あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

京都堀川陣屋の殺人

京都・十二単衣殺人事件 ~京都堀川陣屋の殺人~    【京都・十二単衣殺人事件】所収


テレビの時代劇を見て、すっかり忍者が気に入ってしまったキャサリンは、恋人の浜口一郎に、忍者屋敷を見に伊賀上野へ行きたいとねだる
しかし浜口は、伊賀上野へは遠いし、京都の二条城近くにある堀川陣屋が、からくり屋敷となっていることを話すと、キャサリンはすっかり興味を持ち、二人は堀川陣屋へと向かった
案内人に説明を受けながらの堀川陣屋の見学は、色々な仕掛けがあり、キャサリンをとても喜ばせるものだった

翌日、浜口が自宅でくつろいでいると、キャサリンから電話が入った
昨日訪れた堀川陣屋がとても気に入って、今日もう一度訪れてみると、パトカーや沢山の野次馬でごった返していて、話によると、建物の中で女性の死体が発見されたのだという

殺害されたのは、株の評論家として有名な中原信一郎の妻である千草
千草の死体は、吊り階段の下で発見されたのだが、見学している最中に死体がなかったことから、犯人は建物を見学している参加客のなかにいると、警察では睨んでいるようだった
その後の調べで、事件当日の堀川陣屋の見学客のなかに、千草の継母である眉子がいたことが判明
眉子と千草は、亡き父親が遺した遺産をめぐり揉めていたことから、眉子に嫌疑がかかるが、見学している最中はグループで行動していたので、犯行をすることは不可能という結論がでる
眉子の他に千草を殺害する動機を持つ人物として、夫婦関係がかなり冷え切っていた夫の信一郎、そして土地問題で揉めていた前田という人物が浮上するが、それぞれには、死亡推定時刻にはアリバイがあった

一体誰が千草を殺したのか?
そして、千草の死体をどうやって、吊り階段の下に置いたのか?
好奇心旺盛なキャサリンは、事件の謎を追う!



~感想~
短編にしては、死体の移動トリックと、犯人のアリバイ崩しという謎解きの要素があって面白かったのだが、如何せん、堀川陣屋のトリックが判りづらかった
実際に訪れたことがある人は「ウンウン、わかる」って頷くのかな?
一応、挿絵つきで説明してくれているんだけれど、どうにもこうにも自分には想像力が欠けているのか、それともからくり屋敷になっている堀川陣屋の構造を言葉にするのが難しいのか、よく理解できなかった
それに、そのトリックを重視したせいか、事件の裏側が描かれていなかったのも、ちょっと物足りない気がした

という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです



◆この原作のドラマ化作品◆
ありません



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