられているのが当たり前のように動じない。中に書いてある話も、全部そんな感じで、あり得ない事が当たり前のように書いてある。私が持っている本の方は、かなり分厚く全部読んでしまえるかな?って気がするけど、超短編なので読みやすい。だいたい1話分が1ページか2ページしかない。私が持っているのは右側の本で、定価:本体2,200円(税別)。左側は税込700円。どちらも149の超短編と書いてあるので中身は同じだと思う。画像をクリックしても変わらないけど、文字の方をクリックすると商品ページに飛びます。
2006.05.06
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クレーの絵本40点の絵と14編の詩が奏でる二重奏(デュエット)クレーの色彩世界に谷川俊太郎の詩が重なる。スイスが生んだ今世紀最高の画家クレー。音楽理論を融合させた詩情あふれる色彩世界に触発された詩人が紡ぎだすイメージ豊かな言葉が、新しい画集の形を提示する。 【出版社より】 てのひらのアート&ポエム響きあう絵とことばのおくりものどんなよろこびのふかいうみにもひとつぶのなみだがとけていないということはない・・・パウル・クレー●谷川俊太郎/詩より 『本の帯』より 絵本と言っても、この絵本は子供用ではなく大人用だと思う。私が気になった詩は・・・【まじめな顔つき】まじめなひとが まじめにあるいてゆく かなしいまじめなひとが まじめにないている おかしいまじめなひとが まじめにあやまる はらがたつまじめなひとが まじめにひとをころす おそろしい・・・↑という詩。 最初、さらっと読んだ時、なぜ、まじめに謝ったら腹が立つんだろう?と思ったけど、よく考えてみたら確かにそうかも・・・という気がする。要するに、上の文章のまじめな人には感情が無いような感じだからかな。泣くというのは感情の1つだけど、上のまじめな人からは感情というものが伝わってこない。上の文章を読んで人それぞれ感じ方は違うだろうし、詩を書いた谷川俊太郎さんも、私が感じたような意味で書いたのではないかもしれないけど。この絵本自体、すぐに読み終わるものだけど、時間をかけてゆっくり読んだり、じっくり絵を見るといろんな考え方、感じ方ができると思う。
2006.05.04
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しゃべれどもしゃべれどもしゃべりのプロだろ、教えてよ・・・あがり性が災いして仕事もおぼつかなくなった従弟の良や、気まぐれで口下手なために失恋ばかりしている美女の五月(さつき)から頼られて、話し方教室を開くハメになった若い落語家の三つ葉。教室にはイジメにあってる小学生や赤面症の野球解説者まで通ってきて・・・。嘘がつけない人達の胸キュン恋愛小説。照れ屋の恋の物語本の雑誌が選ぶ’97ベスト10で第1位 『本の帯』より最初は、面白いとか、読み出したら止まらないというほどではなかったので、途中、間が空いてしまったけど、しばらくして読み始めたら面白くなって、一気に読んでしまった人と上手く話せない人(あがり性や話下手)は、ちょっと損してる部分もあるかもしれないけど、それを解ってくれる人と出会えたら、それは幸せな事だと思うこの本を読み終えた時、ほのぼのとした気分になった(^-^)叔母の友達が読み終わった本を叔母がもらい、叔母も読み終わって私にまわってきた本の中に同じ本があった。それが、この本。私は以前に買っていて読み終わったばかりだった。まさか、同じ本をもらうとは・・・(^-^;
2006.05.03
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愛が欠乏している人はさびしい。だが愛を忘れている人は思いのほか多い。僕がこの本を描いたのは、愛する女性と結婚する数ヵ月前だった。だから妻に、このシリーズを捧げたい。と同時に世の中の男性たちに読んでもらいたい。恋に落ちたときのことを思い出し、女性たちが待つ愛の世界へ向かうために。 作者:パトリック・ラロッシュ 愛の言葉を聞かせてこの本には愛の言葉が1ページに1行ずつ書いてあり、隣のページには絵が描いてある。愛の言葉と言っても、『愛してる』とか、そういう言葉は出てこない。作者はパリ生まれの人。パリの人らしい愛の言葉のような気がする。と言っても、フランス人の知り合いはいないから私の想像なんだけど。。。(^-^;本の画像が無かったので、なんとか探し出して載せてみた。画像をクリックしても何も変わらないけど、文字の方をクリックすると本の紹介ページ(購入できるページ)に飛びます。
2006.04.30
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ゾマーさんのことどこへ行くのだろう?黙って、いつも、ゾマーさんは歩いている。ゾマーさん、はたしてこれは何者なのか?ゾマーさんとだけあって、そのほかのことは誰も知らない。たえず歩きまわっている。雪が舞い落ちようと、ドシャ降りの雨のなかでも、黙々と歩いている。遠い記憶をひきずっている。それとも少年の夢だったのか。 『訳者あとがき』より少年時代に、ゾマーさんという不思議な人物がいた事を語っている内容。ゾマーさんについては、誰も何一つといっていいほど知らなかったが、この辺りでもっとも知られた人だった。湖の周りの少なく見積もっても60キロ圏内において、ゾマーさんを知らぬ者はいなかった。1日中辺り一帯を歩き回っていて、雪や雹(ひょう)が降ろうと、嵐であろうと土砂降りの雨であろうと、太陽が照り付けていようと、ハリケーンが襲ってこようと、いつも歩いている。何十キロ、何十時間歩こうとゾマーさんにはどうという事もない。何が目的で歩いているのか誰にもわからない謎だった。訳者さんも『あとがき』に【いたって地味な作品である】と書いていた。確かに内容は地味だった。でも何か惹きつけられるものがあり1日で一気に読み終わった。最後の終わり方は想像もしない内容だった。
2006.04.25
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裏表紙に書いてある言葉↓悪魔に目をかけられた日にゃ、十字架にはりつけ、お星様とご対面、いきおいひどい目に遭わされる―。ここはドイツの片田舎トゥルゼルン。今夜も眠れぬ郵便配達夫がひとり。両眼を開けて生まれてから、どちらの眼も閉じたことがない。その不眠ゆえ彼の眼は(ふくろうの眼)、封を切らずに中身を見透す眼、となった。使者たるもの、通達の内容を知らねばならぬ。その信念のもと片端から手紙を読みまくり、あげく頭の中は風変わりな住人たちの秘密でいっぱい。よこしまな夜の視覚はますます冴えわたり、眠れぬままに紡ぎ出したる24の物語。狂暴きわまる運転で村中を震えあがらせた産婆への奇想天外な復讐譚。大学者フンボルトとともに世界中をかけめぐったオウムが語る見聞録。異国に囚われた男とオールドミスの悲しい恋の物語。迷宮入りした家畜商人殺害事件の意外な真相。機中で知りあった奇妙なアルゼンチン人が唱える、作家ボルヘス非在説。すべてを語り終えた配達夫は、さて―。万華鏡のように交錯するエピソードに史実を織り込み、饒舌にシニカルに語られる現代の千夜一夜物語。現代ドイツ文学の異才、本邦初紹介!※上に出てきた【オウム】とは、宗教の“オウム教”ではなく“鳥”の事。この本を買ったのは数年前。ネットで、あるお店を見ていてこの本を見つけた。タイトルと絵と上に書いてある説明を読んで、面白そうだなと思い買った。実際に読み始めたら、分厚い本で1ページに上の段と下の段にわけて書いてあるので、なかなか先に進まない(^-^;内容も結構難しく、難しい漢字も出てきたり。。。難しい漢字というか、言葉というか、漢字自体は難しくなくても、その漢字と漢字を組み合わせた言葉が今どき使われていないというか。。。その為、しばらく読むのを中断していた(^-^;でも、せっかく買ったのに読まないというのは嫌なので、また読み始めたけど、やっぱり先に進まない。とりあえず1日に1区切りずつ、目次に書いてある次のタイトルまで読む事を決め読んでいた。でも、難しい文章のあまり、途中でくじけそうになるので、1話分読んだら、次は絵本を1冊読むようにした。絵本はすぐに読み終わるので、ちょっとした気分転換になる。その読み方が良かったのか、読むのがはかどり、とうとう読み終わった!読み終わった時は、かなりの達成感があった。本の最後に『訳者あとがき』が書いてあったので、それも読んでみた。1部を抜粋↓小説中には、古今東西の作家からの引用が散在し、もはやどこまでが作家の生の声か、既に存在した虚構か、それとも虚構にさらに脚色を施した2重の虚構か、容易に判断がつきかねるほどまでに巧緻を窮めた、博聞強記の絨毯が織り上げられている。綻びを見つけるには、書物を食い荒らす本の虫にでも自ら変身して入魂忘我の精読に没頭しなければならないような、読書狂にとっては、願ってもない格好の狩猟場である。↑この『訳者あとがき』を読んでもわかると思うけど、漢字自体は難しくなくても、その組み合わせがあまり使わない言葉という気がするのは私だけかな?(^-^;作者というより、訳者の訳の仕方が難しかったのだろうか。。。?漢字の読み書きは結構好きな方なので、読めないという事はないけど。ただ、緑で書いた漢字『綻び』、これは、本を読んでいた時にはわからなかったけど、ついさっきわかった。日記に書く時、この漢字を読めなければ書けないと思い、最初、『むすび』と読むのかなと思い変換したら違った。『・・・び』最後に『び』がつくもの・・・と思い、『ほころび』を変換したら『綻び』の漢字になった。あとがきにも書いてあるように、いろんな本から引用した言葉が書いてあるらしい。だから、引用の元となった本を読んだ事がある人は、“あっ、あの本のあの部分を引用してる!”とか、“今度は、あの本からの引用だ!”とか、いろんな本を思い出しながら読む事ができるのだと思う。誰の本からの引用なのかは一応書いてあるけど、それはここでは書かない。まったく同じように書いたら盗作になるけど、引用(一部だけ変えたり)ならいいのか。。。?3月11日の【さんびきのこぶた】にも書いたように、盗作ではないなら、どこからどこまでが許される範囲かなって思った。確かに、難しい内容ではあったけど、今考えれば面白かったと思う。読み終わって達成感もあったけど、明日からはもうこの本を読まないと思うと物足りないような気分だった。訳者が書いていたように、読書狂にとっては格好の本かもしれない。
2006.03.16
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←クリックしてもどこのページにも飛びません(^-^;小さな画像だけ見つけて拡大したので、少々劣化しています。裏表紙に書かれている説明より↓この絵本の中には、いろいろの形や色の箱があって、その箱の“めくり”を開けると、とても面白い虫たちが現れてきます。また、箱の中にいる虫たちは順番に1から10までの数で現れ、幼児が数を簡単に覚えられるようにもしてあります。子どもたちは、明るい色のユーモアあふれる虫たちの出現に、笑いころげながら数の概念を認識していくことでしょう。とび出したり、走ったり、食べたり、泳いだりもしてしまう虫たちは、どれも実際にいるものばかりではありません。そういう意味では科学的な虫たちの生態を知る絵本ではなく、ユーモアな虫たちの数の絵本としてとらえてください。幼稚園で子供達に読んであげたら、とても興味を持ち、しかけ絵本の面白さを楽しんでいた。1ページごとに虫の数が増えていくので、何匹いるのか、みんなで数えたりしながら数の勉強にもなった。1番最後のしかけは音が出るように作られている。オルゴールなどの作られた装置がしかけてあるわけではなく、ページを開く事によって音が出る。紙と紙の摩擦というか・・・うまく表現できないけど。。。(^-^;どういうしかけになっているか、そのまま説明してしまうと、この絵本を実際に買った時の楽しみがなくなると思うのでそこまで説明しない。興味があったら、本屋さんで探して実際に見てみてほしい。ただ、大人の男性(独身)が絵本のしかけで遊んでいるのを見られたら恥ずかしいと思う人もいるかもしれないけど。。。(^▽^;その時は、『自分の子供に買ってあげる為に見ているんだ!d( ̄^ ̄*)』というフリをしてみるのもいいかも(⌒∇⌒)
2006.03.14
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