あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

京都やすらい祭の殺人

殺人を見た九官鳥 ~京都やすらい祭の殺人~    【殺人を見た九官鳥】所収


春の京都
太秦の牛祭、鞍馬の火祭とともに、三大奇祭として有名な、今宮神社の“やすらい祭”が行われている最中、突然悲鳴が上がった
見物客が溢れるなか、若い女性が血まみれになって倒れていたのだ
恋人の浜口一郎とやすらい祭を見物していたキャサリンは、祭の風景をカメラやビデオで収めていたので、それらを確認すると、ある異変に気づく
通常、祭では4人一組で鬼は踊るのだが、なぜか鬼に扮した人物の姿が5人映っていたのだ
しかも、4人の鬼は草履を履いているのに、一人の鬼だけはなぜかスニーカーを履いていた
そのことから、キャサリンは、犯人は鬼の姿に扮して、凶行に出たのでは?と推理する

その後の調べで、やすらい祭で亡くなった女性は、新進の日本舞踊・多田流の家元夫人、多田小雪であることが判明
多田流では、家元の多田雪山の体調が思わしくないこともあり、次期家元をめぐり、家元が愛人に生ませた子の多田雪也、高弟の多田白雪、同じく高弟の多田初雪、そして今回の事件で亡くなった小雪らが、激しい火花を散らしていたという
これは、時期家元をめぐって起きた殺人なのだろうか?
鬼に扮装して殺人を犯すという発想が、いかにも舞踊家が思いつきそうと、キャサリンは多田流の中に犯人がいると睨む

そんななか、新たな事件が発生した
高弟の初雪が、大怪我をして出血多量で病院に運ばれたという
発表会に着る着物の襟にカミソリが縫いつけてあり、首筋を切ったのだ
さらには、小雪の葬儀の日に、かねてから病気を患っていた家元が亡くなり、その家元の通夜の日には、雪也が毒入りのウイスキーを飲んで病院に担ぎ込まれてしまう

次々と多田流を襲う不幸の連鎖
なんとか事件の解明をしようと、やすらい祭を撮ったビデオや写真を丹念にチェックしていたキャサリンは、やがて犯人に結びつく決定的な証拠を掴む
その犯人とは…



~感想~
次々と事件が起こり、スピーディーに話が展開していく
派手なトリックは無いものの、手堅い作りの作品
伝統ある祭を背景にしているので、京都の風情も感じることができた

という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです



◆この原作のドラマ化作品◆
ありません



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