インディー(127)



「あした、バジルの種を買って来てプランターに植えよう!」

「もう遅いんじゃないの?」

「全然、大丈夫だよ」

「あたしは、なまけものだから、水やりしないよ」

「おれも怠け者だけどだいじょうぶ!」

「どうして?」

「梅雨だから」

「そっか」

「梅雨明けくらいには、パスタに使えるよ」

「たのしみ!」

「ところでキャンパスでのフリペの反響はどう?」

「あたしのイラストがおもしろいって!」

「ほかには?」

「内容がバラバラで何が言いたいのか良くわからないって!」

「ハハハッ!でもストリートライブを巡る府議会議員へのインタビューは、はっきり主張してるはずなんだけどなあ」

「あそこは、みんな飛ばして読んでる」

「そうかい、そうかい。ショボンやねぇ」

「そうそう、友人のトモコって子が、すごい興味を示してたよ」

「どんな子?」

「むちゃファンキーやで」

「どんな風に?」

「あたしと一緒で高校のときからホモマンガとかホモ雑誌にはまってたみたい」

「ふうん」

「なんか、フリペの制作にかかわりたいみたいだよ」

「そうなんや」

「一度、会ってみる?」

「そうやねえ」

「それじゃ、今度の土曜日で調整するね!」

「やけに早いなあ。まあ、いいけど」

「トモコは焼き肉大好き人間だから、焼き肉屋で面接ってどう?」

「今、あんまり、懐リッチじゃないんだけど・」

「そんなこと言わないでよう。あたしも焼き肉食べたーい!」

「ほんとはナオミが一番焼き肉屋に行きたいんだろ?」

「デヘッ!バレたか」

「バレバレだよ」

「ねえ、おねがい!おいしいタンとかゼンマイとか、おなか一杯たべたーい!」

「ゼンマイ食べるの?」

「ウン!生ゼンマイ大好きー」

「そういう通の方をご案内するなら、やっぱり鶴橋だなあ」

「鶴橋いいわぁ」

「いい店知ってるから案内するよ」

「ありがとう」

「待ち合わせはロックビルっていう喫茶にしよう」

「鶴橋の?」

「そうそう。近鉄の高架下の商店街にあるんだよ。そこのキムチサンドがメチャウマ!」

「エ゛ーッ!キムチサンド!」

「はじめて聞く人は、みんなエ゛ーッって言うけど、トビきりうまいんだよ」

「ふうん」

「マッ!いっぺん食べてみなよ」

「楽しみにしとく。さっそくトモコに電話するね!」


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