Serene state of mind

Serene state of mind

2008.09.28
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カテゴリ: ライブレポ
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。…

大分タイムラグですみません。あやふやな部分および敬称略
(2008年9月23日 at梅田芸術劇場)

源氏 音かたり

源氏が最愛の妻・紫の上を亡くし、悲しみに暮れる場面から語り( 橋爪淳 )は始まります。
" 我は一体何を求めて生きてきたのか? 悟りの地から遠く離れてなお生きながらえていく… "
己の人生を振り返りながら語りは進みます。
源氏の母親・桐壺の宮は帝から寵愛されていたが、それ故他の女たちに妬まれいじめられ、病に倒れる。
そして源氏は母の面影も知らず、母を恋い慕い、亡き母の生き写しと言われる義母・藤壺の宮に憧れを抱き、藤壺の宮の代わりに心を埋めてくれる女性を求め続ける…

奏でる雅楽は奈良時代から受け継がれてきたもの、一方、バイオリン( 古澤巌 )、ピアノ( 塩谷哲 )、テノール( ジョン・健・ヌッツォ (日本の声楽ではない声楽) は1000年前の日本にはなかったもの。
1000年の時を超え、ステージでそれらが一体になり、プラス、音楽が形のない時間芸術なのに対し空間芸術の華道( 小川珊鶴 )も加わって光源氏の心を織り上げていくという、不思議な異空間が生まれました。

台風前の夕焼け雲2008

藤壺の宮の生き写しの紫の上と出会い結婚に至るが、優しさだけでは満ち足りず…
試練を乗り越え栄華を極めても、心は虚ろに響き…
千年を共に生きようと誓った紫の上がこの世を去ってしまい、紫の上を思い偲び独りきり…
" 私は光の君、無常を生きた、私は光源氏!
光を受け入れ解き放たれるに至るラストは圧巻でした。
SALTファン仲間からお誘いをいただいてから、「 源氏物語 (比較的読みやすい新訳版が図書館にあった) を一通り読破してにわか予習しましたが、女性による女性の物語を男だけで、源氏の目から見た源氏を語るとあんな風になるのだなあ―と、二人で感動しておりました。
また、SALTさんのクラシックコンサートを観たことがない私には、SALTさんが竹善さんのライブやご自身のライブでは見せないような新たな一面を見つけられた思いでした。





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最終更新日  2008.09.29 10:57:34
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