時空を越えて 昔の標本・今の標本
私にも蝶に夢中になった児童期があった。家の周りだけでなく両親に連れられて、森林や蓼科に年に1回くらい出かけた。その時の標本が今も実家に残る。一度関東に引越しの際、小さな子供のいる隣の家にあげたのだが、親が再び諏訪に住むことになった時、これは捨てられなかったと言われ実家に戻ったのである。
何とも拙い標本である。当時りっぱな標本箱など買うことができず、ワイシャツの箱にチョウを並べ、透明フィルムを箱に糊で貼ってある。ラベルを見ると42。そう、昭和42年。私が小学1年生の時である。この標本を撮影したのは2002年に家族を連れて帰省した際であるから、39年間の時空を越えて私と家族の前に晒されたわけである。自分で一生懸命に標本を作ったことを思い出す。親も一人でやらせることに価値を感じていたのだろう。りっぱな親だった。(あ、いや・・今も健在。客観的に今の私と比較してのこと)
なつかしい。当時コムラサキは私には宝物だった。昭和42年8月6日、ラベルにおおだいら(大平)とあるが、御柱の木を切り出す国有林の入り口にあたる。親がいつ止まってもおかしくない中古車のブルーバードで連れて行ってくれた時のチョウだ。この標本で我が末娘がチョウに興味を持ち、我が家の標本作りが始まったのだった。(残念ながら今は休止中)
時は40年経ち、平成15年の8月13日。今度が私が家族を連れて、故障することはまずないノアでおおだいらへ出向く。末娘は小学2年生。コムラサキも採集。
なんとも標本がりっぱだ。親の手がかかりすぎなのがわかる(猛反省)。ラベルの字は娘のもの。おいなんか字はおれと似ているぞ。
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