あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

京料理殺人事件

京都絵馬堂殺人事件 ~京料理殺人事件~   【京都絵馬堂殺人事件】所収


キャサリンは陶芸に凝るようになり、それがきっかけで京都の陶芸家が集まる新年会に、恋人の浜口一郎と招待された

その席上で、女流陶芸家の円山陽子が服毒死してしまう
新年会の参加者には、陽子に婚約破棄された杉春彦、陽子とライバル関係だった麻井麗子、陽子と愛人関係にあった陶芸協会会長の大山隆之助と、容疑者は多い

その後の調べで、青酸カリはウイスキーに混入されていて、亡くなった陽子と、会長の大山だけがウイスキーを飲んでいたことが判る

犯人は、大山を殺すつもりだったのか?
となると、実力はナンバーワンでありながら、財力と政治力で大山に抑えられ会長の地位に座れない中村善右衛門、協会のお金を横領しているという噂のある幹事の尾木と、さらに容疑者は増えてしまった

捜査の進展が見えないまま一週間が経ったころ、大山の死体が高速道路下の空き地に止めてあった車内から発見されたというニュースが報道される

彼のバッグの中には、食べかけのうなぎ弁当があった……



~感想~
うなぎのお弁当が事件の解決への糸口になるのだが、キャサリンじゃなくても、捜査陣はなぜ気づかなかったの?…と突っ込みを入れたくなってしまった
まぁそうなると、素人探偵の出番が無くなってしまうわけで、ここは大目を瞑りたいと思う
それから、犯行の動機は他人には決して判るまい自分本位のものだったが、最後に、犯した罪がいかに愚かなものだったか…と、考えさせられる件が何ともいえない

それにしても小説の題名『京料理殺人事件』
事件と京料理の絡みがないのに、なぜこんな題名になったのだろう…

という事で、私的評価は星【★☆☆☆☆】1つです



◆この原作のドラマ化作品◆
平成20年5月24日放送予定
土曜ワイド劇場
山村美紗十三回忌追悼
『京料理殺人事件・船が運ぶうなぎ弁当の罠・西陣織の花嫁毒殺トリック!京菓子が密室を作った!?』
出演/狩矢和美…藤谷美紀/狩矢警部…田村亮/夏目利彦…原田龍二/栗田麻子…中山忍/阿久田陽一…平泉成/狩矢澄江…中野良子/山野美野里…山村紅葉/中山清…渋谷天外/永井敦史…神保悟志/神田美奈代…岩本千春 ほか


…ドラマの内容
タウン誌の記者兼カメラマンの和美は、料理研究家である栗田麻子のおばんざい教室を取材で訪れていた
そこで和美は、呉服屋の娘の凛子と、着物デザイナーの妻である美奈代が棘のある会話をしていることに、二人の間にただならぬものを感じる
数日後、恋人の夏目とデートをしていた和美は、川に浮かぶ屋形船に横たわっている凛子の死体を発見する
死体のそばには、なぜか鰻の弁当が1つあった

和美の父である京都府警の狩矢警部は、捜査の結果、凛子には高額の保険が掛けられており、その受取人は彼女と間もなく結婚する予定だった俳優の永井であることが判明
永井は私生活が派手で、方々から借金しているこが判り、捜査線上に浮上した

和美は、持ち前の好奇心から、夏目と独自の捜査を展開
その結果、凛子と美奈代が永井を巡って三角関係にあったことを知る
その事実を確かめようと永井の家を訪れた二人が見たものは、密室状態の部屋の中で変わり果てた永井の姿だった…


…ドラマの感想
関東と関西では、うなぎのさばき方が違うということだけを原作から拝借し、あとはほぼオリジナルのストーリー
密室トリックも、違う作品から引用していた
もう原作というより、原案といったほうがいいのでは?
このシリーズは、サスペンスの謎解きというよりも、狩矢親子のほのぼのとした会話、和美と夏目との関係といった、事件とは関係のないサブストーリーが魅力的である



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