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「ねぇホンダホンダ(そうだそうだ)の爺さんね、つかぬことお伺いしますがね、お宅のお孫
さんのA君さ、何で計理士だか税理士の勉強しているんです?
随分と、地味な仕事だと思うんだがな、外にあったろうにね?」と、奇妙なことを言い出し
た。
「本人が選んだのだから、それでいいと思うよ。
もっとも、ある会社の経理課で働いている大学の先輩に言われてのことらしぃんじゃがな。
そう言うあんたも、経理マンだったろうさ」。
「まぁね、信用金庫だったからね。
あの頃は、残業が多かったが今はどうなのかな」と、回想する風だった。
「実はな、これにも裏があってとのことだったな、確か」。
「ウラッ、どんな?」。
「あのさ、もしだぞ、もしもの話しじゃがの、どこの会社にも色んな職種があるだろ?
例えば営業とか、あるいはお得意さん係りとか配送だやれ在庫係りだとかとな、その中で
一番安定してしかも会社の実情を把握出きる部署はどこだと思う?」。
「そりゃ~なんたって経理だろうな、あっ、そうか?」。
「なっ? その上にさ、上司とも一番付き合っている立場だろうがさ」。
「と言うことは、クビにもなり 難 い部署でもあるかもね、確かに?」。
「分かっているんじゃないか。
それだけじゃないぜ、会社の内容も分かるしな、オマケに情報も早く把握出きる立場だろう
が?」。
「ついでにあれだな、会社の内部抗争もキャッチ出きるという訳か、なるほど」。
「まぁな、派閥争いは別としてな、要は 会社の内部事情がいち早く認識できる という立場だ
ろうがさ」。
「まっ、俺の時は営業と言えやぁ預金の獲得と、その預金をすぐ使わせないことだったが
な」。
「使わせない、どうして?」。
「たった2,3日で払い戻しされたんじゃさ、預金金利を持って行かれてさ、こっちが貸付し
ないうちに金利掛かったんじゃ、合わないからですわいな」。
「な~るほど、貸付金利が産まないうちじゃ両刃の 鋸 にゃならねぇか。
でもよ、普通預金じゃ大した金利でもあるまいて」。
「だからね、せめて短期定期預金などにしてもらう訳ですよ。
その実績がね、要するに優秀な行員と言うことになる訳でさ。
もっともよ、更に貸付損の無い貸し出しすることも重要な要素でもあるがね」。
「それはそうだろうな、しかし、銀行が潰れないと言う神話は滅びたな。
大分前になるがさ、確か北海道の拓殖銀行が一番の走りだったかな、その後はバタバタ
と倒産した銀行が多かったな。
その潰れた時にの、大学の先輩がさ、サラリーマンになるなら経理部門に、出来れば経理士になりなと 諭 したなそうじゃ。
お蔭げさまでの、今はまだ計理士見習いじゃがな、なんと驚くなかれある会社の部長さん
がの、自分ところの会計資料をな、そっと孫の経理事務所に持ち込んで精査してくれと駆
け込んできたらしぃんだわさ」。
「なにーっ? 自分とこの経理がやったのをかね?」。
「そうよ、売上がある割にはどうして経費をきつくして来たか、疑問に思ったらしぃんだな。
ゴルフ接待も出来んようじゃ、お得意様係りが出来やしないとな。
それはいいんじゃがの、その帳簿がさ、水増し会計だったことが分かったわけよ」。
「で、どうしたのその後?」と、浅やん。
「そこでさ、この部長さんがな、部下である課長をそっと呼んで聞きただしたなそうだ。
ところがこの経理課長がさ、このことをもっと上の専務に報告したらしぃんだわさ。
それから一月もしないうちにな、この部長がトンでもない辺鄙な支店の課長に格下げされ
ての、飛ばされてしもうたなそうじゃ」。
「なんと、じゃー誰がその帳簿を改ざんしたの?」。
「その専務さ。なっ、経理に 疎 かったり経理部門にいないとさ、正直者がバカを見ることさ
えある訳よ。
誰が振るいに掛けられ落ちこぼれされるか、地獄耳じゃなくともよ、早めに情報が入る部
署とでも言えるかもな。」。
「なーるほどなぁ、確かにそれは言えるかも知れんな。
もしもの会社の倒産だって、こりゃー早く情報が入るもんな。
なにもさ、銀行に限ったことじゃないがね」。
「それはそうとお前さん、倒産を予想して会社勤めしている訳じゃねぇだろうな。
気が休まる暇がねぇじゃねぇかよ、それじゃ、え、の?」。
「いや~ぁ、奥の手がありますからねぇ。
会社の痛い所ですがね、へへへへ・・・・・・・。
余所の人はね、上司の後ろにピッタリ食い付いて歩みますがね、私は上 司の爪先 を見て
歩いて居ますんでね。
一歩先じてね、何を望んでいるかを読みませんとねぇ。
もっとも、もしもの場合にゃ首になる前にね、余所の会社に飛び越えますがね、その時ぁ
~ね。
そんな訳でね、同業者とも良きライバルとして 懇 ろに付き合わせてもらっていますよ、は
い」。
なんとも、今流のサラリーマンも居るものだ。
「上司の 爪先見つめて 明日を知る」。