吐息とため息

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Jan 11, 2006
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カテゴリ: 知られざる過去

とてもレアで上映しているところも少ないですが(東京ではテアトル銀座のみ)、いざ行ってみるとなかなかの混み具合でいささかびっくり。

この映画はタイ映画です。タイ映画と言うと、日本でもそこそこヒットした『マッハ!』などに代表されるように、しっちゃかめっちゃかの何でもあり、娯楽ムービー・・・という印象がありますが、これはそのラインからは一線を隔した静かなる作品。

木琴の原型といわれるタイの民族楽器『ラナート』とそのマイスターの話で、実在の人物の自叙伝的なストーリー。

才能あふれる若きラナート奏者の情熱やおごりや。挫折、苦悩、それでも捨てられない音楽への思い。そして近代化の波にのまれ廃れ行く民族楽器、民族音楽のゆくへ・・・。

繊細なひとりの青年音楽家の心模様を、静かに丹念に紡ぎ出し、タイの山間部のすばらしい自然と映像美。

娯楽大作でも、涙、涙のハートウォーミングストーリーでもないですが、静かに心癒される、心の中の水がろ過されていくようなそんな映画でした。

映画の中でこの繊細な主人公を生涯支える幼馴染(男友達)の台詞。
(主人公が演奏家としての壁にぶち当たり苦悩している姿を見て励ますが)

「わからないさ。俺は(楽器は)何も出来ない。けれど、音楽には聴き手が必要なんだ。」

これ!!これなんだと思う。
私も音楽は大好きで、ライブに資財を投じいつも音に溺れていくて、自分でもチョコチョコ楽器や歌を習ったりもして、でも、音楽家ではないし、専門の訓練や、勉強をしてきたわけではない。
でも、でも、実はそこが肝。

ミュージシャンはプロである以上プロとしての音楽を聴き手に提供しなくてはならない。しかし、聴き手のほとんどは音楽の素人。
俺の音楽がわからなければ、それでいい・・・ではいけないのだ。
素人の心をもふるわす音楽。理屈抜きの音楽。
そして、音楽的には素人であっても、感じる心を持った聴き手。

この関係がきちんと成立したとき、音楽はその本質を表すのだと思う。その時初めて「音楽」が「音楽」として成立する・・・。

私は常に「よい聴き手」で、ありたいと思っている。





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Last updated  Jan 12, 2006 01:33:32 AM コメント(2) | コメントを書く


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