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朝起きると船は大海原を走っていた。
大島で大半の乗客が降りており、がらがらになった船を僕が下りたのは式根島であった。
何で式根島で降りたのかって?
そりゃ単純に行ったことのない島だからである。
所詮1泊2日の一人旅。のんびりするには何といっても南の島が最高だ。
式根島には野趣満点の温泉がある。海の幸もある。
この季節、きれいなお姉さんはいなかろうが美しい海はある。
リラックスするにはそれだけで十分だ。
朝9時過ぎに島に着くと昨夜予約しておいた民宿の車が迎えにきてくれていた。
シーズンオフのこの季節。車に乗り込んだのは僕ともうひとり若い女の子の2人だけであった。
少しだけ彼女と話をした僕を驚かせたのは、彼女がまだ高校生であるということであった。
女性の一人旅でさえ珍しいご時世に女子高生の一人旅だなんて初めて見たよ。
その勇気に感動を覚えつつも、危なくはないのかとと父のような心配をしてしまうものであるが、まあこんなひなびた島ならば悪い誘いも多くはあるまい。
民宿に投宿した僕は荷物をぶちまける。
明日は11:40初の船で帰るのでのんびりできるのは今日だけ。
式根島には温泉以外さして見所はないのだが、とりあえず道路のない西海岸の遊歩道をひとりのんびりあるこうではないかと部屋に荷物をばらまいて準備をする。
するとそこに件の女子高生が尋ねてきてこれからどこへ行くんですか?とかいう話になり、大体行く方面が同じなのでじゃあ一緒に歩こうかといかいう話になるのであった。
別に意図的にそういう方向に話を持っていったわけではないので誤解してはいけない。
場合によっては父娘ほどの年齢差のある二人である。
人並み(以上?)に女好きの僕だって女子高生となるとテリトリー外なので心配はない(?)だから嫁さんに気兼ねすることもあるまいて。

初めての旅の時は何もかもが新鮮な反面、何もかもが不安でしかたないということがよくわかる。
初めての旅でいやな思いをすれば二度と旅などしたくなくなるかもしれない。
しかしはじめての旅が最高のものであればまたその人は旅に出る。
だからこの旅が彼女にとって最高の旅になってくれればと傍らで思う僕であった。
僕は何もしらない純真な女子高生とともに島一周徒歩コース(健脚向け)に足を踏み入れるのであった。(続く)
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