You’s World

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ナル×サク


私の わがままだった。

なのに貴方は微笑むから。

余計に寂しくなっちゃうの。

それでも貴方は

すぐに寂しさを癒してくれるんだもの....

離れるきっかけを失ってしまった。


『±0(プラスマイナスゼロ)』

どこかに優しさが落ちていないか
あの日から私は地面ばかりを見つめて生きてきた。

どこかにきっと優しさは落ちていると 信じていた。

あの人は
漆黒の瞳を持つあの人は
ときどき照れて笑うあの人は

私の愛するあの人は

どこへ

その理由も 地面に落ちていると 信じていた。


「サクラちゃん?」


顔を上げると 出逢った青い瞳。

「隣 い?」
私の隣に空いたスペース。
本当は 私の最愛の人がいるはずのスペース。
今はもう 埋まることのないスペース。
そこを指さす 黄色い髪の人。

「いいょ」

「ありがと」

「このベンチは私の所有物じゃないから許可なんかいらないわょ」
苦笑がこぼれる。

「確かにそうだろうけど。
 でもここは 俺の座るべき場所じゃないって 何となく思ったから」

言葉も出なかった。


本当は座ってほしくなかった。
あの人の空いたスペースを 他の誰かに埋められたくなかった。

「ほらね 図星だってばょ」

寂しそうに 少し切なそうに 笑うその人。

「何で分かったかって顔 してるけど?」

だって 俺は

サクラちゃんだけを ずっと見ていたから。

だから わかるんだょ。


「だったらなぜ・・・?」

ナルトの顔に浮かんだ微笑み。

余計に寂しくなった。

涙が 頬を伝うのが分かった。

「それでも俺は サクラちゃんが好きだから。
 大事な人の寂しそうな 辛そうな顔には耐えられないな」

どんなに他の人を想っていても。

それでもサクラちゃんは俺の 大事な人だから。


誰かにこうやってすがって泣きたかった。
寄りかかりたかった。
でも

それは

同時にあの人を裏切ったような そんな気がして。

誰かにすがることは 弱みを見せることは
許されざる行為だと・・・。

「誰に 許されないの?」

誰に 許しを請うの?

誰が 許してくれるの?


...誰に?

「責めるなんてできないってば。
 誰にも そんな サクラちゃんを」

背中には 温かい貴方の手。
ポンポンと 慰めるように。
私は すがってしまった。
甘えてしまった。


「あのね。結局 ±0みたいなのょ」

「は?」

ナルトの微笑みは私を寂しくさせる。

だけど

寂しさはナルトが 癒してくれる。

だから

ナルトといるとね
一瞬でも 寂しい想いは忘れちゃうの。

「消えないんだね」

「えぇ」

「それでいいんじゃない?」


「俺が 寂しさを
 元からの寂しさまでも癒せるようになるからさ」

ニシシと笑う顔。

そんな子供らしい あどけない笑みも。

こんな笑みを私はあの漆黒の瞳の人から見いだすことは出来なかっただろう。

「ナルト」

「何だってばょ?」

「私ね」

あんたから離れるきっかけ 失っちゃったわょ。

「俺は サクラちゃんとずぅっと いるからさw」

離れないでいてなんてわがままかなって

照れて笑うから。

「ずっと変わらないのね」
って
私も 隣で微笑んでた。


私のわがまま。
貴方といることはきっと 私のわがまま。

だけど

貴方も私といたいと言ってくれたから

±0

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