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2007.07.17
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カテゴリ: フランス映画
ESCALIER C

102min

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以前に見たことがあると思っていましたが勘違いで、少なくともほとんど見覚えがありませんでした。思い違いをしていた方の映画は最後に主人公が自殺してしまう暗い後味の悪い作品だったのですが、何故か気になるところがあって、安い中古ビデオがあったので相当以前に買ってありました。それを今回思い立って見たのですが「あれっ?!、これがあれかな?」と見進めていくうちに「違うのかな?」とも感じ始め、「でもそうなのかな?、違う感じだけれどやっぱり最後に主人公は自殺しちゃうのかな?」といった具合で、なんか妙な鑑賞の仕方をしてしまいました。こういうある期待、予想をもって見進めると、それぞれの場面を予想するラストに絡めて解釈しようとする結果となり、あまり良いことではないですね。

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物語は ESCALIER C 「C階段」というパリ左岸14区のアパルトマンが舞台。そこに住む様々な人々の日常が、若い美術評論家フォステル・ラフォンの物語を中心に据えて描かれる。現代のフランスに(といってももう20年以上前の映画だけれど)こういう長家的雰囲気の人間関係を持つアパルトマンが存在するのかどうかは知らないが、主人公のラフォン、別々の部屋に住んでいるが喧嘩の絶えないカップルのヴィルジルとベアトリス、まともに仕事についたことのない芸術ディレッタントでラフォンの友人のブリュノ、プレタポルテのデザイン画を描く仕事の同性愛者クロード、毎晩遅く仕事の後ヘベレケに酔って帰ってくる老印刷工ジョス、夫と子供を亡くし独り寂しく暮らすユダヤ系の老ベルナルド夫人、そして映画の最初の方で新しく越してきたシャルロット(彼女はアニタという小学生の娘と一緒だが、ブリュノとカップルになる)、そんな住人たちは1人孤独に籠る老ベルナルド夫人とは少し距離があるが、いっしょに食事をしたり、助け合い、等々の生活をしている。例えばクロードが愛人に暴行されて捨てられれば、ラフォンやベアトリスが介抱する。

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若い美術評論家フォステル・ラフォンの父は高位の外交官で、息子フォステルに経済的援助をしている。フォステルは芸術的鑑識眼もあり、質の高い美術批評を書くが、シニカルでスノッブ。そのことは彼がルノワールを平凡だからと嫌い、ヒエロニムス・ボッシュを評価しているという設定でも表現されている。ある日メッシンジェル画廊の何かの展示の初日のパーティーに来たフォステルだが、画廊主の平凡なスピーチに大笑いするなど、相変わらずの傍若無人ぶりを発揮する。そんな彼に手を焼くのは画廊の広報担当の若く美しいフロランス。執拗に彼女に迫って虐めるフォステルだが、フロランスも簡単には負けていない。

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そんな中、世にまだ知られていない天才画架コンラッドの名画を美術誌編集長と一緒に目にしたフォステルは、自分が雑誌に紹介・批評記事を書き、コンラッド展を企画することを計画する。使用する画廊はメッシンジェル画廊。フォステルとフロランスの、仕事を介してのプライベートな関係が始まる。それまでは一時的遊びの関係だけで女性を愛するなどしなかったフォステルだが、フロランスとの出会いで彼は変わり始めていた。

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(以下ネタバレ)
コンラッドに会いに行った編集長は門前払いを喰らわせられるが、フォステルが会いに行くと、「君のボッシュ論は3度も読み返させてもらった」と言ってフォステルを家に招き入れる。コンラッドはフォステルの才能を評価していたと同時に、ルノワールが平凡だと言い、シニカルで人間を素直に信じたり愛したりできないフォステルをも見抜いていた。

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色々な出来事でフォステルは変わっていた。コンラッドはフ彼が成長して素直になったと感じ、美術館に連れて行き、ルノワールの『じょうろを持つ少女』の前に立たせる。彼はルノワールの絵に見入り、涙を流さんばかりだ。コンラッドはそっとフォステルを残して去る。フロランスは既にフォステルと結ばれていたが、フォステルに連絡が取れないのでC階段を訪ねた。フォステルがイスラエルにベルナルド夫人の遺灰を埋葬に行って不在だとクロードが教える。イスラエルに持ってきたベルナルド夫人の遺灰を大地にバラ撒き、フォステルは人としての新たな人生に踏み出すのだった。

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決して深い作品ではないし、筋立てにわざとらしさがないではありませんが、それぞれの登場人物の人生が描けているし、人生とは他人と関わることで人として生きることだということを描いた佳作だと思いました。フロランスを演じたカトリーヌ・ルプランスが素敵だった。

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Last updated  2007.07.25 00:04:30
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