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先日紹介した「光村ライブラリー」の中の短編に星新一の「繁栄の花」という興味深い話がありました。
ショートショートの神様。教科書に載った作品です。
地球がある惑星との交信に成功して、その惑星と貿易を始めることになりました。
その惑星から<繁栄の花>といわれる花の種がサンプルとして届けられました。
地球人はさっそく、その種を植えて育てることにしましたが、なんとも美しい花が咲いて、不思議な香りを放つ花でした。しかも1年中咲き続けるのです。しかも、簡単に種子がとれるのです。
ある人が、このサンプルの花から得られた種子でお金もうけをしようとたくらみました。そしてあっという間に世界中にこの花が咲くようになりました。これは商売を繁栄してくれる花でした。
さらに、世界中に広がる繁栄の花となりました。
さて、この花は育つと決して枯れることがありませんでした。
除草剤をまいても枯れません。根っこを抜いても一時的に成長は止まりますが、枯れることはありません。世界中で増え続けるのでした。
ここにきて地球人は困ってしまいました。
その時に再び貿易先の惑星から使者がやってきました。
「この花を枯らす方法はただ1つ。私たちの惑星にいる蜂に花を食べられると枯れてしまうのです。」
この繁栄した花を抑えるにはこの蜂しかないのです。困った地球人は蜂を輸入することにしました。
地球人はこの蜂を地球で繁殖させて問題を解決しようとしましたが、全く繁殖能力のない蜂だったのです。
惑星の使者は「私たちの惑星にいる女王蜂しか繁殖させつことができません。」といって、一方的な貿易をすることとなりました。
その惑星は、地球上の繁栄の花がなくなりそうになれば、蜂を搬送する宇宙船の来る間隔をあけ、決して地球上の繁栄の花がなくならないように企てています。
繁栄の花とはその惑星が繁栄するための花だったのです。
今の時代の状況にすごく似ていると思いました。
人々は科学技術の進歩により原子力という究極の科学を作りました。
日本は原子力を利用した爆弾で被害を受けた唯一の国です。
非核3原則を唱え、率先して原子力に反対してきました。
原子力艦が日本の周囲を通るだけで青筋を立てて怒り続けました。
しかし、知らないうちに沢山の原子力発電所が日本中に散らばっています。
平和利用の原子力なのでこれは別物と言わんばかりに開発が進みました。
地元住民以外に誰か反対したでしょうか?
繁栄の花のごとく原子力発電所は世界中に広がりました。
開発、建設した企業にとってはまさに繁栄の花でした。
そして今回の原発事故。
地球人はその対処方法を知りませんでした。
花が枯れないのならまだいいが、花も咲かない世界となったのです。
星新一が生きていたら、何かいい案を教えてくれるだろうか。
花を食べる蜂のように。