あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

京都恋供養殺人事件

京都恋供養殺人事件 ~京都恋供養殺人事件~


キャサリンの誕生日を祝うために、ささやかな誕生日パーティーが開かれていた
恋人の浜口一郎、数々の事件を通して懇意にしている京都府警の狩矢警部に橋口警備補だけという、ごくごく内輪でのパーティーである
そこに、花束を持った若い女性が現れた
キャサリンが英語の講師をしているカルチュアセンターの生徒の西沢麻美だという
彼女を交えてのパーティーが盛り上がっている最中、狩矢のもとに事件の一報が入り、えんま堂で殺人事件が発生したとのことで、狩矢たちは中座してしまった
人一倍好奇心が強いキャサリンは、自分のパーティーそっちのけで、事件現場に駆けつける

えんま堂で遺体となって発見されたのは、麻美の叔母である西沢秋子であった
数日後、今度は西沢家の当主である、西沢四季の絞殺死体が千本釈迦堂で発見され、更には西沢家の長女の夏子、その夫の春彦、夏子の養子である麻美のもとに殺人の予告状が…
殺人の動機は、西沢家の莫大な財産をめぐるものなのか?
麻美と親しくしているキャサリンは、事件を追ううちに、西沢家の複雑な家庭状況を知ることとなる
一家を掌握するために横暴に振舞っていた四季、春彦と秋子の不倫、それを黙認する夏子、自殺した養子の存在…
愛と欲とが絡む複雑な一家の関係が、事件の真相を闇に葬ろうとしていた

事件の謎を追って、京都から志摩、東北仙台、そして九州別府へ
キャサリンの華麗な推理が事件の真相を突き止めたとき、あまりにも非情な現実が待ち受けているのだった…



~感想~
真相は、かなり曖昧
結局のところはどうなの?って感じ
亡くなった人たちが報われない結末は、凄く後味が悪かった

という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです



◆この原作のドラマ化作品◆
平成3年4月13日放送
京都恋供養殺人事件土曜ワイド劇場
『京都恋供養殺人事件・えんま堂、釘抜き地蔵、釈迦堂・三人の死者が解いた真犯人とは…』
出演/町村佐知子…岡江久美子/浜口一郎…船越栄一郎/狩矢警部…若林豪/西沢春彦…河原崎建三/西沢夏子…土田早苗/吉野やよい…山村紅葉/西沢麻美…井上博美/西沢四季…杉山とく子/野上陽介…山内としお/橋口警部補…伊庭剛/藤田先生…丘さとみ/西沢秋子…勝部真由美/西沢冬子…小野沢知子 ほか


…ドラマの内容
テニススクールに通い始めた町村佐知子は、コーチを勤めてくれる西沢麻美を自分の誕生日に招待する
佐知子の誕生日パーティーに集まったのは、佐知子の恋人で京南大学助教授の浜口一郎、京都府警の狩矢警部、そして麻美の3人
パーティーの最中、狩矢のもとに「えんま堂で殺人事件発生」の一報が入り、好奇心の塊である佐知子は、浜口らとともに、現場であるえんま堂へと向かう
殺害されたのは女性らしく、遺体が担架に運ばれる様子を見ていると、担架からだらりと垂れた腕を見て、麻美は驚いた表情を見せる
遺体の指に嵌められた特徴のある指輪を見て、「叔母の秋子では?」と思ったからだった

えんま堂で絞殺死体となって発見されたのは、やはり麻美の叔母の西沢秋子だった
麻美の住む西沢家は、血が繋がっているのは、当主の四季と長女の夏子だけで、今回殺された秋子は、先代の当主である立秋が愛人に生ませた子で、夏子の夫の春彦は婿養子、麻美は養護施設から養女として迎えられたという、なんとも複雑な家庭環境にあった

程なくして、当主の四季が千本釈迦堂で絞殺死体となって発見され、麻美も毒入りのお茶を飲むが、なんとか一命を取り留める
一連の事件は、西沢家の莫大な財産をめぐる連続殺人事件なのだろうか?
なかなか事件の核心を掴めないまま、新たな殺人が発生してしまう
夏子が、釘抜き地蔵で毒殺死体で発見されたのだ
西沢家の財産を受け継ぐのは、春彦と麻美の二人…
この二人のうちのどちらかが犯人なのだろうか?

誰もが西沢家の財産をめぐる連続殺人と思うなか、佐知子は、今回の事件が、えんま堂、釈迦堂、釘抜き地蔵と、あの世を思わせる場所で起こっていることから、 西沢家に恨みを持つ人物による犯行なのでは?と推理する
秋子の恋人だった野上陽介に話を訊くと、麻美を養女にもらう前、冬子という養女がいて、冬子は離縁されたのちに首吊り自殺をしていたことを知る

西沢家に酷い仕打ちを受けた冬子の関係者による復讐劇なのか?
佐知子と浜口は、冬子が幼少時代を過ごしたという大分別府へと飛ぶ…


…ドラマの感想
小説では曖昧だった結末も、ドラマではスッキリと解決してくれた



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