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今回25種類の第九をアップするにあたり当然全てを聴き直したわけですが、名指揮者と一流オーケストラ&合唱団によるものばかりなので、どれを聴いてもひたすら感心する名演ばかりなのです。そうした中、珍しい訳でも記念碑的な訳でもなく、一流の中では大きく目立つ存在でもないヨッフムによる第九の良さを再確認しました。録音が優秀な訳でも特別な解釈をしている訳でもないのですが、ヨッフムという名指揮者の人柄の良さに乗ってコンセルトヘボウという世界トップクラスのオーケストラと声楽陣が実に聴き心地の良い名演を展開しているのです。私の音楽コレクションの中心は LPレコードとレーザーディスクという昔のものですので、今回アップ用にヨッフムによる中古CDを注文したのですが、これがネットでのお店の商品紹介にはヨッフム指揮という情報しか載っていない。どうしようかと思ったのですが、ヨッフムを外したくないのと、50年代のバイエルン盤でも60年代のコンセルトヘボウ盤でも70年代のロンドン盤でも、どれが届いても名演なのでOKと軽い博打気分で注文しました。届いたのはどれでしょう?ではなく当然ここでYouTubeにアップしたコンセルトヘボウ盤でした。入門用でも散々聴き込んだマニアの人にも安心してお勧め出来る優れた第九に思います。
2020.12.30
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思い返すと朝比奈さんの指揮する演奏会には幾度も行ったものです。第九は確かNHK交響楽団との演奏会に行った記憶があります。この日の演奏会は販売されていますので、入手して記憶にある演奏内容と照合してみたいと思います。実はこの日の演奏は第1楽章最後の響き方が青黒く輝くような忘れられない瞬間で、そこでのインパクトが強くてそれ以外は余り憶えていないのですが、おそらくCDで聞き直せば記憶が甦ると思います。朝比奈さんの大ファンという訳ではなかったのですが、日本の指揮者で日本のオケとなると海外の来日オケを聴くよりぜんぜん安いチケット代で一流に触れる事が出来る訳ですから、おのずと足を運ぶ機会が増え、そういった意味で小澤征爾さん指揮の日本のオケの演奏会にも幾度か行っています。さて朝比奈さんの指揮で聴く演奏会でいつも感じたのは、必ず強く印象に残る瞬間があって、それは解釈であるとか気合いを入れた表現であるとかといった類いのものではなく、音響そのもの楽器の鳴りそのものが深く記憶に残る体験をするのです。はっきり言って朝比奈さん自身は何か解釈や表現を工夫して聴かせるタイプでは余りないと思っています。だから淡々と進める音楽に正直「ここもうちょっとこう聴かせて欲しい」などと思う事もしばしばでした。しかし余計な解釈を入れず楽譜を鳴らしたからなのか実は意識してそうした音を引き出したのかは分からないのですが、他の指揮者で聴いた事が無いような音響が響く瞬間があって、そしてそれはよく知っているはずの曲で、まさかそこでそんな音が鳴るとは! という経験が多々あるのです。ここに聴く大阪フィルとの演奏でもそうした瞬間を幾つか確認出来ます。さて本日12月29日は、生前の朝比奈さんが毎年かならず第九の演奏会を指揮していた日です。そして実は、朝比奈さんが亡くなった命日でもあります。93歳で亡くなる年も現役指揮者として活躍したままで、亡くなる前に言った言葉が「引退するには早過ぎる」だそうで、日本にも怪物指揮者が存在していたという事です。
2020.12.29
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私にとって実質的な第九入門になったのはスウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレetc.によるアナログLPレコードで、当時はどちらかと言うと録音の評判に惹かれて購入したものです。今ではあまり言われる事が無くなりましたが、当時はスウィトナーの録音に使用された B & K マイクというのが話題によく上がりました。ややハイ上がりのバランスですが、エコー成分をしっかり捉え音場感豊かな録音に特徴があります。オーディオ評論家の神崎先生の話だった?と思うのですが、うろ覚えで、こんな事を言っていて「B & K に取材に行ったら2セットで安くしてやるって言うんだよ。急遽国際電話で石田(善之:オーディオ評論家で録音エンジニア)に、2セットで安くするって言うんだけど、ワンセットいる?って聞いたよね。」これ安くと言ってもワンセット何十万とか百万とか言っていたような?高価な代物です。こんな風に当時はけっこうな話題性を持っていました。1984年か85年にスウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの公演を東京文化会館で聴きました。レコードで教会のエコーたっぷりの音に慣れていたものですから、イメージより率直で元気のイイ演奏に感じ、少しだけ期待外れにも感じたものですが、今回YouTubeへのアップの為CDを取り寄せ聴いたところレコードで昔聴いた感触よりハッキリした音楽進行で実演を思い出しました。昔は大きめのスピーカーを使用していたので、少しゆったりした音響でエコー成分をバランス的に感じる音で聴いていた為、本来の演奏の機動性がマスクされていたようです。改めてCDで聴いて、エコー豊かでありながら音楽の動きも明瞭に収録された優秀録音で、かつ名演なのを再確認です。
2020.12.27
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YouTubeへの第九のアップを多数進行中ですが、カラヤンが最もカラヤンらしかった時代と言えば1960年代後半から1970年代だと思っています。自分にとって1番好きなのは1971年の各種録音で、この第九が録音された1976~7年はカラヤン美学と呼ばれた特徴のピークを迎えた時期に感じています。以前は演出色が強くて面白くもあるがベートーヴェンの本質とは少し違うと感じたものですが、改めて以前より内容を正確にモニター出来る音響で聴き直すと、解釈や演奏表現よりも録音による演出が脚色された演奏に感じさせていただけで、カラヤンの踏み込み方は本質を外したものでは無い事が分かります。ここでのカラヤンの意図は、実演で聴こえるような自然なステージ表現では無く、あえて言うなら音による映像作品を狙っているように思います。つまり映像では楽器やパートがクローズアップされて画面に映し出されますが、その感覚を音で表現しようとしているように聴こえます。ワンポイント・マイクで自然な録音の真反対の音響世界で、完全に現実では有り得ないような音の演出を感じ、特にティンパニーの音の出方に顕著です。演奏内容は多少勢いで押しますが、変わった解釈をしているようには感じません。それにしてもカラヤンは聴かせ上手で、美しく面白い表現をする傑出した音楽家だった事は死後30年以上経ってもなお多くの数字をネット上でも販売でも獲得し続けている現実にあらわれていますね。
2020.12.27
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https://youtu.be/ZImY5ZDJtEQこのフルトヴェングラー指揮によるバイロイト祝祭管弦楽団 & 合唱団 1951年録音盤は昔から有名でして、初めて買ったのは高校生の時でした。これがLPレコード1枚に無理矢理全楽章詰め込んだ音質劣悪盤で、ただでさえ音質が悪い上にこれでは、遠くで か細い音響が不明瞭に第九をやってる風。 最初の出会いは最悪だったのです。よくこうした劣悪な音で高い評価を得て、ロングセラーになっているものだと感心します。1985年か86年だったと思うのですが、今は故人となったオーディオ評論家の高島誠先生のお宅に伺った事があります。この高島先生は おそらく当時、いや今だに記録的だと思うのですが、日本で一番オーディオにお金を掛けていたのではないかと予想され、超低音用は確かダイヤトーンの巨大ウーファーを地下をくり抜いて作った空間に繋げて設置し、これには家が建つ位お金が掛かっていると言っていました。通常低音や中音・高音用スピーカーは当然マルチウェイで別個に一台100万円?位のアキュフェーズのパワーアンプが当てられ、片チャンネル7ウェイ位だったので、これはパワーアンプだけで1400万円必要です。それ以外にサラウンドに挑戦中で、それ用にも何台もスピーカーが設置されていました。この巨大システムが見事にまとまって、特にユニット間の繋がりがバレてしまうアコースティック・ギターの再生がピンポイントに決まり、本物が目の前にいて指の動きが見えるような音像には本当に驚きました。ガラリと変わり、室内管弦楽団の立体的で色彩豊かな音場表現も見事でしたね。さて そんな中聴かせてくれたのが、確かカセットテープだったと思うのですが、EMIのビートルズとこのフルトヴェングラー指揮バイロイトの第九の第4楽章で、メーカーからデモ用に送られて来たとおぼしきデジタルリマスター音源使用コピーだったのです!ワルターなどに遅れ、ようやくフルトヴェングラーもデジタルリマスターか程度の認識で聴かせてもらったのですが、従来の音よりもオケの各パートがとてもよく聴こえて来るといった感触です。ただそれはこのシステムで聴いているからで、一般発売されたものを普通のシステムで聴いてどこまで出るのだろうと思いもしました。その後バイロイトの第九は、中古でレコードや再発売CDをいくつも買うはめになる訳ですが、ここにUPした謎の足音入りモノラル盤やブライトクランク(擬似ステレオ)盤で落ち着きました。こうして演奏内容の捉えれる音で聴くとフルトヴェングラー指揮の第九が別格的なものと胸に伝わります。(擬似ステレオ)⇒ https://youtu.be/sPZHCfAYfhE
2020.12.22
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