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昨日のW杯決勝戦はイタリアが24年ぶりの優勝を遂げたというのに、各種ニュースはジダンの頭突き事件の方により時間を割いていた。大変残念なことだ。 相当頭に来る事を云われたようだが、残念ながらピッチ上での罵り合い・貶し合いは結構よくある出来事だ。単なる悪口ではなくて、相手を挑発するためにわざとけなすこともよくある。しかも国際大会となれば当然ながら人種偏見ぽい発言もあるだろう。なにしろワールドカップは戦争だ、と言われているくらいなのだから、蹴りあい・罵り合いは避けて通れない。 ジダンはその闘いの世界に20年近く身を置いて来て、そうしたことを骨の髄まで理解していたはず。なのにあの行為に及んでしまったのは、やはり短慮であったとしか言いようがない。 あの時点で試合を長時間中断して両者の言い分を聞くなどということは試合進行上絶対に不可能。であれば明確な暴力行為を働いた方が退場になるのはいたし方なかった。 それにしても残念。世界中のファン、特に子供たちに見せたくなかった。フランスのメディアでも、「ジズー、何千万という子供たちになんと言い訳するのだ?」というコメントがあり、総じてあの行為に対しては批判的だ。さらに、あの衝撃的な映像が世界を駆け巡り、イタリア優勝の快挙に水をさすようなことになってしまった。 イタリアの優勝は決してジダンが退場になったからではない。それは要因のひとつに過ぎない。彼がそのままPKを蹴って失敗することもあったろうし、彼がいても誰かが失敗する可能性があった。たらればをどうこう云っても仕方ないのだ。 揺ぎ無い事実は、32カ国が真剣勝負を、それこそ死力を尽くして戦ったワールドカップでイタリアが頂点に立ったということだ。高い技術と弛まぬ努力、そして危機を追い風に変えた精神力。そのどれもが賞賛に値する。 特に素晴らしいのは、今回のイタリアチームは23人全員がセリエAという国内リーグに所属していること。これは参加国中サウジアラビアとイタリアだけ。八百長疑惑で国中が揺れる中、誰も海外リーグで武者修行をする必要が無いほどセリエAの実力が高いことを証明したわけだ。 また、大会MVPは「頭突き事件」の直前に投票されていることもあってジダンだったが、あの事件のあとなら間違いなく二位のカンナヴァーロが選ばれていただろう。 身長175センチという小兵ながら、ドイツやフランスの大型選手に競り負けない体力。そして何よりもボールの行方に対する「読み」が深く、危機的な状況になる直前に相手からボールを奪う洞察力と瞬発力。とにかくそのいずれもが素晴らしく、イタリアの危機を何度となく救っていた。イタリア人は体格的に日本人に似ている。その彼らのプレースタイルは日本人選手にとっても非常に参考になるだろう。 ジダン事件は残念だったが、だからといってイタリアの栄誉が揺らぐものでは絶対ない。アズーリよ、胸を張れ!君たちは素晴らしい!! こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月11日
遂に遂にアズーリがやってくれました、見事に優勝してくれました!この約一ヶ月、「クラシック音楽」というこのブログの本分を忘れ?ワールドカップドイツ大会の、というよりもイタリア代表の応援ブログと化しておりましたが、遂にそれも終わりを告げました。しかも最良の形で。 イタリア対フランスは、お互いの死力を尽くした闘いでした。点は一点ずつしか入っていないものの、攻守が一瞬で入れ替わる、非常にレベルの高い試合でした。 おさるは東京・九段下のイタリア文化会館のパブリック・ビューイングに行ってきました。午前3時試合開始に合せて日伊両国の老若男女が500人近く集結しておりました。やはりイケメン軍団の面目躍如、女性の割合が7割近かったでしょうか。 試合開始と共に、イタリアが攻め込めば歓声があがり、フランスがボールを支配するとブーイングが乱れ飛びました。開始早々あっさりPKを献上してしまった時には会場は悲鳴に包まれましたが、その10数分後にはビューティフルなマテラッツィのヘディングであっという間に追いつき、会場は驚喜の渦に。 その後は皆様ご承知のとおり、一進一退が続き、延長も後半。延長はどちらかといえばフランスが勢いづいていて、会場内にも緊張した空気が流れていました。その時!問題の「ジダン頭突き事件」が起きたのです。 最初は皆何が起きたのか分かりませんでした。マテラッツィが倒れているので、「ああまたラフプレーがあったのかな」くらいの気分でしたが、GKブッフォンの主審への抗議が尋常ではなく、主審も副審の下へ駆け寄り協議。その瞬間、大画面にジダンの頭突きが大写しにされたのです。 もう会場は全員総立ち、大ブーイングの嵐。そしてレッドカード、ジダン退場になった瞬間はもう勝ったような大騒ぎでした。それでもフランスは残り10分をしのぎ切ってPK戦にもつれ込んだのです。それにしてもあのジダンの行為は不可解でした。それまで彼のプレーを楽しみにしていた多くのファンに対し正面きって唾を吐いたような行為だったと思います。あれがフランの敗因のひとつになったことは絶対に否めません。 PK戦もすごい闘いでした。敵味方9人が蹴って外したのはフランスのトレゼゲ唯一人。このたった一人が外しただけで120分間の死闘の決着がついてしまったのです。敵とはいえトレゼゲはちょっと気の毒でした。 イタリア最後のPKをグロッソが見事に決めると、もう会場内は狂喜乱舞、歓びを爆発させました。おさるも一緒に行ってくれた友人とガッチリ握手。その後、グランドで喜ぶ選手たちの姿につい涙が出てしまいました。 ワールドカップの「優勝」とは、世界数十億のサッカーフリークの頂点に立つことです。このようなスポーツは他に類がありません。野球やアメフト・ラグビーの競技人口全て足し挙げても遠く及びません。サッカーを楽しむ人々は全世界に広がっており、その数は現在も増え続けていると言われています。 「王者」ブラジルの敗退は、4年に一回のワールドカップで優勝することの困難さを改めて認識させてくれました。タレントだけを集めても勝てるとは限らない。一ヶ月の長丁場を戦い抜く体力、精神力、そして運も味方につけなければ、最後に生き残ることは出来ないのです。 今回イタリアは24年ぶりの優勝を果たした。24年!なんと長い年月でしょう。その間、世界中の人々皆が平等に年を取ったのです・・・生きているうちに再びこの歓びを体験することが出来るでしょうか? それにしてもイタリア代表よ、おめでとう!君たちは世界一に十分値する素晴らしいチームだ。そしてその素晴らしいプレーで私たちを感動させてくれて有難う。本当に有難う!!VIVA AZZURRI! e GRAZIE AZZURRI!e auguri con tutto il cuore.こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月10日
いよいよ明日(現地では今日だが)は運命の決勝戦。おさるはアズーリの勝利を微塵も疑うわけではないが、やはり勝負は終わるまで分らないからソワソワしている。 今夜は東京のイタリア文化会館でイタリアファンを集めてのパブリック・ビューイングがあるらしく、おさるも是非行ってみたいと思っているのだ。 まぁでもそれまでにあと10時間以上あるから、とりあえず?パヴァロッティでもかけて気分を高揚させてみる。個人的には彼の歌う「カルーソー」が好みなのだが、今日の気分にはちょっと似合わないかな。【OFFセール対象商品】ルチアーノ・パバロッティ/スーパー・ヒッツ! それにしてもパバロッティの声と歌い方はなんとイタリア人臭いのだろう。これをずっとかけているとまるで家の居間がトラットリア(決してレストランではありません)となってしまったようで、いささか食傷気味になってきたので、ジョシュ・クローバンの声でも聴いて気分転換。【ポップ・クラシック】ジョシュ・グローバンJosh Groban / Closer (CD) (Aポイント付) 彼のイタリア語はもちろん本物ではないが、ちょっと切なくて伸びのある甘い声が素晴らしい。このアルバムにある「イル・ポスティーノ」という映画の主題歌は必聴の価値がある。映画も私にとっては「ニュー・シネマ・パラダイス」と双璧を成す名作。 でもグローバンの声で9曲目の「カルーソー」を聴いたらちょっと切なすぎたのとイタリア語が下手なのが気になってきたのでもうちょっと元気が欲しくなってきたから、次はラッセル・ワトソンでも聴いてみよう。〔送料無料キャンペーン中〕ラッセル・ワトソン ザ・ヴォイス-The Voice--CD- 彼の特徴も甘く高い声だが、グローバンよりもなんというか高貴で奥行きがある。イギリス人っぽく声になにか筋が一本通っている感じがして安心して聴けるのだ。よりオペラ・アリア向きの声と言っていいだろう。一曲目のNELLA FANTASIAの壮大な広がり感が素晴らしい。CARUSOも思い入れたっぷりでいい。若い人の歌い方はこれでいいのだろうが、やはり好みとしてはパヴァロッティに帰っていくのかな。 などといろいろイタリアの民謡やオペラ・アリア、映画主題歌などを聴いてきたが、やはりこの後はドーンと交響曲でも聴いて奮い立たなければ!となれば誰しも知っている「イタリア」は外せない。でもこれは作曲者がメンデルスゾーンだし、ということになるとやはり有名どころではレスピーギのローマ三部作か。今なお不滅の演奏ですシューベルト:交響曲「未完成」「ザ・グレイト」|メンデルスゾーン:交響曲「イタリア」「宗...色彩感溢れる名演奏レスピーギ:ローマ三部作 これだけ聴くと相当勝利への気持ちが高まってくる。勝て、イタリアよ!24年ぶりの優勝に向かって失う物は何もない。アズーリよ、奮起せよ!!VITTORIA,VITTORIA,e ancora VITTORIA!!VIVA ITALIA !!こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月09日
昨日はイタリアの決勝進出であちこちのブログの方達と喜びを分かち合えて大変嬉しかった。テーマを見てもイタリアファンが多く、大変心強い。決勝の相手はフランスに決まったが、今のイタリア代表の力なら問題なく勝てるだろう。 ところで、下馬評であまり強力な優勝候補ではなかったイタリア代表の強さの原動力はなんだろうか?昨日イタリア在住7年の方とお話していて、その一端が分かったような気がした。 ファンならご承知のとおり、今イタリアサッカー界は八百長問題で揺れている。5日の発表ではユヴェントスが三部リーグへ、ACミラン他2チームも二部リーグへ降格は免れないのでは、と報道されている。そしてなんと今回の代表チームにはその疑惑のチームに所属する選手が23人中13人もいるのだ。 彼らが降格チームから脱出するためには、セリエAに残る他チームか、国外リーグからトレードで「救出」してもらうしかない。その為には、このワールドカップで全世界に実力を示しておかなければならない、という訳だ。 ことが国の名誉だとかではなく、直接選手自身の死活問題に深く関わっているため、今回のアズーリたちは通常の何倍もの力を出し切って戦っている、ということらしい。確かに普段運動量が少ないデルピエロが縦横無尽に走り回ったり、キーパーのブッフォンの神がかり的なタッチ、他の選手たちの豊富な運動量も、いつものイタリア代表と比較すると120%増しのようにも見える。 選手たちにとっては「明日のおまんま」がかかっているだけに切実。でも普通はそのプレッシャーに押しつぶされるところを逆に原動力に変えてしまうところがいかにもイタリア人らしいが、遠く極東の島国から応援している身にとっては、隠された理由はどうでもよろしい。とにかく素晴らしい試合をしていただき、勝利してもらえればそれでいいのだ。 理由はどうであれ、今回のアズーリは強い。疲れの見えるフランスを撃破して、是非世界一に輝いて欲しい。こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月06日
やりました!アズーリが遂にやってくれました!!激闘の末ドイツを2-0で下して決勝進出!!グロッソの芸術的なシュートがゴール左隅に吸い込まれた瞬間、おさるは思わず「入った~」と絶叫してしまいました・・・ 90分間で決着がつかず延長戦までもつれた試合は予想通り両者闘志むき出しの激突となった。ドイツは前の試合の疲れからか全体的に動きにキレがなく、またイタリアのカウンターを警戒してかなり守りに重点をおいてきたので、イタリアも攻めあぐねて時間を浪費した。 双方とも何回かの決定機があったが逃していた。さしものイタリアの堅守も後半は崩れかけたが、その都度GKブッフォンのファインセーブに救われていた。しかし延長に入ってからはイタリアのシュートが二度もポストに嫌われるシーンがあり、チャンスは確実にイタリア側に来ていた。 今回のイタリア代表の強さの特徴は、カテナチオと呼ばれる伝統の堅守プラス旺盛かつ破壊力のある攻撃力だ。しかも点取り屋一人に集中しているのではなく、トーニ、グロッソ、デルピエロ、トッティと皆が満遍なく点を取っている。いうなれば、「誰でも点を奪える」攻撃力の非常に高いチームといえる。 それと、最後まで絶対に諦めない精神力と体力。先取点を決めたグロッソは守備の選手なのに、あの延長後半もう体力が尽きかけた時間にあの位置まで上がっているのだ。これは並みの精神力ではない。 オーストラリア戦でも決着はロスタイムだった。しかしこれは決して偶然ではないと思う。ロスタイムはどの選手も皆苦しい。早く終わって欲しいとつい他人任せ、神頼みになる。日本チームの「悪しきお家芸」、ロスタイムの失点はこうした精神状態から生まれるのだ。イタリアチームはその空白になりがちな時間帯を絶妙なタイミングで突き、成功している。もちろんそのためにはロスタイムを含めて走りぬく精神力と体力がなくてはならない。 大会前に本気でイタリアの優勝を予言した評論家がどれほどいただろうか。しかし夢はあと一歩のところまで来た。昨夜の調子ならば、相手がフランスだろうがポルトガルだろうが全く関係ない。優勝あるのみ!頑張れイタリア!頑張れアズーリ!!Vince,Italia! ViVa ITALIA !! こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月05日
ドイツは今ワールドカップで燃えています。自国がベスト4に残っており、統一後初の優勝に向かって驀進中、といったところでしょうか。 新聞の記事で読みましたが、ドイツの人々は今大会で初めて気持ちよく国旗を振り、国歌を歌っているそうです。以前の大会ではまだ東西に分裂しており、その状況そのものが過去の歴史を想起させ、国歌を歌うのもなんとなく憚られたが、今大会はそうした遠慮がなくなり、全力で歌うことが出来るとか・・・ ということで今日はそのドイツにちなんで、二年程前に掲載した統一ドイツ・ベルリン訪問記を再掲載させていただこうと思う。(多少加工したところもあります) <おさるのイタリア漫遊記 番外編> 1990年10月1日は確か東西ドイツ統一の日。実はおさるはその日(正確に言えば式典が行われた2日から3日)ベルリンにいた。 ああ、もうあれは16年も前の出来事なのか・・・机の中からひょっこりとその時の写真が出てきたので、当日の思い出を書いてみたい。 当時おさるはアムステルダムで仕事があり、長期滞在していた。ニュースで統一式典が行われることをしり、職場の日本人仲間4人でベルリンに向かった。アムステルダムからベルリンまで飛行機で僅か一時間ちょっとなのだ。 さぞかしドイツ全土が沸きかえっているのだろうと期待していたら、空港も街中も全くといっていいほど盛り上がっていない。時間は夜の19時頃、街は家路を急ぐ人々で、何処にでもある光景に見えた。後から分かるのだが、盛り上がっていたのはベルリン市内でもブランデンブルク門やポツダム広場一帯の、記念式典が行われていた周辺だけだったのだ。 当時、一般の西ドイツ人は、東ドイツと統合すると経済が混乱すると恐れていたので無理も無かったかもしれない。でもおさる一行にはその覚め方非常に奇異に映った。それでもブランデンブルク門周辺は人々で沸き返っていた。 TVで全世界に中継されていたが、群集の足元に無数の飲み捨てられたワインのビンが転がっていたのを知っている人は少ないと思う。缶ビールなどなく、皆ガラス瓶のワインをラッパ飲みにしては皆その辺に投げ捨てるから、その割れた破片が危なくてしょうがない。屈強なドイツ人たちに押されて倒れでもしたら体中に破片が突き刺さってしまうから、日本人だけでスクラムを組んで進んだ。ほんとにすごい光景だった。 旧帝国議会にも多くの人々が集まり、国旗が振られている。ドイツ国家が高らかに謳われ、「ドイッチュランド、ドイッチュランド!」の声がこだまする。おさるたちもまわりの人々たちと一緒になって万歳などしながら遂に東西分断の象徴、ブランデンブルク門に辿りついた。 門の前で翻るドイツ国旗。ASA100のフィルムで撮った写真が、妙にリアルな画像になってくれた。興奮した人々と一緒に、おさる達も東ベルリン側に雪崩れ込んだ。でもそこは、想像をはるかに超えて暗く寂しい場所だった・・・ ブランデンブルク門の周り、ほんの100メートル程を抜かして、東ベルリンの街は暗闇に沈んでいた。わざとではない。街灯が殆ど無いのだ。店は皆閉まっていて、それらの店のネオンは無い。だから街が死んだように暗いのだ。 「広告」という概念が無い国家だった東ドイツの店頭には、その店の存在をアピールするネオンや看板が無いのだった・・・これは、「広告」を職業にしていたおさるたちには衝撃的だった・・・ おまけに道路のアスファルトは所々めくれ上がり、補修されていない。電話ボックスの電話は持ち去られていてコードが垂れ下がっているだけだった。 これはホントにとんでもない街だ。簡素を通り越して殺風景。人間が住むぬくもりを感じることの出来ない町並み。東側の人々が統一を待ち望んだのも無理は無い、とおさるは初めて実感したのだった・・・ もちろん現在のブランデンブルク門界隈は再開発され、もう当時の面影は全く残っていないはずです。あの暗く寂しい町並みはたった一日滞在しただけでも重苦しい記憶となって残っているのですから、あそこで生活していた方々の暮らしたるや、想像を絶する困難さだったと思います。 統一から15年以上たった今でも、東西ドイツの経済格差は埋まらないと聞きます。せめてこのW杯で国民の結束が固まってくれることを祈るばかりです。第三帝国時代のドイツを描いて秀逸!神に選ばれし無敵の男ヒトラーは画家志望だった?アドルフの画集【セール洋画0922】こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月03日
今朝の試合結果には世界中多くの人々が驚いたに違いない。絶対的な優勝候補、王者ブラジルが一点もとれずに敗退したのだ。 試合開始当初、攻撃的な布陣を強化しようとしてロナウジーニョを司令塔よりFWに近い役割にしたのが致命傷となった。前半、ブラジルの攻撃は殆ど機能していなかった。後半、もとの位置に戻してからようやく攻撃にいつものリズムが戻ったのだ。しかし時すでに遅しであった。 フランスの堅守を破るには動きの鈍いロナウドだけでは不安だったのだろうか?やはり今回、パレイラ監督はロナウドを下げず、彼と心中する形になってしまった。 それにしてもフランスの守りは見事だった。更にジダンの動きも素晴らしかった。サッカーは11人でやるものだが、たった一人の選手が試合を動かすことがあるということわざを見事に立証して見せた。もしジダンがいなければブラジルの楽勝だったろう。 あの決勝点、なぜ最も危険なアンリがフリーだったのか?あの瞬間、ゴールエリアのブラジル守備陣の方がフランス人選手よりも人数が少ない。一体何故だったのだろう?色々と疑問があるが、それは今後の検証を待ちたい。 今大回、選手個々の能力を足しあげていけばブラジルが圧倒的に抜きんでていたのは誰の目にも明らかだった。でも優秀な選手になればなるほど、自分の技に絶対的な自信があるため今度はチームプレーが疎かになる。サッカーにおけるチーム力とは単純な足し算では計れないのだ。 今日のフランス対ブラジル戦は、サッカーに「絶対」はない、ということを改めて教えてくれた、すごい試合だった。 これで4強は全てヨーロッパ勢。唯一ポルトガルのプレースタイルが南米系に近いから、我がイタリアとの決勝はポルトガルがいいな、などと勝手に考えてしまうのでした・・・今日は静かにブラジルのためにこの曲を・・中丸三千繪&ベルリン・フィル12人のチェリストたち/ブラジル風バッハこちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月02日
本来ここはクラシック音楽ブログが本業?ですが、ワールドカップで我が心のふるさとイタリアがベスト4まで勝ち進んできており、今しばらくアズーリ(イタリア代表)応援ブログに変質しております。イタリア優勝の日まで、何卒ご声援の程、宜しくお願い申し上げます。 勝ちました!予定通り、イタリアが>3-0でウクライナを一蹴してくれました~!サッカーにおける3点差というのはもうかなり一方的な試合結果ですが、ウクライナにも惜しい場面はありました。ただ、やはりシェフチェンコという切り札一枚では堅守を誇るイタリア守備陣には勝てません。3点は取りすぎで次の試合に取っておいて欲しかったですが、まぁフォワードのトーニがようやく2点入れて復調してきたので良しとしましょう! 次はドイツ戦。地元の後押しで突進するドイツとの激突になりますが、おさるは全く心配しておりません。というのもイタリアはここ20年ほどのドイツとの試合で確か二勝二分け、負けはなし。非常に相性のいい相手なのです。 まぁドイツの戦法なんて平たくいえばゲルマン魂頼みの猪突猛進だけ。ガタイのでかい連中が突進するだけです。こういう連中は帝政ローマ時代からの伝統(!?)の堅守を誇る我がイタリアにとっては最もおいしいお客様なのです。 ゲルマンの田舎者が突進してきたらやんわりとやり過ごし、もともと動きのルーズな守りを一瞬で切り裂いて得点をいただく。このやり方で今回も我がイタリアが順当勝ちするでしょう。(ドイツファンの皆様すみません) イタリアはコンスタントに点を決めて90分で試合を決めたのに対し、ドイツはPK戦までもつれ込む大消耗戦。体力の消耗度合いも桁外れです。同じ休養時間しか無い次の試合で、こうした面も確実に影響が出てくるでしょう。 さあ、次はゲルマンを叩いて決勝へ一番乗りだぁ~!!こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年07月01日
いよいよベストフォーを決める試合が始まる。 おさるの応援するイタリアは今日ウクライナと対戦する。イタリアはトッティのPK勝ちで勢いに乗っているし、鉄壁のディフェンス陣は今大会オウンゴール以外はまだ得点を許していない。そりゃあアルゼンチンやブラジルのような派手さはないが、イタリアは伝統的に派手なチームではないのだ。 イタリアは今回、国内リーグの八百長問題で暗い雰囲気が漂っているが、その問題に関連があるのは一部のチームと選手だけだ。この暗雲を振り払うためにも、是非是非優勝して欲しい。それにはまず目の前のウクライナを一蹴して欲しい。 要注意のFWシェフチェンコはイタリアリーグの所属だからイタリアの弱点を知っているなどと喧伝されているが、逆に言えば彼のプレースタイルもイタリア守備陣にはよく知られているということ。案ずる事は無い。彼さえ90分間抑えきればおのずと勝利は見えてくる。 一点。イタリアが勝利するにはたった一点だけあればいい。頑張れイタリア!!おさるは信じているぞ~! Forza Italia!! Forza!! こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年06月30日
いやあ~後半開始早々一人退場になってしまい、ちょいと辛い戦いになったけれども「予定通り」豪州を粉砕してくれました!さすがイタリア! 10人になっても危ないシーンは殆どなかった。イタリアの、というか強豪国が10人になったときの戦い方というのは本当に面白い。まるで潮の満ち引きを読むように、相手の攻めが強い時間帯は受けに徹し、その勢いがゆるむとすかさず反撃に転じる。 昨晩のイタリアもそうだった。数的優位になったオーストラリアが何度攻め込んでも、慌てるような場面は一度もない。かといって全員で守るわけではなく、隙あらばきっちりトーニにあわせてカウンターを放り込む。これだと相手はどうしても守りの意識を持っていなければならないから、全員で攻めあがるわけにはいかないのだ。 それにしてもあの小憎らしいまで守備の落ち着き。あれが「伝統」というものの持つ強さなのだろうか。零対零の試合で、数的不利になっても動揺することなく、さらに引き分けではなくあくまで勝利を狙う貪欲さも兼ね備えている。 後半終了直前のPKも偶然ではない。あれは明らかに試合終了間際、相手も疲れて気が緩むその一瞬に勝負を賭けているのだ。あのPK自体はどんくさいオーストラリアの選手がいつまでも転がっているのを利用したシミュレーションぽかったが、終了目前のあの攻め上がりは素晴らしかった。 そして後半途中から出場したトッティ。スタメン落ちしたものの、後半少ない人数の味方を鼓舞し、いくつものチャンスを作り出し、あの物凄いプレッシャーのかかるPKを見事に決めて見せた。さすがは千両役者、イタリアの王子だ。いや、勝っても笑顔を見せない彼は、すでに王子というよりも「王」のような威厳を備えていた。 イタリアという国のサッカーは、何点もとって勝利するスタイルではない。一点差でいい、一点差でも勝利は勝利、というサッカーなのだ。そこがブラジルやアルゼンチンと明確に違う点だが、予選を通じてその伝統は続いている。次はウクライナ。これはまた随分渋い試合になりそうだが、イタリアが負けることはない。さあ次も、Forza Italia!! こちらもクリックいただけましたら幸いです
2006年06月27日
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