ご無沙汰しております。

別会 いらっしゃってたんですね!
私は所用で烏帽子折からしか観れなかったのですが、良い舞台でしたね。
立衆の中でも関西の先生方が圧倒的な存在感をはなっていた気がします。
3月もですが、石橋は皆さんでいらっしゃるのでは?? (2010年12月03日 07時59分11秒)

Over The Moon.

Over The Moon.

2010年11月28日
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カテゴリ: *能関係の日記*
毎年秋に、東京の宝生能楽堂で行われる
秋の別会。

鴨くん(仮名)「今年は面白そうですよ。『実盛』『葛城』『烏帽子折』。
   『葛城』は近藤乾之助ですし、『烏帽子折』は宝生宗家!
   これは必見です」

鴨くんが目をキラッキラさせながら教えてくれた。
確かに、番組を見ても豪華な面々である。

私「へー。チケットいくらなの」

鴨くん「正面は 12000円 10000円 です」

チキチキチキーン(¥v¥;)

えーと。新幹線代と併せて・・・よ、4・・・

鴨くん「何をためらってるんですか!乾之助の能は、
   もう機会がないかもしれないんですよ。
   しかも『葛城』ですよ葛城! 更に序の舞じゃなく“大和舞”!
   これを観ないでどうするんですか」


む・・・ それは確かに・・・
齢80を超える乾之助師の能(しかも葛城)・・・
序の舞とは違う舞も入るし・・・

・・・




今しか観れないものは、観ておかねば。



そして、久々の宝生能楽堂。
師匠に脇正面のチケットをお願いした。

鴨くん「かなり前ですね」

前から2列目、橋掛かりの真横。




まずは『実盛』から。


「老武者の悲しさ」が表れる名作だと
解説には書いてあるけれど。

おおっ、と思ったのは

地「鞍の前輪に押しつけて」

かなり後半なんだけれど(ていうかキリか)、
老いた実盛(シテ)が

地「首」

相手方の首をとらえて

地「かき切って」

かき切るところの型。

老いてもなお強い武士の、凄みが感じられた。


それ以外のところは・・・
私の目がまだまだなのでありましょう、
型が綺麗な方だとは思ったけれど
こう、強くぐっとくるものはなかったような。


続いて狂言、仕舞が挟まって
(狂言は『鶏聟(にわとりむこ)』、
 お舅さんの芸がお上手! 愛情が感じられた)
能『葛城』。


ワキ「神の昔の跡とめて・・・」


懐かしいワキの謡で物語が始まる。

山伏たち(ワキ)が、雪山で吹雪に遭い
岩陰で難を逃れようとする。

そこへ


シテ「のうのう」


幕の向こうから、シテの声。

私が座っている位置からでは、180度振り向かねばならず
ぎゅっと体を返して、幕向こうのシテを見ると


シテ「あれなる山伏は何方へ」


(゜□゜;)
悪寒がした。


シテ「御通り候ぞ」


凄い、何だこの存在感。
凄い。
やばい!(←語彙貧乏)


橋掛かりを、ゆっくりと通るその姿にも
辺りを包む吹雪、雪を踏み分ける音、
それらがそこに存在するかのようなハコビ。

見所全体の意識が、シテに引きつけられている。
私もその1人として、一体感に似た空気を肌で感じる。

これが名人の芸・・・(何だか既に満足感)。


そしてシテにとって、なくてはならないワキも
今回の方は、ワキ方では名人のお一人なので
シテの圧倒的な存在感にも負けてはいない。

いや、それを包む優しさを兼ね備えているというか
「この山伏になら任せられる」という安心感を覚える。

確か、以前拝見した三川泉の『葛城』も、ワキはこの方だったはず。
素晴らしいなぁ。凄いなぁ・・・


その後も、色んな箇所で色々感じたのだけれど
特筆すべきは、後の「大和舞」からキリまで。


地「高天の原はこれなれや・・・」

葛城山の神として出てきたシテが
扇ではなく、御幣(巫女さんが持つ、白い紙がシャラシャラついた棒)を手に

シテ「神楽歌はじめて」

え、そこ地謡では、というところを謡い

シテ「大和舞いざや奏でん」

大和舞を舞い始めた。


神に捧げる舞だからか
シテが神様というより、
人間味の方が強く感じられた。


キリも、普通なら踏む止め拍子を踏むことなく
白く照らされた自分の顔に

地「恥ずかしや あさましや」

急いで帰っていき、

地「岩戸のうちにぞ入り給う・・・」

幕の向こうに吸い込まれていった。



こんなんアリなんかー、と思いながら
めったに見られないものを見られた、という感覚が五感に満ちみちて、
来て良かったなぁと思った。



で、最後は
若き宝生宗家の『烏帽子折』!


山ほどの役者が出そろう、
豪華で賑やかな舞台だ。

やはり後半、橋掛かりに


「「「「寄せかけて~~~」」」」


10人以上がずら~~っと立ち並ぶ御姿は壮観!
(この席近い!ちかいよ!)

年長けた武者たちが、かわいい子方に向かっていって
ばったばったとやられていく。
その切り組も、それぞれ違っていて面白い。

その立衆のお一人である師匠は
舞台から橋掛かりまで、勢いよくジャンプ&平臥!
(あっ、落ち方が痛そう)


そして、一人残った熊坂長範(シテ@宗家)だが・・・

地「熊坂長範ろくじゅうさん~」

『熊坂長範(63)』!( ̄□ ̄;)

に・・・ ニュースみたいな地の出! (←注:突っ込むところでは全くない)


そんな良い大人の熊坂長範(63)は、
牛若丸(12~17?)に真っ向から斬られ

地「二つになってぞ」

どうやらまっぷたつになって、

地「失せにける~」

めでたく牛若の勝利で終わるのだった。

やんややんや。



私「おもしろかった~~」

鴨くん「来て良かったでしょう」

ちょいと値ははったけれど
ずいぶん楽しませていただいたのは確か。


鴨くん「でも別会だというのに・・・空席が目立ちましたね。
   悲しいことです」


敷居が高いと思われがちなのは、理解できるけれど
どんなに稽古して、どんなに良い芸をしたとしても
見る人がいなければ意味がない。


かくいう私自身も、話を聞くまで行こうとは思わなかったし
どこかでちゃんと、「この演目・この舞台は面白い」と
プッシュ&宣伝してくれる人がいるんだろうな。
演目名や能楽師名だけ見たところで、稽古をしている私でも
判断つかないことが多いし。


私「次のオススメの舞台は何なの」

鴨くん「春の別会ですね。『隅田川』に『道成寺』」

ふむ。確かに面白そう(やっぱりチェックしてるんだね・・・)。


ともあれ、観に行ってよかった。
稽古に何かしら生かせたらいいな。





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Last updated  2010年12月01日 22時16分01秒
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Re:2010年秋の別会・鑑賞記(11/28)  
m4biz さん

コメントありがとうございます~  
五月渡理  さん
★m4bizさん
 おおっ!ご無沙汰でございます。ありがとうございます!
 m4bizさんも別会にいらしたんですね。烏帽子折の立衆は、見知った先生方も多くって
 どんな風に切られていくのか(笑)わくわくしながら見てました。
 仏倒れを真横から拝見したのも初めてでした。

 5月の石橋は、是非とも拝見したいと思っています!
 仰る通り、きっと京都勢がどやどやと押し掛けるとは思いますので
 またどうぞよろしくお願いします。
(2010年12月03日 23時56分01秒)

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