インディー(156)



「もう、いややわぁ」
とナオミは、半ベソ状態。


「あしたも来そうな感じ?」

「うん」

「バイト何時からだっけ?」

「2時から」

「そしたら、オレも一緒に行くよ」

「ありがとう」

「ヒロトが現れたら、今、ナオミと一緒に暮らしてるって言ってやる」

「そうして」

「あいつ、どんなこと言いよったん?」

「愛してるから、もう一度やり直してほしいって」

「その、愛してるはセックスしたいってことだけや」

「ヒロトは、いつも愛してるって軽く言うやつだったの」


ちょっと言いすぎたかなと思った。


「とにかく、もうナオミには近寄るなって言ってやるよ」


「そうして。お願い」

と涙声。

手を伸ばして、抱き寄せ、両手の平でぎゅっと背中を抱いた。

「ごめん、ごはんの用意してへん」

「ほんなら、ヨシギュウでも行こか?」

「あたし、ファミレスの方がええんやけど・」

「わかった。ほな、ファミレスに行こ!」


(つづく)



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