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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】Harold Mabern Trio / Fantasy '04ジャズ・ピアニストのハロルド・メイバーン率いるトリオによる2004年の同名アルバム収録曲。Venus Recordsという日本のジャズレコード会社から出ています。曲はEARTH, WIND & FIREによる世界的ディスコ・ヒット「宇宙のファンタジー」のカバー。ディスコのジャズ・カバーということでなかなか意表を突かれますが、ピアノの奏でる憂いを帯びたメロディがマッチした感じで違和感はない。少しテンポアップし熱く激しくグルーヴィなアレンジもいいね。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.11.08
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洋楽スーパーポップの世界(4) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 62 】Glen Campbell / I Love How You Love Me '82 「Old Home Town」60年代後半に「By The Time I get To Phoenix」、「Wichita Lineman」などのヒット曲で一世を風靡したカントリー系歌手グレンキャンベルの82年のアルバム収録のカバー曲。オリジナルはBarry Mann作曲で、フィルスペクターPによるParis Sistersの1961年のヒット曲。元歌はかなりゆったりとした静かなバラードで淡いヴォーカルとフィルスペクターによるエコー感のある品の良いサウンドが特徴的。一方のグレンキャンベル版はドラムやギターなどバンド演奏を意識したかのようなミディアム・カントリーなアレンジ。しっかりとリズムがついたことで曲にメリハリがつき、また違った側面を表現できた感じ。グレンの甘い歌声も魅力的だけど、カントリー風味が実に新鮮で曲に新たな魅力が吹き込まれた感じがします。このように全く違ったアレンジでも共に魅力的な出来となったのは、やはりバリーマンによる心に深く沁みわたるメロディの素晴らしさでしょうね。山下達郎SSBでも未オンエア、全盛期を過ぎた82年の作品ということで、ほとんど脚光を浴びてない曲のようだけど 是非多くの人に聴いてもらいたい良曲です。「YOU TUBE」で聴けます。スタジオライブライブテイク(映像は別物)明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(美メロ)ポップ偏差値合計767661087562
2021.11.01
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】MODULATIONS / WORTH YOUR WEIGHT IN GOLD 「IT'S ROUGH OUT HERE」'75 ノースカロライナ出身のグループ、モデュレイションズの75年の1STアルバム「IT'S ROUGH OUT HERE」収録曲。既に当ブログでは同アルバムからは、LOVE AT LAST とWHAT GOOD AM Iとを取り上げ済みです。所謂フィリー詣でで製作されたアルバムでVINCE MONTANA等がプロデュースし、MFSBがバックを務めています。75年産ということで将に甘茶ソウル全盛期の内容で甘茶ソウル史上に燦然と輝く名盤ですね。本曲はメンバー自身による作曲、プロデュースということで彼ら自身素晴らしい才能の持ち主であったことが分かります。内容はリードが高らかに歌い上げるすこし派手目の甘茶ソウル。ストリングスを中心に品良くまとまったフィリーサウンドをバックに甘めのコーラスも付けて夢見心地な雰囲気。エコーをかけたかのように澄んだ透明感のあるリードヴォーカルの歌声が空高く響き渡る感じが素晴らしい。メロディも全体を通して良く出来ていて特にサビが魅力的ですね。時折入るシタールも味が有りますねえ。フィリー全盛期の生楽器サウンドの素晴らしさと甘茶ソウル全盛期のヴォーカル&コーラス・ワークの素晴らしさが融合した、この時代だからこそ生まれた名曲と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。「YOU TUBE」でソウルトレインの出演シーンが見れます。
2021.10.25
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洋楽スーパーポップの世界(6) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【もうすぐランクイン】EDDIE REEVES / CRY BABY '61テキサス出身で60年代に活躍したシンガーソングライター、エディリーブスのデビューシングルのB面の曲。当ブログ既出のKenny Rogers & Dottie West / All I Ever Need Is Youの共同製作が作家として一番有名な仕事みたい。つまりあまり有名ではないみたいです。いわんや歌手おやということで。曲は60年代初期という感じの純朴なオールディーズ・ポップス。(明るく元気な曲ではないですけど。)泣く赤ちゃんをあやす内容の曲でしょうか、甘く優しい曲調で唱法や声質もそれに準じた感じ。サビは特に大したことはないのですが、Aメロの「ウォッホ、ホッホ、ホッホ」とファルセットぎみに唄うところが個人的にドツボ。この甘ったるさは凄い!所謂甘茶ソウルに通じるものがありますね。これまでオールディーズは山下達郎のサンデーソングブックまかせで、あまり積極的に聴いてこなかったんだけど、最近集中的に聴きまくったら結構いい曲が沢山見つかります。この曲は「YOU TUBE」で「Rare Rock N' Roll Tracks Of The '50s & '60s Vol. 3」というコンピを聴いていたら「何これ?!」と偶然発掘できた曲。検索してみても山下達郎も大滝詠一も未オンエアのようで、特に国内で取り上げられた様子もないんですよね。オールディーズ・ファンにも特に注目されてこなかった曲という感じでしょうか。この唱法は達郎さんも好きそうですけど。「YOU TUBE」で聴けます。追記:JANNY GRANT / TRIANGLE ('61)の「オッホッホッホー」というスキャット部分はこの曲とよく似てますね。同じ61年ということで結構流行ってたのかも。JANNY GRANT / TRIANGLE
2021.10.18
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 65 】IDEALS / TELL HER I APOLOGIZE (ST. LAWRENCE 1020)'6650年代末期からDOO-WOPグループとして活躍していたシカゴのグループの晩年のシングル曲。かつてはMajor Lanceも在籍してたみたい。近年シングルを寄せ集めたCDも出てる。66年のこの曲はバックもしっかり付いたソウル仕立てのディープ風バラード。どこか郷愁を誘う甘く情感深い良く出来たメロディが秀逸で、それをリードがしっとり、こってりと深く歌い込む。時折ファルセットを交えたりと変幻自在の唱法は見事で声質も魅力的。特に1分26秒から「I'M NOT USED TO~」と大きく譜面から外れて歌う箇所は鳥肌もの。全体的に感じる純朴で質素ですこし物悲しい雰囲気も素晴らしいですね。かつて隆盛を極めたドゥーワップの晩年、ソウルへの以降期のこの時期にはこうした隠れた名曲がもっと沢山眠っているのかも。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.10.11
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音壁の世界(2) 【 ポップ偏差値 63 】井上陽水 / 新しいラプソディー 作曲井上陽水 編曲星勝 '8670年代初頭から活躍するフォーク/ニューミュージック系シンガーソングライター井上陽水の1986年のシングル曲。曲はゆったりとしたバラードで音壁仕様。所謂フォークソングっぽい感じは全く無いので万人に受け入れ易そう。歌詞も何やら大仰な感じがしますが、メロディもかなり大仰で壮大な雰囲気。こうした曲にはウォール・オブ・サウンドがよく合う感じで、かなり完成度が高いですね。エコー感のあるドラムの重低音、アコースティックピアノの綺麗な音色、カスタネットなどの煌びやかな装飾音が品よく配置されています。特に間奏で聴けるアコピの高らかな響きが素晴らしく聴き所としてお勧め。(もっとこういう音壁なアコピが聴ける曲ないかな?)この曲はテレビCMにも使われていたので結構聴いたことがある人も多いと思うけど、繊細で心地よい音壁の響きはテレビでは伝わりにくいと思いますので、是非ステレオなどでじっくり味わって欲しいものですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.10.04
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ギターポップ推薦曲(4) 【 おまけコーナー 】アズテックカメラの元ネタは? AZTEC CAMERA / HIGH LAND, HARD RAIN ネオアコの大傑作アルバム「ORANGE JUICE / YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」と並び評価の非常に高いアズテックカメラの1STアルバムはネオアコ開始の大号令でもあった訳で、それだけに如何にしてネオアコは始まったのか?という疑問を紐解く意味でも実に重要なアルバム。両アルバム収録のネオアコ良曲の元ネタは、フリッパーズギター元ネタのページを作っている私としては長年気になっていました。先日表題アルバムの日本盤にロディフレイムによる各曲の解説が掲載されているのを読んだので、ここではそれらの元ネタをご紹介。「OBLIVIOUS」:アレンジはちょっとラテンっぽい。ギターソロは「LOVE / ALONE AGAIN OR」(1970年)のトランペットソロにインスパイアされている、とのこと。「LOVE / ALONE AGAIN OR」(トランペットソロは1分48秒から2分12秒まで)聴いてみるとスペインのフラメンコのようなちょっと哀愁を帯びた暗めのメロディ。正直なところギターソロ部分との類似点は感じられなかったんだけど、曲全体で聴けるギターの感じは、なるほどこの曲辺りの影響が強かったのかなという印象。ただ、曲全体がラテンっぽいか?というとそんなことはないんじゃないのかなあ。「WALK OUT TO WINTER」:「DIANA ROSS / AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH」にかなりインスパイアされていたのが分かる、とのこと。「DIANA ROSS / AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH」うーん、全く分からん。サビのメロディですかね?Marvin Gaye & Tammi Terrell版の方なら少しはサビかな?と感じられるけど。曲全体がソウル/ディスコっぽいかというと全くそんな感じはないですしね。「PILLAT TO POST」:このアコースティック・ギターはスタックスの曲の一部かな、とのこと。スタックスはアメリカ南部のソウルのレーベルだけど、あまりにも漠然とした表現なので特定は難しそう。分かる方います?特に間奏のギターの元ネタは知りたいですね。こちらも曲全体がソウルっぽいかというと全くそんな感じはない。「RELEASE」:ウェス・モンゴメリーにインスパイアされた曲、とのこと。ある程度元ネタに言及されているのは上記のみ。どうも本人の言葉からは、パーフリのように明確な元ネタは分からなかった感じがします。個人的には「WALK OUT TO WINTER」や「PILLAT TO POST」の疾走感と瑞々しさ等の具体的な元ネタがあったら知りたかったのだけど、ちょっとしたヒントを大きく膨らませ、あくまでロディフレイム本人のオリジナリティに寄与するところが大きかったのかなという印象が残りました。何か元ネタに気づかれた方いましたら是非教えて下さい。
2021.09.27
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 49.TOOTS & THE MAYTALS / JUST TELL ME '69 「SWEET & DANDY」メンフィス・ソウルのアルバムも残しているトゥーツ・ヒバートのグループの69年のアルバム収録曲。「PRESSURE DROP」,「MONKY MAN」といったキャッチーなヒット曲も多いけど、本曲のようなドス黒くファンキーな曲も魅力的。初期レゲエのシンプルなサウンドをバックにトゥーツがソウルフルに歌いまくります。明るいメロディの出来も良いけれど、輪をかけて明るく快活に歌い込み元気いっぱい。更に『ラーラララー』というスキャットを多めに入れて楽しく分かりやすい。他のヒット曲の影に隠れてしまっている感じだけど、ソウルファンにも是非聴いて頂きたい曲です。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.09.20
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 70 】Martha Reeves & The Vandellas / (Love Is Like A) Heat Wave '63(GORDY 7022)モータウンの3人組女性コーラスグループの63年のヒット曲。1963年7月の発売なので、同8月発売のビートルズのシー・ラヴズ・ユーとほぼ同時期ということになります。もっともビートルズがアメリカで爆発するのは翌年のことなのでビートルズ前夜には既にモータウンサウンドは確立し人気を博していたということになりますね。曲はホーランド=ドジャー=ホーランドによるグルーヴィなノーザンソウルっていうか「恋はあせらず」と並ぶ所謂モータウンサウンドの代表格。スピード感とグルーヴ感のあるリズムに華やかな女性ヴォーカルと激しく絡むコーラスが特徴的。メロディも実にキャッチーで「ヒート・ウェイヴ」という語感も良い。全体的に黒っぽさを感じさせるけど、垢抜けたスマートさと爽やかさも兼ね揃えている。後に多くの有名アーチストによるカバーを生むことになるけど、メロディをなぞっただけという感じの凡庸なものが多く、グルーヴィなモータウントラックの良さを生かしたカバーが無いのが残念。そもそもカバーだけでなく、ハリーラブ同様このトラック自体が星の数ほど使い回されてしかるべきですが、ほとんど目立った良曲が無いのはどういうこと?私が知らないだけ?どこかに「ヒート・ウェイヴ」トラックを集めたサイトはないのかな?「YOU TUBE」で聴けます。 「ライブ映像」もありました。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(モータウン)ノーザン偏差値合計88889888570
2021.09.13
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】MELLO TONE TEE & MALVENA / AS TIME MOVES ON (GITTEN 1011)'89 甘茶ソウル百科事典 TERRY'S SELLECT 027とP.93掲載曲。1989年のニュージャージ産ラブラップで、MELLO TONE名義だけど、MELLO TONE TEEというラッパーとMALVENAという女性歌手の組み合わせになってます。暗く哀しげな曲調の曲で、MELLO TONE TEEの甘いながらも落ち着いた渋いラップがしっとりとしたバックにうまく溶け込んでいる。MALVENA嬢の歌パートは悲しみを高らかに歌い上げており、悪い内容ではないけれど、個人的にはチト歌い過ぎに感じ更に萌えを感じさせないのが残念。完成度も高くバランスもいいけれど、どうせなら男性ファルセットで決めて欲しかったところ。G-RAP隆盛以前のいわゆるこうしたラブラップにも探せばもっと沢山いい曲があるのかな?「YOU TUBE」で聴けます。
2021.09.06
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】Héctor 'Manito' Bonilla / CANGUIL CON SALSA (Pop Corn) '72 「LA FIESTA ES DONDE EL VECINO」収録 ペルーのヘクター・ボニーラという人のサルサバンド「Héctor'Manito'Bonilla Y Su Orq. De Salsa」の72年のアルバム「LA FIESTA ES DONDE EL VECINO」に収録されているサルサ・カバー。オリジナルはドイツ生まれのアメリカの作曲家で電子音楽の先駆者の一人とも言われるガーション・キングスレイの69年のアルバム「Music To Moog By」収録曲。1972年に彼が中心のグループ、Hot Butterで再演したバージョンが世界的にヒットし、そのカバーとなったのがこのサルサ版と思われます。ホットバター版はチープなモーグ(シンセ)音でキャッチーなメロディを奏でるという、当時は恐らくかなり物珍しいスタイルの曲で、その音色は強烈に印象に残るけど、個人的には「ああ、こんなの昔あったな、ちょっとYMO風?」という程度のものでしかなかったです。悪く言えば人工甘味料で甘く濃い味付けのされたドギツイ色をした子供向け駄菓子という感じ。(まあ、そこが面白みである訳ですが)ところが先日、「Eddie Cano / I CAN'T CRY ANYMORE」級のグルーヴィなラテン・ピアノ・ジャズを探していたらたまたま耳にしたのが本曲。ホットバター版は単調なリズムにあまりにもキャッチーなメロディということで非常に飽きやすいのが欠点だったけど、このサルサ版はリズムにグルーヴ感が増し、陽気な掛け声などラテンな味付けにより上手く長所に変換された感じ。主旋律もホーンやピアノなどで代わる代わる演奏され全体として生楽器がいい感じに響いてます。オリジナルに似通ったシンセ・カバーが沢山出ているようだけど、こういう趣向を凝らしたバージョンこそ重宝されて欲しいものです。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.08.29
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私の好きなディープソウル 【 ディープ偏差値 68 】CARL SIMS / PITY A FOOL (Wet Paint 1001)'741970年代から細々と活躍していたメンフィス出身のディープ歌手カールシムズの74年のシングル曲。1995年に出した初アルバム「House Of Love」が好評だったけど、U.S.BDGの発行は1994年だったので惜しくも掲載されなかった感じ。曲はDAN GREER作のディープソウルでオリジナルは1972年のやはりメンフィスの女性歌手Barbara Brownの模様。タイトルは「馬鹿を憐れむ」でしょうか、自虐的なタイトルとは裏腹に楽しそうなスキャットから始まり、明るく快活な雰囲気が漂います。可愛らしく軽やかな女性コーラスをバックにカールシムズの自由度の高い歌声が弾けまくっている感じ。メロディも素晴らしいけれど、歌も負けず劣らずのなかなかの名唱ですね。太目で存在感があるけどスマートな声質も魅力的。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.08.23
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音壁の世界(1) 【 ポップ偏差値 74 】大滝詠一 / 幸せな結末 '97 作曲大瀧詠一 編曲井上鑑 1981年の『A LONG VACATION』、1984年の『EACH TIME』の両作以降オリジナルアルバムの発売の無くなった大滝詠一の晩年のシングルCD曲。「君は天然色」はウォール・オブ・サウンドを代表する金字塔だけど、その質・完成度の高さからか晩年は寡作なアーチストとなってしまい、そしてまだまだ良作を残せる現役状態のまま65歳にして亡くなってしまったのがとても惜しまれます。個人的にはより多くの音壁名曲を残して欲しかった。その大滝詠一の晩年となる97年の本曲はTVドラマの主題歌であったこともあり、かなりのヒット曲となりました。ウォール・オブ・サウンド色の濃い作品として日本では一番売れた曲かも知れませんね。曲はしっとりとした大人向けバラードで、少し哀し気なメロディはAメロからサビに至るまで流石の出来で作曲家としての大滝氏の力量を今更ながら思い知らされます。ですが本曲の真髄は、それらメロディを盛り上げるウォール・オブ・サウンド的アレンジにこそあります。これは当ブログでは、やはり音壁アイドルポップの金字塔、村田恵里 / オペラグラスの中でだけでも取り上げた井上鑑氏のアレンジ力が大きい。時折入るカスタネットの効果的で軽快な響き、きれいに澄みきったエコー感のあるピアノの軽やかな音色、品が有り荘厳な雰囲気を醸すストリングス、大滝詠一節炸裂な迫力あるドラムなど。そして最大の聴き所は美しいメロディとそれら器楽が複合的に重なりあった間奏で、更に追い打ちをかけるように重なり響き渡る快活なカスタネットの連打音でしょう。ここでのカスタの連打は音壁史上屈指の心地よさと言えるのでは?因みにサウンド的には大滝詠一、井上鑑両氏の師匠的存在であるフィルスペクターのRonettes / I Wonder辺りに強く影響を受けたものとなっていますので、合わせて聴いてみてください。既に多くの日本人にお馴染みになっている「幸せな結末」ですが、音壁史上に残る歴史的名演でもありますので、是非そのサウンド面に着目したうえで愛聴して欲しいものです。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.08.16
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アニソンポップの世界(4) アイドルポップの世界(3) 【 ポップ偏差値 62 】寿美奈子 / SUMMER BREEZE '11 作曲編曲TSUKASA 「Aチャンネル 第7話劇中歌」テレビアニメ「Aチャンネル」の劇中歌で、完全生産限定版DVD「Aチャンネル 4」の特典CD収録曲。曲は80年代アイドルポップを彷彿させる明るくポップなアニソン。「石川秀美 / 妖精時代」や「松田聖子 / 青い珊瑚礁」といった小田裕一郎メロディに強く影響を受けた、というか敢えて似せて作ったとしか思えない、アイドルポップの黄金期ど真ん中といった雰囲気。いきなり始まるテンションの高い高音域で展開する高揚感あるサビメロは秀逸で、将に小田裕一郎節といった趣きですね。少しトーンダウンしたAメロ、再びサビへ向けて盛り上げていくBメロ共に出来は良く魅力的。これは、全盛期の松田聖子が歌っていたら、80年代アイドルポップのスタンダードとして語り継がれる存在にさえ成り得た秀作に思えます。個人的には軽快に鳴り響くピアノの音色もツボで全体として実に好印象。「YOU TUBE」で聴けます。劇中でのシーン明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(高揚感)ポップ偏差値合計78866877562
2021.08.09
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】MANHATTANS / THE DAY THE ROBIN SANG TO ME LP(COLUMBIA 32444)'73「KISS AND SAY GOODBYE」('76)という甘茶ソウルを代表するヒット曲を持つマンハッタンズの73年のアルバム「There's No Me Without You」収録曲。世界的ヒット曲の3年前の作品ということで、まだそれほど垢抜けていない時代の曲という趣き。トラックは71年の「MARVIN GAYE / WHAT'S GOING ON」を参考にした感じ。爽やかな曲調というところにも共通点を感じさせますが、メロディや唱法など、こちらの方は甘茶ソウル寄りな内容になっています。透明感のあるコーラスが曲に華やかさを加味し、なかなかいいムード。「KISS AND SAY GOODBYE」と比べると下心を感じさせない爽やかなスウィートという感じですね。「WHAT'S GOING ON」トラックの持つ軽やかさと爽やかな甘さの同居する時代の生んだ名曲です。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.08.02
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 62 】J.C. LODGE / I BELIEVE IN YOU '87 「I BELIEVE IN YOU」収録ここまで、1STアルバム「SOMEONE LOVES YOU HONEY」のタイトル曲、2NDアルバムからは、「TO LOVE SOMEBODY」と「STICK BY ME」を紹介してきたジャマイカン・ラヴァーズロックの女王、JCロッジの3RDアルバムのタイトル曲。上記3曲は全てカバーだったけど、この曲はオリジナルみたいですね。かなり良く出来た上質のメロディだけど、他の誰かがカバーしてる訳でもないのが不思議なくらい。曲はゆったりと落ち着いた雰囲気の大人のラヴァーズロック。どこか物哀し気なメロディだけど、悲観することも気負うこともなく、どこか達観し無我の境地に立ったかのような雰囲気が素晴らしいですね。JCロッジの甘くやさしい唱法も流石のもの。時代的にドラムの機械臭のする音が曲にそぐわないのがチト残念。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.07.25
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フリッパーズギターの何が凄かったのか?→『ネオアコで世界一の楽曲を作った』 2021年7月、オリンピックを契機にフリッパーズギターの元メンバーの小山田圭吾の過去の言動が大きな話題となっています。その炎上の影響からか当ブログでの特に彼の赤ちゃん時代の彼の写真を掲載した3つの記事に実に多くのアクセスを頂いています。それとネット上で「フリッパーズギターを知らない今の若い人は・・・」みたいな表現を散見したこともあり、折角の機会なので、フリッパーズギターの何が凄かったのか?を書いてみようと思います。一言で言うと『ネオアコというジャンルで世界一の楽曲を作った』となります。80年代初頭にイギリスを中心に所謂ネオ・アコースティック(略称:ネオアコ)というジャンルが生まれました。オレンジジュース、アズテックカメラ、ペイルファウンテンズが三大ネオアコグループです。特徴は、青春時代特有の甘酸っぱさ、瑞々しさ、痛みを感じさせる良質なメロディをギターポップサウンドにのせてスマートに爽やかにセンス良く展開していること。そして、彼らに強く影響を受け80年代後半に現れたフリッパーズギターは全曲英詩による1STアルバム「海へ行くつもりじゃなかった」において、ネオアコ三大グループをいきなり凌駕してしまった訳です。(当ブログのギターポップ推薦曲(1)においてネオアコ最重要曲を挙げていますので、是非聴き比べてみて下さい。)これは例えて言うのなら、日本のバンドが「ビートルズの抱きしめたい」、「ディープパープルのハイウエイスター」、「レッド・ツェッペリンの天国への階段」、「ピンクフロイドの狂気」を上回る楽曲を作ってしまったようなものなのです。もちろんあくまでもネオアコという限られたジャンルにおいての話ですが・・・。ネオアコというのは非常に感覚的な、聴く人を選ぶ音楽であるので「青春時代の甘酸っぱさ、瑞々しさ」などに感じる部分の無い音楽ファンの方の中には上記ページの楽曲を聴いてもピンと来ない人も多いと思われます。しかし、フリッパーズギターが1STアルバムにおいて、『ネオアコというジャンルで世界一の楽曲を作った』こと、そして熱狂的にそれら楽曲を支持しているネオアコファンが一定数存在することは知っておいて欲しいものですね。(渋谷系とかお洒落なバンドとか高学歴女子御用達バンドなどと取り上げられることが多い感じですが。)因みに、ネオアコグループはその特質上、その多くが加齢と共にその鮮度が落ちてしまうのですが、フリッパーズギターも例外ではなく、私が自信をもってお勧めできるのは、やはり1STアルバム「海へ行くつもりじゃなかった」収録曲がほとんどということになりますね。(個人的にもCORNELIUSの楽曲や小沢健二の最近のものは全く聴いていませんので。)尚、当ブログの性質上、小山田圭吾の炎上ネタ関連のコメントはご遠慮くださいますようお願い致します。小沢健二/FLIPPER'S GUITAR元ネタリストフリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタリスト曲別フリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタ推薦曲ギターポップ推薦曲(1) (2) (3) (4)ネオアココンピの世界ネオアコ/ギターポップ映像の世界
2021.07.19
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 65 】MAJESTICS / (I LOVE HER SO MUCH) IT HURTS ME '65どうやらシングル一枚だけ残して消えたロサンゼルスのグループの65年産ノーザンダンサー。近年になってGOLDMINEからアナログが再発されるなどノーザンシーンでは昔から人気のある曲みたいですね。イントロのキャッチーなトランペットの音色が印象的。ちょっと鼻にかかった気だるそうなヴォーカルも味が有りますね。手拍子を交えたバックも臨場感があってグルーヴィ。思わず一緒に手拍子したくなる軽快さはかなりフロア受けしそう。時折早まる箇所なんかも楽しくてイイね。手拍子ものノーザンとして貴重な存在かも知れません。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.07.12
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CAFE APRES-MIDI ベスト10 【 ポップ偏差値 63 】Gal Costa & Caetano Veloso / Que Pena (Ela Já Não Gosta De Mim) '69ブラジルの女性歌手ガル・コスタの1969年のアルバム「Gal Costa」収録曲。同じブラジルの歌手カエターノ・ヴェローゾとのデュエット曲でボサノバ仕様。「CAFE APRES-MIDI OLIVE」に収録されている。因みにタイトルは自動翻訳では「残念なことに、彼女はもう私の好きではありません」とでます。当ブログでボサノバを取り上げるのは珍しいけど、ボサノバといえばお洒落なカフェでBGMに流れていると心地いいという、良く言えばあっさりとした、悪く言えば引っ掛かりの無い曲が多い印象。そんな中でもマシュ・ケ・ナダで有名なジョルジ・ベンが作った本曲は聴きごたえのある、しっかりとしたメロディが秀逸。ガルの透明感のある歌声のバックで心地よく響くアコギやドラムの軽やかさ、ストリングスの優雅さなどにより、清涼感となだらかで味わい深いメロディが共存した良質のボサノバが実現している。「YOU TUBE」で聴けます。ライヴの様子も見れますよ。
2021.07.04
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 68 】CANDI STATON / STAND BY YOUR MAN (FAME 1472)'70 溌剌としたサザン/ディープとして69年のHEART ON A STRINGを紹介済みのキャンディ・ステイトン。キャンディって名前が可愛らしくていいよね。U.S.BDG #367で紹介されているアルバムのタイトル曲である本曲はTAMMY WYNETTEの1968年のカントリーヒットのカバー。オリジナルのゆったりとした和み系の曲調をすこしテンポアップさせ快活で躍動感のあるナンバーに仕上げている。キャンディの生き生きとしていて情感のこもったディープな歌もいいけど、バックの特徴的なベースライン、溌剌とした切れ味鋭いストリングス、曲に厚みを持たせるコーラスなどオリジナルにはない独創的なサウンドアレンジが光る。もちろん元歌のメロディラインの出来の良さあってのことではあるけれども。こうして聴いてみるとカントリーとディープの相性ってなかなか良いなと思います。ちょっと暗い曲が多いディープ界だけど、もっとこの手のカバーがあったら良かったのにね。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.06.28
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】MAGIC TOUCH / BABY YOU BELONG TO ME (ROULETTE 7143)'73甘茶全盛期の1973年にニューヨークの大手ルーレットレコードから出た甘茶ソウル。マジックタッチは翌年に変名のMagic Night名義でも一枚シングルを出してますが、結局シングル合計2枚のみで消えてしまった短命グループということになります。甘茶グループとしてなかなか味のある名前だっただけに勿体ないですね。曲はファルセットリードの静かで落ち着いた雰囲気のスウィートソウル。イントロはピアノや大人の渋みを感じさせるコーラスなどなかなか上品な味わい。メロディはAメロからなだらかで魅力的だけど、やはりサビに入ってからの緊迫感と悲壮感漂う展開が素晴らしい。ファルセットの哀愁感のあるか細い声質と相まって得も言われぬ甘茶ワールドが展開されますね。終盤の盛り上がりも素晴らしい。個人的にかなり昔の山下達郎氏のサンデーソングブックのオンエアで知りました。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.06.21
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音壁の世界(2) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(2) 【 ポップ偏差値 65 】フランス・ギャル / 夢みるシャンソン人形(Poupee de Cire Poupee de Son) '65フランスのギャルによる1965年の世界的ヒット曲でウォール・オブ・サウンド仕様曲。作曲は「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」などで知られるセルジュ・ゲンスブール。バックの演奏はAlain Goraguer Und Sein Orchesterということで、65年ものとしてはサウンドに厚みがあるのが特徴的。ドカドカと激しいドラムに延々と鳴り響くカスタネット、緊迫感のあるストリングスなど音壁要素は濃く出来も良い。前年の64年産フィルスペクターのRonettes / I Wonder辺りの影響を強く感じます。キャッチーで出来の良いメロディで有名だけど、音壁曲としてももっと評価されてしかるべきかと思いますね。特にカスタネットの鳴りっぷりが素晴らしく、ぶっちゃけトラックの使い回しがあって良し。カバーも沢山出ててSPOTIFYで沢山聴いてみたけど、やはり安直にメロディだけ頂きました感が強い曲がほとんどでがっかり。カスタ入りは皆無に等しいですね・・・。(以下に気になった曲を幾つか取り上げておきます。)因みに71年の手塚治虫のアニメ「ふしぎなメルモ」のOP曲の元ネタになってると思うんだけどどうでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。CALOGERO (LIVE)なかなか迫力あるハードなサウンド。ドラムがいいね!NICOLE FELIXOVA , KAREL VLACH SE SVYM ORCHESTREM忠実なコピーに近いけど。やはりオーケストラは一味違う。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(カスタネット)ポップ偏差値合計77777997565
2021.06.14
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】Sweetest Ache / If I Could Shine (Sarah Records)'9090年代初頭の短い期間に活躍したウェールズのバンドのギターポップで、マイナーながらも良質な曲を連発したイギリスのサラレコードからのシングル曲。Sarah Recordsの音の大きな特徴の一つに品の良さと思慮深さを感じるのだけれどもこれはその好例の一つ。ゆったりとした曲調で和める雰囲気だけどノイジーなギターサウンドは聴く人を選んでしまうかも。そのギターにかき消さるかのようにヴォーカルは奥の方で控えめに歌うスタイルで、これは所謂シューゲイザーと呼ばれるサウンドの典型なのかも。ただメロディは極めて甘くなだらかで聴きやすい。恐らくノイジーなアレンジにしなくても名曲になり得たのではないかと推測。そういう別バージョンがあれば聴いてみたいですね。僅か数年の活動で幕をおろしてしまったバンドだけど、曲調と相まって切ない気持ちになってしまいます。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.06.07
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 63 】DERRICK HARRIOTT / WALK THE STREETS '6760年代初頭から活躍するジャマイカのプロデューサー&歌手のデリック・ハリオットの1967年のロックステディ。スウィートソウルにも通じる濃厚な甘さが特徴的な曲です。後に甘茶ソウル名曲のContinental 4 / Day By Day、FRIENDS / Birthday Song、ESCORTS / Look Over Your Shoulders、あのChosen fewとの共演でのCHI-LITES / Have you seen her、DELFONICS / DIDN'T Iなどなど、実に数多くのカバーをしていることからも、彼が如何に甘茶ソウルに精通したミュージシャンであったかが分かります。これらカバーはオリジナルには及ばないヌルめの出来であることは否めないですが、自作曲である本曲は彼ならではの流石の甘茶センスが発揮された優れもの。しっとりと落ち着いた甘いメロディは品があり、上手くロックステディのリズムに溶け込んでいる感じ。派手さは無いけれど純朴な感じに好感が持てるのと味わい深さもありますね。本場アメリカのスウィートソウル創成期とほぼ同時期にジャマイカでもこうした甘茶曲が作られていた事実には驚かされます。「YOU TUBE」で聴けます。まさかのPVもあり。
2021.05.31
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 65 】CONTINENTAL SHOWSTOPPERS / NOT TOO YOUNG (SEVENTY 7 107)'72どうやらシングル1枚を残して消えてしまったグループが南部ナッシュビルのSEVENTY 7から72年に出したシングルのB面曲。P-VINEからのコンピ「BRIEF ENCOUNTER WITH SWEET SOUL MUSIC」にも収録されていました。オリジナルは作者のグループJackey Beavers Showの68年の作品で、大仰なヴォーカルが特徴のいまいち煮え切らないダンス曲。Karen StriblinやCAMARO'Sといった女性ヴォーカルによるカバーもあるけど更にグダグダになった感じ。その一方で72年の本作は切れの良いオルガンにコーラス、ホーンなど加えてなかなか華やかなサウンド。テンポアップしたリズムにヴォーカルも大仰に歌い込みます。最大の特徴はドカドカと弾けまくるドラムで、元気一杯で踊れる雰囲気の曲に。ちょっと泥臭いけどクラブ受けは間違いなさそうですね。「YOU TUBE」で聴けます。Jackey Beavers Show / We're Not Too Young To Fall In LoveKaren Striblin / We're Not Too Young (To Fall In Love)CAMARO'S / WE'RE NOT TOO YOUNG (TO FALL IN LOVE)明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(弾けるドラム)ノーザン偏差値合計88777788565
2021.05.24
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)LOOSE ENDS / YOU CAN'T STOP THE RAIN 12"(MCA 23743)'86【 甘茶偏差値 65 】80年代に5枚のアルバムを残したイギリスの3人組ソウルグループの1985年のアルバム「ZAGORA」収録曲。甘茶ソウル百科事典 BILLY'S SELLECT 050でU.S.BDGに記載なし。ということで甘茶ソウル的には王道から逸れた位置づけの曲ですね。曲は雨の音が入るバラード系擬音ソウル。全く泥臭さの感じられない都会的で洗練された雰囲気が特徴的。雨混じりの冷やかな空気の漂う中、哀しみに満ちた甘めのメロディが秀逸ですが、特にサビメロはキャッチーで素晴らしい。因みにルース・エンズは「やり残していること」という意味のようです。「YOU TUBE」で聴けます。「リミックス版」もどうぞ。
2021.05.17
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(3) カバー200曲聴いてみた Samba de Orfeu / Paul Smith With Ray Brown And Louis Bellson サンバ・デ・オルフェ(オルフェのサンバ) 黒人系のオルフェという男性が主人公の1959年の恋愛映画「黒いオルフェ」の挿入歌(主題歌ではない)。映画では後半子供達が歌って踊る曲として使われています。作曲はブラジルのギタリストのルイス・ボンファ。後にジャズやボサノバ、イージーリスニングなど実に数多くのカバーが作られ今やスタンダードとして馴染まれてる有名なインスト曲ですね。情緒的でどこか物悲しく品のあるメロディが特徴的。SPOTIFYで検索すると200以上該当曲があって驚きますが、一通り聴いてみたのでポップでお勧めな曲を挙げてみます。映画でのシーン黒いオルフェオリジナル・サントラ版António Jobim【偏差値64】ジャズピアノトリオによる高速でグルーヴィな演奏。79年のアルバム「Paul Smith With Ray Brown And Louis Bellson」収録。Paul Smith Trio【偏差値63】サックス奏者による明るく元気で溌剌とした内容。品のあるストリングスやヴァイブの軽やかな音色も好み。BILL PERKINS【偏差値62】テンポアップしたラテン風ジャズピアノ版。OSCAR PETERSON【偏差値62】御存じヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーによる上品なサウンド。Cal Tjader【偏差値62】御存じオルガン奏者ウォルター・ワンダーレイによるボサノバ風味。WALTER WANDERLEY【偏差値61】サックス奏者による高速で軽快なライブ版。Richie Cole【偏差値61】トロンボーン奏者によるボサノバ風味。BOB BROOKMEYER【偏差値60】日本人ジャズグループによるかなり高速なカバー。速過ぎるかも。TOHRU AIZAWA QUARTET【偏差値60】2008年のスマートな高速ジャズライブ。正体不明だけど日本人グループかな?THREE DOGS【偏差値60】マリンバ(木琴)による和やかなカバー。BAJA MARIMBA BAND
2021.05.10
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 68 】CODY BLACK / THE NIGHT A STAR WAS BORN (Groove City AR 960)'6860年代から70年代にかけて主にデトロイトで活躍したディープ系歌手のシングル曲。シングルは15枚ほど残してますが、結局アルバムは出さずじまいということで、U.S.BDGにも未掲載という結構マイナーな歌手って感じですね。ただ残された曲には名曲もありマニアには人気の高い歌手みたい。自作のこの曲は、ミディアムテンポのゆったりとした曲。曲調は明るく女性コーラスも入って快活な雰囲気もあります。メロディに派手さは無いけれど全体に出来は良く、特にサビのフレーズはキャッチーで秀逸。かなりこってり・ねっちょりと個性的に歌いまわす唱法は味わい深く魅力的でここが玄人受けする要因かと。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.05.04
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ZOUK その華麗なる世界 (Jean) Paul Albin / Vagabond '89 「Retrouvé」収録80年代後半から90年代にかけて活躍したマルチニークの歌手、ジャン=ポール・アルビンの1STアルバム「Retrouvé」収録曲。ジャンルとしては当ブログが猛プッシュしているズーク・ミュージックになります。「Le Grand Méchant Zouk」(ズーク・ミュージシャンが一同に会したライブ)でのライブ盤は当ブログ既出ですが、ようやくスタジオ録音盤が聴けたので改めてご紹介。なにせ「Le Grand Méchant Zouk」には歌手名を特定したクレジットがなかったから誰の曲か不明でした。「放浪者」というタイトルのこの曲は、ポール・アルビン本人のペンによるミディアム・テンポの甘いバラード。肩の力の抜けた優雅な曲調でメロディはAメロ、Bメロ、サビとどこをとってもなだらかで出来が良い。花の楽園マルチニークの鮮やかな色彩が目に浮かんできそう。最大の聴き所は胸キュンな旋律を甘く抑制を効かせて歌うサビのコーラスかな。どこか郷愁を誘うメロディが泣けちゃう。最後の方の明るいホーンの響きもいいネ。こんなのを聴いてると温かい南国のリゾートに行きたくなってしょうがない。ライブでは大人数なのでスタジオ録音版以上にグルーヴを感じさせ、実際に観衆にも大好評って感じですね。華麗な「Le Grand Méchant Zouk」を是非日本で体験してみたい!と思うけどWEBを検索しても相変わらず国内で誰一人触れてないから絶対無理っぽいのが寂しい限り。この曲のようなズークの優雅な感覚を受け入れる感受性は日本人には足りてないのだろうと思ったり。「YOU TUBE」で聴けます。「Le Grand Méchant Zouk」(91年のライブ映像)「Le Grand Méchant Zouk」(90年のライブ音源)
2021.04.26
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音壁の世界(3) アニソンポップの世界(8) 【もうすぐランクイン】吉田裕貴 / Faraway so close 作曲編曲Funczion SOUNDS '05 「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」主題歌 お姉ちゃんにまったり癒されADV「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」の主題歌でウォール・オブ・サウンド仕様曲。初回ロット特典「お姉ちゃんからのお手紙CD」収録。音壁仕様というかズバリ「大滝詠一 / 君は天然色」のトラックを真似たトリビュート曲という感じでしょうか。君は天然色アレンジとしては、本ブログで既出のKEN GOLD版のJODELLES / MY BOYが有名ですが、出来的にはあまり差がないかと。曲はエロゲ主題歌ということで萌えのある女性ヴォーカルの明るめの曲。前者同様やはりメロディに奥深さは無いけれどネタものとして捉えれば十分なクオリティじゃないですかねえ。果たしてこの曲が山下達郎氏のサンデーソングブックでオンエアされる日は来るのだろうか?「YOU TUBE」でショートバージョンが聴けます。(オリジナルは4分14秒ほどあります。)
2021.04.19
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】Faith Brothers / Fulham Court '8580年代中期にアルバム2枚を残したイギリスのネオアコ系グループの85年のシングル「A Stranger On Home Ground」のB面曲。「Fulham」というのはフルハム三浦のフルハムではなく「フラム」と読み、どうやらロンドンの同地区にある建造物か何かを指した歌のようです。曲はゆったりとした情緒的なバラード。バンド名からは彼らの忠誠的な人柄が伝わってきそうですが、そんな彼らの印象を彷彿させるかのような実直で誠実なイメージの曲。全体を通して甘いメロディラインは出来が良く、心が洗われる感じがありますね。一番の聴き所は間奏で聴けるピアノの軽やかで切ない響き。これ、もう少しウォール・オブ・サウンド風に仕上げてくれてたらどうだったろう?と夢想してしまいます。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.04.11
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私の好きな甘茶ソウル(3) MY FAVORITE SWEET SOUL (3)【 甘茶偏差値 71 】PRESIDENTS / 5-10-15-20 (25-30 YEARS OF LOVE) (SUSSEX 207)'70 U.S.BDG #307、甘茶ソウル百科事典 MOONY'S SELLECT #78として掲載。ヴァンマッコイがプロデュースしたワシントンDC出身のヴォーカル・グループ、ザ・プレジデンツの唯一のアルバム収録曲。曲はメンバーの自作でシングルカットされ70年にビルボードで11位を記録。日本盤も出てたみたいですね。時折バリトンが入るけどファルセットで歌われるキャッチーなサビが印象的。爽やかでポップで乾いた雰囲気を持ち、なるほど万人受けしそうだけど、甘茶ファンにも長年親しまれてきたようですね。あまりにキャッチー過ぎてちょっと飽きやすいのが玉に瑕。アルバムには他にもポップで爽やかな(悪く言えばあっさりとした)良曲が収録されていてお勧め。その後改名してANACOSTIAとしてしばらく活躍しました。「YOU TUBE」で聴けます。それと下記のカバーがあります。Chicago GangstersによるカバーMarvin GayeによるカバーLEON SPENCER JRによるインストカバー
2021.04.05
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 65 】GRASS ROOTS / PAIN (恋の傷跡) '69 「Lovin' Things」「Let's Live For Today」のヒット曲を持ち、主に60年台後半から70年台前半にかけて活躍したアメリカのロックバンドの69年の5THアルバム「Lovin' Things」収録曲。日本でだけ邦題「ペイン(恋の傷跡)」としてシングルカットされたようです。個人的に何故この曲をノーザンダンサーとカテゴライズしたのか全く覚えてないけれど、ちょっと緩めのロックグループという印象の彼らのイメージを払拭するかのような内容かと。曲調は暗いけどスピード感のあるロックサウンドに歯切れの良いホーンも入りなかなかグルーヴィ。曲名の通り、少し痛みを感じる雰囲気がなかなか美味。最大の売りはその迫力のある緊迫感でしょうね。イギリスのノーザンシーンでどの程度プレイされていたのか気になるところだけれど、この曲をシングルカットした日本人ディレクターはいい仕事しましたねー。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(緊迫感)ノーザン偏差値合計78797778565
2021.03.29
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 69 】PETE COOKE / LITTLE DARLIN' (DIMENSION 1037)'6563年と65年とで2枚のシングルを残したニューヨークのディープ歌手ピート・クックのディープソウル。サムクックの近親ではないみたいけれど、唱法などに強い影響が感じられますね。曲は自作のようで明るく平和な雰囲気が良い。「ダーリン、ダーリン、ダーリン、ダーリン」と繰り返す快活なバックがひょうきんで楽しい感じ。ヴォーカルの声質はかなり塩辛く唱法は激しいけれど、溌剌としたポップな出来で聴きやすい。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.03.22
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】Harvey Averne Dozen / The Word 「VIVA SOUL」'68先日、溌剌としたノーザンダンサーとして取り上げたHarvey Averne Dozenの68年のアルバム「VIVA SOUL」には、もう一曲凄く出来の良い曲が収録されていて、それがこのビートルズのカバー曲。The Wordはビートルズの曲の中でもマイナーな暗い曲で私も普段ほとんど聴かないけれど、たまたまハーヴィー・アヴァーン・ダズン版を聴いてビックリ、素晴らしい可能性を秘めた曲ではありませんか。何故彼らが敢えて「The Word」をカバーしようとしたのか謎過ぎますけど結果的に素晴らしい着眼だったようですね。曲はテンポアップしたブーガルー系インスト仕様。歯切れ良いホーンに軽やかなヴィブラフォンが特徴的。暗く沈んだ雰囲気はブーガルーにうまくマッチしてるのかも。リズムはかなりグルーヴィになっており、聴いて即座にビートルズのカバーだと気づく人は少ないかも。それだけ工夫を凝らした妙味あるカバーと言えるでしょう。最大の聴き所はサビのドラムと一体となって畳みかけるヴィブラフォンのフレーズ、痺れます。ハーヴィー・アヴァーン・ダズンによるアレンジが素晴らしいのは当然として、オリジナルのビートルズの作曲センスもやはり転んでもただでは起きないなと感じた次第。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.03.15
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山下達郎 サンデー・ソングブック ウォール・オブ・サウンド特集 サンデーソングブック 音壁の世界(1)へジャンプ音壁の世界(2)へジャンプ音壁の世界(3)へジャンプ音壁の世界(コンピ)へジャンプ音壁の世界(コンピ2)へジャンプ音壁映像の世界へジャンプ音壁映像の世界2へジャンプウォール・オブ・サウンド特集へジャンプ「音壁/ナイアガラ映像紹介」(掲示板) ウォール・オブ・サウンドの生みの親にして第一人者であるフィルスペクターが2021年1月に死去したことに伴い、山下達郎のサンデーソングブックでは3週に渡り(フィルスペクター以外の)『ウォール・オブ・サウンドで棚からひとつかみ』が特集されました。当ブログでも従来からウォール・オブ・サウンド(以下、音壁と略)はメインコンテンツの一つとして上記のような特集ページを作り積極的に取り上げてきましたので、今回の特集をとても嬉しく思います。今回の番組を機会に検索結果を追って当ブログへご訪問頂いた方も多数いらっしゃったようです。この機会により多くの方に音壁の魅力を知って頂き、ファンが増え、音楽界全体に音壁がより広く普及していけば良いなあと思います。今回の3回の『棚からひとつかみ』を聞いて率直に感じたことは、『達郎氏も人の子、オンエア曲にちょっと偏りがあるな』ということ。あくまで達郎氏の番組なので仕方のない面はありますが、今なお第一線で音壁の普及目指してがんばっている日本人音壁音楽家(新川博、岩崎元是ほか)に対し冷たい選曲だったなと思いました。これまで長年誰よりも音壁の普及に積極的に努めてきた達郎氏には感謝の気持ちでいっぱいですが、世の中には他にも多くの陽の目を見ない(おそらくは今後も決して達郎氏がオンエアしない)良質な音壁が存在するということを多くの音楽ファンの方に知って欲しいですね。当ブログの音壁に関する各ページがその一助になってもらえれば幸いに思います。(1) 2021.02.14 ウォール・オブ・サウンドで棚からひとつかみ 1 Blue Valentine's Day 大滝詠一 19772 Why Do Fools Fall In Love The Beach Boys 19643 New York's A Lonely Town The Tradewinds 1965 4 Hang On The Wall Of Sound 1967 5 (Baby) You Don't Have To Tell Me The Walker Brothers 1966 6 That's How It Goes The Breakaways 1964 7 Congratulations The Rolling Stones 1964 8 All This (He Does To Me) The Anita Kerr Singers 1968 9 色・ホワイトブレンド 竹内まりや 進化する音壁トラック(2) 2021.02.21 ウォール・オブ・サウンドで棚からひとつかみ Part 2 1 Jody 山下達郎 1984 2 Don't Answer Me The Alan Parsons Project 1984 シャンシャン感が素晴らしい 3 Ooh I Do Linsey De Paul 1974 4 Foxy, Foxy Mott The Hoople 1974 5 Girl Come Runnning The Four Seasons 1965 6 芽ばえ 麻丘めぐみ 1972 7 Do You Remember Me? Yuki Okazaki 1980 8 二人は片想い ポニー・テール 1976 9 青空のように ('81 REMIX) 大滝詠一 1977 (3) 2021年03月07日 ひなまつりガール・シンガー、ガール・グループ、ウォール・オブ・サウンドしばりで棚からひとつかみ 1. 本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED) / 竹内まりや2. MY ONE AND ONLY, JIMMY BOY / THE GIRLFRIENDS '63 「ダドゥロンロン」タイプの名曲3. IF YOU LOVE ME (REALLY LOVE ME) / JACKIE TRENT '64 音壁効果とは?4. I STILL LOVE HIM / THE JOYS '645. IF YOU'RE GONNA LOVE ME / CHI CHI '666. THAT'S ME / THE CAKE '67 重厚で奥行のある神々しいサウンド7. HE NOTICED ME / PRISCILLA PARIS8. MY BOY / THE JODELLES '83 KEN GOLDによる「君は天然色」アレンジ9. 真冬のデート / 竹内まりや今なら一週間ほどRAJICOで聞くことが出来ます。
2021.03.08
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アイドルポップの世界(6) 【もうすぐランクイン】沢田富美子 / ちょっと春風 '81 小田裕一郎作曲 大村雅朗編曲 80年代初頭に活躍したアイドル沢田富美子の2ndシングル。作曲は3rdシングル「風のシルエット」同様、80年代初頭中心にアイドルポップ界で猛威をふるった小田裕一郎。前年1980年の松田聖子のスーパーポップ三部作(「裸足の季節」、「青い珊瑚礁」、「風は秋色」)路線のテンションの高い明るく爽やかなメロディを持つ曲です。特にサビのキーの高さが特徴的ですが、残念ながらいまいちキャッチーさが足りなかった感じ。チャート的にも全然ふるわなかったみたいけれど、次作で本作を全て上回る出来のスーパーポップな「風のシルエット」という曲に出会え、アイドルポップ史的には大成功という感じですね。因みに後に不動産投資でも大成功し資産数十億の富豪にのしあがったとか。うーん、凄い。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.03.01
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 48.BLACK UHURU / GUESS WHO'S COMING TO DINNER / WHO'S IN THE TOMB (DUB) '79 STRICTLY ROCKERS P.62掲載 80年代初頭に大人気となった硬派なルーツレゲエバンド、ブラックユフルの代表的名曲。79年のアルバム「BLACK UHURU」収録でプロデュースは重鎮スライ&ロビィ。67年のアメリカの映画に同タイトルの「邦題:招かれざる客」という黒人と白人の結婚問題に関する映画があるので、歌詞の内容などこの作品にインスパイアされたのかも。曲は暗めだけど、キャッチーなメロディを持つヘビィなルーツもの。元はリードのMICHAEL ROSEがソロ作品で発表していた作品で、本作はリメイクということになりますね。オリジナルと聴き比べると明確ですが、SLY & ROBBIEの織り成すリズムは超強烈で、個人的にはユフルというよりもスライ&ロビィの作品という気さえする。彼らにとっても代表的な名演と言えそう。菅野さんはSTRICTLY ROCKERSでこの曲について「シンドラのすさまじいポリリズムは特筆すべきで、機械的かつ人間的な強烈なリズムは革命的」と評価。当時私の周囲のロックファンにも大部受けてましたね。なお、81年のスライ&ロビィのダブアルバム「RAIDERS OF THE LOST DUB」には同曲のダブバージョン「WHO'S IN THE TOMB」が収録されています。オリジナルに接続されているダブよりもより派手な内容でこちらの方が個人的にはお勧め。鐘の音がいいんですよねー。因みに同アルバムはインディジョーンズの映画をパロったジャケでかなりB級感が漂っていますが、他にもユフルのダブ「CONVOY HIJACK」やバーニングスペアのダブ「PIT OF SNAKES」などレゲエ名曲の名ダブが収録されていてあまり評価されていない隠れたダブ名作アルバムという感じ。結構知らない人が多いんじゃないかな。幾つかのバージョンがありますが、79年のアルバム「BLACK UHURU」収録版がお勧め。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.02.22
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】FARMER'S BOYS / THE WAY YOU MADE ME CRY '83 「Get Out and Walk」81年前半に2枚のアルバムを残したギターポップ系バンドの1STアルバム「Get Out and Walk」収録曲。バンド名は農家の少年達という意味だろうか、イギリスのNorwichという市の出身のようなので田舎の素朴な雰囲気を出したかったのかも。曲はやはり泥臭くいまいち垢抜けないギターポップ。ちょっと痛みを感じさせるヴォーカルだけどメロディは明るめで牧歌的な感じ。テンポは速くて良いのだけれど、全体としていまいちキャッチーさに欠けるかな。聴き所は間奏のギターソロで初期ビートルズを彷彿させる感じが良い。ACT NATURALLY辺りを狙いましたかねー。同時期のアズテックカメラやフレンズアゲインのような洗練された煌きは感じさせないけれど古き良き時代のマージービートっぽくて思わずほっこりしてしまいます。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.02.15
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)MAD LADS / LET ME REPAIR YOUR HEART (VOLT 4080)'72 U.S.BDGでは#75と随分前の方で紹介されているマッドラッズ。60年代中心に活躍した南部のグループで、甘茶ソウル百科事典には未掲載。スウィートファンにはあまり馴染みが無いグループという感じ。曲はマスルショールズ録音なのだけど、スウィート全盛の72年産ということで出来はなかなかのもの。派手な出だしのフレーズが印象的でストリングスを絡めて甘い雰囲気を作り出すのに成功。期待感MAXですね。バックコーラスもソフトで靄がかかったかのような淡いムードでいい感じ。ただしAメロはキャッチーだけどBメロの不出来やサビがAメロ似ということで全体的に単調な展開に感じさせてしまっているのが惜しい。リードは翌73年には甘茶なソロアルバムを出すJohn Gary Williamsでそちらもお勧め。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.02.08
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 66 】HARVEY AVERNE DOZEN / THINK IT OVER 「VIVA SOUL」'68ザ・ハーヴィー・アヴァーン・ダズンが68年に出したアルバム「VIVA SOUL」収録曲。ハーヴィー・アヴァーンはピアニスト兼ヴィブラフォン奏者で、アルバムではブーガルーなどちょっと泥臭いラテン系の音楽が多く収録されています。曲は何故かGeorge Kerr人脈でもあるKenny Seymourによる作品。メロディは爽やかで高揚感があり全体を通して味がある出来なのは流石。リズムはグルーヴィでスピード感があり、バックの威勢の良いホーンや溌剌とした女性コーラス、そして軽やかなヴァイブも加わり非常に小気味良い。ノーザンダンサーとしてはなかなか垢抜けた洗練された雰囲気がありますね。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.02.01
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 69 】OVATIONS / PURE NATURAL LOVE (Chess CH 2166)'75南部メンフィスのヴォーカルグループ、オベイションズの75年のシングル曲。作曲は「Kim Carnes / Bette Davis Eyes」や「Tracey Ullman / Breakaway」など多くのヒット曲で知られるシンガーソングライターのJackie DeShannonです。彼女のwikipediaなど見てもこの曲については特に触れられていないので、彼女の作った埋もれた名曲ということになりそう。曲はオベイションズの特徴のひとつである温かみと情感深さ、甘い雰囲気などの良さが引き出された作品。全体的にメロディは良いが特にどんどんと込み上げていくAメロが素晴らしい。ただBメロとか間奏が無いのでちょっと単調な印象なのが惜しい。76年にEsther Phillipsによるカバーも有るけど出来はいまいち。逆にこのいまいちなカバーを聞くと如何にリードのルイ・ウイリアムスの声質・唱法が魅力的なのか再発見できるかも。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.01.25
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【 ポップ偏差値 62 】WATERS / THE OTHER SIDE OF MIDNIGHT (WARNER BS 3062)'77ロサンゼルスの家族グループWATERSの1977年の2NDアルバム収録曲。「真夜中の別の側」なんてミステリアスなタイトルもいい感じ。と思ったら、原題はシドニィ・シェルダンが1973年に発表した小説「真夜中は別の顔」と同じで、ちょうど1977年に「真夜中の向こう側」として映画化されてます。タイミング的にもその辺りを意識した作品なのかも知れませんね。曲は爽やかで乾燥感のあるサウンドに高揚感のあるメロディが素晴らしい作品。適度に洗練されていて軽やかな雰囲気でフリーソウルのコンピに収録されていてもおかしくない、というか入れるべき。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(高揚感)ポップ偏差値合計77966877562
2021.01.18
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音壁の世界(3) アイドルポップの世界(6) 【もうすぐランクイン】中嶋美智代 / 日記の鍵貸します '92 作曲/遠藤京子,羽田一郎 編曲/新川博 空前のアイドル音壁大作「泣いていいよ」と隠れた萌えポップ「天文台と海岸」を編曲した新川博氏による中嶋美智代の傑作3部曲とも言える音壁曲。作曲には「天文台と海岸」と同様に羽田一郎がかかわってます。曲は「泣いていいよ」同様バラード系でやはり4分36秒と長い大作志向。憂いを帯びたメロディは暗めだけどしっぽりとしていてなかなかの出来栄え。「日記の鍵貸します、恋人に」~「なりたい人は、この指止まれ」などサビのメロディが一度切れても歌詞が繋がっているというところにも妙味があります。哀し気なフルート風の音色もなかなか効果的ですね。そしてやはり最大の聴き所は新川博氏によるウォール・オブ・サウンドなアレンジ。カスタネットの繊細な響きやエコー感のあるドラム等、派手さはないけれど品よく効果的に配されている感じ。全体としてなかなか感動的なバラード系アイドル音壁大作といった仕上がりですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2021.01.11
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私の好きな甘茶ソウル(10) MY FAVORITE SWEET SOUL (10)【 甘茶偏差値 65 】TOUCH OF CLASS / GOD BLESS ME (MIDLAND INTERNATIONAL MB-10545)'7670年代後半中心に活躍したフィラデルフィアの4~3人組コーラスグループ、タッチオブクラスのアルバム未収録のシングルB面曲。(A面は「Don't Want No Other Lover」)意外なことにU.S.BDG、甘茶ソウル百科事典共に記載は無いけど、しっかりとしたアルバムを3枚残している中堅グループ。プロデュースとアレンジはJOHN DAVISで恐らく1STアルバムと同じ製作陣による作品だろうけど何故かアルバムには未収録。そういった訳で埋没ぎみなので甘茶ファンにはしっかり押さえて欲しいところです。曲はフィリー録音でほぼ甘茶ソウル黄金期の作りということで安定した完成度。出だしこそゆったりとした悲し気なメロディだけど徐々に盛り上がっていきサビは肯定感と多幸感に満ちた感じ。実に胸に沁み心が洗われるような感動的なメロディですね。リードの声質もなかなか味が有るし甘いコーラスや品の良いストリングスなどバックも素晴らしい。甘茶的に「GOD BLESS ME」という歌詞は気に入らないけど、雰囲気的に宗教色はほとんど感じさせず幾多ある甘茶ソウルの名曲群の一つとして位置づけられるでしょう。(アマゾンなどで良い音で配信されているようです。)「YOU TUBE」で聴けます。
2021.01.04
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ギターポップ推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 68 】Harpers Bizarre / Mad '68「The Secret Life Of Harpers Bizarre」収録60年代後期に活躍したアメリカのソフトロック・バンドの1968年のアルバム「The Secret Life Of Harpers Bizarre」収録曲。当初よりどうも聞き覚えのある名前だなと思っていましたが、どうやらアメリカの伝統ある女性誌Harper's BAZAARをもじった名前みたいですね。曲は典型的なソフト・サウンディング・ロックという感じで柔らかなヴォーカルが特徴的。Aメロ、Bメロと繊細でセンチメンタルなメロディが秀逸ですが、更に輪をかけてセンチでキャッチーなサビが素晴らしい。品の良さと瑞々しさを保ちながらも痛みを感じさせる表現力豊かなメロディ含め、80年代ネオアコやフリッパーズギターへの影響を強く感じさせます。派手さはないものの効果的にホーンを配しストリングスを散りばめた上品で心地よいサウンドも素晴らしい。彼らの前身バンドThe Tikisによるバージョンと比較すると、サウンドアレンジの洗練された仕事ぶりに改めて気づかされます。なお、当然の帰結かのようにネオアコバンド、King of Luxembourgによるカバーがあります。ネオアコの源流を探る意味でも歴史的に非常に重要な曲とも言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。
2020.12.28
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ラバーズロック(2) STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 【 ラヴァーズ偏差値 60 】47.HORACE ANDY & ERROL SCORCHER / COME ON & ROCK ME '80 「UNITY SHOWCASE」 歌手HORACE ANDYとERROL SCORCHERのDJによる1980年のショウケーススタイルのミニアルバム収録曲。HeptonesのWe Are In The Moodの変名カバーで、オリジナル歌手のLEROY SIBBLESによるセルフカバーRock Me Babyも非常に良い出来(昔ジャパンスプラッシュで来日した時歌ってくれました)。「STRICTLY ROCKERS」P.89掲載曲で菅野さんは「ラバーズロック」として紹介しています。前半が歌で後半がDJとなっていますが、特に前半のホレイス・アンディの女性っぽいハイトーン・ヴォイスによる歌に味わいがありますね。元歌の良さと歴史的名トラックの出来栄えもありますが、のんびりした和み系レゲエとして実にいいムード。後半からDJに変わるのも一興で楽しい雰囲気ですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2020.12.21
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 64 】JOE TAYLOR & DOMINOES / YOU DON'T LOVE ME (HMF 2002)'68どうやらこの一枚だけで終わってしまったアメリカのグループの68年頃のノーザンダンサー。スピード感はさほどでもないが、明るく元気なサウンドで軽やかなギターが印象に残る。ヴォーカルがなかなか魅力的で時折『ハッ!』と気合を入れるのが特徴的。如何にも黒人ノリといった感じの自由奔放な歌い回しがグルーヴィですね。適度な緊迫感と猛々しいコーラスなどもいい感じです。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(気合い入れ)ノーザン偏差値合計77877878564
2020.12.14
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 69 】BUDDY GRUBBS / I'M TELLING YOU (BELL 772)'691961年のJerry Butlerの軽めのソウルのディープ・カバー。フロリダ録音なので南部の歌手みたいけどdiscogsを見てみると、この一枚しか録音を残していないみたい。曲はCurtis MayfieldとJerry Butlerによる大人しい曲調だったオリジナルをかなり快活に変貌させてます。威勢のいいホーンが特徴的で行進曲テンポのリズムと相まって元気いっぱいといった感じ。ストリングスも効果的に配置されていて、なかなか凝ったアレンジでインストでも楽しめるレベルかも。ヴォーカルは明るく快活で瑞々しく声質もなかなかのもの。そして後半に入る雄たけびが最大の聴き所で、ディープソウルの醍醐味といった感じ。プロデュースは「James & Bobby Purify / I'm Your Puppet」などで知られるPapa Don Schroederで、如何にしてこの曲が生まれたのかよく分からないけれど、明るく快活な絶唱系ディープの傑作ですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2020.12.07
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音壁の世界(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 71 】Ronettes / I Saw Mommy Kissing Santa Claus '63 「A Christmas Gift for You from Phil Spector」史上最高のアルバムは?で既に取り上げた1963年のフィルスペクター製作のクリスマス・コンピ『A Christmas Gift for You from Phil Spector』収録の音壁曲。発売当時はシングル・カットされていないので企画アルバムの中の一曲ということでポピュラー・ミュージック史的には埋没ぎみの作品だけれど、ウォール・オブ・サウンド的にも、オールディーズ的にも極めて重要な作品。ポップス好きにはアルバムは一定の評価が確立していると思うのだけれど、曲単体としての評価ももっと高まって欲しいですね。曲のオリジナルは1952年のNorman Luboffでポールアンカ、フォーシーズンズ、ジャクソンファイヴなど実に多くのカバーがあります。もちろんその中でもサウンドに一番力が入っているのはフィルスペクター版。テンポアップし軽快で躍動感のある曲調に変貌させたうえに分厚い音壁仕様なのですから堪りません。間奏のストリングスも優雅で切ないメロディと相まって感動的で、ここだけでも一聴の価値ありって感じ。リードのロニー・スペクターの声も瑞々しく魅力的ですね。ロネッツといえばBE MY BABYなどのシングルカットされた有名曲ばかりが脚光を浴びていますけれどね。個人的にはクリスマスシーズンだけではなく一年中定期的に愛聴しているのだけれども、多くの方にクリスマスの企画曲というくくりではなく、オールディーズ、ポップスの重要曲として愛聴して欲しいものです。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(名曲音壁)ポップ偏差値合計8887710108571
2020.11.30
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