夢のまたゆめ

夢のまたゆめ

2006年01月14日
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昔、育った家の近くに雑司が谷鬼子母神があった。

私が小さかった頃はかなり寂れていて、子供達の遊び場に専らなっていたが御会式(おえいしき)のときは広い境内、参道一杯におびただしい屋台やら、見世物小屋やらが並び、世界が一変してしまうものだった。

そういう見世物小屋の辺りに「辻説法」をする人が毎年いて、お坊さんかと思える人が仏教の教えを書いた絵を見せながら面白おかしく独特の節回しで説法していた。

小さかった私は、悪い事をすると地獄に落ちること、地獄の様子は・・・等と言う話を姉の手をしっかり握ったまま聞いていたものだった。恐ろしい話しだけでなく、お釈迦様の素晴らしさとかありがたさなども説いていたと思う。
かれこれ50年近く前になる話だが。

さて、先日、国立劇場で「語りの世界」というイベントがあって面白そうだったので行ってみた。
仏教芸術の数々。声明、琵琶法師の語り、説法、絵説き説法と盛りだくさんの内容。どれもお坊様の、琵琶検校様の声が素晴らしく仏様の有り難さを伝える語りの奥深さを感じた。
絵解き説法は安珍清姫で有名な道成寺絵巻の説法。


そのお話をお聞きしながら、小さいとき聞いた辻説法の面白さ、おどろおどろしさを思い出していた。
チラチラするカンテラに照らされて説くお坊様らしき人の語りはもっと下世話な感じがしたが、小さい子からお年寄りまで、立ち止まった人を離さない面白さがあった。「親の因果が子に報い・・・」などというフレーズを覚えたのはこの辻説法だったと思う。

語りの本質は、聞いている人を「その気にさせる」ことにさせることにあるとのこと。説法を聞きながらいろいろ思い巡らせる楽しみも味わったと思う。
私の想像癖はこうした経験から培われてきたのかしら? ふと懐かしく思い出されてもう一回ああいう経験をしたいな。と思いながら雨の国立劇場を後にした。





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Last updated  2006年01月16日 07時37分07秒
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