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交響詩「21世紀からの留学生」
京都市委嘱作品
矢田部誠子 作詩 ・矢田部宏作曲
混声4部合唱とオーケストラのために
第2章「笛」
芽ぶき柳の
腕のような橋を渡り
月は天空にゆっくり
戸じまりをしていく
まんまるく ふくらんだ
うすばりのなかに
みんなとじこめられて
夢をみる
かやつり草にむすばれた
鳥の泪は ころころころげ
笛の音なって
月の後を追う
七彩(なない)の羽衣を
ゆるやかにひるがえし
東山の峰々に
天人たちの奏楽
たった今
きらり光ったのは
あれは べんけえいのなぎなた
牛若丸も笛を吹く
たった今
きらり光ったのは
あれは熊谷真実(くまがいなおざね)のたち
敦盛(あつもり)さまも笛を吹く
ゆりかもめ舞う
四條河原では
おくに歌舞伎の下座(げざ)の笛
まつりばやしも ひびきあう
黒い家並をぬけ
白い川筋を渡り
野仏にささやき
四明岳をこえてひびく