ファーストシーンは、穏やかな土佐の海を背にして、砂浜で剣術の練習をする、土佐の下士の若者たち。
指揮を取るのは、武市半平太だ。
剣を降る若者たちの中には、岡田以蔵も近藤長次郎の姿もある。懐かしい顔ぶれ。
彼らはもう天国に旅立ってしまったのに・・・。
龍馬さんが若かりし頃、この海の向こうの夢を見ていたころの懐かしく幸せな風景だ。
駆け寄る龍馬さんを土佐の郷士たちは、『龍馬、もうすこしだ!』と励ましてくれる。
海援隊のメンバーに起こされた龍馬さんは、夢から現実に戻る。
徒歩か帆船しか交通手段のなかった時代に、龍馬さんはすでに丘蒸気(蒸気機関車)の構想も持っていたのですね。
蒸気船と機関車。日本中を駆け回っていた龍馬さんにとって、交通手段の開発は、流通経済の活性化のための急務だったのでしょう。
『大政奉還』は果たされた。
時代は龍馬さんが目指している『上も下もない時代』になりつつある。
夢の実現は目前だ。
龍馬さんが『大政奉還を成功させる』ことを確信した弥太郎は、大政奉還が発表される前までに武器を売りさばき、大金を手にする。
弥太郎は龍馬を探し、土佐藩邸に龍馬の居所を聞きに行くが、土佐藩士も龍馬さんを厄介者扱いするような口ぶり。危機感を感じる弥太郎。
そのころ、龍馬さんは京を離れ、越前藩に出向いていた。
松平春嶽と会い、新政府の構想を話す。
龍馬さんの願いは『新政府を作り、民衆が安心して暮らせる世の中を』ということだった。
春嶽は龍馬さんを上座に座らせる。
『そこから見た風景は違うものに見えるだろう。力を一度手にしたものは簡単には離したくないものだ』という。
しかし龍馬さんは 上座から見た世の風景に興味はないという。
そのころ、龍馬さんが書いた『新政府綱領八策』は各藩の重役たちに波紋を投げかけていた。
『○○○を盟主とし・・・』の○○○にだれが入るかが藩士たちの一番気になるところだ。
長州藩邸にいた中岡慎太郎は、薩摩藩の西郷吉之助・大久保利通や長州藩の木戸孝允らに、早く新しい政府を作るように言うが、徳川の力をまだ信じる者たちはなかなか聞き入れない。
弥太郎は近江屋に出向き、龍馬さんと会うことができた。
そして自分の才覚で稼いだ武器の代金を『おまんに儲けさせてもらった金は返す』と龍馬さんに手形を渡そうとする。
龍馬さんは受取らず、『俺はお前を友達だとずっと思っている』という。
弥太郎は龍馬さんに対するコンプレックスを幼いころから持っていたことを打ち明ける。
『まぶしすぎる陽の光は、無性に腹が立つということを知っているきにの・・・』と。
龍馬さんはかかわってきた人にとって『陽の光』であり続けたのだろう。
だが、その光を希望にする人もいれば、疎ましく思う者もいる。
龍馬さんは 『世の人は我を何とも言わば言え。我がなすことは我のみぞ知る 』と歌を詠み、
『自分にできることだけをしてきただけ。好きに生きただけ』と言う。
それでも手形を渡そうとする弥太郎に、龍馬さんは
『この金で、立派な会社を作り、日本人を幸せにしてくれ。それはワシにはできん。岩崎弥太郎だけができる大仕事ぜよ』と無理やり手形を返す。
最後の最後まで、龍馬さんは弥太郎に優しかった。弥太郎の才能を見抜いていたのだ。
それは友達とかの枠を超えて、最後の最後まで弥太郎に生きる希望を持たせた素晴らしいふるまいだった。
別れるとき、龍馬さんは弥太郎に『達者での』といい、きちんと頭を下げた。
今までにない雰囲気の龍馬さんに、不安を覚える弥太郎。
龍馬さんはお龍宛てに、手紙をしたためる。
『大仕事が終わったら、一緒に土佐に帰り、家族をみんな連れて、蒸気船で世界を回ろう。海援隊には英語の辞書を作るように言った』
『それからアイ ラブ ユウという言葉の意味はアイがわしで、ラブが愛で、ユウはお龍の事じゃ』と。
龍馬さんはこんなにロマンチストな人だったのかな
一方中岡慎太郎は、京の町中で、新選組と出くわす。そして斬り合いになる。
また出てきた・・・新選組・・・ウザいつーの!
近藤勇がイヤ!原田泰造がどうしてもいやっ!最後までどうして出てきちゃったんだろう?時間の無駄。最終回なんだから早く消えてよ!
中岡と斬り合いになった近藤勇は、中岡を追い詰めるが、中岡も強く、斬ることはできずに隊員と共に去っていく。
京の町人たちは『幕府がなくなれば、新選組もただの人斬りだ』と揶揄する。
龍馬さんを狙っているのは新選組だけではなかった。
『見廻組』という幕府直轄の集団である。彼らが京の町を探している中、
龍馬さんは近江屋でお酒を飲みながら、一人新政府の人事構想を記している。
『生きていれば武市半平太にはこの役職、以蔵は優しいからこの役職、長次郎には世界各国を飛び回る役職、高杉さんが夢見た新しい日本がくるぜよ』と亡き同志たちと心で語り合う龍馬さん。
ここで涙が止まらなくなりました
龍馬さんが背負っているのは、志半ばにして命を落とした同志たちの魂。
一心不乱に世を変えるためだけに奔走した龍馬さんの背中を押し続けていたのは、彼らの夢の行方だったのだと思います。
静かな夜をお酒を飲みながら、亡き同志たちと語ったこの時間が、坂本龍馬にとって一番安らげる、幸せな時間だったように思います。
そこに中岡慎太郎が訪ねてきます。
中岡は『あの○○○の中にはだれが入るのじゃ』と聞くが、
龍馬さんは『みんなが入る。上士も下士もない。志のあるものなら誰もが入れる。みんなで選ぶのじゃ』という。
民主主義。すでにこの時龍馬さんの頭には『選挙で総理大臣を選ぶ』という方法があったのだ。
なんという先見の明
中岡は『お前の名前がない』という。
龍馬さんは『ワシは役人になる気はこれっぽっちもない』ときっぱり答える。
この仕事が終わったら海援隊のみんなと世界を見て歩くという。
それは若いころからの龍馬さんの夢。大きな仕事の後に、龍馬さんは本気で家族と海援隊のメンバーを連れて、船で世界を回るつもりだったのだろう。
運命の時はやってきた。あっという間の出来事だった。
見廻り組の3人が近江屋に乗り込んで来て、丸腰だった龍馬さんと中岡慎太郎は斬られてしまった。
見廻り組が去った後、虫の息の龍馬さんは、中岡に『船があれば、蝦夷を開拓して、新しい、町を作ろうと思う』と語る。
『ワシの船はどんな嵐でも沈まん』それはぶれることなく、志を貫いてきた龍馬さん自身の心の船。
そして命尽きるとき、龍馬さんは中岡にこう聞く。
『ワシはこの命を使いきれたがかえ?』
中岡は『まだまだ』と答える。
龍馬さんは『まだまだかえ・・・』と悲しくほほ笑む。
坂本龍馬33歳、中岡慎太郎30歳。
時代を変えたのはこんなに若者だったのだ。
龍馬さんは本当に世界を見て歩きたかったのだろう。
この龍馬伝で、最後の最後まで福山雅治さんは坂本龍馬さんでした。
坂本龍馬さんにしか見えなかった。
龍馬さんは福山さんの身体を借りて、現代にタイムスリップしてきたのだと思う。
きっとこの一年間、福山さんとともに今に時代を、見て歩いていたのだと思う。
福山さんが龍馬伝の撮影の後、NHKの『ホットスポット』の撮影で海外を回ったことで、『坂本龍馬さんの夢』がかなったのではないでしょうか。
1年間、1話も欠かさずに『龍馬伝』を見てきました。
自分の目指す道をぶれずに目指すことの難しさと、それでも目指すチカラが何事をも動かすことを知りました。
暗殺という形で命を失った龍馬さんは、きっとやりたかったことをまだできずにいたのかもしれません。
福山さんが一年間龍馬さんの意思を感じて演じたことは、本当の龍馬さんにとって、大満足の結果になったような気がします。
きっと今度こそ『わしは世界を回ったぜよ』と天国で、武市さんや以蔵さんや、近藤長次郎さんに話しているかもしれない。
お父様やお母様とも会えたかな?
書きながら、今までの『龍馬伝』思い出して、涙が止まらないのですが、
最後に弥太郎が語った、
『あんな龍はどこにもおらんぜよ!』
が龍馬さんに対する気持ちだったのだと思います。
初めて真剣に1年間を通して見た『大河ドラマ』でした。
NHKさんの映像の美しさ、脚本の素晴らしさ、俳優さんのキャスティングの上手さ、サウンドトラックの巧みさ、そして間違いなく龍馬さんが乗り移っていた福山龍馬さんの圧倒的な演技力。
本当に、本当に、素晴らしいドラマでした。
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