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『 星籠の海 THE CLOCKWORK CURRENT 上 』 島田荘司 、講談社、初版2013年10月3日、2014年「このミステリーがすごい!」第9位
<上巻あらすじ>
愛媛県松山市の沖に浮かぶ興居島に、1年足らずで全裸の死体が6体、流れ着いた。調査を依頼された御手洗は早速、現地に飛んだ。
瀬戸内海の潮流を調べた結果、遺体は広島県の東の端、福山市の鞆から遺棄されたとわかった。 捜査をすすめるうち、新たな殺人事件が起き、これらに新興宗教の「日東第一教」が絡んでいることが分かった。
そして、同じ時期、幕末の福山藩主で老中だった阿部正弘の子孫の家から、ペリーが来た時の幕府の出陣図が発見された。黒船のそばに「星籠」という文字が書かれてあった。
<下巻あらすじ>
御手洗は、警察と協力して「日東第一教」の尊師であるネルソン・パクを追った。 そんな時、御手洗は彼がある誘拐事件にかかわっていることをつかんだ。
<良さんのコメント>
まず、島田荘司独特の手法、『写楽 閉じた国の幻』に見られるように、歴史上の問題と現代の事件を組み合わせている。
本書では、福山市で黒船が来た時の幕府出陣図が発見された。黒船のそばに「星籠」と書かれていたことが問題になる。「星籠」とはいったい何か。最後で明らかになる。
第二に、新興宗教を取り上げている。松本清張は未完の大作『神々の乱心』で、新興宗教の危険性を著したが、島田もこれを取り上げた。
「日東第一教」が、福山市で信者を広げ、麻薬を売買し、街を乗っ取ろうとしていた。ネルソン・パクは国際的な犯罪者で、御手洗は警察と協力して、彼の逮捕をめざす。
第三に、不注意で赤ちゃんを死なせてしまったベビーシッターが、事件を隠すために、誘拐されたと偽装するが、途中でおかしな方向にすすむ。パクが絡でんでくる。このために、パクは御手洗に尻尾を握られることになるのだが、私はあまりにも御手洗の推理ができすぎのように思った。
福山市出身の島田荘司氏ならではの作品ではなかろうか。
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