You’s World

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オリジナル 4

おっ!今日はクリスマス・イヴですねぇw
更新日ですけどぉ。
去年 アップしたときはもうクリスマスじゃなく 思いっきり正月でしたもん。
クリスマス・・・今年も別に普通だと思います。
ケーキが毎食後出てきますね。あとは。(太る・・・
これ 一番短い小説じゃねぇのかなぁ?

クリスマス。

「じぃちゃん 行ってきまぁっす!!」
「あぁ 気を付けてな」
12月24日。日暮かごめはめずらしく現代に帰ってきていた。
寒い朝に元気よく飛び出したかごめはそれでもしっかりとマフラーを首に巻いていた。
「ひゃぁっ 今日は寒いわねぇ;」
独り言を言いながらひたすら学校への道を走っていった。
「おはよ かごめ。宿題してきた?理科のレポート」
登校するとすぐ えりが話しかけてきた。
「ぇ?うん。してきたょ。だって理科のレポートは今日までだったし。
 私 学校に来れないときが多いから今日ぐらいはしておかないと」
かごめは苦笑しながら机にかばんをおくと椅子に腰をかけた。
「だよねぇ。かごめなんか病気がちだもんねぇ。今日ぐらいはちゃんとしとかないとねぇ」
嫌味そうにいうゆかは自分の白紙の理科のレポートをひらひらと手で持て余していた。
「だから何を言いたいの?お二人さん」
えりとゆかを交互に怪しそうにみるかごめを2人は横からがしっと掴み
「「私たち 友達だもんねぇvvv」」
そう言って かごめのかばんからレポートを取り出した。
「何やってんのよっ!2人とも!そんな 写したりしたらせっかくの私の傑作レポートが・・・
 評価が下がるじゃないっ!」
青くなるかごめをよそに2人は写すのに精一杯だ。
「傑作レポート・・・?それならなおさらじゃない」
「大丈夫だってv写すけど ちゃんと自分なりに言葉変えたりするから★」
何も言えなくなったかごめの背後にあゆみが立った。
「もう。2人とも。かごめちゃんが困ってるじゃない
 よしたら?その辺で。やっぱり自分で考えなくちゃ力はつかないわょ」
相変わらず 説得力に満ちた言葉で2人の動きをとめた。
2人は顔を見合わせるとかごめにレポートを返した。
「あっと。ごめんね?かごめ」
「つい 調子に乗っちゃったっていうか;ホントにごめんね」
レポートが帰ってきてホッとため息をつくかごめは2人に
「いいのょ。私も結局は助けられてるわけだし。でも今回はごめんね;」
と ぽんっと肩を叩いて明るく笑いかけた。
あゆみはクスクスと笑いながら3人を見ていた。そして言った。
「ねぇ 理科のレポート 明後日までょ?」
「「「ぇ?」」」
3人は同時にあゆみを振り返る。
「だって今日 終業式じゃない?なのになんで明後日なの?」
かごめはあゆみに首を傾げながら聞いた。あゆみはまだクスクスと笑いながら
「学校は明後日まで開いてるのょ?先生が昨日 急にレポート出したからって明後日までにしてくれたじゃない」
またもや3人は顔を見合わせ 床にへなへなと座りこんだ。
「「「そんなぁ」」」
あゆみは不思議そうに首を傾げ
「話 聞いてなかったの?」
そういって3人に席へ座るよう 促した。
そのあとすぐに1時間目の開始のチャイムが鳴った。

「さぁ 何処に行く?今日は」
切り出したのはえりだった。
「そうねぇvとりあえず 最近できたあの超美味しいって噂のケーキ屋 サパージュ 行ってみる?」
楽しそうに手をあわせたるゆかはあゆみに視線を向けた。あゆみも
「そうねv今日はクリスマス・イヴだしね」
乗り切りである。そこでかごめは「へっ?」とその場の雰囲気に合わない声をだした。
「何よ かごめ あんた今日 クリスマス・イヴだって事忘れてる?」
驚いたように目を見開くゆかはかごめに尋ねた。
その横であゆみが「わかった」とでも言うように手をぽんとたたいた。
「そうょ。かごめちゃんは神社だもの。仏教なんじゃないの?」
あゆみの言葉に えり・ゆかは「「そっかぁ」」と納得した様子。
「とりあえず かごめも行こうょv」
誘うゆかをよそにかごめは考え込んでいた。
『そっかぁ。今日 クリスマス・イブなんだっけ;
 乙女失格かしら。私。でもせっかくのクリスマス・イブ あっちで過ごしたいなぁ。
 でもなぁ ケーキ・・・』
百面相をしているかごめをえり ゆか あゆみは不思議そうに見つめていた。
そして何分待ってもかごめの百面相は終わらず ぷつっときれたえりは
かごめの制服をむんずと掴むと つかつかと通りを歩き出した。
「ぇ?ちょっ えり?」
かごめの言葉など聞いていないかのように歩き続けるえりに続く あゆみとゆか。
すると突然 動きをとめたえり。かごめは通りに座る形になってしまった。
「もぉ なによえり。止まるんだったらそういってっ!」
かごめはスカートに付いた砂埃を払いながら立ち上がった。えりはかごめを振り返ると
「いいじゃない。久しぶりにかごめとずっといられるんだもの。楽しんでも。
 ずっと入院がちだったからさ。かごめ。今日ぐらい 一緒にお茶したいわょ」
そう笑みを浮かべて言った。「「そぉ そぉ」」あゆみとゆかも続いた。
かごめはその瞬間 泣きそうになったが必死で涙をこらえた。
「うんvありがとう★さ。行こうょvサパージュ」
笑顔のかごめをみて 3人も笑顔になった。
「「「もちろんvかごめ(ちゃん)のおごりね」」」
かごめは このあと神聖なるクリスマス・イブの日に3人の小悪魔を見ることになった。

かごめが家についたのは7時近くだった。
「ただいまぁ~;」
玄関を開け 2回へ登ろうとするかごめに母親が声をかけた。
「あら おかえりかごめ。何か疲れてるのね。先にお風呂に入りなさい」
「はぁい」
かごめは生半可な返事を返し 部屋に入っていった。
「はぁ~ 今日は疲れたなぁ。もう あの3人ったら本当に1円も払わないんだからっ。そのくせいっぱい食べるしっ」
ベットを叩きながらかごめは不満を言い続けた。そして先ほど机の上に置いた買い物袋に目をやった。
「今日 お風呂入ったらあっちの世界に行こうv
 みんな驚くわょねv朝起きたらプレゼントっ★ふふっ」
疲れがふきとんでいきそうなくらい 楽しみにしている。
ふっと立ち上がると1階へ降りていった。
「ママぁ?お風呂 入るねぇ?」
かごめの呼び声に対し 母親は
「今 ちょうどいいお湯加減だからはいってらっしゃい」
と優しく言った。
かごめは風呂の中で ふぅっとため息混じりに独り言をつぶやいた。
「それにしてもよかったぁ。お小遣い もらったあとで」

風呂から上がったかごめはまだ温かい体で井戸に向かっていた。
「じゃねvママ 草太 じいちゃん。新年は帰ってこれるようにするから」
かごめのことばに家族はそろって
「「「気を付けて かごめ(姉ちゃん)」」」
そういって いつものように優しく見送った。
「わかってる。行ってきます」
後ろに手を振りながらかごめは井戸の中に飛び込んだ。

「ただいまぁv」
かごめは懐かしくも感じる小屋の中に入ってきた。
そこにはいつもの面々がそろっていた。
「おぉvかごめ★久しいのぉv」
「ホントだょ かごめちゃん。心配したけど・・・元気そうでよかった」「おかえりなさい かごめ様。久しぶりのあちら世界を満喫してこられたようでv」
優しい言葉をかけてくれる仲間はいつものように
何事もなかったように 迎えてくれる。
「ごめんねぇvしかも帰ってきたのが夜で;
 でもお土産は忘れてないからねっ」
そういってかごめはリュックの中からお土産をとりだした。
「はいv」
「「「ありがとう(ございます)★かごめ(ちゃん・様)」」」
3人は嬉しそうに受け取り 早速開け始める。
もらったものはそれぞれだが それぞれ大好物のものである。
嬉しそうな3人をよそに 
「けっ。お前らも甘いぜっ。ったくよぉ」
とふてくされて 特徴の犬耳がぴくぴくと動いている。
「もう 犬夜叉;だからごめんって言ってるでしょう?」
かごめが困ったような顔をして「そうだ」とリュックからポテトチップスの袋を出した。
「はいv犬夜叉にも」
かごめは笑顔で犬夜叉に手渡した。
「けっ お前 俺をなめてんのか?」
犬夜叉は不機嫌そうな顔を向けるとかごめの手からポテトチップスの袋を取り上げた。
その様子をかごめはクスクスと笑いながら見ていた。
「何よ。ほしいなら最初からそう言えばよかったのょ」
その言葉に犬夜叉は赤面した。
「だぁぁっ うっせぇな。少しは黙るってことを知らねぇのか?お前は」
話を聞いていた七宝は かごめの肩によじ登ってくるとそっと耳元でつぶやいた。
「許してやれ かごめ。
 あやつ かごめがおらんとき口をきこうともしなかったんじゃ。口をきくとすれば 憎まれ口ばっかでな。かごめが戻ってきて嬉しいんじゃよ」
かごめは七宝の言葉に ふっと笑みを浮かべて七宝を肩から優しくおろした。
「えぇ。分かってるつもりょ。犬夜叉はあぁだもん。平気。慣れてるから」
2人の会話が聞こえていたのか 聞こえていないのか犬夜叉は相変わらず不機嫌で 黙って立ち上がると外へでていった。
「ぇ?ちょっと 犬夜叉っ!待ってょ」
かけてあった弓を持ちそのあとを追いかけるかごめの背に珊瑚が言った。
「かごめちゃん もう夜遅いんだし 危ないよ?」
するとかごめは珊瑚に笑顔を向け
「大丈夫よっvいざとなれば犬夜叉が助けてくれるんだし★ぁ 先に寝てていいよ。じゃねw」
「ぇ?かごめちゃん・・・」
心配そうな顔をする珊瑚の肩に弥勒が手をおく。
「心配するでない。珊瑚。犬夜叉も男だ。かごめ様をきっと守ってくれるさ。あいつはおなごを見捨てるような奴じゃないことぐらい分かっておるだろう?」
その言葉を聞き 珊瑚ははぁっとため息を1つ つくと
「わかったょ。じゃ 先に寝よう」
そう言って 布団の準備をし始めた。弥勒はニヤッと笑い
「珊瑚 一緒に寝るか?」
珊瑚に声をかけたが
「七宝 雲母 一緒に寝よぉねv」
の言葉にかき消されてしまった。がっくりと肩を落とす弥勒に七宝が
「いつものことではないか。気にするな」
と声をかけ 布団にもぐりこんだ。
「法師様?布団 しいてあげてるんだからさ。寝るなら寝てょね」
弥勒に声をかけた珊瑚はどこか優しかった。
「そうだな。先に寝かせてもらおうとするか」
弥勒はふっと笑みを浮かべ自分の布団へ入った。
「おやすみ 法師様・・・」
「あぁ おやすみ。いい夢 見なさい」
しかし 珊瑚には弥勒の声はもはや聞こえていなかった。

一方 小屋を出た犬夜叉と そのあとを追ったかごめは川の近くに来ていた。
2人は無言のまま 河原に腰掛けた。空にはいくつもの輝かしい星が2人を見守っている。
「ねぇ 犬夜叉」
沈黙を破ったのはかごめだった。
「なんだょ」
まだ犬夜叉はむすっとしていたがかごめは気にせずに話し続けた。
「楓ばあちゃんは?」
「あぁ あいつ 今日お祓いとか何かで違う村にいってんぜ?」
少しだけやはりまだとげのある言葉にかごめは気付かない振りをした。
そして あらためて話しかけた。
「あのね 今日 何の日か知ってる?」
かごめの突然の変な質問に犬夜叉は首を傾げ
「ぁ?今日 なんか特別な日なのか?」
と考え込んだ。かごめは犬夜叉が答えてくれるまで待っていた。
が 
「だぁっ!わかんねぇよっ!今日 何の日なんだょ。知ってんなら教えやがれっ」
犬夜叉が立ち上がり 座っているかごめを見据えた。
かごめはふぅっとため息をつき 
「いいから 座って」
立ち上がった犬夜叉に隣に腰掛けるよう 促した。
犬夜叉は 反抗せず大人しくまたかごめの隣に腰を下ろした。
「今日は あっちの世界じゃクリスマス・イヴっていう日なのょ」
自慢げに話すかごめに犬夜叉は
「ぁ?クスリマス・イブだぁ?なんか 苦そうな名前だなぁ」
とつぶやき 草の上に寝転がった。
かごめはぷっと笑いだし
「違うわょ。ク・リ・ス・マ・ス イブなの。わかった?」
犬夜叉の間違いを訂正した。
「どうでもいいが 俺があっちの特別な日を知ってるわけねぇじゃねぇか」
犬夜叉は少し すねたようにかごめに言った。
「まぁ そうでしょうね。言い当てたらすごいわょ」
かごめは犬夜叉を見てまだ笑い続けていた。
「・・・んで?その日が何なんだょ」
「へ?」
かごめはすっとんきょうな声をあげた。犬夜叉はかごめを睨み
「何だょ。話したいんじゃねぇのか?」
そう言った。かごめはまだ驚いていた。
「何を驚いてるんだょ」
それが犬夜叉にも分かったのか寝転がっていた体を元の体制に戻した。
「いやぁ;あんたに聞かれるとは思わなかったのょ。えへへ」
ばつが悪そうにほっぺをかくかごめのそんな仕草がかわいく犬夜叉の目に映った。
「・・・んで?話さなくていいのかょ?」
するとふっとかごめが犬夜叉の顔をのぞき込んだ。そして笑みを浮かべ
「よかったぁv」
とつぶやいた。犬夜叉には何のことかさっぱりわからない。
犬夜叉は頭の回りにクエスチョンマークを飛ばしながら不思議そうにかごめを見ている。
その様子に気がついたかごめは犬夜叉の頬をつつきながら言った。
「ふふふvあのね 犬夜叉の機嫌 よくなったかなぁvって」
犬夜叉の頬はつつかれて赤くなったのではなく照れのせいで 赤くなっているのだ。
「けっ」
犬夜叉はかごめから目をそらした。かごめは空に目を向け
「あのね。クリスマス・イブには奇跡が起こるんだって」
と つぶやいた。
「ぁ?奇跡?なんだそりゃ」
犬夜叉は興味がないという風にまた寝ころんだ。
「うん。奇跡。こんな星 輝くクリスマス・イヴの夜はね」
ステキでしょう?と言いたげなかごめをよそに犬夜叉は
「へぇ」
としか言わなかった。かごめは
「まぁ いいけどね;あんたの反応 分かってたし」
諦め半分に犬夜叉に言った。
風は冷たいが 2人の時間は温かく感じ取ることが出来た。
そんなとき。
ざぁっ....
河原の草が揺らいだ。そして周りの木々もざわめき始めた。
と同時に犬夜叉が素早く立ち上がった。
かごめもいざの時のために 持ってきていた弓矢を構えた。
「何か 来るわね」
「あぁ。妖気が近づいてくる。妖怪だろぉな」
2人の予感は的中し 妖怪が森の奥から姿を現した。
しかしその妖怪は人間の姿をしていた。妖怪は2人を見据え言った。
「何かようか?お主ら」
「けっ お前 妖怪だろぉが。何で人間の形 してんだょっ!」
犬夜叉は言い捨てた。妖怪は一時黙っていたが自分を見 ふっと笑って言った。
「俺の名は 夢魔楼(むまろう)。だがそこら辺にいる夢魔と一緒にしないでほしい。
 俺は相手が一番嫌な相手になることができる。
 相手の心の中からそれを引き出すんだ。それだけじゃない。
 そいつの力も声もそのまま利用できるんだ。
 この姿はさっきあった奴が一番嫌がった姿だ。力はまぁまぁだったな」
言い終わると 甲高い声で笑い出した。先ほどの笑いとは全然違う。
威圧感というものさえ感じ取ることが出来た。
犬夜叉は「へっ」と笑うと鉄砕牙をぬいた。
「俺には嫌な相手なんざ いねぇからなぁ。お前の力も無意味だ」
かごめは犬夜叉の横に立ち 弓矢でねらいを定めていた。
夢魔楼と名乗った妖怪は かごめに視線を移した。
「・・・お前はありそうだな。人間」
かごめはびくっとし 弓を落としそうになった。
「ぉぃ かごめ しっかりしろょ。大丈夫か?」
犬夜叉の温かい一言で かごめは気持ちも 落としそうになった弓矢も持ち直すことが出来た。
そして威厳ある目を 夢魔楼にむけ 言い放った。
「私に恐いもの?!何があるって言うの?私。。私が恐いって想うものは・・・。
 犬夜叉に嫌われることだけだものっ!」
犬夜叉はその言葉に再び頬を赤らめることになったが
夢魔楼はにやりと笑った。その笑みにかごめは不安を隠せなかった。
「何を考えてるのょっ!無いって言ってんでしょう?」
かごめは犬夜叉より前にでて弓矢を一本放った。しかし 惜しいところで服をかすっただけだった。
夢魔楼は ちっ と舌打ちをした。先ほどの笑みは消えていた。
「お前 巫女か?」
「答える筋合いもないわ」
かごめはまた 弓矢を構えながら言った。
夢魔楼は また余裕の笑みを取り戻した。
そして 手を伸ばした。かごめの方へまっすぐと。
すると伸ばした手から管のようなものがでてきた。
「心の中 のぞかせてもらおうか」
「!!かごめっ!」
犬夜叉より前にでていたかごめに 犬夜叉が走り寄った。
しかし それより早く夢魔楼の放った管の方がかごめの中に入った。
かごめは管が入るなり動かなくなってしまった。
「くっ!かごめになにしやがる!散魂鉄爪!」
かごめの体に入ってしまっている管を犬夜叉は引き裂いた。
引き裂いた衝撃で かごめは河原にしりもちをついた。
「大丈夫か?かごめっ!」
心配してかけよる犬夜叉にかごめは何も答えなかった。
ただ体ががたがたと震えているだけだ。
「お前っ!かごめに何をしたっ!」
犬夜叉はかごめの隣で立ち上がり また鉄砕牙を構えた。
しゅるしゅると傷付いた管を自分の体内に戻した夢魔楼はまた甲高く笑い声をあげた。
「そやつの心の中を覗いたのだ。
 いたぞ いたぞ。そやつが恐がる奴が。ふははははっ」
そう言って 形を変え始めた。
「何になるつもりなんだ?あいつはっ」
犬夜叉はまだ戦いの姿勢を崩さないでいる。
「犬夜叉ぁっ!」
そこに遅れて珊瑚・弥勒・雲母・七宝が到着した。
「お おめぇら なんで分かった?」
単純に驚く犬夜叉。
「驚いている場合か!お前 あいつは何なんだよっ!」
弥勒は錫杖を妖怪にむけた。
「あぁ あいつは夢魔楼といってな 戦う相手の嫌な奴になることができるんだと」
「ほぉ それはそれは。んで?あいつは誰の嫌な奴になろうとしているんだ?」
「かごめだ」
弥勒は はっと気付き
「かごめ様はっ?!」
そう言い 辺りを見回した。
「かごめちゃん。大丈夫?」
そこにはかごめの肩を優しく包む珊瑚の姿があった。
かごめはまだ多少なりとも震えていたが
「うん・・・私は平気」
と口をきけるようになっていた。
「それより 犬夜叉。。気を付けてっ!きっとあんたには倒せない」
心配そうな顔をむけるかごめ。しかし犬夜叉はあくまでも強気だ。
「なんだってんだょ!俺に倒せない奴なんかいねぇょっ!」
「調子にのるな 犬夜叉。かごめ様があれだけ心配しておられるのだから
 それ相応の形になるであろう。覚悟しなさい」
弥勒が犬夜叉を一睨みし 自分も犬夜叉と同様錫杖を構えた。
「くるよっ!」
珊瑚が夢魔楼を指さした。
夢魔楼は 今や形をすっかり変えてしまっていた。
「「「なっ。。。」」」
かごめ以外の全員がその姿に驚いた。
夢魔楼は今 かごめの前世の姿 犬夜叉が初めて愛した巫女 桔梗の姿になっていた。
「かごめ・・・お前 桔梗のこと・・・」
「言わないでっ!!!」
犬夜叉の問いをかごめは拒否した。
「犬夜叉 お前には倒せぬだろう。ここは珊瑚と私で倒すからお前はかごめ様をつれて楓様の小屋に戻っておるか 安全な場所に隠れておれ」
弥勒は錫杖を犬夜叉の前に出し 犬夜叉を制止した。
犬夜叉は黙っていたが弥勒を見 そして言った。
「俺が殺す。あいつは桔梗なんかじゃねぇ」
弥勒は何か言おうとしたが 錫杖を持ち直すと犬夜叉より後ろに立った。
「何かすることは?」
それから弥勒は犬夜叉に尋ねた。
「珊瑚と七宝 かごめをつれて行け。あぶねぇからな。雲母も頼むぞ」
「ギャオン」
雲母は首を縦に振り珊瑚と七宝を背中にのせた。
弥勒はかごめの側により 声をかけた。
「さぁ ここは危険です。かごめ様。いっしょに参りましょう」
しかしかごめはそこを動こうとしない。決定打はかごめの一言だった。
「私 ここにいる。お願い いさせて」
弥勒は苦笑し 犬夜叉の方を向いて言った。
「だそうだ。犬夜叉。お前に任せてもよいな?」
犬夜叉は一時 考えたが
「あぁ。分かった。任せろ」
そう言った。弥勒はその声を確認すると 珊瑚達と走り去った。
「どうした?犬夜叉。来ないのか?」
桔梗姿の夢魔楼が微笑する。そして何も持っていなかった手から弓をだし 構えた。
『こいつは桔梗じゃねぇんだ。だから殺していいんだょ!』
犬夜叉は必死に頭の中で考えたが。体は思うように動かない。
かごめもずっと座ったまま 動きもしない。
「やらぬなら私からいくぞ」
桔梗の姿をした夢魔楼は弓を放った。はっとした犬夜叉はもう遅かった。
「っ 逃げられねぇ!」
犬夜叉はとっさに目をつぶった。
ドスッ
鈍い音がした。しかし
『・・・・?痛くねぇ・・・?』
犬夜叉が目を再び開けるとそこにはかごめの姿があった。
犬夜叉は状況が飲み込めず ただ立ちつくすだけだった。
犬夜叉に寄りかかっていたかごめの背中には犬夜叉に刺さるはずの弓矢がかごめの背を赤く染めていた。
「か・・ごめ?」
ずるっと崩れ落ちたかごめをとっさに抱きかかえた犬夜叉の手には
赤く なま暖かい血が存在した。
「かごめ・・・?おまっ・・・!返事しろよっ!かごめっ!!!」
犬夜叉はかごめを揺り動かす。起きてくれ と祈りながら。
かごめはすっかり冷たくなってしまった手を犬夜叉にさしのべた。
犬夜叉はその手をしっかりと掴むとかごめに話しかけた。
「何でお前 俺なんかを助けたんだょっ!何でっ!こんな・・・」
かごめが犬夜叉の瞳をじっと見つめて 今にも消えそうな笑顔で言った。
「“俺なんか”?なんでそんなこと言うのょ。あんたの存在はかけがえのないもの....なの。
 少なくとも 珊瑚ちゃんや弥勒様 七宝ちゃん 雲母。
 私には.....。そうなのよ。
 死なせたくないと思うから... 助けたの。
 しかも相手はあんたが好きな桔梗の...姿をしてるんだから...。」
「よかったな。犬夜叉 命拾いして。だがじきにその女同様にしてやるからな」
桔梗姿の夢魔楼はまた弓を構えた。
犬夜叉がその言葉にも反抗せず かごめの手をしっかり握りしめて動こうとしないのを見てかごめは 犬夜叉から手を離すと言った。
「倒してきなさいよ」
犬夜叉は「嫌だ!お前のこんな状況に」と動こうとしない犬夜叉に
「いいからっ。。。」
と後ろを向かせた。犬夜叉はそれでもかごめの元に戻ろうとした。すると・・・。
ぽんっ と背中を押された。犬夜叉が振り返るとかごめがさっきよりはっきりとした笑顔で
「しっかりしないさいょね」
そう言った。犬夜叉は涙を浮かべかけた目を夢魔楼に向けた。
「お前 絶対ゆるさねぇからなっ!!!」
鉄砕牙の周りを風が渦巻く。夢魔楼はふっと笑みを浮かべた。
「何が出来る?女1人も守れない奴に」
そして 甲高く笑い声をあげた。犬夜叉は夢魔楼を睨み付けると鉄砕牙をふった。
ゴォッ。。。。
風の傷が夢魔楼に迫った。
「なっ!!!」
犬夜叉は勝ち誇ったような それでも威厳だけは消えていない口調で言い放った。
「桔梗はそんな笑い方はめったにしねぇよ。したとしても・・・
 お前のような笑い方はしねぇ。夢魔楼・・・お前は桔梗になりきれていねぇんだょ」
しかし 夢魔楼には届かずに消滅した。地面には風の傷の跡が生々しく残っていた。
犬夜叉は勢いよく後ろを振り向いた。
そこには・・・。かごめの姿があった。しかし 地面にぐったりと倒れていて周りの草にはかごめの生きていた証の赤い血がついていた。
「かごめ・・・っ!!」
犬夜叉はかごめにかけより 抱き寄せた。しかしかごめにはいつもの桃のような頬の色はなく 青空をうつしたような色になっていた。
手も冷たく 息もなかった。
矢はかごめの背中から抜けていた。制服の穴の所から傷の深さが伺える。
「くそっ。。。かごめっ!!」
犬夜叉は 目に涙をため強く 強く かごめを抱きしめた。
わずかでもいい。心臓の音を確認したいかのように。
すると 犬夜叉の頭のなかで かごめの声が反響した。
『あのね。クリスマス・イブには奇跡が起こるんだって』
『うん。奇跡。こんな星 輝くクリスマス・イヴの夜はね』
犬夜叉は 空を見上げた。もうすぐ夜が明けるのか東の方は薄く明るかった。
しかしまだ空には幾千もの光り輝く星が 2人を包んでいた。
犬夜叉は 空に願った。そして祈った。
「俺は 奇跡なんか信じちゃいねぇ。しかしなぁ・・・おい 聞こえるか。
 本当に奇跡がおこせるならかごめにっ。かごめを。
 もう一度 かごめのこの目を開けさせてくれ。
 微笑みを取り戻させてくれ」
しかし 犬夜叉のつぶやきは側にある川の音にかき消されてしまった。
犬夜叉の目からはあとからあとから涙が溢れ出てくる。
「俺にも お前の。かごめの存在はかけがえのないものなんだよっ!!」
犬夜叉はすっかり冷たくなったかごめの手をしっかり握りしめて再び名を呼んだ。
「かごめ。。。」
「・・・・犬夜叉。。。痛い」
「・・・へ?」
犬夜叉は視線をかごめの顔へと落とした。かごめはうっすらと目を開けている。
「かごめ お前!大丈夫なのか?!」
状況が飲み込めない犬夜叉の頬にかごめはそっとふれた。その手はまだ冷たかった。
「犬夜叉。。。あんた私が死んだと思ったの?バカね。簡単に死んだりしないわょ」
「でもお前 心臓。。息が」
かごめはふっと優しく笑った。戸惑う犬夜叉を見て。
「仮死状態。。。?だったのかしらね。なんか呼び戻されたような気になったの。
 だって今日はクリスマス・イヴでしょう?」
犬夜叉は涙を拭うと そっとかごめを立ち上がらせた。
「奇跡。。。なんだろ?」
大丈夫か と立ち上がらせた犬夜叉にかごめはまだ柔らかな笑みを浮かべたままで答えた。
「えぇ そうよv犬夜叉でも信じるのね」
犬夜叉は 明るくなった空を見上げてまぶしそうに目を細めて言った。
「まぁな」
短い言葉の中に どれだけの想いが詰まっているのか残念ながらかごめは知らない。
そこに 珊瑚と弥勒が顔を出した。
「もう 終わった?」
「先ほど 風の傷の音がしたので。様子を見に来たのですが」
「あぁ。倒したぜ」
犬夜叉は肩をかごめに貸しながら2人に答えた。
風の傷のあとを見ながら弥勒が犬夜叉に尋ねた。
「お前 桔梗様の姿をしたあの妖怪を倒したのか?」
「あぁ。あいつは桔梗じゃねぇからな」
犬夜叉は真剣な面もちで弥勒に言った。弥勒は「そうか」と短く答えた。
「お前にも 分かったんだな」
と。
「かごめちゃん?背中 怪我してるみたいだけど大丈夫なの?」
背中の血のあとに気付いた珊瑚がかごめをのぞき込んだ。
かごめの頬には まだ完全ではないがいつもの温かい 桃色が戻っていた。
「ありがとう。大丈夫よ」
かごめは笑って珊瑚にこたえた。そして全員で小屋へと戻っていった。
「そいえば 七宝ちゃんは?」
「もう寝てるよ」
「そう」
戻りながら かごめは犬夜叉の横についた。
「何だよ。かごめ」
すると かごめは犬夜叉にそっと耳打ちした。
「犬夜叉でも 祈るときがあるのね」
「なっ?!」
「だって 私が仮死状態だったとき 祈ったから 奇跡を信じたんでしょう?」
このあと 犬夜叉の頬がかごめ以上に赤くなったのは言うまでもない。



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