You’s World

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ナル×サク



目を開けると

一面に広がる赤い海。

俺の 愛しい姿がそこにはないように
強く祈りながら
見渡す。

「....!!!!サクラちゃっ....!」
体に激痛が走った。

俺の愛する人は
赤い海の中に 沈んでいた。

『永久に』

「だぁかぁらぁ」
本気で好きなんだってばょ。
何で信じてくれないのって 俺が頬を膨らませると
「相変わらず 子供っぽいんだから」
って サクラちゃんは膨らませた頬をつつく。
そんでもって俺の大好きな照れたような微笑みで言うんだ。
「ありがとう」

「ナルトはさ。何で私のこと 好きなの?」
私じゃなくてもいいんじゃない?
サクラちゃんの手料理を食べているとき
サクラちゃんは俺にそう言った。
「何でそんなこと 気になるんだってばょ?」
それとも 俺のこと嫌い?

「私のどこに魅力があるのか わかんないし」
翳った瞳が語るのは。
もうひとつの意味。
『サスケ君にもふられちゃったし』

「俺はありのままのサクラちゃんが好きなんだってば。
 俺は 周りの人には見えないサクラちゃんの魅力ってのに惹かれたんだと思う。
 俺はサクラちゃんが好き。
 それでいいってばょ」
それとも
愛するのにこれ以上の理由がいるのか?
サクラちゃんは また微笑んで言うんだ。
「ありがとう」

命を懸けても守るから。


それが俺のプロポーズ。


もう 寂しい想いはさせないから。

頷くサクラちゃんを 抱きしめた。
ただ 黙って。


「俺は 今 目の前にいるサクラちゃんの方が大切なんだってば!!!」

妊娠9ヶ月。
それまでどちらも無事に育っていたのに。
サクラちゃんの体力が続かなかった。

「下ろさなければ 奥さんが危ないですね」

「だって!!!せっかく できたのに...」
消え入るような声。
泣き崩れる彼女に 俺は何をしてあげられただろう。
だけど そっと肩に手を置いて呟いた。

「サクラちゃんがいなくなっちゃったら
 次の子供のために 体力作りもできないじゃん」
俺は 産めないしね。

顔をようやく上げた彼女は
「ごめんね」
そういって 俺の首に腕を回した。

病室のサクラちゃんのお腹は 9ヶ月前を思い出させた。
サクラちゃんは 空を眺めていた。
「ナルト....」
俺の姿をガラスで確認したのか 振りかえった。

「愛してる」

頬に口づけ 俺は病室を後にした。

サクラちゃんの笑顔はいつもと変わらなかったけど
腕につながれていた点滴。
机の上に置かれた たくさんの薬。

「寂しい想い させてしまったのかな....俺」

約束守れなくて ごめん。


入院は長引いた。
サクラちゃんの所には 毎日通ったけど
長期任務で 1週間通えなかった。

「今日こそは サクラちゃんの顔 見るんだ」
任務先の里で買った花束を片手に
木葉隠れの里へ はやる気持ちを抑え 小走りで向かっていた。

花びらが 散っちゃったら困るから。

その日の帰りに

俺は 襲われた。


囲まれた。
半数以上を倒したけど チャクラが持たなかった。
九尾のチャクラを使ってでも...だ。
半端な数じゃなかったし
上忍も何人もいた。

「ぐっ.....!!!!」
さっきクナイをうたれた心臓近くの傷口に
もう一度 手裏剣が放たれた。
大量出血。
目の前には 俺の血と 敵の血で
海が出来ていた。

「サクラちゃん....」
愛しい人をおいては逝けない。
寂しい想いをさせないって誓った。
命を懸けても 守るって 誓ったから。
「死ぬわけには....いかない」

声にならぬ 俺の叫び。

崩れ落ちるからだ。

言うことをきかない。

目が霞む。もう なにも正確に捉えることは出来ない。

『ナルト....』

霞む視界の中 桜色がよぎった。



「サクラちゃん!なんで こんな事っ.....」

血の海で見つけた愛しい姿。
どうして ここに?
「貴方が 呼んだような気がしたからよ...」
「何で俺をかばったんだ!!!」
俺がくらうはずの最後の一撃は
愛しい人の体に 深くくい込んでいた。

「ナルト.....愛してる」

『だから あの子も愛してあげて』


俺は 君以外を愛せない。
もう 誰も俺の瞳に映らない。
君だけなのに 俺はいつも。。。

無力だ


「寂しい想い してないわょ?」

だって 私 最期まで1人じゃないんだから。
貴方が 側にいてくれるんだから。

離れていても 愛する気持ちは変わらないの。

俺の大好きな微笑みを浮かべ 二度と動かなかった。


「約束。。。
 逆だよ サクラちゃん」
俺が 命を懸けて守るって言ったのに

俺 生きてる。

サクラちゃん....

この先 どんな人が現れても
俺は。。。。。。


「お父さん!肩車 やって★」

「またぁ?さっきやったってばょ」

サクラちゃんは
下ろしてなんかいなかった。

体力がもたないといわれていたのにも関わらず
サクラちゃんは 俺との愛の形を残すって。
そう 医師に告げたそうだ。

そして

完全に戻っていない体力で
俺の元に来て

散った。


「サクラちゃんは本当 お母さんにそっくりなんだな」
「お父さん それ何回も聞いたよ?」

「お母さんの名前なんでしょ?私の名前」

だから
私がお父さんのお嫁さん

なんて微笑むから どうしようもなくにやけてしまう。

『あの子も愛してあげて』

俺は君以外 愛するつもりはなかった。

けど。

君が残してくれた 愛のかたち。

俺は 子供の中に彼女の面影を捜しているんだろうか。

違う 違う。

子供と彼女は 姿形は同じだけど

微笑みが違う。

どちらも愛くるしいこと変わりはない。


「サクラちゃんは きれいに咲くんだょ」

「私はね 散らない花になるの」
人差し指をピンとたてて 小さなサクラちゃんは言った。


散らない花になるの

世界で初めてでしょ?って。

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