─ 灼熱 ─

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2005年11月10日
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プーチン大統領がもっている権限には次の2つがある。

・下院に中央銀行総裁候補を推薦する
・下院に中央銀行総裁解任を提案する


4日、プーチン大統領は、中央銀行総裁としてセルゲイ・イグナチエフを再任すると下院に提案した。イグナチエフは2002年からゲラシチェンコ前総裁にかわってロシア中央銀行総裁を務めている人物。

【セルゲイ・イグナチエフ】
1948年10月10日にレニグラ-ドで生まれる。
1975年モスクワ大学卒業し、3年後には同大学大学院を卒業する。
その後10年間、レニングラ-ド商科大学で教える。
1988年から1991年レニングラ-ド金融経済大学で教える。
学術論文の数は20以上。

1993年ロシア中央銀行副総裁。
1996年から1997年ロシア大統領補佐官(経済問題担当)。
1996年、大統領直属の納税・予算規律強化臨時非常委員会議長。
1997年4月、大統領補佐官解任、財務省第1次官に任命。
2002年中央銀行総裁。


以下は、2002年3月の記事。


ロシア中央銀行総裁が辞任

ロシア中央銀行のゲラシチェンコ総裁は15日、辞任を表明し、プーチン大統領が後任総裁にイグナチエフ財務次官を指名した。

ゲラシチェンコ総裁は旧ソ連時代に国立銀行総裁となり、94年いったん解任されたが、98年の経済危機直後に復帰。中央銀行の独立を主張し、強い通貨ルーブルの維持を目指した。しかし、資本力の弱い銀行の整理など金融制度改革を目指すプーチン政権との間ではあつれきも指摘されていた。


記事にあるように、前総裁はプーチン大統領と対立していた。原因は、プーチン政権による中央銀行の改革にあるとみられる。

プーチンは大統領に就任後の2000年、中央銀行の改革に乗り出した。大統領は同年9月に「ロシア中央銀行法案の修正と補足」に関する提案を下院に行なった。この内容は、中央銀行の政府からの独立性を否定するものだった。


「ロシア中央銀行の資本金と他の資産は、連邦資産である」
「ロシア中央銀行は、連邦資産である貯蓄銀行、貿易銀行、Euro bank、MoscowNarodny Bank、Ost-WestHandels bank、Donau-Bank、East West United Bank 株を一時的に保有している。ロシア中央銀行は、上記金融機関の株式を、ロシア連邦政府の決定に従って運用する」

……ということが明記されており、これは連邦政府が同行の資産に対する支配力を有するという意味でもある。


ロシア中央銀行

「先進国」の中央銀行は、FRBを筆頭に、政府・財務省から独立性を保持していると言えることから、プーチンの提案、つまり中央銀行の独立性の否定は反発された。ロシア中央銀行や政府の管理下に入りたくない銀行などがそれにあたるが、IMFもこれに反対した。IMFが表明した反対理由は、「中央銀行の独立性は、経済発展に不可欠」というものである。

この改革案の軸は、金融政策で財務省と対立する中央銀行の独立性を奪って政府・財務省のコントロール下に中央銀行を置くことであった。その後、プーチンの改革に反発したゲラシチェンコ総裁は解任され、プーチンが選んだイグナチエフが総裁に就き、先日の4日にプーチンがイグナチエフの再任を提案したことからイグナチエフ現総裁は“プーチン派”と言えるのかもしれない。




ロシアはプーチン政権になってから、IMFの融資を必要としていない。

プーチン政権は、中央銀行が独立しているとこの外貨準備を自由にすることができないと考え、当時でも記録的な水準だった外貨準備金を自由に使える権利を得ようと中央銀行の改革に乗り出したとも言えるだろう。現総裁になってからロシア中央銀行の独立性が奪われ、政府・財務省の実質影響下に置かれているからこそ現総裁が再任されるのかもしれない。正直にいってこの辺の状況は、日本で報じられるニュース記事だけでは判断できないのだが、中央銀行改革に乗り出していたプーチンが2002年に指名した総裁が、近日またプーチンによって再任されようとしているのであるから、ロシア中央銀行はプーチン政権から独立性を維持していないと思われる。

ロシア中央銀行について詳しいひと、ご教示よろしく。



【2002年】3/27 改革正念場 金融 土地そしてここにも抵抗勢力〔モスクワ26日山田新〕

大統領はこれまでに、雇用主の権利を拡大した労働法を成立させるなど、経済改革を進めてきた。しかし、産業育成に不可欠な金融改革をめぐっては、ロシア中央銀行の ゲラシチェンコ総裁が、中銀の独立性抑制や財政の透明性確保を目指した中銀法改正案に反対 するなど、中銀の既得権益確保を優先する立場から抵抗、改革が遅れていた。このため、大統領は今月中旬、ゲラシチェンコ氏を電撃的に解任し、後任にイグナチェフ第一財務次官を起用した。大統領と同郷のサンクトペテルブルク出身でクドリン財務相に近いイグナチェフ氏起用で、中銀改革や銀行再編を一気に押し進める構えだ。一方、市場経済の基礎となる土地改革では、農地の自由売買に道を開く農地取引法案をまとめ、近く下院で審議が始まる。

http://www.asahi-net.or.jp/~DU7K-MCZK/japan/200107-200204.htm


ロシアの外貨準備高:過去最高の1647億ドル―ドル買い介入受け ( ブルームバーグ )
2005年11月10日(木)17時35分

11月10日(ブルームバーグ):ロシア中央銀行は10日、今月4日までの1週間で、同国の金と外貨準備高が4億ドル(約470億円)増加し、過去最高の1647億ドルになったと発表した。同中銀がルーブル高を抑えるために外貨を購入したことが影響した。

ブルームバーグがエコノミスト7人を対象に11月2日行った調査の中央値では、同国の金と外貨準備高は年末までに約1800億ドルに増加すると見込まれている。



金と外貨準備高、過去最高 ロシア(2005/11/5)
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200511050008a.nwc




別々にアップしようかと思ったけど面倒なので一緒に。

カナダ石油大手・ペトロカザフスタン社は10月18日に臨時株主総会を開き、中国国内最大手の中国石油天然気集団公司(以下、中国石油)による買収の決議案を圧倒的な賛成多数で可決した。ペトロカザフスタン社のバーナード・イソーティア総裁は、「今回の買収総額は41億8千万ドル。1株を55ドルで買い取られ、株主総会で99.04%の賛成票を得られた。株主の支持に感謝する」と述べた。ここに割って入ったのが、ロシアの巨人ルクオイルである。ルクオイルはペトロカザフスタンと共同出資で石油会社を設立していることから、ペトロカザフスタンが所有する合弁会社の50%の株について、優先取得権を主張した。



中国石油とペトロカザフスタンの両社は、結局、カザフの石油資源の資産権をめぐって裁判を起こした。10月26日、カナダのカルガリー地方裁判所は、中国石油によるペトロカザフスタン社の買収案を認可(承認)した。上述のようにルクオイルは、中国石油によるペトロカザフスタン買収に異議申し立てを行なっていたが、裁判所の判決が出る前日の25日になって突然、中国石油と同額でペトロカザフスタンを買収すると宣言した。しかし裁判所の決定を受けてのルクオイルは、法的措置を取るような表立った動きは見せていない。これにより、中国石油がペトロカザフスタンの買収に関する全ての法的手続きを完了したことになる。買収総額は41億8千万ドルで、中国企業による海外企業買収としては過去最大規模になる。

ルクオイルがペトロカザフスタンと共同出資で設立した会社はツルガイ・ペトロリアムと言い、同社はペトロカザフスタンの石油産出量の3分の1にあたる日量15万バレルを生産している。ルクオイルは、ツルガイの全株式を「妥当な」額で譲渡するようペトロカザフスタンに求めていたが、これを拒否されたことによって、ルクオイルは引き続きペトロカザフスタンが保有するツルガイ株の買収を目指すと発表した。

ルクオイルは10月、ペトロカザフスタンと同様にカザフスタンで操業するカナダの石油企業ネルソン・リソーシズを買収すると発表し、すでに基本合意していることも明らかにしている。ツルガイ株の取得も達成されれば、ルクオイルによるカザフスタンでの事業展開もだいぶ大規模なものになる。カザフスタンは旧ソ連諸国ではロシアに次ぐ石油生産国だが、政府は2015年までに生産量を現在の3倍に拡大する方針を打ち出している。

ネルソン・リソーシズ買収についてルクオイルのアンドレイ・クジャエフ社長は、「我々はネルソン・リソーシズ社の幹部や株主との交渉結果に満足しており、今回の取引は全当事者にとっても戦略的重要性を持つと確信している。そして、この取引が成功裏に完了するためにカザフスタン政府とも協力することを計画している」と述べた。


ルクオイルによるネルソン・リソーシズ買収の資金20億ドルを融資したのは、シティグループである。この資金は短期融資だったため、期間3年の融資に組み替える。この期間3年の融資には、シティグループ、ABNアムロ、BNPパリバ、そして日本から三井住友銀行が参加する。

ネルソン・リソーシズは、カナダで上場してはいるが、会社の登記はバミューダにあり、実質“英国企業”である。ネルソン・リソーシズのCEOを務めるニック・ザナはシェブロン・テキサコの出身である。ニック・ザナ会長などの取締役が9月にルクオイルによる買収額を上回る金額で持ち株を売却していたことが明らかになったりもした。



【大紀元日本11月1日】ロシアと中国がカザフの石油資産権を争う
http://www.epochtimes.jp/jp/2005/11/html/d73663.html



※ カザフスタンと言えば最近では、欧州宇宙機関の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が打ち上げられたバイコヌール宇宙基地があったりする。この基地は、今年50周年を迎えたばかりであり、基地開設50周年の記念式典に出席したプーチン大統領とナザルバエフ大統領は、ロシアの基地借用期限を2050年まで延長することを確認する共同声明を発表している。



初の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」を打ち上げ


金星探査機「ビーナスエクスプレス」の軌道上想像図







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最終更新日  2005年11月10日 23時15分08秒
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