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料理長53歳さんCalendar
日本と中国とは「一衣帯水」という関係と言われます。もちろんこの「一衣帯水」とは近くの国という意味に使われ、良い意味で「近隣」という使われ方です。
しかし、近ければ近いほど争いもあるわけで、それが昨今の「尖閣列島」問題になっていると思います。
楽々も20代の頃、中国を訪問しました。もう35年も前です。その頃は中国人の人たちも日本人も「一衣帯水の中だから、両国は仲良くして国交を発展させよう」という発言が多かったと思います。
さて、中国の尖閣列島に対する侵略意図ははっきりしているようで、他国の領土を自国領土だと主張しているのは尖閣だけでなく、南沙諸島でも起きています。
このような対外膨張主義に転じた中国ですが、日中に関して言えば、国内の不満を日本にぶつけることで押さえているという報道もあります。また、反日教育をこの20年あまり続けてきて「洗脳された人々」が反日無罪という勝手な考えで「暴動」を起こしているとも言われます。
要は、中国国内に不満が充満しつつあるし、エネルギーや資源など自国権益を獲得することに対して躊躇しないという中国政府の考え方でしょう。
中国政府=中国共産党であり、一党独裁の国です。これは北朝鮮も同様です。
前置きが長くなりましたので本題に・・・
楽々は中国という国に対して「尖閣」や「反日デモと暴動」だけで反応してはいけないと考えています。日頃のニュースやその解説ではどうしてもトピックスに重きを置かざるを得ないのですが、それでは大局を見誤ると思います。
中国の統治者の苦悩はどこにあるかと言えば
第一は世界最大の人口の「食」と「職」を提供することでしょう。毎日3食を提供し続けるとして、人口13億4000万人ですから40億2000万食を365日準備し続けなければいけません。国内で食糧を調達できれば良いのですが、改革開放で生活水準が上がり続けている中ではかつてのように自給自足は難しいでしょう。
さらに沿岸部の発展と経済発展に取り残された内陸部があります。これが「貧富の格差」としてを大きくなっているのも事実でしょう。経済は自由主義ですから、自由主義=弱肉強食となります。国民全体が均一に発展するというのは難しいことです。日本でも地方と首都圏の格差が激しいのですが、それ以上に中国では発展の度合いが違っています。大学を出ても就職口がないという人もいれば、共産党幹部の子弟は、「太子党」と言われる貴族階級で、権力も職も教育も特別扱いです。
この膨大な、圧倒的な人口を養うことに失敗すれば政権は転覆し、国家解体ということになるのでしょう。この人口・・・・について中国政府、共産党は大変な危機感を持っていると思います。
第二に「軍」が権力の基盤であるということです。
中国人民解放軍は共産党の指導の下にあるのですが、共産党の権力の基盤でもあります。日本では「軍隊=自衛隊」が国家権力の一翼と考えている人はいません。しかし、中国共産党の歴史は「革命の達成」を目標にしてきたわけで、武力闘争・・・つまり戦争で勝利することで現在の体制を築いてきました。日中戦争時代には「抗日」でしたが、今は台湾にある中華民国の国民党との内戦に勝利して「共産党政権」を樹立したわけです。
現在の中国は、軍事によって作られたということです。
さらに冷戦時代は、西側諸国と対峙していましたし、中印紛争もあれば中越紛争もありました。同じ社会主義革命を実行したソ連とも長い国境線があり、何度も武力衝突をしてきました。
地政学的に見ても国土が広大であり、辺境の地であるものの長い国境線を維持するのは大変な労力だと思います。
ともかくも、軍隊を掌握することで対外的にも国内的にも権力の基盤となっているのは事実です。経済成長がある故に人民解放軍には潤沢に予算を配分できるし、解放軍やその周辺組織は、経済成長とともに「ビジネス」にも成功しています。
第三に「共産党の一党独裁とその弊害」です。
西側にいる日本では信じられないのですが、後進国であればあるほど「独裁政権」ができます。これは、政治というのは「利害の調整」ですし、それを民主的に解決しようとすれば大変な手間が掛かるわけです。日本の政治状況を見ても「原発反対・賛成」の論議にはいずれにも主張する理由があります。
バラマキ型の福祉制度についても受益している人からみれば既得権益と言われようが正しいと思うでしょう。
そんな手間ヒマをかける民主的な政治よりも、独裁制であれば「こうする」と決めれば国家も国民も楽になります。
現在の中国は、発展途上国とGDP世界2位という経済大国の2つの面を持っている国です。一党独裁の為に共産党の幹部とその子弟が「個人財産」を築いているとの報道があります。中国の長い歴史では「権力を利用して私有財産を得る」ことは当然のような感じがあります。
中国もそれに気付いて腐敗・・・つまり汚職の取締りを強化しているようですが、これは簡単には片付かないでしょう。
日清戦争の時の北洋軍の総帥・・・現実は清国を代表していた李鴻章・・・この人物が日本との和平交渉をしたのですがその後ロシアのウィッテに懐柔されて多額の金品を貰っていたとのことです。国家を代表するような政治家、軍人でしたけれど、袖の下を貰うのには抵抗がなかったのでしょう。
そういう点では中国共産党の幹部たちは清国時代とあまり変わってないのでしょう。
共産党独裁の最大の問題は情報の自由がないことです。ネットですら監視されているわけで、 共産党を誹謗、中傷して、危うくさせる言論は徹底的に取り締まられています。資本主義ではあっても言論の自由がない・・・そんな社会は公正に運用されているはずはないと思います。
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