2014年04月19日
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「ゆみさん、作業の手を止めさせて悪いけど、少し語って良い?」

保護家スタッフが、私を呼んだ。

スタッフの手元には、開かれた保護家の通帳。

「この方は、お洋服を買わずに、この支援金を下さったんだろうね…

 この方は、毎月お給料が出たら、郵便局に走って下さってるよね…

 この方は、お名前からしてまだ若い方かな?

 お給料をお母さんにお渡しする前に、保護家にと送金して下さったんだろうね…

 この方は、旅館を経営されてる方よね?

 長年、支援して下さってる聖母のような方よね。

 私ね、通帳を開く度に、涙が出るとよね…

 支援者皆さんの、温かい気持ちがね、この記載してる文字から

 強く伝わって来るとよね…

どんなにありがたいことかと思うと、涙が出るとよね…」


記載された文字を一つ一つ指でなぞりながら、

普段あまり感情を表に出さないクールなスタッフが、

涙を流しながら、そう話し出した。



忙しさにかまけて、会計報告も毎月できず、

半年溜めてupする事もあった。

支援者でない方からは、「早く会計報告して下さい」と、

ご指摘されることも多々ありますが、

支援者の方からは、一度も会計報告を出すように

ご指摘受けた事がありませんでした。

会計が遅れてて申し訳ございませんと、公の場で謝罪しても、

「そんな事は後回しで良いの。犬猫達を優先して下さい」と…



本来ならば、一日でも早く会計報告しなければ、

支援したお金が何に使われたのか、不透明な部分であるのに、

それでも、信じて毎月支援金を送って下さる皆様に、

ただただ、感謝の気持ちと共に、

忙しさにかまけてお礼もままならずにいる自分の不甲斐なさに

腹が立つばかりです。



犬猫を助けているのは、私でも会でもありません。

犬猫をお世話できているのは、私でも会でもありません。


「ご支援」がなければ、保護家は存在しませんでした。

「ご支援」がなければ、私も身動き取れませんでした。


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ただただ、助けたいのに何もできないと、

涙を流していただけでしょう…


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何一つ犠牲にする勇気も覚悟もなかったでしょう…




スタッフと二人で、涙しながら振り返った。

四年前、私は「判定」に落ちた犬達と向き合いたいと、

個人活動家に戻りました。

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電気ガス水道もない更地から「保護家」はスタートしました。

個人でできるのは、犬5頭までだと線を引きましたが、

支援者の皆さんから届いた物資や、支援金で、

保護家は、柵もできた。

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多くの犬猫を保護する事もできた。

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二年後、環境の整った場所に移動する事も出来た。

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病気をすれば、病院にも行けた。

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手術する事もできた。

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いいえ、この子達みんなみんな「生きる」事ができています。

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通帳の文字は、機械で綴られた文字や金額ではありません。

保護家の子達のために、管理所で待っている子達のためにと、

犬猫達の顔を思い浮かべながら、通帳を握りしめ、

銀行や郵便局に走って下さった支援者様の「温かいお心」だと、


大切にしていきたい、大切にしていかなきゃと、強く思います。



この場でしか、お礼を言う事が出来ず本当に申し訳ございません。

犬猫達のために、そして、こんな私達を信じて下さり、

本当にありがとうございます。

温かい支援金を、本当に本当に…ありがとうございます。






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最終更新日  2014年04月20日 02時20分03秒
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