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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。6 九月に入ってからは子供たちも夜に来るようになった。青年と絡み稽古が出来るようになった。子供たちは出来上がっていた。青年が引きずられる状態だった。 立ち稽古漸く始まった。館長に無理を聞いてもらうのも限度があった。広い練習場を求めて転々としなくてはならなかった。一日の成果は着実に上がっていた。戸倉が何日か徹夜をして音を作った。「玉音放送」「若鷲の歌」「りんごの歌」「夢の中へ」が稽古場に響き渡っていた。その中を稽古は続いた。 舞台明かりが消え、下手サススポットが降りるとそこには柳井明文が浮かび上がる。敬礼して。柳井 昭和二十年六月十八日、遂に出撃命令が下りました。自分は明日出発します。今、自分は、自分の飛行機の傍らであなたにこうして手紙をしたためております。自分の二十有余年で一番辛いことは、自分を育み育てて下さつた御両親様より先立つ不幸です。そして、嬉しかったことは、あなたと今生で巡り会ったことでした。あなたにこの手紙を書く前に、御両親様には先だつ不幸をお許し願い、お国のためにこの命を捧げることの出来る誉れを報告いたしました。 短い一生でしたが、あなたを知ったことで悔いはありません。あなたと多くの事を語りたかったと思いますが、もうそれも出来ません。 今、茜色に雲を焼きながら太陽が西の空に沈もうとしております。明日、自分はこの夕陽を見ることは出来ません・・・ あなたに何もして上げられなかったことが、今の自分の心残りです。自分はお国のために喜んでこの命を捧げます。どうか可哀 相そうだとか、もったいないとか、悲しいとかの憐憫の感情は持たないでください。 自分の学友、戦友は一足先に九段に参りました。明日、自分も九段に参ります。どうか、自分のことは忘れてください。決して九段には来ないでください。 良い先生になってください。思いやりと、優しさと、そして、命を大切に出来る子供になるように教えてやってください。 あなたの幸せを心よりお祈りいたします。 平安一路 神風特別攻撃隊 三○一大和隊 海軍中尉 柳井明文 石井準子様 柳井が語っている間、「海ゆかば」のBMGが静 かに流れること。 柳井のサススポットが落ち、舞台明かりが点く。 石井の眼には涙が潤み、一筋二筋頬をつたってい る。 校長が登場して。校長 石井先生!石井 {振り向かず、涙を指先でぬぐいながら}はい。校長 先生の気持ちは・・・さぞ辛いでしょうな、柳井中尉は・石井 あの方は・・・いいえ、柳井中尉はお国のために・・・校長 先生・・・健次の父親にしても、柳井中尉にしても、みんなお国のために、忠君愛国の精神を以て身を捧げたのですぞ。先生の気持ち、助かって生きていて欲しいと言う気持ち、分からないではありませんが・・・それを、健次に話してはなりませんぞ。先生の優しい心が一時は辛さを忘れさせはしても、現実の前では嘘になるのですからな。石井 私は、私は・・・校長 冷静に、現実を事実として語らなくてはなりませんぞ。石井 私には出来ません。校長 {厳しく}甘えてはおられませんぞ。子供ではありますまいに。・・・先生一人ではありませんぞ。お雪にしても、健次にしても・・・そして・・・この私にしても・・・石井 ・・・校長先生・・・{振り返って}校長 将校として沖縄にいた私の伜は・・・女子挺身隊と一緒に岸壁から海に身を投げて死んだんです。石井 それでは姫百合部隊の方々と一緒に・・・校長 ああ、将校として、腹を切ることも出来ん愚かな伜じゃ。石井 校長先生、それでは・・・校長 夢と思いたい、夢であって欲しいと考えたいが・・・それが現実なら・・・石井 私は・・・校長 この戦争が無かったら、と何度も考えたもんですが・・・私も教育者、己の心を殺して、押さえて・・・石井 私は何も知りませんでした。校長先生にそんな・・・校長 私は忠君愛国を唱え、卒業生を、多くの若者を出征させた。その度に「命を捧げることこそ天皇陛下への唯一の恩返しだ」と・・・{泣いて声がかすれる}石井 もう、私は嫌です。教師が嫌に・・・{手で顔を覆った}校長 {強く}許されませんぞ。あなたも教育者でしょうが?そんなことでどうするんです。子供達を見捨てると言うんですかの。これからの日本を担って立つ子供達を・・・先生の心は良く分かりますが、今、そのような心でいると子供達は目的も希望もなく投げ出されるのですぞ。悲しみは月日が洗い流してくれます。私達は、子供達に生きる喜びを、学問の尊さを、命の重さを、そして、人間の偉大さを・・・石井 無理です。今の私の心では・・・校長 先生!今、日本の何処やかしこで悲しみにくれている人達が沢山おりましょうな。私達もそのうちの一人ですが、私達は教育者であると言うことを忘れてはなりませんぞ。世間から見れば聖職、その見本を見せてやらにゃならんのですからな。石井 私が聖職、そして、見本を。もう沢山です。 足音を立てて、おせつが登場する。胸には白い布 で包んだ骨箱を抱えている。石井の後ろから。おせつ 先生様、これが何か分かりますかいのう?石井 ええ?!おせつ 長太の骨ですんじゃ。ように見てつかぁさい。石井 まあ、長太君の・・・どうして、どうして。おせつ どうもこうもありませんわの。長太はこげんな姿になって帰ってきましたがの。石井 {両手で顔を押さえた}・・・おせつ あん時、先生様に、長太を止めてつかぁさいとお願いしましたわの。石井 はい。{ゆっくりと頷いた}おせつ こん中にゃあ、骨は入っておりゃあせん。誰の髪か分からん髪の毛が数本だけじゃ・・・先生様、先生様はあん時どうして止めて下さらなんだんですりゃあ。あん時止めていて下さりゃあ、長太もこげんな姿になって帰ってこんでもすんだんですじゃ・・・なんで、なんで・・・{泣き崩れた}石井 {泣きながら近ずいて行き、骨箱に手を伸ばす}長太君!おせつ {振り払うように}触らんようにしてつかぁさい。あんたはひとでなしじゃ。嘘つきじゃ。校長 何と言うことを、血迷ってからに。ええかげんにしなさいょ。あの時、石井先生は・・・石井 私が悪かったのです。私が・・・校長 {何か言おうとする、おせつを遮って}さあ、もう帰った、帰ってください。 校長、おせつを連れ出そうとする。おせつ ひとでなし!嘘つき!{叫んだ}校長 これ以上言うと、憲兵に引き渡しますぞ。 校長、おせつを引っ張って退場する。石井 長太君・・・長太君、先生は、先生はどうすればいいの。 石井は自分の机の引き出しから、長太の描いた絵 を取り出し胸に抱いて。 長太君! 長太の声「先生が行くなと言うんなら・・・行く なと言うてくれ」石井 {手で耳をふさいで}長太君!御免なさい、御免なさい。あの時もう少し勇気があったなら、行かないでと言えたし、行くと言ってもいかしはしなかったわ。でも言えなかった・・・長太 君を殺したのは私なのょ。許して・・・でも、あの時・・・私は どうすれば良かったと言うの、どうすれば・・・ 石井は机に「わあ」と泣き伏した。舞台明かりが消 えて、石井だけに、サススポットが降りる。 暗転 稽古の合間に全員で、小道具、大道具の制作をするのだった。 全員がこの演劇に熱中していた。始めての人も目を輝かせてきびきびと動いた。全国青年大会のときの熱気を感じた。来年はこの青年たちを大会へ行かせなくてはならないと省三は思った。重い荷を自らが背負おうとしていた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。
2008年04月30日
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おはようございます・・・。昨日はさすがに疲れました・・・。人前式の後披露宴、2次会、3次会、4次会、5次会と延々と続いて・・・。私より本人はさぞ疲れているであろうが・・・。快い疲労か・・・。とにかくすんでほっとしているが・・・。疲れていても朝の5時前になると目が覚めだした・・・3時間ほどの快眠・・・。習慣か・・・。朝もそんなに寒くはなく少し靄がかかっていたが晴天・・・27度の予報・・・。暑くなりそうである・・・。昔少年少女であったがみんな成人していてたくさんの教え子が2次会以降集まってくれた・・・。一人一人顔を見るといい顔をしている・・・いい青春を送っていると思い安心・・・。さて、これからが大変・・・リフォームのために荷物の片付けが・・・考えると頭が痛い・・・。今日は少し寝てガソリンを入れに行かなくてはと・・・。野次馬根性を出して・・・。皆様にとって今日がいい一日でありますように・・・。
2008年04月30日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。5舞台明かりが点く。 雄三と春子が登場する。雄三 もう、僕は腹ぺこだょ。春子 {腹を押さえて}私も。雄三 疎開者だと言って食べるものはくれないし、このところ藷や豆ばかり食べて腹をこわし、下痢ばかりしている。春子 私も・・・みんなどうしているかしら、東京の友達は、みんな学童疎開で・・・雄三 東京は空襲で大変らしいね。春子 家は、焼けてないと良いけど。雄三 僕も心配をしているんだ。お父さんやお母さんは長野の方へ疎開したけれど、友達はどうしているんだろうかと。僕も東京の友達と同じところへ・・その方がここの人達と違って・・・春子 そうね、でも、この村の人達、そんなに意地悪ではないと思うの。この村は貧しい村なのよ。私達が来たぶんだけ、みんなの食べ物が少なくなるんですもの・・・だから・・・雄三 だから、いじめると言うのかい。春子 違う。今は非常時ょ、自分勝手に考えては駄目ょ。藷でも 豆でも食べられるだけ私達は良いのよ。食べられない人が一杯いると言うのに・・・雄三 そうかも知れないね、きっとそうだよ。僕のわがままか。さあ、みんなの後を追って蕨や薇を取りに行こう。春子 うん。松笠を集めて冬に備えなくてはね。 雄三、春子退場する。 健次、泣きながら登場して、教室で潜望鏡を覗 く 真似をして。健次 敵艦前方五千、魚雷発射用意、発射!わあ、命中。・・・伊号八は日本一の潜水艦、少々のことじゃ沈まんぞ・・・爆雷攻撃に備えて深度を下げろ。はい。五十、六十、七十・・・。前方四千に駆逐艦発見、魚雷発射用意、発射!わあ命中・・・ 健次、一人で走り回っている。 石井は、廊下の窓からその様子を見ている。 健次はひとしきりはしゃいだが、呆然と舞台中央 に立ち尽くす。 石井、そぅうと教室に入り、健次の後から。石井 健次君!{声が詰まる}健次 {振り返って}先生!{石井の胸に飛び込んで行く}石井 {抱き締めて}健次君、先生は何と言えばいいの・・・健次 お父が・・・{歯を食いしばっている}石井 先生も知っていわ。健次 先生!伊号八潜水艦が沈んだなんて嘘じゃなあ。そげんこたあねえなあ。お父が死んだなんて出鱈目に決まっとらあなあ・・・{泣いた}石井 {俯いて}そうよ、そうよ、きっと何かの間違いよ。健次君があんなに誇りにしていた伊号八潜水艦は沈んでなんかいないわ。健次 {顔を上げ、石井を見つめ}先生もそう思うか?石井 きっと、お父さんは帰ってくるわ。健次君のお父さんは強い人、海を泳いでも帰ってくるわ。さあ、もう泣かないで、涙を拭いて・・・{石井は泣き顔を見せまいとして横を向いた}健次 {石井の腕から出て}そうじゃ、おらのお父は強いんじゃ。泳いででも帰ってくるけえ。 健次泣きながら舞台袖へ退場する。 石井は心配そうに、健次の後ろ姿を見送っていた が、運動場に出て蒜山三座眺めた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月29日
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おはようございます・・・。中天に月、登る朝日がそれを呑み込むのか・・・。今日は26度の夏日だそうである・・・。習慣とは恐ろしい・・・少し眠ったら目が覚めた・・・。朝日をみることに一日の感動が・・・。今日は晴れて我が息子の旅立ちか・・・。一眼レフとビデオカメラを・・・忙しくなりそうです・・・。息子よ・・・いい人生をと・・・。巣立ち・・・親離れ・・・親はどんな心でみればいいのか・・・。健康にと・・・。皆様にとって今日がいい一日でありますように・・・。
2008年04月29日
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こやつにもようやく春が来たのか・・・。劇団滑稽座の役者、演出、劇作と今は活躍しているが、35歳になるまでアルバイト暮らしであったが・・・。結婚式の前日に「日本郵便」の正社員の発表があったらしい・・・。どこの劇団の役者もほとんどがアルバイト暮らしなのだが・・・。社員になっても劇団は続けるらしい・・・。この写真は坂本龍馬を演じたときのもの・・・「日本を洗濯しちゅぅきに」という前にまず自らを洗濯しろと心の中で叫んだが・・・。あいする人を愛してくれる人を幸せにしろ・・・。金にすがって生きないでくれ・・・。人様の邪魔になっている石を動かす人になれ・・・。日々感動をひろえ・・・。いろいろとあるが・・・。私が若い頃政府に対して楯突いた生き方をしてきたので政府機関には何度受けても通らなかった長男の・・・次男が今民営化された日本郵便に就職とは世の中は変わったもの・・・。「名前の頭に×印がついとるで」といった今は重役の読売新聞の記者の友達・・・。安保、原発、公害闘争に明け暮れこの年まで遊び人を通してきたのだが・・・その子供が・・・。明日彼はめでたく結婚をするが・・・。我が家にもようやく春が来たらしい・・・。祝福のご挨拶を下さいました皆様ありがとうございました・・・。今日も興奮して眠られないのか・・・。
2008年04月28日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。 4 省三の脳裏には稽古の様が去来していた。子供たちは生き生きと演じていた。一人の青年がその姿をじっと見詰めていた。 古賀は省三のところに原稿を持ってきて読めといった男であった。省三は何年か勉強してもう一度来いとつき返したのだった。その古賀をこの演劇に引き込んでいた。古賀が子供たちに戦争のことを話し予備知識を与えていた。若いが台本を読み込みその背景を勉強してきていて、子供たちと良く話していた。「古賀君がよくやってくれて助かるよ」「そう、あなたのお気に入りだから・・・」「ああ、私の意を汲んで、子供たちとの橋渡しになってくれているよ」「いい人が出来るといいのにね」「出来るさ、古賀君なら」「そうね」 省三と育子は何の変哲もない会話に幸せを感じていた。 省三は病気の事はすっかり忘れていた。そんな暇がないくらい熱中していた。熱さも熱いと感じなかった。 部屋には水冷のクーラーがからからと音をたて冷風を出していた。 省三が帰る頃には二人の子供たちは眠っていた。どんなに遅くなっても朝には保育園に送って行った。それがせめてもの父親の存在感を見せるものだった。 八月が終わろうとしていた。「この演劇は反応がいいぞ・・・広告もすんなりと取れて・・・観客動員もあらゆる団体が興味津々・・・こんなのだったら二回の公演にすればよかった」 戸倉は興奮して言った。「何回でも公演すればいいではありませんか・・・何年か後には国際児童年があることですし・・・」 省三も頬を崩して言った。「それを決めておこう・・・何年後だ・・・」「五年後ですよ」「丁度いい頃だ・・・」「その時に青年から市に対して、この町が母と子を大切にするというシンボルを建ててはどうかな」「なんだ、それは」「例えば、「母とこの像」とか」「それもやろう・・・みんなで協力して建てよう・・・今から手を回して・・・準備期間も丁度いい」 戸倉と省三は話が弾んだ。 収益と寄付で賄う、倉敷の駅前に建立すると決めたのだった。「上がっとるか・・・何もかも任せて済まんな」「それは構わないけど・・・明かりと音は早いほうがいいよ」「分った」 戸倉は強く言った。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月28日
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おはようございます・・・。今日は曇り空でなかなかお日様が顔を出してくれません・・・。東の空はどんよりと・・・。今日は21度の気温で晴れのち曇りとか・・・。明日は結婚式・・・興奮して眠られないかもしれないので今日はタップリと眠るとしますか・・・。今日一日が皆さんにとっていい日でありますように・・・。おやかみなさい・・・。
2008年04月28日
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今日はゆっくりと眠った・・・。家人とテーブルクロスや結婚式に必要なものを買いに・・・。スタジオでは劇団員が披露宴会場に持って行く照明器具や音響器具を点検していたが・・・。会場がレストランなのでその手の設備がないのだ・・・。どのようにこの結婚式なる演劇を演出するのか楽しみたいと思っているが・・・。ついつい声を入れだめ出しをしたくなるのは・・・。今日は遅くなったので・・・。皆様につたない画像をと・・・。お休みなさい・・・。
2008年04月27日
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おはようございます。今日は靄がかかっているのかなかなかあけてこなかった・・・。10分ほど遅かったか・・・。飼い猫に起こされることなく4時半に起きてしまったが・・・1時間ほど眠ったらしい・・・。メンテナンスで皆様のブログもみることができず・・・。カメラを持って写しに出かけ帰ったみたらメンテナンスは終わっていたが・・・6時前か・・・。昨日家人がおいしいお酒があるというので小瓶で630円のものを80本買ったが・・・たばこをやめて酒にしろということらしい・・・。酒は若い頃浴びるほど飲んでこの35年間ほど飲んでいなかったが・・・睡眠薬代わりに飲んでもいいかなと思って買ったが・・・。たぶん知人に飲まれることになるだろうが・・・。今日は家人のお供で買い物・・・。ゴールデンウイークはうろうろきょろきょろして過ぎるはず・・・。今日という日が皆様にとっていい日でありますように・・・。これから一眠りいたします・・・。
2008年04月27日
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今、盛んに花びらを開く花たち・・・美しく咲き・・・誰にみてもらおうとすることもなく・・・みてもらおうと咲くのではない・・・自然の時の巡りを従順にはたしているだけ・・・人の目をいやそうとか、喜んでもらおうとか・・・そんなことは考えたことはないと・・・ただ・・・命を謳っているだけ・・・時の巡りに感謝をして・・・花びらを開くだけ・・・太陽と雨と風の恵みをただ信じて・・・何かに縋らなくては生きていけない人たちの愚かさを・・・咲いてみるのか・・・。
2008年04月26日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。 3 省三は時折小さな不安発作が現れたが薬を飲んで難なく乗り越えていた。その発作の頻度は少なくなっていた。演劇作りの忙しさで身体が慣れていったのか省三は自信が持てるようになっていた。病気と演劇作りを闘っている省三がいた。 省三は稽古を見ていておかしいと思われるところを直ぐに書き直した。家に帰って読み追加の原稿を書いた。それが次の稽古の日に渡され台本に短冊のように貼られた。 八月中は昼は子供たちの稽古、夜は青年の稽古が続いていた。 公演日は十一月三日の文化の日、市民会館大ホールと決まっていた。二千二百人収容のホールだった。 戸倉は広告取りや観客動員に奔走し演出とは名ばかりで稽古は省三が見ていた。青年はまだ本を持っての稽古だった。足らずの青年たちは戸倉が何処からか連れて来ていた。前からの人達とは明らかに差があった。二ヶ月あればどうにかなるだろうと省三は楽観的に考えていた。 省三は家に帰るとほっとした。体から総ての力を抜いて一息ついた。稽古を見るということはそれだけ神経を使っているのだと思った。「今日も恙無く・・・」 育子が笑いながらそう言って部屋に入ってきた。「ああ、子どもたちを見るのは疲れるね」「上がっているの」「子供は早いよ・・・どんな名優も子供には負けるというが・・・」長太 お母が来たんじゃろう。おなごはめめしゆうておえんけえの。石井 本当に行くの。長太 {大きく頷いて}うん。石井 どうしても。長太 {うなずいて}うん。石井 もう決めたことなの。長太 {石井に背を向けて}うん。石井 お母さん、おばあちゃん、妹さんをほったらかしにしても平気なの。長太 そりゃあ・・・石井 どうして、そのことを一番に考えないの。長太 じゃあけえど、神国日本の国が鬼蓄米英に負けよるんじゃ。家のことなど言うてはおられんけえ。石井 戦争は大人に任せて・・・戦争と言うのは兵隊さんだけがするんではないと先生は思うの。銃後を守ることも立派なことなのよ。愛国心なのよ。長太 先生!先生はわしに行くなと・・・ 石井は教室の外を見る。校長が隠れるように見て いる。石井 いいえ。そうは言ってないわ・・・でも・・・長太 先生が行くなと言うのじゃつたら・・・石井 いいえ、そうは・・・長太 先生!わしは本当は行きとうはないんじゃ。なんで、伯母あゃ、お母、妹をほったらかしていけりゃあ・・・去年、東京の叔父さんが来て、おまえも小学校を卒業したらお国の為に尽くせ。そのためには、満蒙開拓青少年義勇軍には入れと言われたんじゃ。・・・わしゃどうすりゃあええんか分からんかった。この半年考えたんじゃ。わしがおらんようになったら、妹に、お母に、おばあに、わしの喰いぶちがやれるし、お父が満州にいっとるけえ、万が一にも会えるかも知れん、そう思うたんじゃ。そんなことやなんやかやで、村長さんが行けと言うて来た時、行くと言うてしもうたんじゃ。 長太は泣きながら言った。石井 長太君!{じっと耐えている}長太 じゃけえど、今なら、止められるけえ。先生!行くなと言うてくれ。そんなら行きやせん。 長太、石井の胸の中へ飛び込んで行く。石井 長太君、長太君、先生はなんにも言えないのよ。言いたいことが一杯つまり、喉迄出かかっているけれど、言わなくてはいけない言葉も沢山あるけれど、それを知っているけれど言えないのよ。長太 先生!石井 先生には、長太君の心が良く分かるの。その思いが胸を締め付けて痛い程分かるけれど・・・だって、でも・・・長太君が考えた末のことなのだから・・・{泣きながら}先生は・・・ 校長が登場して来て。校長 長太、良く決心をしたの。それでこそ天皇陛下の赤子の日本男児、お国の為に働くのが、天子様に命を捧げるのが、忠君愛国の精神と言うものじゃ。満州は広い、そして、多くの資源が眠っている。それに、肥沃の大地が膨洋と拡がっている。それを、若い君達が拓き耕しあらゆる資源の増産をはからなくては日本は世界の乞食になってしまう。そこのところを良く考えての、頑張るのじゃぞ。石井先生もこうして賛成しておられる。後に続く本校の後輩のためにも、長太の考えは良い手本となることじゃろうて。長太 {石井に}先生!石井 {目を伏せた}長太 先生!石井 ちょうた・・くん。 長太、石井の顔を少しの間見ていたが、自分の机 に行き、一枚の絵を取り出して、石井の前に出して。長太 これ、わしが描いた先生の顔じゃ。受け取って欲しいんじゃ。石井 長太君・・・ありがとう。きっと、きっと大切に・・・{絵を胸に抱いて泣いた}長太 {泣きながら}先生、さよなら。 長太、走って退場する。石井 長太君!{追い掛けようとする}校長 石井先生!{大きな声で諌める}石井 校長先生!校長 よかったんですよ、あれで。これから先の事は、あの子の持って生まれた運命に託すより他にないのですからな。元気でいてくれよ、と祈るしかもう私らには出来んのですからな。 校長退場する。 花江が教室に入ってくる。花江 先生、長太ちゃん、どうしたん。石井 後を追って、そして、先生が良く考えてと言ったと言って、そう伝えて。花江 うん。 花江急いで退場する。石井は呆然と立ち尽くす。石井 あの子の運命、あの子の運命。そうなんですか。私には元気でいてくれることを祈るしか出来ないのですか。ただそれだれけの力しかないのですか。それで本当に良いのですか。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月26日
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外はひんやりします・・・。今日は晴れのち曇りで22度の予報・・・。上った太陽よりあがりかけのものが好きなのですがたまには・・・。これから花を映して休みます・・・。今日も皆様にとっていい日でありますように・・・。
2008年04月26日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。 夏の路2 お石が登場する。石井の後ろから。お石 先生様石井 {振り返って}まあ、お石おばぁちゃん、何か?お石 先生様、少し話を聞いてくださらんかの。石井 はい、どのような・・・。お石 わしは一人になってしまいましたがの。石井 おばあちゃん、それはどういうことですの。お石 みんな、わしを残して、独りっきりにして戦争に行きよった。前の大戦で連れ合いをのう死、今度の大戦で伜を三人とも取られてしもうた。石井 おばあちゃん・・・。お石 独りはさみしゅうておえませんわの。あっちこっちでこのさみしさをしゃべってあるかにゃあ・・・。先生様はわしの話を聞いてくださいますかの。石井 {頷いて}はい。お石 そうですかいの、それは有り難いですの。一番目は支那じゃ。そん次は満州、そん下がフィリッピン・・・。ですがの、ですがの、一番下のフィリッピンにいっとる伜が戦死をしたと言う公報が届きましたんじゃ。・・・役場の奴らぁ、靖国神社に祭られて光栄じゃとぬかしよるんじゃ。そんなもんですかの。わしは、靖国の母、九段の母、よう死んだ、おまえはお国の為によう死んだと褒めてやらにゃあならんのですかいの。伜が祭られとる靖国神社に行って、白砂利の上に膝を付いてこのばばの頭を下げて、お前は天子様のために、国のために死んで、こんな立派なお社に神と祭られてほんに幸せな奴じゃと言うてやらにゃならんのですかいの。・・・わしのような馬鹿なばばにゃあ分かりませんけえ。先生様そげんなもんですかいのう。石井 おばあちゃん!それ以上は・・・。お石 自分の伜が死んで喜ぶもんはおりませまあ。・・・。先生様はどう思われますりゃあ。石井 私は・・・。おばあちゃんの心は良く分かっております。私も父を・・・。そして、あの教え子達のお父さんや家族の方々が・・・。お石 分かってくださいますかの。こん村の奴等は、わしのことを非国民じゃ、気が触れたんじゃとぬかしよるんじゃ。石井 おばあちゃん、この村からも多くの男の人が、どこの家からも・・・。お石 そんなら、余計にわしの心が分かると言うものではねえんかのう。石井 でも分かっていても言えない事つてあるでしょう。お石 そりゃあ、そうじゃが・・・。でも冷たすぎるわの・・・。淋しすぎるわの・・・。わしは軍国の母じゃから泣いたらおえんと思いますがのう。でものう・・・伜が・・・。石井 辛いでしょう、淋しいでしょうが、それ以上言ったら憲兵に・・・。お石 {石井を睨み付けて}先生様もそう言われますかのう。・・・わしゃ、いつまでも、いつまでも、こん命がつくるまで戦争を恨みますけえの。憎みますけえの。・・・伜をわしの腕から奪って行ったことは忘れませんけえの。石井 おばあちゃん・・・・お石 わしゃ、九段には死んでも行きませんけえの。 お石そう言ってぷいと退場する。その後ろ姿をじ っと見つめる石井。 校長が登場して石井の姿を眺めていたが。咳ばら いをして、石井 {振り返り}校長先生。校長 あのおばあさんは気が触れたのじゃ。この大事なときに、みんなが力を合わせにゃあならん時に、ああやって、村中を歩いて銃後を守る人達の心に動揺を与えておる。困ったもんじゃて。石井 私には・・・。校長 滅多なことは言えませんぞ。私達教師は子供達に忠君愛国を教え、もったいなくも天子様に命を捧げることの出来る誉れを教えなくてはならんのですぞ。つまり、私達国民総ては天子様の赤子であり、天子様は神であることを。そして生命を捧げることが恩に報いる総てであることを。だから、私達はその模範を示さなくてはならんのですぞ。石井 はい。校長 ところで、海軍に行っておる家の生徒は誰と誰だったかな石井 はい。健次君とお雪ちゃん、それに・・・。校長 お雪のてて親が戦死なされた。石井 それは、本当ですか?校長 今、役場を覗いたらそう言っておった。村長にも尋ねたのじゃが、間違いはない。ガタルカナルの海戦で、山本五十六連合艦隊指令長官が名誉の戦死をされ、その時大変な死傷者が出たらしい。石井 その中に、お雪ちゃんのお父さんが・・・校長 うむ。石井 何と言うことに、何と言うことに。お雪ちゃんはお母さんと二人きりになってしまったのですね。校長 政府もここに至っては、もう事実を発表して国民に今まで以上の一層の発奮と努力を強いるしかないとのお考えらしい。石井 あのこのお父さんが・・・私はどのように・・・校長 先生に知らせたのは心の準備をしていてほしいと思ったからですのじゃ。石井 {頬に散る涙を手でぬぐった}校長 泣いては子供達が動揺しますぞ。確りして下されよ。今こそ 私達は強い心をもって・・・。 石井 でも、私は他人事として考えられません。父は軍医として・・・。校長 だからこうして・・・いづれ役場からお雪の家に公報が届き・・・。そのとき先生が心を取り乱していてはと思い、それが心配で。石井 ・・・はい。分かりました。・・・それで戦局は・・・・校長 ガダルカナルからブーゲンビルまで、もう落とされていると言うことじゃ。石井 もうそんなに・・・校長 首都東京は空襲が激しくなり、何れ強制的に学童疎開が・・・。石井 噂にあった、学徒動員令は・・・。校長 うん、議会は通過したらしい。これからは多くの学生がどんどん戦場に狩り出されるであろうの。石井 これからの日本は・・・。校長 その先は言えませんぞ。これ以上は私達の言えた立場ではありませんからな。先も言ったように天子様の赤子に教えていることを充分認識して下されよ。石井 はい。校長 では・・・。{子供達を見て}あかるうて元気のええ子供達じゃ。あの屈託のない澄んだ瞳と笑顔は眩しいくらいじゃ。 校長は子供達を見て頷きながら退場する。石井 {遠くに視線を投げながら}明文さんは京都帝国大学の文科生、若しや徴兵に、学徒出陣に・・・。私はどうすればいいの。・・・お雪ちゃんのお父さんのこと・・・ああ。戦争が無かったら、戦争が・・・。 子供達が「せんせいはようみにきてくれ」「こん なもんでええんかの」と呼んでいる。 石井ははっとして振り返り、石井 はい、すぐ行きますから。 お雪の母、民江が「お雪!」「お雪!」と叫びな がら登場する。春子 お雪ちゃん!お雪 {振り返って}おかあ! お雪立って、母のほうへ近寄ろうとする。 民江は運動場にへなへなと崩れるように座り込む 。お雪は母にかぶさっていく。お雪 おかあ、どうしたん。民江 おとうが・・・おとうが・・・お雪 おとうが、どうしたん・・・おとうがどうしたん・・・民江 おとうが・・・お雪 おかあ・・おとうが・・・ 民江はお雪をしつかりと抱き締めて立ち上がり。民江 お雪、泣いたらおえんぞ。おとうは日本のために死んだんじゃ。泣いたらおえんぞ、泣いたらおえんぞ・・・ 舞台明かりが消え、お雪と民江が抱きあって空を 眺める姿をピンスポットが照らす。そしてもう 一つは、石井を取り囲んだ子供達にサススポット があたる。石井は子供達をしっかりと抱きしめている、悔しそうな長太の顔、心配そうな健次の顔、涙を咬み殺している花江の顔。 段々とピンスポットがお雪と民江の顔に絞り込ま れていく。石井のサススポットはその前に消えて いる。健次 お雪!お雪 おとう!おとう! お雪はあらんかぎりの声を上げて叫んだ。 暗転(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。
2008年04月25日
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今日の倉敷の空には雲一つありません・・・。晴天です・・・。洗濯日よりです・・・。皆様にとって今日がいい一日でありますように・・・。お休みなさい・・・。
2008年04月25日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 夏の路 (省三の青春譚) 夏の路 陽射しの強い路は・・・木陰にて涼を取り・・・。 夏の路1 子供たちは回し読みが終わり半たちも終わって立ち稽古に入っていた。「館長、ホールを貸して欲しいのですが」 省三は練習室が狭いので動きが狭くなって演出が困っているのを見て館長に言ったのだった。「書類を出してください」 館長は杓子定規に冷たく言った。「舞台に明かりをくれればいいんです。全部を必要としていないんです」「困りましたな・・・」「誰も使っていないんでしょう・・・広い場所が今必要なのです」「私に明かりを付けろといわれてもどのようにしていいか・・・」「館長がいいといえば係りの人がつけてくれる事になっていますが・・・」「鍵も開けるということですか・・・貸し館の承諾もなくですか・・・そのように係りのものが・・・無断で・・・。今村さん、私にこの件を言った以上は・・・私が聞いた以上は・・・出来ないとないと言わねばなりません・・・」「そうですか・・・」 省三は帰りかけた。「ですが、私が聞いていなく、係りのものが好意でホールの鍵を開け舞台に明かりをつけたということになれば、これは係りの責任です・・・万一そのことが問題になった場合は責任者の私の手落ちになります・・・」 館長は回りくどく言った。「今村さんは私に季節の挨拶に来た・・・そのほかのことは私は何も聞いてなかったということに・・・」 館長は続けて言った。「誰か間違って鍵を開け明かりをつけてくれるでしょう・・・私にも母がおり・・・子供がいます・・・稽古をしているような孫もいます・・・。しっかりおやんなさい」 館長の声は途中から小さくなった。「暑くなりました、くれぐれもお体を大切にしてください」 省三は深々と頭を下げて外に出た。 まだこんな館長がいることを有難いと思った。 周囲の暖かい思いやりでホールを使い練習が進んでいた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月24日
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今日の倉敷は雨です・・・。おひさまにお目にかかれそうにありのせん…。私の書斎から東の山の稜線が見えおひさまが・・・。今日は厚い雲に覆われていて・・・。昨日写した花を・・・。皆様よいお目覚めを・・・。これからひと眠りします・・・。
2008年04月24日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。12 六月の初めキャストとスタッフが決まり練習が始まった。健次 おい、そこの疎開もん、魚雷の用意じゃ。 春子ポカンとしている。長太 {花江とお雪に}そこの二人、何をぼけっとしとるんなら 。突っ込め、撃て撃て撃って撃って撃ちまくれ。花江 うちは好かんけえ。長太 何を、この非国民が。花江 うちは非国民とは違うけえ。お雪 止めて!{大きく叫んだ}健次 わあぁい、魚雷敵艦に見事命中!黒い煙を上げとるぞ。あ あ、火を吹き出したぞ。傾いたぞ。やったやった、わあぁい{何 度も何度も飛び上がった}長太 海軍に負けるな。前進前進、突っ込め。倒れたらおえんぞ 。撃て、撃て、敵の陣地を占領しろ 長太と健次は走り回っている。そこえ生徒達が登校 してくる。それぞれに別れて、叫びながら駆け回っ ている。数がだんだん増える。お雪 {大きく}止めて!止めて!{泣きだす}健次 なんを、この泣き虫お雪が。お雪 健ちゃんのバカ、バカ・・・花江 {長太の前に立ちはだかり}やめられえ!ちいたぁ、お雪 ちゃんの身にもなったげられえ。長太 なにを・・・どうしたんなら。花江 {長太を睨み付けている}長太 だまっとったらわからんがな・・・。 健次や他の生徒ははしゃぎ回っている。花江 この、薄らトンカチの分からず屋。長太 {お雪を見て}・・・健次、やめい。他の者もやめい。健次 {不服そうに}うん。 他の生徒もそれにならって止める。長太 お雪がどうかしたんか。お雪 うちは、嫌いじゃ、好かんけえ・健次 {お雪に近ずいて}なんかあったんか?花江 お雪ちゃんはなあ・・・。 お雪、運動場に走りでる。春子が後を追う。 健次は心配そうに窓から覗いている。花江 この三か月ほど、お父から便りがないらしいんじゃ。長太 そうか、そうじゃつたんか。 木の下で泣いているお雪に、長太教室より出て行っ て近寄り。長太 わしゃ、わしゃ・・・・悪かったの。お雪 {かぶりを振る}春子 早く、教室に入ろう。長太 そうじゃ、もおせんけえ。 お雪は春子に押されながら教室に入る。長太は頭を 掻きながら入ってくる。花江 長太ちゃん、お雪ちゃんに謝られい。お雪 うち、うち、もうええんよ。花江 お雪ちゃん、きっと、お父から手紙がくるけえ。お雪 うん、そうじゃろうか。長太 そうじゃとも。分の厚い手紙がもう届く頃じゃ・・・何せ 、郵便配達のおっさん腰が曲がってよおよお自転車にのっとんじ ゃけえ。健次 あのおっさんもだいぶくたびれとるけえなぁ。花江 そうじゃ、学校から帰ったら、お雪元気かって書いた手紙 が来とるって。お雪 そうじゃろうか。長太 そうじゃ、そうにきまっとるけえ。花江 {ぼさーとしている健次に}そうよね、健ちゃん。健次 {ハッとして}う、うん、おらもそう思うで。お雪 そうじゃね{笑った}健次 今、泣いとったカラスがもう笑うとんじゃけいな。お雪 もう、うちしらん。 子供たちは練習所を走り回っていた。戸倉がカブスカウトの子供たちを集めてきていた。 省三はこれから始まる舞台のことを考えたら心が浮き立つものを覚えていた。 これで「春の路」を終えさせていただきます。 読んでくださいましてありがとう御座いました。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月23日
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今朝も少し寝て起きてしまいました・・・。もう6日も続いています・・・。はまるということは何と忍耐力がいる事かと…。そんな努力を今までしたことがあったかと…。徹夜で台本を書きあげたとき以来か…。今日は昨日より少し気温が低くなるらしい…22度・・・。皆さん今日一日を健やかに…。
2008年04月23日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。11「少し問題があるね・・・君の家庭の事情を知っていて・・・」 省三は少しくぐもった声で言った。芳子の家庭は父親が早く亡くなってははと弟の家庭だった。「私のことを・・・」「何もかも捨てて来いとは・・・」 相手の男はピァレントの助手をしている人で、一人旅で泊ったときに知合ったのだと言った。「私どうしていいか分らず・・・」「好きなのですか」「はい・・・でもこの手紙を読んでからは・・・心が分からなくなって・・・」「お母さんには・・・」「言ってません」「少し時間を置いて・・・」 芳子との話は平行線だった。芳子は泣くだけだった。 省三は家まで送った。「ゆっくりでいいから清書、頼むね」 芳子は頷いて小走りに家の中へ消えた。 次の練習日に芳子は清書をした原稿を胸に抱きながら入ってきた。この前の話が嘘のように溌剌としていた。「はい、出来ました。先生に貸しが出来ましたね」 芳子は笑って言った。「ありがとう、何かでお返しをするよ」「出来上がったんだって・・・どれどれ・・・」 戸倉が目を輝かせながら近寄ってきた。「はい、芳子君に清書をしてもらったから読めると思いますよ」「読まなくてもいい、直ぐに本にして配らなくては・・・」 戸倉は一世一代の出し物に狂喜していた。「中々評判はいいよ・・・話だけで乗ってくる人も多いいから・・・その人たちに台本だけでも配り繋ぎ留めておかなくては・・・」 戸倉はいそいそと印刷の準備に取り掛かった。「私は石井がいいな・・・やりたいわ」 芳子が言った。「私には配役の権限はないから・・・」「先生が反対をしなかったらいいの」「反対はしないさ・・・やる気のある人がやればいいと思っているから・・・」「やる気なら誰にも負けないは・・・」 大人が十八人、子供が十五人いる台本だった。五人ダブルキャストでやれた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月22日
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おはようございます・・・。3時に眠って5時少し前に起きました…。今、朝焼けにはまっています・・・これからまた昼過ぎまで寝ます・・・。今日は今年最高の25度になるという予報が・・・。暑い一日になりそうです・・・。今日が皆様にとっていい一日でありますように…。
2008年04月22日
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今宵はお月さんが満ちています・・・お月さんとの相性が良くなくうまくとれませんが・・・。朝焼けに魅せられていますが今日は早く眠ろうかと…。お休みなさい…。
2008年04月21日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。10「先生、チョツトいいですか」 思いの中から突然現実に返され顔を見上げるとそこには芳子が立っていた。「歯でも痛いの」 省三は笑いながら言った。「先生、私は歯科衛生士です」 芳子は笑いながら返した。高校時代演劇部に居て中国大会に出た経験があった。今は歯科医院に勤めながら青年活動をしていた。 最近ではみんなと馴れて冗談も言い合うことが出来るようになっていた。「なにでしょう」「今でなくてもいいのですけれど、一度相談に乗ってくださらないかと思って・・・」「いいですよ、今でも」「みんなが居ないほうがいいんですけれど・・・」「そうか、遅くなったら佳世ちゃんに悪いしな・・・」「タクシー代は私が出しますから・・・」「その手があったか・・・」「はい」「今日は何時もの通り帰ると言ってあるから、次ではどうかな」「ありがとう御座います」「ところで今書いている台本が上がったら清書して欲しいんだが・・・」「はい、喜んで」 芳子はきっぱりと言った。みんなの書き物を見て芳子が一番字が綺麗であったので頼んだ。ガリを切るか青焼きをして百冊近く台本は必要だった。省三の字ではみんなが読めないだろうという思いだった。 省三は書きたい心をじっと押さえて頭の中で醗酵するのを待っていた。 醗酵すると言うことは九十九パーセントその作品が完成したと言うことだった。後の一パーセントはただ書き上げればいいと言うことだった。それは省三が作品を書くときに生まれた方法だった。いまだ醗酵しないものを喉から引っ張り出して書くと途中で投げ出さなくてはならなくなることが多いことが分っていた。一日中考えるのではなく、生活の中で醗酵は進むものだった。醗酵は書く切っ掛けなのかもしれなかった。 少し開かれた窓からは五月の緑の風が流れ込んみ、暑がりの省三の額や頬を撫でていた。 小さな足音が近づいていた。「おとん・・・ご飯」 下の子の豊太が兄の悠一の真似をして言った。「ありがとう」 省三は豊太を抱いてゆっくりと階段を下りた。「今日はカツか・・・」「夜食にサンドイッチを作って置きましたから」 育子はさりげなく言ったのだった。「おとん、食べよ」 悠一が催促をした。 省三はこの幸せを奪う奴を許すものかと思った。「これくらいで間に合うかしら・・・」 育子はニダスーの鉛筆を削って出したのだった。―書け、今日から書けというのか、育子には私の心の中にあるものが醗酵したのが分るのかー 省三は小説を書くときは万年筆を使い、戯曲のときは鉛筆を使っていた。戯曲はなるべく喋る速さで書くことを望んだからだ。その為には万年筆より鉛筆の方が良かった。 食事を早々に済ませ、二人の子供たちを風呂に入れ書斎に籠もった。机の前に垂れ下がる蒜山一帯の写真を眺め、箱書きを読み、貫通行動と反感通行動の書かれた図式をじっくり読み込んで確認した。原稿用紙も記名入りの少し厚めのものを用意した。 降臨というのか、自然に手が文字を紡いでいた。室内にはモーツァルトの音楽が流れていた。 省三は朝までに百五十枚を一気に書き上げた。 体には何の変化もなく順調だった。窓には朝の光が差し込んでいた。眩しかった。「ご苦労様」 育子が見ていたように熱いコーヒーを運んできた。「書き上げたよ、これを添削して清書をしてもらうよ」 省三はコーヒーの香を鼻にして口に運んだ。緊張感が緩み快い疲労感を感じていた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月21日
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朝やけに魅せられて今日も徹夜をしてしまいました…。昨日は5月半ばの気温が…。今日は24度になるというが…。皆様はさわやかなお目覚めでしょう・・・。私はこれから…おやすみなさい
2008年04月21日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。9「あなた・・・」 育子は教室の入り口に立って声を掛けた。育子の声で省三は我に返った。 子供たちが教室にいたのだった。その光景を目のあたりにしたのだと言いたかった。「車で少し休んだら」「子供たちが・・・」「疲れたのよ、あんなに長く運転したの久しぶりなんですもの」 省三は育子に支えられながら車まで歩き、少し横になった。 省三の頭の中には次々と子供たちが出てきて走り回り喜声を上げていた。―私に書けというのか・・・この様を綴れと言うのかー 省三は記憶にとどめようと懸命だった。 少し休んで省三はカメラのシャツターを切りまくった。「順調にあがってる」 戸倉は練習室の机に向って書き物をしている省三に近寄ってきてそう問った。「ええ、なるべく早く書き上げますから」 省三は笑顔で応えた。 蒜山高原の分教場から帰ってすぐ箱書きに色々と書き足していた。貫通行動に付け加えていた。頭の中ではどんどんとドラマが進行し開幕の台詞と幕締めの台詞が決まっていた。この二つの台詞が決まると殆ど出来上がったと言っていいのだった。映した写真は現像し、洗濯干し場のようにロープを引っ張ったところに洗濯ばさみで留めて吊るした。「己なき日々」は読んでいた。多くの女教師が様々な思いで戦中戦後の教育現場の事情を書き表していた。その行間を務めて読み込もうとした。書けなかったことを読み取ろうと思ったからだった。 省三の脳裏には白いブラウスとモンペをつけ三つ組みに髪を整えた佐竹の姿が動き回っていた。「教え子の命一つ守れなくてどうして教師だと胸を張って言えるの」 旅館の一室で佐竹は冷静に言い切っていたのだった。「行かないでと一言言えたら・・・谷本君は行かなかったのです・・・。その言葉がいえなかったばっかりに谷本君は満蒙開拓青少年義勇軍へ行ったのです・・・。そこで亡くなったのです・・・。私が殺したも同然なのです・・・。先生行くなと言ってくれ、そうすりあ行きゃせん・・・谷本君のその声が言葉が私の心に耳に残っているのです」 そう言う佐竹は泣いてはいなかった。むしろ嘲笑しているようだったのだ。「私はその時に泣くまいと誓ったのです」 この日とはそのように生きたのだとその時省三は思ったのだった。並々ならぬ気魄が漂っていた。「何も知らない女教師に何も教えてくれなかったことを恨んではいません・・・。そのことを感じ取らなかった私にその責任があると感じだのです・・・。その為には教師が子供たちの手本となり、最高の教育環境にならなくてはと考えるようになりました・・・。子供たちの為なら政治に利用されてもいいと割り切ったのです・・・」 佐竹は今の現状を言った。今は政治運動の一環になっていることを危惧していた。 省三の中で様々な佐竹が動き回り話掛け叫んでいた。それを省三はメモにして確認するのだった。子供たちと遊ぶ佐竹、教壇に立つ佐竹、一人思いにふける佐竹、その時佐竹は何をどのように考え行動したのかを思い巡らせたのだった。長閑で雲が泳ぐ蒜山の麓の分教場であったことをどのように書き表せば佐竹の思いを伝えることが出来るのかに思いをめぐらせた。 佐竹は奇遇だが省三が通った小学校に分教場から転任して来ていたのだった。そんな先生に担任してもらっていたら少しは真面目に勉強で来ていたか、省三は六年間先生に恵まれなかったのだった。勉強の出来る子と金持ちの子を贔屓する先生ばかりだったのだ。「先生という立場は一人ひとりの子の人生を変えてしまうことが多いいのです」 佐竹はそこで詰まったのだった。「日本はその後、愚かな戦争はしなかったけれど・・・世界を見ればたくさんの子供たちが・・・。こんなことを言っては自分を持ち上げているようで恥ずかしいのですけれど、私の年金は総てを開発途上国の教育費に使っていただいています・・・、教材に校舎の建設に・・・人が人の苦しみを見て何もしないという社会は間違っていると思って・・・」 佐竹は着古した紺のスーツを着込んでいたのだった。 それは一人の教え子を救えなかった悔いゆえの行動であったのだ。 省三はその時体を硬くして聞いていたのだった。病気のことも忘れて書きたいと言う衝動が突き上げていたのだ。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月20日
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刻々と東の空が太陽によって変わっていく…。しばし見とれて・・・。
2008年04月20日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。8 舞台明かりが点く。 山の音、例えば鳥の鳴き声とか小川の細流、風が木 立ちを鳴らす音など。 長太が息を切らせて登場する。長太 あれ、みんなまだ来とらんな。どうしたんじゃろう。 花江が、唱歌「赤トンボ」を口ずさみながら登場す る。長太を見て走りより、花江 わぁ!長太ちゃん、今日は何かあったん。長太 お花、なんじゃ。花江 時計が狂うとったんか、長太ちゃんの頭が狂うとんかどっ ちなん。長太 やかましい・・・花江 お天とう様が西から昇かも知れんで。長太 なんじゃ、その言い草は・・・せいよりみんなどうしたん なら。花江 いつも遅れてくるもんがはように来るけえ・・長太 そうか、みんなの時計が狂うとんじのう。花江 そりゃ、長太ちゃんの方じぁが・・・。先生が来られるま でにはまだ時間があるもん。長太 そうか、わしがはょう来過ぎたんか?花江 その通りじゃ。・・・今日はどうしたん。長太 うん、うむ、・・・{考えこんだ}花江 何かあったんと違う。長太 いいや、いや・・・何にもありゃせんで、何んにも・・・花江 ほんとのほんと。長太 ほんとじゃ。花江 ほんと。ほんとのほんとのほんとなん。長太 ひつけえの。花江 隠さんでもええが。長太 ・・・それより、悪かったの。花江 なんしてなん。長太 お花はお父と約束したんじゅゃろう。戦争に行くときに、 お花の頭を撫でながら、誰にも負けんように勉強せえ。誰にも負 けんように一番に学校へ行けと言うとるのを、わしはきいとるけ え。花江 ううん・・・じゃけえどええんよ。長太 わし、お花が来とるもんと思うて。花江 ええんじゃ。うちは嬉しいんじゃ。長太ちゃんがこんなに はょう学校に出て来られたんじゃもん。家は忙しいんじゃろう。長太 そりぁ、お父もあんちゃんも戦争にいっとるけえ。家には おばぁと、おかぁと、妹。男手はわし一人じぁけえ、頼りにされ とるけえ。田の草を取ったり、堆肥をこせいたりせんとおえんけ え。花江 わぁ!{大きな声ではしゃいだ}長太 どうしたんなら、びっくりするじゃねえか。花江 だって、おかしいもん。そんなに力があるようには見えん もん。長太 このおてんばお花が・・・・。わし、大きゅうなったら兵 隊さんに成るんじゃ。おとんやあんちゃんがたたこうとる戦場に 行くんじゃ。せいで、日本を勝すんじゃ。こんなこたぁおなごに は分からんじゃろう。分かってたまるか。花江 なんを急に大人のようなことを言うて・・・。じゃあ言う て、うちらが大きゅうなるまで戦争がつづいとるじゃろうか?長太 この馬鹿、負けるちゅうんか、神国日本が負けてたまるか花江 そうは言うてねえ、けど、うち心配なんじゃ。兵隊さんに 食べて貰う言うて、蕨や薇や稗を取って・・・。それを食べとる んじゃもん、それでほんとに勝てるん。長太 女子はめめしゅうておえんけえ。花江 じゃ言うても・・・。長太 {直立し,敬礼して}兵隊さんはお国のためにたたこうて おられる。我々は銃後を守る小国民として・・・。花江 わぁ、まるで校長先生のようじゃ。長太 ・・・おとうは満州じゃ。あんちゃんはビルマ・・・元気 じゃろうか・・・。花江 {明るく}大丈夫じゃ。長太ちゃんのおとうやあんちゃん には、鉄砲の弾も逃げよるわな。長太 お花のおとうは・・・。花江 うちのおっとうは、中国(シナ)じゃ。こん前の手紙には な、中国人で一杯じゃと書いて来とった。長太 当たり前じゃ、中国なんじゃけえ。花江 ああそうか、そうなんじゃなあ。長太 お花は呑気でええのう。花江 本当に何かあったんと違う。いっもの長太ちゃんじゃねえ みたい。長太 なにもありゃせんが・・・。このおっちょこちょいの先走 り屋。花江 何もそげん言わんでもええが・・・。長太 みんなそう言うとるぞ。花江 そげん事言うのぁ誰なん、一人づつやっつけてやるけえ。長太 おてんばじゃのう、誰ぇも嫁にももろうてくれんぞ。花江 うちええもん。長太ちゃんのお嫁さんにはならんもん。長太 わしもおしゃべりは好かんけえ。 健次、お雪が登場する。お雪 健ちゃん、そんなに走らんで待って。健次 はようけえ。お雪 まだ小使いさんが鐘を鳴らすのには時間があるもん。健次 このぐずのお雪が。お雪 言うたな。 健次とお雪がじゃれあっている。長太 こら!おまえら、何んをやっとんなら、銃後を守る小国民 がそんな心構えでええんか。お雪 {うつ向いた}・・・・・健次 どうしたんなら。長太 どうしたもこうしたんもあるもんか。この非常時に男とお なごが・・・。健次 せいでも、石井先生は男と女は仲ようせい言われとったけ え。お雪 そうじゃ、そう言われとったもん。長太 この馬鹿!石井先生は力を合わせてと言われたんじゃ。花江 その通りじゃ、長太ちゃんの言う通りじゃ。健次 チェ!長太 この非常時になっとらん。花江 {長太を見て心配そうに}長太ちゃん!長太 健次、おめいのおとうは海軍じゃったの.健次 おう、伊号八潜水艦に乗ってドイツにいっといたけえど、 今はインド洋じゃ。長太 お雪、おめえのお父は・・・。お雪 {泣きだしそうにして}うちの・・・海軍じゃ今、南太平 洋でたたこうとると・・・。長太 そんなら、ぼけっとしておられんじゃろうが。健次 そりゃああ・・・ 花江、長太の表情をじっと見つめている。長太 {思いを振り払うように}突撃用意!つつ込め撃て!撃て !{教室を走り回って叫ぶ} 健次つられて。健次 {潜望鏡を覗く真似をして}敵巡洋艦前方四千、魚雷発射 用意!撃て!撃て! 花江とお雪は二人を眺めている。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月19日
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今日も朝を迎えてしまった…。何もしないのに・・・。朝の太陽が上がって行くその風景に魅せられたか…。こんな生活でいいのかと…。反省…。3時までぐっすり眠り込んだが…。
2008年04月19日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。7「子供を十五人ほど集めて欲しいのだけど・・・」 省三は練習の日に戸倉に言った。「ほほ、やる気になったのか」 戸倉はあっさりと交わした。「十一月に一つ公演したいんだ。その為に子供が必要なんだ」「何年生が欲しいのだ」「六年生を五名、後は何年生でもいいんだ」「本は・・・」「これから書く・・・」「大丈夫か・・・育子さんに叱られないかな・・・」「迷惑はかけないよ」「それでどのような物語だ」 省三は佐竹との話を掻い摘んで話した。 戸倉の目の色が変わった。「秋だな、十一月でいいのだな・・・市民会館をとるぞ」 省三は青年が子供に扮してと考えたが、観客動員を考えれば子供を遣ったほうがいいと思った。「忙しくなるぞ」 戸倉は省三を引っ張り出したのは今日を予期していたのだった。「台本は何時上がる」「五月いっぱいはかかるな」「夏休みに子供たちをあげられるな」「段取りを頼むよ」「わかった」 戸倉はなにやら書き込みながら省三と話した。「母と女教師の会か・・・教え子をふたたび戦場にやりません・・・教え子を二度と飢えさせない・・・お母さんの体を守ります・・・か・・・これはいいよ、これは・・・。子ども会、婦人会、老人会、PTA、ボーイスカウト、ガールスカウト、海洋少年団、退婦教、教員組合・・・市民会館が一杯になるぞ、これは・・・」 戸倉は狂喜してはや獲らぬ狸の皮算用を始めていた。 省三はこの何週間かは不安発作がない事に気がついた。何かに夢中になれば忘れられるものらしいことを知った。 陽炎の中、省三は育子を助手席に乗せ佐竹が勤めていたという分教場を探して走った。 蒜山三座の山並みが新緑に燃えきらきらと輝いて見えていた。窓を開け放って心地よい風を受けながら田地を通り過ぎ木立の林の中を土煙を上げて疾風した。空には白い綿雲が長閑にゆったりと泳いでいた。「こうして県北に来たのはずーと前に講演できたとき以来ね」 育子は目を輝かせて風景を眺めながら少し弾んだ声を上げた。「ああ、そんなこともあった」 省三は周囲を見る余裕はなかった。不安発作が何時出るかを心配していた。「何るようになるわ、命までは取りはしないから・・・。私もあなたも一度は死んだ命なのだもの」と出かける前に育子は省三を励ましていたのだった。「空気がこんなに美味しかったとは・・・」「水島に住んでいたら外は何処でも美味いさ」 省三と育子は他愛無い会話の中に幸せを感じ取っていた。 草茫々の中に分教場は埋まるようにあった。運動場の中に錆だらけの鉄棒がぽっんと立っていた。木々の侵食は運動場を侵し空間を狭めていた。校舎の板壁は木の命を終わり朽ちて崩れかかっていた。 省三は鍵のかかった門の前で見詰めた。鍵はかかっているが何処からでも入れた。北側に長い廊下があり、運動場の南に面して教員室に三教室があった。教員室には教科書や書籍が散乱し、薬缶と湯呑茶碗が散らばっていた。教室は机と椅子が黒板の前に一塊で積まれていた。 省三はしばらくそこに立っていた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月18日
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今日も朝が訪れる前に床についてのだが、なかなか眠られずに起きてしまった…。自衛隊のイラク空輸が違憲だという判決が…。まだまだ良識のある判事がいたとは…うれしいね…。
2008年04月18日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。6 佐竹は教職に立っていた当時を淡々と語っていたが、目には時折り光るものを帯びていた。「今日来ていただいたのは・・・「己なき日々」にも書きましたように母と女教師の会の起源といいますか発端と言いますか、その趣旨が曖昧になっておりまして・・・。その演劇を作っていただきたくて・・・このように長々とお話をさせていただきました。母と女教師の会は決して政治的なものではなく・・・『教え子をふたたび戦場にやらない』 『教え子を二度と飢えさせない』『お母さんの体を守ろう』という趣旨なのです・・・。そのことを若い女教師に知ってほしくて・・・。母と女教師の会で公演をしていただけないかとお願いしたい為で御座います」佐竹はそう言ってほっと一息入れた。 佐竹の言葉は重く省三の背に乗るものだった。そんな活動があったとはぜんぜん知らないことだった。 一人女教師の言葉が発端でそんな大きな運動がなされていたことに驚いた。何かふつふつとわきあがる闘志のようなものが生まれてきていた。「人間とはなんと素晴らしい」 省三は心の中で叫んでいた。「私でよろしければやらせていただきます」 省三は震えながら強く言っていた。そばで心配そうに育子が見ていた。「ありがとう御座います。これで肩の荷が下りました。母と女教師の会が政治運動のようになっておりまして、そのことを危惧して「己なき日々」をその当時の先生方と出したのですが、中々思うようには行かなくて・・・読んでいただけなくて・・・。見てくだされば分りやすくみんなの心の中に入りましょうし・・・」 佐竹は退職婦人教職員全国連絡協議会の副会長の役職にあって、全国をまわっている忙しい体だった。定年を切り上げて幅広い運動を行っていた。「大変な事になったわね」 育子は心配そうに言った。 帰りの車を運転しながら、「何とかなるよ」と省三は明るく言った。頭の中にはストーリーが組み立てられていたのだった。 省三は戦中戦後の物語はたくさん読んでいた。文芸同人誌「怠け者」を各所に送ると必ずと言っていいほど同人誌を贈ってくれた。その中には必ず戦争物が二三作載っていたのだった。書斎の戦争文学も紐解かなくてはと思った。戸倉のところへ行かないときは資料を読み漁った。梅木女史の戦中戦後の童話が特に役に立った。佐竹の話を聞いている間に台本の筋書きはどんどんと組み立てられていたが、その肉付けにはやはり資料が必要だった。段々と頭の中に物語が広がっていった。 一人ひとりの箱書きが始まった。歴史年表が机の前に張られた。大まかに史実が書き込まれていった。 教師自身が最高の教育環境、と言う貫通行動が出来上がった。反感通行動として、息子を取られた母の哀しみ、校長の一億玉砕の精神、愛国心、進駐軍が持ってきた民主主義、母と女教師の会の発足、中国在留日本人を貫通行動にかにませる事にした。書き始めていくらかの変更はあるにしてもこのように書こうと決めたのだった。これが出来ると出来たも同然だった。この作業は一週間ほどで出来上がった。あとは書き始めればよかった。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月17日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。5佐武 私に大きな問題が持ち上がりましたのは、昭和十九年の冬 も終わりの頃でございました。 戦局は、昭和十八年の春を境にして敗戦色も濃くなり、小学生 以上の生徒は勤労学徒動員であらゆる軍需工場へ出掛け、学業ど ころではありませんでした。また、学徒出陣令により、大学生は 学業半ばで予備役として入隊、と、戦火の中へと巻き込まれてい きました。兵役も五十歳に引き上げられ老いた男の人達も次々と 戦場へ赴きました。その留守を、女子と幼い子供達が守らなくて はなりませんでした。食料は段々と少なくなり、配給制度が行わ れ始め、小さな子供を抱えた人達は大変でした。 山奥の国民学校もその波は打ちよせて、子供達の心にも変化を もたらしていきました。佐武 昭和二十年の初夏、私にとって忘れられない出来事が・・ ・子供達は食べ物が無く、いっもおなかをすかしている毎日でし た。それでもまだ町のようには非度くはなく、三度に二度は何 かを食べられました。私は、子供達の明るい笑顔ときらきらと輝 く瞳に助けられて、村に割り当てられた供出物確保に山や野原に 出掛けておりました。子供達は、春には蕨や薇や土筆を取り、秋 には松葉を拾いに行き、松の木から松やにを集めておりました。 もう、勉強どころではありませんでした。 長太君は、養成所を終え満蒙開拓青少年義勇軍に入り満州へと 渡りました。どんなに辛い目に合っているか、便りが無いので余 計に案じられました。 明文さんからは、海軍での訓練の様子を時折知らせてくれまし た。佐武 長太君の件以来、私は教師を辞め故郷に帰りました。そし て、何もかも忘れるために、飛行機製作所へ勤労動員として出ま した。 昭和二十年八月六日、広島に原子爆弾が投下され、八月八日、 ソ連が参戦、十五日終戦。神風が吹くこと無く、日本は多くの尊 い生命を無駄にして破れました。沢山の文化財も灰になりました 。余りにも多くの犠牲でした。そのことで国民は途方にくれ、大 変な混乱が生じました。私の回りにも慌ただしく多くのことが通 り過ぎていきました。私は家に帰りましたが、何をどのようにす れば良いのかわからなく、毎日毎日ぶらぶらしておりました。 幸せなことに、二十一年の春に父は復員して参りましたが、思 い返されることは、辛い悲しい思い出ばかり。お雪ちゃんのお父 さん、健次君のお父さん、校長先生の・・・。そして、私が初め て愛した明文さんの戦死・・・。でも、私の心に重い苦い後悔を もたらすのは、長太君の死なのでした。命の重さは、尊さは同じ かもしれないけれど、私の一言で救えたかも知れない長太君の命 ・・・。教師の言葉、教育の怖さを知る思いがして・・・ 私はこれからどのように長太君に償えば良いのかと、部屋に閉 じ篭もって考え悩んでおりました。が、閉ざした心からは答えな ど、解決策など生まれてくるものではありませんでした。佐武 昭和二十一年の秋、私は復職いたしました。 蒜山三座は緑から赤へと紅葉し、美しく見えました。人間が愚かな行為によって打ちひしがれているのが嘘のように、自然は泰然自惹として時のうつろいを見せておりました。その姿を見るにつけ、私は自然の美しさ、生命力の強さに負けてはならないと思いました。 子供達はおなかをすかしてはおりましたが、明るく、逞しく立ち 上がろうとしていました。 町では、一枚の干パンを貰うために、毎日毎日、長い行列をつく るとのことでした。それだけではたりなくて、子供達のためにお 母さんは田舎に買い出しに出られ、指輪や着物を米に替え、豆に 、藷にと・・・ だけど、熱心であればあるほど私を信じてくれた子供達にどの ように詫びたらいいのか、僅か二年ではあったけれど、信じて ついて来てくれた子供達にどんな気持ちで接しればいいのか、悩み ました。 それに、今まで使っていた教科書に、進駐軍の指示により墨で 塗り潰すことが私達教師の最初の仕事でした。子供達と私の心に 墨を塗っているようでたまりませんでした。 でも、そんな感傷に浸っている暇はありませんでした。ただ、 今までの過ちをどのように現場に立って償うか、また、これから の教育姿勢をどのようにすればいいか考えました。打ち拉がれ、 何も手に付かないという先生も多く居たようでしたが、私は過去 の事を忘れずにしっかりと心において、その上で子供達の綺麗な 心に接しょうと決めていました。それしか考えが浮かびませんで した。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月16日
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倉敷は雨が降っています・・・。昨日の最高温度に比べ今日は雨のせいか少し寒いか…。各地では25度になっているというが…。散歩に出て花を撮ったが・・・その中の一枚・・・。後期高齢者医療問題・・・。「この制度は小泉自民党と公明党が作った…文句がある人は厚生労働省へ電話をしてください」と電話番号を添えて医院診察の入口に貼ってあった…。小泉は何を考えていたのか…国民は小泉狐に騙され小泉小泉と支持をしたということになるが…。郵政民営化の裏で数に任せて改革の名のもとに国民いじめをしていたのだ…。改革の本丸の公務員改革もできずに…。何もしなかった首相のほうがましか・・・。小泉の復権がうわさされているが国民はもう騙されてはいけない・・・。民主党も小沢狸と菅狢と鳩山ナメクジがいるのでさてどうなるか…。国民の不幸は続きそうである…。せめて花にこころ癒される日々が…。
2008年04月16日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。4 先日、梅木女子から連絡があり「己なき日々」を書いた佐竹が倉敷に来てくれるということで明後日会う事になっていた。省三の症状を言ったら出向くという事になったのだった。 省三は倉敷駅に近い旅館に席を取っていた。梅木女史からは何をどうということは一切なかった。佐竹からなにかの提言があるのだろうと思った。 山を背にした校舎の前で住人足らずの子供たちが写っていた。その中央に白いブラウスを着てお下げに垂らした若い日の佐竹がいた。セピア色が年月の流れを現していた。 駅前の旅館で佐竹に会った。時間より早く行ったのだが佐竹のほうが早く来ていた。佐竹は座卓を退いて丁寧に礼を言ったのだった。省三と育子は体を小さくしてそれに応えた。「私が最初に赴任しました小学校の分教場で写したものです」と出されたのがその写真だった。白いフラウスといえば女子師範の制服だった。「十八のまだ何も知らない女性でした・・・」 省三は佐竹を主人公にした台本の冒頭はこのように書いている・・・。佐武 私は、今年の四月一日をもちまして、四十五年の教員生活 を無事に終えることが出来ました。振り返り見れば、多くのこと が、今にして思えば、ああもすれば良かった、こうもすれば良か った・・・。色々のそのときそのときの出来事が後悔となって思 いかえされます。走馬灯のように頭の隅を掠めます。楽しい事も ありました。嬉しいことも・・・ですが辛い悲しいことのほうが ・・・。 あれは・・・{遠くにまなざしを投げて}私が女子師範を終え まして、国民学校に奉職いたしましたのは、大東亜戦争たけなわ の昭和十八年の春でございました。私の故郷からおよそ八里の山 奥の小さな国民学校でした。 その年は春の来るのが遅く、教室の窓からも、運動場からも、 目の前に雪を残した蒜山三座の山肌が、柔らかな日差しを受けて きらきらと輝き、眩しいくらいに跳ね返しておりました。校庭の したを流れる小川の細流は雪解け水を集めて勢いよく流れ、岩に 砕けて白い飛沫を上げておりました。 その国民学校には、一年生から六年生まで十五名、どの子も、 父を兄を戦地に送り出している家の子供達でしたが、みんな明る い子供達で、きらきらと輝く瞳を持っておりました。 佐竹は写真を出し、手紙を出して説明をした。眼差しは遠く彼方へ向いていたがそれは定まっていなかった。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月15日
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外に出るといろいろな花が咲き誇っていた…。自然の美しさに人間は負けていなか・・・。
2008年04月15日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。3 二人の子供が通う保育園の坂には桜が満開になっていた。園長の旦那さんがお寺の住職をし、園の理事長を兼ねていた。園の裏にお寺があってなだらかな坂道が続きその道沿いに櫻の老木があり春を告げていたのだった。 園の遠足はその花見だった。 育子と二人で参加していた。カメラを胸からぶら提げて子供達の表情を追った。しだれ櫻を見上げながらその花びらがすべてお日様を仰いではいないことに気がついた。人間もそうかと省三は思った。 櫻並木が続き・・・。この光景を何かで読んだ記憶があると・・・。風もなく静かに桜並木が続き・・・その中に人間が居たら・・・。「あ・・・」と省三は声を上げた。 坂口安吾の「満開の櫻の木の下で」を思い出したのだった。 事故以来鮮明に何かが脳裏に去来することがなかっただけに驚いた。「おとん」 悠一が省三の袖を引っ張っているのも忘れていた。目の前にわが子の顔が迫っていた。「どうした」 省三は優しく問った。悠一は小さな指を指した。そこには園長が笑いながら立っていた。「夜はこの下を通るのが怖くて・・・」 園長は櫻を見上げながら言った。 櫻の命を感じながら歩くことは恐ろしいことだろうと思った。「本当に良かったわ。あれから子供達の表情が違ってきましたの」 園長は満面笑みで育子に声を掛けた。「それは宜しゅう御座いました」 育子が頭を下げながらそれに応じた。 秋の頃の武本の絵を言っているのだった。 あの頃から省三は少しずつ変わってきていたのだった。 何かを目的にして外にでなくてはだめだったのだと思った。 戸倉の所へは週に三回行って、ただ黙って座って見詰めていた。戸倉は何も言わなかった。それが約束だといわんばかりだった。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月14日
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早起きは三文の得か・・・。今日は暑い21度になるという・・・。今年の春の花が・・・。いろいろと咲いているが・・・。用事があって朝早く・・・ほとんど徹夜で寝ぼけ眼で家の周りの花を撮りました・・・。花の名前に疎くてパンジーくらいしか知りません・・・。秋に植えた野菜が春に花をつけているのでしょう
2008年04月14日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。 春の路2 国立競技場を胸を張って行進する岡山選手団がいた。薄い黄色のユニホームを着ての行進が続いていた。省三は銀傘の下でカメラのシッターを切りまくっていた。人生に何度もない華舞台に彼らは上がっていたのだ。彼らの顔はきらきらと輝き自信に満ちているように見えた。やることはやったという自負なのかと思った。 常盤の宮が開会の挨拶を、中曽根総理が祝辞を述べた。式典は最高潮に達していた。 机の前に座って直ぐ転寝をしたらしい、そんな夢を見た。 戸倉が来てくれということはふたたび青年大会を目指すということなのかと思った。 国体、インターハイ、青年大会と三大イベントがあるが・・・。省三は国体やインターハイには何の興味もなかった。青年大会は勤労者の大会だった。仕事をしてその余暇に文化に接し、スポーツを鍛錬研鑽してその技量を競う大会であった。県の青年大会で最優秀賞を取らなくてはその権利はもらえないのだ。エリートでないのが省三の心を煽っていた。 今日のメンバーでそこまで行けるか・・・。心意気は買いたいが・・・。それだけでは駄目だ・・・。一人ひとりの人間としての資質を高めなくてはならないと考えた。 今日初めて練習場へ行きこのように感じることはやはり好きなのだと思った。育子は省三の性格を掴んでいたのだった。 省三は書きたい衝動がふつふつと湧き上がるのを感じていた。 県の青年大会は秋、後一年あるが、その前に演劇の苦しさと喜びを感じ取らさなくてはならないと思った。 今日の回し読みの演劇はメンバーの力量を超えているものであった。観客は二人か・・・でも観客の数ではない・・・その公演を終えた後、かかわった青年がどれだけ進歩しているかなのだ。感動したかなのだ。一つ大きな演劇を公演させ自信を持たせ感動の共有をしなくては無理だと考えた。 書きたいものを頭の中で探した。この何年も最後まで書いたものはなかった。書き出しても途中で投げ出しているものばかりだった。 その時階段を上がってくる小さな足音がした。「おとん、ご飯じゃ」 悠一がドアを開け声を掛けた。悠一の後ろには豊太がついてきていた。「ああ、ありがとう・・・気をつけて下りろよ」 省三は振り返って声を掛けた。「ああ」「うん」と二人は返事をして下りていった。 その顔を見て胸が熱くなった。 そうか、あの青年達を子供にして舞台を走りまわしてはと思った。これもなにかの啓示かと考えた。いつもなら育子が夕餉を伝えてきていたのだった。今日に限って二人の子供が・・・それをなにかの定めと位置づける弱い心が省三にあったのだった。迷いの中に居るとき人はそんな思いに取り付かれるものだった。 書く気になっている自分に省三は驚いていた。 その夜、久しぶりに梅木女史から電話があった。今までにも思い出したように梅木女子からは電話がかかってきていた。 主人の転勤で筑波へ転居していた。そのことは前の電話で伝えてきていた。「元気、その後どうなの」 受話器の中から綺麗な声が聞こえてきていた。その声に惚れた杉村春子が文学座へ入ることを進めたということだった。彼女の父親は人間魚雷回転の設計に携わり戦後C級戦犯の汚名を着せられ、人の噂により家族は住居も定まらず転々としたということだった。平凡な路を選び結婚し子供を二人産んでいた。彼女は専業主婦の時間を無駄には過ごさなかった。童話教室に通い市民童話賞を取り、大人の小説に挑戦し女流文学賞をものにしていた。「ままあまあです」 省三は元気なく応えた。「そう、今は冬かもしれんね・・・。だけど春はきっと来るは・・・」「なにか・・・」「そうそう、私が帰られたらいいのだけれど、ある人に逢って欲しいの・・・。私の分野ではないし・・・これは今村さんにお願いしょうかと・・・。この前に私のところに本が贈られてきたのよ。『己なき日々』という表題だけど、戦前戦中戦後の女教師の生き様を書いたものなの・・・読後を書いて送ったのだけど・・・。逢いたいということなので・・・。でも今は手が離せないのよ・・・。急ぎの原稿もあるし、子供の大学進学があって・・・それで・・・」「ああ、いいですよ。僕でよかったら・・・」「身体が心配で・・・こんなこと頼んでいいのかなって・・・」「妻に付き添ってもらっても行きますから・・・」「そう、有難いは・・・困ったときは今村さんね・・・」 それから小説のことや踊りのこと、子供達の事に話は及んで花が咲いた。延々三時間の会話が続いたのだった。 昔、梅木女史が岡山に居た頃は夜の十一時に電話かかり朝の六時まで、梅木女子が受話器の向こうで原稿を読むのを聞かされたことを思い出していた。そんなときが週に何度もあったのだった。その頃省三は何時電話がかかってきてもいいように何もかも済ませて待ちの体勢になっていたのだった。「終わったの」と育子は冷えた夕餉を温めて上がってきたのは次の日になっていた。梅木女子から電話がかかってきたら長いということを知っていたので頃あいをみはらかって持って来たのだった。電話は少し前に終わり一瞬ボーとしていた時だった。省三は梅木女史の依頼を伝えた。「お元気なのね。何よりだね・・・。それでどうするつりなの」「断れなかった」「でしょうね」「連絡して、逢おうと思っている」「そうね」「一緒に行ってくれるか」「いいわ」 省三の永い一日はそうして終わった。が、なかなか寝付けなかった。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月13日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 春の路 (省三の青春譚) 陽炎浮き立ち人の心を迷わすか、だから手を携えて・・・。 春の路1 最初のうちは水、金、土曜日に、迎えの車が店先について待っていた。水島の科学会社に勤めている佳世ちゃんが、会社を終わって来てくれたのだった。 省三にはその車に乗るのが勇気の居ることであった。ポケットの中に発作のときに飲む薬を忍ばせなくてはならなかった。車の閉塞感が発作を齎す要因の一つになっていた。「宜しくお願いいたします」 育子は佳世に明るく言った。「はい」と、佳世は頷いた。 省三は助手席に乗って緊張した。不安が常に押し寄せ、前を見るのも怖かった。もう目を瞑るしかないかと開き直るしかなかった。開き直ると意外と楽になった。 佳世ちゃんは何も言わずに前を見て運転していた。ラジオから英会話の放送が流れていた。まだ運転免許を取って間もないことを知らなかった。 倉敷の中央公民館までの廿分間は不安とそれをなだめる心の葛藤だった。 「ありがとう」 佳世に導かれて部屋に入ると戸倉が近寄り言った。ジャケットをラフに着こなしていた。「なにも出来ないけれど・・・」 省三はそう言って、部屋の中を見た。四五人の青年が軽い体操をしていた。「お早う御座います」の言葉が幾つも飛んできた。 省三は軽く頭を下げた。この人が今村省三さん・・・これからきてくださる事になった。分らんことがあったら何でも聞いて・・・「そこらへんに座って・・・この人が今村省三さん・・・これからきてくださる事になった。分らんことがあったら何でも聞いて・・・」 戸倉がみんなに言った。「宜しくお願いいたします」「こちらこそ・・・」 省三は頭を下げた。 一人ひとりの紹介があったが、省三は頭を下げて受けボーとして見ていた。 男が二人で女が四人いた。それぞれ名前を聞いたが顔と一致するのは何時になるだろうかと思った。「始めようか」 戸倉が言った。「宜しくお願いいたします」といってみんなが出て行った。どこへ行ったのだろうかと省三は思った。後で分ったことだが、公民館の前にある名刹観竜寺の石段を走りに行ったとのことだった。百段くらいを翔りあがり、何回か繰り返し、余裕のある人はうさぎ跳びで上がり下がりをするとのことだった。 ハアハアと息が上がっているときに発声練習をした。息が上がっていないと幾ら練習しても駄目なのだった。そのあとは柔軟体操をして終わった。 省三が前に来ていた時には石段の駆け上がりはなかっただけに青年たちの心意気を感じた。「この秋に公演する台本の回し読みする」 戸倉は誰に言うともなしに言ったが、省三に言ったのだった。 練習場の戸倉は極端に愛想がなくなる癖があった。 省三は回し読みを聞いていた。不思議なことに不安発作は起きずリラックスをしてその場にいることができた。―この分では大丈夫かーと省三は安堵した。 初日はそのように終わった。 佳世ちゃんの運転する車で帰途についた。車の中には相変わらず英語のレッスンが流れていた。「ご苦労様でした」 佳世は緊張した顔で言った。 育子が心配そうな顔で出てきて、「お世話になりました」と、佳世に声を掛けた。テールランプが見えなくなるまで見送っていた。「どうだった」「何もなくてよかった」「そう」「ああ」 省三は喉が乾いていることに気づき、コップいっぱいを一息に飲み干した。 今日の回し読みを聞いていて、鼻濁が出来ていないこと、そして脚本の分析に問題があることに気づいたのだった。 気が張っていたのか自室に入るとほっとした。久しぶりの緊張を快く感じていた。 (この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月12日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 9「おおい、生きとるか」 と、戸倉が上がってきて言った。 戸倉とはもう何年もあってはいなかった。青年演劇をこの倉敷にと闘志を燃やし青年を全国青年大会へ四度送って以来だった。その後も戸倉は青年に演劇を教えていた。竹内勇太郎から阿部公房まで演じたのだった。「最近は・・・」「人が集まらん、演劇をしょうという子はたくさんいるが、高校までだ。高校を出たらみんな普通の人になってしまう・・・。あの頃はあんなに集まって賑やかで、やめて欲しいと思う子も居たが、今ではそんな子も居ない・・・」 戸倉は泣き言を言った。「何も持ってこないで、見舞いですか・・・。愚痴を手土産で・・・」 戸倉は前歯の抜けた口を開いて、「どうだ、出てきてくれんか、何もせんでええ、ただ座っていてくれればええ、駄目か・・・。一日中ここに居てはカビが生えて体に良くないで」と言った。「演劇人口の拡大ですか・・・。演劇と言うのは観客の教育もありますからね・・・。それに板に上がる人の人間教育・・・」「それだ、その為にぜひ出てきて練習場の何処でもいいから座っていて欲しいのだ。送り迎えはするから・・・」 省三は今のままでいいとは考えて居なかった。恐怖だけで生きていていいのだろうかと思っていたのでこれも天の啓示かと思った。「医者と相談して・・・」「相談するのは育子さんだろうが・・・。原稿を書けとは言わん、演出せいとは言わん・・・手を貸して欲しいのだ」 戸倉はそれだけ言って帰っていった。「あんた、戸倉さんからこんなものを・・・」 郁子がそう言って出した手の上には見舞いの金封が乗っていた。「あいつは・・・」 省三は頬緩めた。「行ってあげたら・・・この前なんか観客が身内で二人だったそうよ」「それ以上少なくなることはないか」 省三は心が軽くなるのを覚えた。「練習場に座っているだけでいいんだと」「いいではありませんか・・・」「送り迎えはしてくれるんだって」「なによりだわ」「原稿は書かなくたっていいんだって」「素晴らしいわ」「演出も・・・」「尚のこと素晴らしいわ」 育子は省三が病気になって逞しくなっていた。セールスマンを入り口で阻止し追い返す術を覚えていた。「忙しいのに・・・そんなでもないけど・・・入り口に立って名刺を出して説明をされたんでは商売迷惑で邪魔者よ・・・。コーヒーを飲んでくれたら幾らでも聞いてあげるのに」と育子は嘯いたのだった。「てもただじっと座っているだけで・・・見ていたら口も出すだろうし、台本を書きたくなるのがあなたよ」 育子は省三の性質を熟知していてそう言った。「なるようになるだろう・・・さて・・・」 省三が弱気になっているところへ育子の愛の鞭が飛んできた。「観客が二人じゃあね・・・いずれ潰れるわ・・・戸倉さんも今までよく頑張ったわね・・・何も知らない成年を全国大会まで行かせたのだから本望でしょうから・・・。でもね・・・これからこの町の青年教育はどうなるのかしら・・・」 育子は溜息混じりにそう言った。 その言葉が決定的だった。何かをしたいという青年にチャンスを与える人間が居るのだ。それが戸倉であり省三なのだと思った。もう、不安があるからという言い訳では逃れられないと観念した。「行くよ」 省三は小さく言った。「それでこそあんたよ・・・真っ赤に燃える水島の空に吠えていたあなたが今蘇ったのょ・・・今日は赤飯を炊こうかしら・・・。戸倉さんが神様仏様に思えてきた」 育子は嬉々としていた。「歯の抜けた神様か・・・。子供たちに後姿を見せるために・・・」「私にも見せてください」 省三は熱いものが胸の中に溢れそれがまぶたの裏に集まるのを覚えた。 「冬の路」はここで終わらせていただきます。 ご愛読を頂き有難う御座いました。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月11日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 8 丘やんは結婚する前に田圃を売って大きな家を建ててもらっていた。運動公園に近く住居としては最高の場だった。嫁さんは有名化粧品メーカーのチャームガールをして朝早くから県下の化粧店を転々としていた。丘やんはカメラ店に務めたが、欝の症状が出て仕事が出来なくなって家で一日中ぶらぶらとしていたのだった。 省三とはそのカメラ店で知り合っていた。時折店を覗いてコーヒーを飲んでいた。丘やんは症状が出て宿世に倉敷病院に通院して治療をしていた。省三はそれ出一緒に行くことにしたのだった。「夜一人で家におると震えが来て・・・。膝を抱えて・・・。意識が段々のうなってきて・・・。嫁よはよう帰ってきてくれと・・・おがんどる」 丘やんは真剣な表情で言った。「そんなときは電話をしてください。その苦しみは分りますから」 省三はそう言って励ました。 省三は何度か電話を受け、家人を助手席に乗せて走ったものだった。省三もまだ夜の道を一人で走ることが出来るほど回復していなかった。 育子は省三にがんばれと言う言葉を言わなかった。それが一番良くないと言うことを知っていたのだ。「元気になったら、北海道へ行ってみたい・・・。あら、御免なさい」 育子は慌てて口ごもることはあったが、それが本音だろうと省三は思った。「元気になったらお前さんを背負って何処にでも連れて行ってやるよ」 省三はそう言って笑ったが、気力はなかった。 ああしたら、こうしたら、元気を出して、がんばってという言葉が省三を焦らしたが・・・。育子は一度言ってからは言わなかった。 省三は時折不安神経症に襲われ救急車で何度か病院に通っていた。車に乗っているときに目がちらちらとしたらその症状の恥のりであった。もう終わりと言う脅迫に悩まされるのであった。 克ちゃん、牧ちゃん、丘やんと心身症の友達が増えることに省三は苦笑した。 武本は時折顔を見せ、年に一回のペースで個展をしていた。 益田は大阪本社に帰り労組で活躍していた。 山下は相変わらず頭は社会主義で、体は資本主義で金儲けに精を出して近所の空き家を次々と買い占めていた。 「怠け者」の仲間は近況を知らせる賀状と暑中の挨拶はあり、活躍を伝えてきていた。 それぞれが羽ばたいていることに省三は満足していた。だからと言って省三は焦らなくはなかった。早く元気になりたいと言う思いが症状の軽減を遅らせていた。発作の怯えながら朝は子供たちを保育園に送り、その症状に慣れるために近場を車で走りながら馴れようとしていた。 店には殆ど出なかった。固定の客を育子が接客し一日が終わっていた。食べられるだけ売り上げはあった。店を持つと言うことは幾らの売り上げでもどうにかやっていけるものだと思った。日銭が幾らか入るということは助かった。入ってきた金額でその日の賄をすればいいのだった。土地も店も自分のものだったからやっていけるのだった。 子供たちを送って帰り 、店の二階にある省三の自室で終日過ごしていた。本の山の中に居ても手に取ることもなかった。子供たちをどのように大きくするかを考え始めても長くは考えられなかった。このままの姿を見せよう・・・苦しむ姿も、時たま見せる子供への微笑みも、微塵も偽りのない後姿を見てもらおう、その時の省三はそれだけしか考えられなかった。省三が、父を母をそのように見詰めたようにと思った。子供たちは省三を眺めるより育子を眺めるだろう、そうして欲しいと願った。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月10日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 7 省三はまだ欝の症状が全快せず倉敷の病院へ通っていた。克ちゃんと通っていた大学病院は一日かかかったが投薬が同じて薬代が安く診察も一時間ほどで済むということでそこへ変えたのだった。店のお客で省三と同じ症状の丘やんと一緒だった。克ちゃんと牧ちゃんは相変わらず魚屋の恵ちゃんにほの字で毎日のように通っては店先で刺身を食べ焼き魚をつついていた。恵ちゃんが魚を捌いている姿をうっとりした目で眺め、拵えてくれる刺身を美味しく食べることが二人の至福のときであった。 恵ちゃんに彼氏が出来ても二人は諦めなかった。がっかりもせずむしろ喜んでいた。「いい男なんです。実家は両親が医者で弟は「サード」の監督をした人なのです。ガラスの造形作家というのがいいですね」 克ちゃんは胸をそらして我が事の様に言った。 牧ちゃんは、「ファイトが沸きますね・・・でも僕は魚を捌くあの仕種が好きで・・・高校生のとき恵ちゃんが校舎の屋上で夕陽を浴びて佇んでいるときの姿が忘れられなくて・・・憧れなんです・・・永遠のマドンナなのです。心の恋人でいいんです」 と言い、独り身を貫いていた。 二人は仲がよく酒場の梯子でなく病院を梯子していた。 克ちゃんは少し調子がいいのか牧ちゃんが行っている心療内科の門を潜っていた。 省三はそんな三人のやり取りを微笑ましく見詰め羨ましがっていた。 克ちゃんはインターネットで株を始めて、会社の分析をしていた。省三はそこで初めてパソコンを見た。キーボードで文字を打ち込みすらすらとプリンターで印字をするその性能に驚いた。焼肉のメニューはその文字だった。欲しいと思い値段を聞いて諦めた。 克ちゃんは在日の朝鮮人だった。北朝鮮系の銀行に勤めたが、やめて焼肉屋を手伝い、病気になって入院、そこで入院患者禁止行為を行い強制的に退院をさせられたが、看護師を物にしたのだった。その彼女と結婚し、店を任せ恵ちゃんの魚屋へ通っているのだった。 二人が刺身を食べながら煙草をぷかぷか吹かしているのを省三は眺めながら、丘やんと一緒に二週間に一度薬を貰いに通った。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月09日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 6「子供たちが登園してくると、目の色が変わるの・・・。挨拶も忘れて壁に描かれた象の鼻にほっぺたを擦りに行く子、滑り台に夢中になる子・・・その姿を見せたかったわ・・・。なんだかみんなに活気が出たみたいです」 園長は笑みを零しながら言った。「それは良かったですね」 省三の子達は手を離して園内へ走りこんだ。 幼稚園の砂場で人生の総てを学んだと言うような言葉があるが、人間に必要なのは確かな環境であることを省三は知った。 後に省三は教育問題についての戯曲でこのように書いた。佐武 そうだよ。人生なんて過ぎて見れば夢のようなもの、だけ どどんな夢を見るかが問題なんだけれど・・・公子も先生になる んだから、子供達の夢を大切に育ててあげて欲しいわね。教える のではなく、人間として共に学ぶ、その姿勢が無くては、教育は 本当に怖いもの。一つ間違えば、一人の人生を駄目にする。公子 分かっているって、これでも私はお母さんの娘よ、確りお 母さんの後ろ姿を見せて貰ったから・・・佐武 だったら良いけど、言っとくけどどこの社会でも四五十人 を把握出来ない人は、人の上に上がれないのに、教師だけは、最 初から三十何人の生徒と付き合う、本当に難しいわょ。公子 分かっているって、少しお母さんくどいわょ。佐武 くどいくらいで丁度いいのよ。公子 もう、お母さんたら。佐武 お母さんは思うんだよ。今、本当に子供達の瞳は輝いてい るかってね。教育、その本来の理念がなんだか曖昧になっている ようで、まるで、自由とは名ばかりで一つの思想にはめ込もうと しているように思えるんだけれど。公子 お母さん・・・佐武 子供達の顔に明るさが無いし、瞳に輝きが無いってことに ある種の怖さを感じるのだょ。なんだか、いやなよのなかになる ような・・・公子、これは、是非守って欲しいの。 おまえの教え子を戦場にやら無い。 そして、どんな時でも、子供達にとって教師が最高の教育環境で なくてはならないってこと。公子 分かってるって、お母さん。 現場の外からはよく分かるが中では中々出来るものではないかもしれない。が、それをしなければならないのが教育の現場なのだ。省三は子の親になって、どのような後姿を見せなくてはならないかを常に考えるようになっていた。 勉強をして東大に入り国を動かす人間になるより、人様の邪魔になる石を動かす人間になって欲しいと考えていた。 子供を育てるとき省三は父と母のことを思った。父と母は省三を育てるときに何をしたか・・・それを考えた。信じてくれたのか放任主義であったのだ。 省三は人の親になって子供たちをどのように育てるかという問題に直面していた。「学校は面白いか、みんなと仲良くしているか」 省三の父は勉強をしろとは言わなかった。外大を出て7ヶ国語を喋り貿易の仕事で東南アジアの各国に支店を置いていたが支店長の使い込みで潰れ、それから太平洋戦争中飛行場建設に従事し、連帯保証人になって何もかもなくしていただけに何もいえなかったのだろうかと省三は思った。勉強は必要だが人間にはそれより大切なものがあると強要しなかったのだろうか、好きな事をすることの大切さを暗に言いたかったのだろうかと思った。「勉強はしとって損はないから・・・」 母は省三に時折優しく言葉を投げていた。高校受験のときに、「行けるか行けないか分らんけれど、準備はしとったほうがええと思う・・・」 その母の言葉で八年間疎かにしていた勉学を取り戻したことがあった。 父は常に夢を追い、母は地道に現実を歩んでいた。 省三はわが子が自分のようになっても良いかと問われれば答えを引き出すまでに少しの時間が要るのだった。 省三は父の姿を映していた。育子は母の姿そのものであるように思えた。となるとわが子は自分の姿になると想像した。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月08日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 5 省三は人生に無駄が必要であることを知った。無駄とは何かを真剣に考えたのだった。 子供たちは保育園に通っていた。その送り迎えは省三の役目だった。送り届けると園長室の窓が開いて、「お茶でもどうぞ」と園長が声を掛けて来たものだった。お茶を頂きながらいろいろな話に花を咲かせるのだった。そんな日課であった。「何か殺風景ですね」 省三は保育園を見渡して言った。しまったと省三は思った。「何かいい方法はありませんか」「壁に、遊具に子供が喜ぶ絵でも描きますか」 調子よく言ったしまった。「それはいいわね」 園長が乗って来た。 省三は言ったばかりに、武本にその依頼を頼み込まなくてはならなかった。 武本は銀行の若い男女を十名ほど連れて日曜日に取り掛かった。 正面の壁に大きな真っ赤な太陽が描かれた。遊具にはいろいろな動物の姿がまるで遊んでいるように描かれた。塀には様々な原色の色使いで円や三角や四角や星が大小描かれた。 まるで昨日の保育園とは比べようがないほどの華やかさになった。タイヤもいろいろの原色で塗った。滑り台も周囲の色を考えて塗りなおした。 省三は手伝った。職員も日曜出勤をして筆を握っていた。園長はお茶いれ、弁当の手配をしていた。その顔は不安から満面笑みに変わった。「明日、子供たちがどんな顔をするだろうか」 涙を流してそう言ったとき、みんなの疲れは吹き飛んでいた。 園門の壁には大小の魚が泳いでいた。 武本は嬉々として描いたのだった。 酒癖の悪い武本を連れて夜の街へ出かけた。 手伝ってくれたみんなを連れて省三がよく行ったスナックへ案内した。一軒目無事に済んだが、今度は武本が奢るからと言い出してはしごになった。段々と武本は本性を現しだした。 銀行員と言う職業がそうさせるのか、その柵から開放されると極端に横柄になり、人を見下す行動に出た。言葉が汚くなり、自分が如何に立派な絵描きかを吹聴し始めた。その絵を認めない社会を恨んだように言い方をした。その性格を知っているのか気の毒そうに省三を見て一人抜け二人抜けと言う具合に帰って行った。最後には二人になった。「武さん、僕は絵のことはよく分かりませんが、独自のものが、色が、線がいるのではないのでしょうか・・・」 省三はカウンターの前でハイボールを空けている武本に言った。「その色に線に・・・哲学がないんや・・・」 武本は涙を浮かべていた。 省三は武本が分っていると感じた。が、感性は持って生まれた物か、生活の中で培うものなのか、つまり才能の一つなのかと考えた。武本は苦しんでいたのだった。感性も徳の一つか・・・受け止めたものをどのように感じ表現するかと言うことであると感じているが、そのことで武本は迷っているのだった。出来事に対して充分に受け止めそれを心のフィルターで濾過し、自分の考えで表現する・・・それを感性があるとかないとかと人は言うのだが、それも感性のある人の差によって変わってくるだろうと省三は思った。「こんなことを言ってはどうかと思いますけど・・・人を感動させようと思ったら自分が感動することの出来る人間にならなくてはと思うのです」「そんなことはわかっとんのや・・・そんなことはわかっとんのや・・・それが出来へんのや・・・悲しいのや・・・」 それを言われると後の言葉が出なかった。 武本は一人よたよたしながら夜の街に消えて行った。それは寂しそうな姿であった。 省三はいろいろな悩みがいいほうに作用してくれればいいのにと思った。武本の新しい面を発見してむしろ喜んだ。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月07日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 4 省三はカメラを持って、近在の神社やお寺、民家を写して歩いた。明治時代に大洪水があり沢山の人命が失われた。百のお地蔵さんを各所に奉ったということで、そのお地蔵さんを探し写真に撮ろうとした。百体あるというが何処を探しても三体しかなかった。都市計画により整備され道が造られ家が建ってその痕跡はなくなっていた。年寄りに聞いたがその場所に行くと人家の庭になっていたり、川幅の拡張で道になっていたりした。 悠一と豊太を助手席に乗せゆっくり走った。最初は怖かったがなれるとそれは出来た。 育子の故郷、悠一と豊太の故郷の勉強をしようとしたのだった。現実からの逃避が今の省三には必要なことのように思えた。 この地方の史談会に入り郷土史家の話を熱心に聴いた。郷土史家の本も読んだ。貧しかったが食べることになにの不自由なかったこの地は、今コンビナートに呑み込まれ豊になったが過去を忘れ、何かが不在の地に変えていると省三は思った。それは営々と続いてきている仕来りの忘却だった。先祖の墓参りも忘れ、祭りの準備もしなくなっていた。無駄と思えることを切り捨てて生きているのだった。金が入るとかつての精神の主軸を忘れると言うのか、夫婦で海外旅行に現を抜かしていた。何処何処に行ったという会話が挨拶になっていた。野菜を作り米を植えることを疎かにしだした。作るより買った方が安いと言うのがその理由だった。田地は荒れ草ぼうぼうで隣に迷惑を掛けても知らんふりだった。先祖代々住み繋いできた本家普請の家も簡単に壊し新しい豪華な家に建て替えた。自分の快適な生活だけが望みになっていた。 省三は壊される前に古い家を被写体として捉えて歩いた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月06日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 3 克ちゃんと一緒に大学病院の心療内科の診察を受けることになった。 診察室の前の待合は煙草の煙でもうもうとしていた。みんな天井を見ながら煙草を吸い続けていた。 一人が診察室へ入ると一時間はかかった。「交通事故が病気の引き金になっているかも知れませんが・・・。この病気は、几帳面で思い込みが激しく完璧主義者で人の噂を気にする人がかかるようですな・・・」と医者は言った。当たっているのかないのか省三には分らなかった。自分を分析したことがなかったからだった。「それで、病名は」 省三は恐る恐る聞いた。「心身症ですな・・・まあ、あなたは軽いほうですから、仮面鬱病というところでしょう・・・この段階で来られてよかった」 内科診療からカウンセリングが続くのだ。薬を貰って帰る頃は夕方になっていた。 薬を飲むと頭が晴れていくのが分った。が、それでも不安発作は取れなかった。夜中に不安発作が起き慌てて薬を飲むという生活だった。毎週克ちゃんと通院して薬を貰って帰る日が続いた。 最初は男が診察室へ入っていたが一ヶ月ほどして夫婦で診察室へ入ると言う仲の良い夫婦もいた。夫婦は目が虚ろで体に生気がなかった。同じように生活をしていたら病気がうつるのかと心配した。「恵ちゃんは僕らのマドンナなのです」 克ちゃんがそう言う時は心身症の患者には見えなくて溌剌としていた。何かに夢中になるそのことがいかに病気治療に役立つかを知る思いだった。 省三は今まで生きてきて何ににも一生懸命に取り組んだことが、この病気の原因になっているのではないかと思った。ふと、無駄を生きることが必要ではないか、無駄を生きていることが無駄ではないのだと言う考えが浮かんだ。今までは無駄を生きたことを悔やんだが、その無駄が何かを生み出しているように思えた。それは心の余裕なのか、ゆとりのある生き方なのかと思うのだった。「記事の終わりに野辺に咲く一輪の花を添える・・・」 支局長の阿東の言葉が思い返された。 それが記者の冷静な眼なのだと言う事が分った。自分に不足していたのはそのことだったのかと省三は思った。真正面から対峙することだけが生きる総てではなかったのだった。ストリップ劇場の灯かりさんが言った、横の明かりでその人の過去が見えるといった言葉を思い出し、正面だけの見方では駄目だと思った。それを生き方の中に生かさないと仮面うつ病から脱することが出来ないことに気がついた。無意味なことに意義あることもある、それを否定していては何も生まれないのだ。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月05日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 2 頭は鉛を乗せたように重く、肩が何もしないのに無性に凝っていた。時に発作が起きもうこの世も終わりかという不安が襲ってきていた。 省三は仏教の勉強をしょうとして取り掛かったが、どれだけ頭に入ったか疑問だった。読書に集中できなかったが、神や仏の加護を信じない省三であったが、この時ほど何かに縋りたいと思ったことはなかった。 店の客の一人が、同じような症状の人を知っているのでその人に相談してみてはどうかと紹介してくれた。 数日して、タバコ屋の牧ちゃんと焼肉屋の克ちゃんが訪ねてくれたのだった。 省三の顔を見て、「一度僕たちと病院に行ってみませんか」「迎えに来て上げるから」 と親切に言ってくれた。 省三は藁をも掴む心境だったので宜しくお願いいたしますと言った。二人は同じように太っていた。彼らは薬の所為だと笑った。少々太っても眠れなかったり頭が痛かったりするよりはましだと言った。病気の割には明るかった。今はいい薬があってそれを呑めば良くなるということだった。病気になる前からなってどのように苦しんだかをとうとうと語った。 牧ちゃんと克ちゃんは魚屋の手伝いをしている恵ちゃんに惚の字で毎日通っていた。三人は高校の同級生だった。店で刺身を食べたり焼き魚食べたりして、恵ちゃんに売り込んでいたが恵ちゃんは二人を子供のようにあしらっていた。牧ちゃんはタバコ屋の店番をするのではなく、克ちゃんは焼肉屋を妻に任せて、二人は競うように通っていた。落ちない花を落とせると勘違いするところが病気なのかもしれなかった。二人はやたらと煙草を吸い税金を支払っていた。煙草をやめるようには医者は言わなかったと言う事だった。禁煙でストレスが溜まり病状が悪化するより症状の改善が先と考えたのだ。煙草を吸いながらボーとして空を眺める仕種は常人のものではなかった。総てが省三に当て嵌まっていた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月04日
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この作品は省三33歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたら嬉しゅう御座います・・・お幸せに・・・。 冬の路 (省三の青春譚) 白い路が続く、そこへ思いの雫が・・・。 1 省三は肩こりと頭痛で夜も眠れない日が続いていた。昼はうとうとし一日ボーとして過ごしていた。食欲もなく何をする気力もなかった。何を見ても感動することはなかった。心が波打たないのだった。 病院に行っても、脳神経外科では筋収縮性頭痛ですとその治療薬をくれた。整形外科では首をつり、電気を当てた。胃腸外科では胃潰瘍として毎日注射をした。眼科で眼底検査もしたが異常はなかった。何をしても治らなかった。日増しに症状は重くなっているように思えた。 太陽が灰色に見え、景色がくすんで見えた。 新聞の連載もやめ、公害闘争も終わり、燃え尽きたのか省三は灯かりを失っていた。ベッドで頭を冷やしながら寝ていた。人に逢うのも億劫で、外に出るのが不安であった。車は乗れなかった。何かすると顔がほてり、体が重くなり、心臓が早鐘のように打った。 煙草を買って車を走らせたところへ衝突してきたのだった。倉敷市の建設課の職員が運転する車だった。市役所に勤める友人、親戚から電話かかり。「穏便に話し・・・」と見舞いの言葉の後に付け加えた。 彼らは省三が過激な活動家だったと勘違いをし心配をして言ったのだった。「何を言っているの、馬鹿にしないで・・・こちらは被害者なのよ」 育子は今まで見せたことのないような表情で怒ったのだった。「いいから」 省三は育子を諌めた。「だって・・・」「これくらいで済んだことを感謝しよう」 省三は他人の事のように言ったのだった。 車はめちゃくちゃになっていた。 省三はむち打ち症で六ヶ月間治療に通ったのだった。が、元の体には戻らなかったのだった。こんなことになるのだったら入院をして完全に治るまで治療をするのだったと思ったが、後の祭りだった。 省三が原因不明の病に臥せっているということを何処で聞いたのか、新興宗教の勧誘が頻繁に来たのだった。「過去世で人を苦しめています、その人たちの霊が付いてあなたを苦しめているのです。あなたの苦しみは今の医学では治りません。ここは私たちの除霊会に入ってひたすら教義に則ってお勤めをするしかありません。一ヶ月で治して見せます」「一本松が見えます・・・玄関脇に汲み井戸が見えます・・・何かの庵が・・・七代前のおじいさんがあなたの背に乗っています・・・入り口に盛り塩をして家中塩で清めなくてはなりません。お酒が好きだった人で、毎晩お酒を仏壇にお供えしてください」「朝晩のお勤めをすればきっと良くなります・・・仏を蔑ろにし過ぎましたね」「原因があり結果があるのです・・・その原因を取り除かなければ治りません・・・その為には、その悪い業をなくすることなのです。それには毎日二時間の題目が必要です・・・私たちの会に入りみんなと題目を挙げるのです。あなたのような病気の方は何人もいましたが直ぐに良くなり、今では感謝の題目をあげています」 育子はそのような言葉を毎日のように聞いたらしい。それを省三に伝えにきた。省三は朦朧とした頭で聞いた。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月03日
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秋の華 (省三の青春譚) 秋の華は黄昏が似合う、それは明日を連れてくるものだから・・・。5 省三は毎週二回戸倉と共に青年に演劇を教える為に倉敷の公民館へ出向いていた。公演が近づくと毎日出かけた。 倉敷を題材に戯曲を書きそれを公演した。その演出を手がけていた。練習を見て、「そこのところ少し考えよう」と言うだけだった。手取り足取りの教えはその人の成長にならないという考えだった。役者は演出の人形であってはならないと言うものだった。 公演は百回を超えた。青年たちはハードなスケジュールに付いて来てくれた。「怠け者」は会員がそれぞれ一人歩きをしだした。集まりも悪くなり自然に解消する形になった。 公民館からの帰り、省三は追突事故に合った。 それを機に何もかも捨てて生きなくてはならなかった。 新聞の随筆連載、小説連載もそこで閉じた。 六ヶ月間病院に通って治療したが、欝が出て二十年苦しむことになる・・・。 公害闘争は子供達が小学校へ入学したことで終わりとした。人質にとられては何も出来ないと思ったのだった。「観客が乗ってこなかったら舞台で転ぶんですわ」 コントの役者が言った言葉を思い出した。これから何べんも転ばなくてはならないと思った。 ローキード事件で東京地検は田中角栄前首相を逮捕のニュースがながれていた。昭和五十一年のことだった。 省三、三十三歳の夏、日差しが厳しい頃であった。 省三の青春の華はどんな色で咲いたか・・・。これからどんな花を咲かそうとするのか・・・。 「秋の華」草稿脱稿。 一ヶ月間、長いあいだご愛読有難うございました。海、冬春夏秋の華は構成推敲いたし改めてここに載させて頂きます。 時を置きましてこの続編「冬の路」「春の路」「夏の路」「秋の路」を書き発表いたします。(この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月02日
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花冷えする一日・・・外へ出てみると桃のつぼみがはじけて花びらを開いていた・・・。今日朝早く起きて大リーグのヤンキース戦をみようとしたがあいにく雨で中止・・・。今年のヤンキースが優勝するという予想するメディアがないとは・・・。監督交代が響いたのか・・・。だが、メジャーにたくさんの日本人選手がいることを知ったのは・・・。日本は春の嵐が吹き抜けているが・・・。誰が役に立たない政治家を選んだのか・・・。福田さんあなたは政治家に向いていません・・・いみじくもあなたの父親福田前総理が言ったことが当たっていたようですね・・・。早くおやめになられることおすすめいたします・・・。桜の様に潔くと・・・。暫定税率がなくなればガソリンがやすくなり国民が車を乗り回して温暖化に拍車をかけると・・・笑わしてもらっては困る・・・。あなたがまず電車で国会議事堂へ通ってから言ってほしい言葉ですよそれは・・・。 年間1千万円もらっている運転手が運転する公用車に乗っていてその言葉は国民は納得しません・・・。都会では電車もバスもありますからいいですよね・・・。国民はみんな自転車に乗っていればいいのでしょうか・・・。自動車会社がつぶれるでしょうね・・。まず政治家は国民に範を垂れなくてはなりますまい・・・12兆円の官僚天下りの外郭団体を整理なさいませ・・・。そうしてから国民にもの申して下さいませ・・・。この花のようにきれいな心をお示し下さいませ・・・。
2008年04月01日
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秋の華 (省三の青春譚) 秋の華は黄昏が似合う、それは明日を連れてくるものだから・・・。4 重太は病んで帰ってきた。 省三が幾らこちらへ来るように誘っても、長男のところが帰るところだといって来なかった。久に負担が増えるので省三は仕送りをした。重太は今までの罪滅ぼしのようにときの面倒を甲斐甲斐しくみた。時折四十分もかけてバスで来てコーヒーを黙って飲み、いらないと言っても代金をきちんと置いて満足そうな表情をしていた。その時の服装は背広を着て颯爽としていた。省三は昔見た重太の若い頃の正装した写真を思い出した。大地主の家に生まれ、今なにもかも失っていてもその血は争えないその姿は悠然としていた。病を抱えていても些かも品格を失っていなかった。「達者でな」「ぼんは大きくなった」 孫の姿を見ても何も言わず優しい眼差しを投げていた。それが重太の精一杯の愛情表現だった。明治生まれの男の心意気だった。 重太は短く言っただけで、バス停へと踵を返した。 重太はそれから入退院を繰り返し、久の家で亡くなった。 ときは分るのか分らないのか手を合わせてじっと祭壇の写真を見ていた。 省三は泣きながら「有難う」を繰り返した。 省三は重太と子供たちのことも書いた。寡黙な男の愛情の出し方を重太の為に書いた。それが省三の父重太への鎮護だった。 重太は出奔して何をして生きていたのか語ることはなかった。戦争に行かなかった重太は国の為に海を浚渫し飛行場を造ることで戦死した人たちに詫びていたのを省三は知っていた。外大を出て経験のない土木工事をしたのだった。大正から昭和にかけて三宮の駅前に本店を置き、上海、大連、京城、台湾、香港、シンガポール、ジャカルタと支店を持ち貿易の仕事をしていた重太の繁栄は一人の支店長の使い込みで終わっていた。連帯保証人で何もかも失うと言うこととにかより、人の良さが災いしたのか、総てを自分の所為にして何も言わずに生きたのだった。 「人は信じるもの、信じられない生き方は寂しい」 重太はそう言ったことがあった。満足そうに言い後悔の色はなかった。 久は重太の介護と葬儀に疲れその後入院した。 省三はときを引き取った。 陽だまりの中で悠一、豊太と遊ぶ時の顔はくしゃくしゃに綻びていた。言葉を失ったときは獣のような叫びを上げ左手であやそうとしていた。 ときは夜明けに咳き込んだ。見えないが大気の汚れを感じた。おしめを外し布団を汚すことがたびたび起きるようになった。 駄目ですよ、と手の甲を省三は軽く抓った。手の甲には十円玉のような痣が出来た。皮膚は薄く脆かったのだった。 その痣は三ヶ月間も消えず省三を苦しめた。風呂に入れて洗っても洗ってもその痣は消えなかった。だが、そんな省三の悩みを知らずにときは幸せそうだった。 久が退院してときを迎えに来たときは車に乗ろうとせず困らせた。無理矢理乗せて久は連れて帰った。「これでいいの」 育子は省三に小さく言った。 ときは重太が亡くなって二年後後を追った。「男は両親が亡くなって初めて自立が出来るものだ」 重太がかつてしみじみと言った言葉が省三の脳裏に蘇っていた。 (この小説は「十七歳の海の華」の続編である。彷徨する省三の青春譚である。ここに草稿として書き上げます。書き直し推敲は脱稿の後しばらく置いて行いますことをここに書き記します) 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。恵 香乙著 「奏でる時に」あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。恵 香乙さん山口小夜子さん環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~別の角度から環境問題を・・・。らくちんランプK.t1579の雑記帳さんちぎれ雲さん
2008年04月01日
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