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ふるっぴ@ Re:時は流れても、私は流れず(08/26) もうすぐ2016年の夏です。みんな元気…
ヤンスカ @ Re[1]:時は流れても、私は流れず(08/26) furuさん ふるっぴ、お久しぶりです! よ…
ヤンスカ @ Re[1]:時は流れても、私は流れず(08/26) gate*M handmadeさん うお~!お久しぶり…
furu@ Re:時は流れても、私は流れず(08/26) 勝手に匿名コメントを残し、怪訝にさせて…
furu@ Re:時は流れても、私は流れず(08/26) やっぱり元気やったな!? 良かった。
2012.08.03
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カテゴリ: 妄想
彼が、唇に微笑みを浮かべながら、
いたずらっぽい表情で音もなく動き回る姿は、ネコ科の動物を思わせるの。

192センチの長身。
女に見えなくもない、繊細な顔のライン。
そして、なんといっても、手。
まるで、違う生き物のようにイワンの手は、感情と同化している。

今も、銀のトレイを持つ指先が、踊りださんばかり。
いいことが、あったのね。

「ねえ、ミーラチカ。あなたの好きな焼酎だよ」

「どうしたの?森伊蔵じゃないの。あ…もしかして新しいボーイフレンド?」
「あたり。前にヒースローで会った日系キャリアのクルーからもらった」

イワン。私の癒しの天使。
彼はまったく、女には興味がないのね。
だけど、女たちは、皆イワンに夢中になる。
仕方がない。こんなにキレイな男など、滅多にいないのだから。

私が、彼をスカウトしたのも、その美しさにハッとさせられたから。
パリのファッションシーズンだったわね。
ジャン・ポール・ゴルチエのステージを闊歩するあなたは、
ランウェイの堕天使と言われていたわ。
私の隣のヴォーグの記者が、興奮して大騒ぎ。



「あなた、カーステアーズに誘いをかけたって、本当?」
顔中で笑うと、イワンは頷いた。

「ミーラチカ、あなたの使者だなんて思わなくて、いい男だなって思ってさ」
「たしかに、彼はいい男よ」
「で、私には敬愛なる婦人がおりますゆえ、とか、そんな事言ったんだよ。


「悪かったと思ってるのよ。だって、あなたが辞めなければ、
 今頃、アンドレイ・ペジックは世に出ていなかったはず」

イワンに似たタイプの中性的なモデルだ。
ゴルチエのお気に入りになったものね。

イワンは、私の右手を両手で包みこみ、私の耳元でささやく。
「あなたは、私の、喜び」

カーステアーズには、絶対ありえないアクションなのね。

「さあて。オーナー、今日はどうしてボクのキャビンにやってきてくれたの?」
「今ね、あっち(妄想鉄道)は、大々的なメンテナンスを始めたのよ」
「どうして?」

私は、新しく舞い降りた恋について、イワンに言うべきか迷ってしまった。

「わかったよ、ミーラチカ。新しい奇跡が起きたんだね!おめでとう」
「あなたには、しょっちゅう、奇跡が起きてるようだけど」
「いじめないで、愛しいオーナー。ボクは、毎回その奇跡を全力で受け止めてるんだよ」
イワンには、不思議なところがあって、
とても年下なのに、母性のような温かいものを持っている。

今も私の手をとり、肩を抱いてこう言う。
「ミーラチカ、おいで、あなたのベッドに行こう」
そして、献身的に彼の自慢のマッサージを施してくれるのだ。

「どんな人か、このイワンに教えてよ。獲ったりしないよ」

そして、つい、私は彼にのせられて、語ってしまうの。

「そっか。ボクならば、当たって砕けるけどね、
 ほら、ボクは、どうせいつか死んじゃうんだから、悔いなく生きてやるってのが
 信条なんだもの」

「イワン、あなたは若いわ。まだまだ希望が連なっているわ。
 私は、怖いの。で」
「怖さを感じるぐらいに、本当に悩んでいるんだね、ミーラチカ」

私の目から、涙がこぼれ出る。
頬をすべりおちて、シルクのシーツの上に丸く形づくり、そしてフッと消える。

イワンは、母のように抱きしめてくれて、
私に諭すようにいうの。
「愛しのオーナー、あなたは、永遠がどこかから降ってくるって思ってる?
 ちがうよ。少なくともボクは、自分で永遠を作り上げる努力をしてるんだよ。
 あなたも、いつかは、立ち向かわなきゃ」


そうして、私たちは、氷のほとんど溶けたグラスを鳴らし、夜が更けていくの。



ねえ?こういう時ウーはどこにいるのかって、
マジメに質問メールをくださる方があるわね。
もちろん、子供部屋があるのよ、私の飛行機には。
ベビーシッターの、マリアがいるから、安心してね。







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Last updated  2012.08.03 20:02:05
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