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鳩ポッポ9098

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2007.11.10
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「同期の桜」は、「加藤隼戦闘隊」と共に非常に有名な海軍挽歌の一つ、ボクも大好きなのですが、この歌には、何かしら違和感があるのも、事実です。歌詞を見てみましょう

一)貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く
  咲いた花なら散るのは覚悟 みごと散りましょ国のため

ニ)貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く
  血肉分けたる仲ではないが なぜか気が合うて別れられぬ

三)貴様と俺とは同期の桜 同じ航空隊の庭に咲く
  仰いだ夕焼け南の空に いまだ帰らぬ一番機

四)貴様と俺とは同期の桜 同じ航空隊の庭に咲く
  あれほど誓ったその日も待たず なぜに死んだか散ったのか

五)貴様と俺とは同期の桜 離れ離れに散ろうとも
  花の都の靖国神社 春の梢に咲いて会おう


色々、派生的な歌詞があるみたいですが、これが一番メジャーじゃないかなと、思います。鶴田浩二バージョンだからかもしれませんが(笑)ボクは、5番の歌詞が特に好きです。 男の同期は、仲間であると共に、常にライバル同士、だから、遠くにありて思うもの。 これは、男と生まれ落ちた者の宿命とも言うべきでしょう。孔子も言うように、「 君子の交わりは淡きこと水の若く、小人の交わりは甘きこと甘酒の若し 」であり、必要以上に男同士がべたべたとくっ付いていると、必ずと言っていいほど、対立が起きます。「史記」にも刎頚の交わりを結んだはずの友人同士が、互いの才能を妬み、憎み、殺し合う悲劇が描かれております。そう考えると、この5番の歌詞は、まさに君子の交わり。たった一週間程度の「再会」を約して、持ち場に戻る男達。あの醜い木をたった一週間の花見という「再会」の為に大切にする、丈夫の心意気とシンクロする物があります。

そこへ来ると、どうも4番は、ミスマッチな気がしてならない。女々しいという以上に、5番の観念論的な歌詞を台無しにしてしまう、低俗かつ感情論的な印象があります。流石に、全体的な構成として不自然だからか、4番が飛んでいる音源もかなりあります。さらに、細かい所では、一番の「散りましょ」というのは、当時の人間が、男の同期に語る言葉としては、実に不自然である(「散ろうぞ」が正しい)し、「何故か気が合うて別れられぬ」という所も、何かな…

実は、この「同期の桜」には、別の歌詞がついており、題名も「二輪の櫻(戦友の唄)」というものでした。もともとは講談社の「少女倶楽部」昭和13年2月号に掲載された上海の海軍陸戦隊の話に付された「二輪の櫻」(西條八十)の詩が元になっています。

一)君と僕とは二輪のさくら 積んだ土嚢の陰に咲く
  どうせ花なら散らなきゃならぬ 見事散りましょ 皇國のため

二)君と僕とは二輪のさくら 同じ部隊の枝に咲く
  もとは兄でも弟でもないが なぜか氣が合うて忘られぬ

三)君と僕とは二輪のさくら 共に皇國(みくに)のために咲く
  昼は並んで 夜は抱き合うて 弾丸(たま)の衾で結ぶ夢

四)君と僕とは二輪のさくら 別れ別れに散らうとも
  花の都の靖國神社 春の梢で咲いて会ふ


率直に言いましょう。 気持ちわりぃ・・・ 昔から、少女趣味ってのはあったのですかね。腐女子の仮想男子文化というのは、案外、男のオタク文化以上に根が深いのかもしれません。ベルバラとか、昨今のBL系と同じノリじゃないか。こんなのが、同期の桜の元唄だったんですね。これでは、花の都「パリ」が「靖国神社」になっただけであり、あの崇高な友と国家への愛が台無しです。この少女趣味の片鱗が少し、「同期の桜」に残ってしまったというかんじでしょうか。ちなみに、この同期の桜、戦後に盗作訴訟が起こっているのですが、この「二輪の櫻」の音源が残っていた事から、盗作を主張した男の訴えは、却下されたそうです。色々複雑な事情がある歌なんですね。





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Last updated  2007.11.10 19:46:38
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しかし……  
日本の軍歌というのは、なんか悲壮感満載ですよね。
この「同期の桜」も、二番以降だけなら日本以外の国では絶対に反戦歌だと思われるのではないでしょうか(笑)。
(2007.11.11 23:30:27)

>ナナシィ1190様  
鳩ポッポ9098 さん
どちらかというと、海軍には、挽歌が少なくて、軍艦マーチのように、イケイケ的な曲が多いように思いますが、全体的に暗いんだと思いますね。

「ああ紅の血は燃ゆる」なども、その暗さといい、詞のありえなさといい、共産国の歌じゃないの?と思ってしまいます。 (2007.11.12 02:03:55)

Re:同期の桜(11/10)  
夏の日の伯爵夫人 さん
ちっとも、気持ち悪くありませんよ。
日本は世界有数の同性愛文化のある国です。
この歌は、伝統的な武人の恋と言われた「衆道」の世界を描いているだけです。
「衆道」とは、室町時代に武家社会を中心に武士同士に広まった、蒼穹な男性同性愛です。

契りを結んだ(性交渉)した相手には、生涯お互いに一生1対1で、相手に対する殉教が義務づけられました。
「衆道」=男性同性愛は、江戸時代頃までは公でしたが、明治時代になって西欧人と同性愛をタブーとするキリスト教の伝来によって、日陰のものとなってしまいました。しかし、政治の中枢に同性愛がさかんな薩摩藩の人々が大量に採用されたため、軍隊や旧制高校など、男性のみで生活する場所で残りました。

BL(ボーイズラブ)の世界は現在に始まったわけでなく、伝統的に昔から日本にはあった事なのです。



(2017.12.29 23:58:58)

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夏の日の伯爵夫人@ Re:同期の桜(11/10) ちっとも、気持ち悪くありませんよ。 日本…
赤い月@ Re:犯罪を生む犯罪(05/19) T○Sの学校に行こうで放送されていたマザ…
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