セカイのオワリとイウ名の…

セカイのオワリとイウ名の…

ドナ・ウィリアムズ 6



 わたしのまわりのガラスの覆い

 たとえどんなにかすかでも、

 わたしの体には触れないで

 玉とガラスが永遠に砕け散ってしまうから

 綱渡りをしている踊り子が

 何もわからぬとわかっている世界へ

 まっさかさまに落ちてしまうから

 世界は現在、秘密の書かれた本の一場面のよう

 ページを繰っても、

 そこはもう破り捨てられている

 たとえどんなにかすかでも、

 触れられれば

 二つの世界を隔てているガラスは砕け散り

 無常の木枯らしが冷たく吹き込んでくる

 体に、心に

 そして初めて体と心は絡み合う

 まるで、野生の葡萄の蔓のように



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