ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

sとshと早口言葉

発音を間違えるとヤバい のがこの音である。
たとえば「座る」なら「sit」であるが、この発音を間違えて「shit」にしてしまうと…。ま、辞書で引いてみて下さい。ときに、なにか上手く行かないことでもあったのか「Shit!!」とか叫んでいるアンちゃんがいるかもしれない。日本語でも同じですね、そういうときに「ク○!」と言うってのは。
最近はあまりそうでもないが、ひところ、若い人たちがやたらと町中で集団で座り込んでいる光景があった(いったいあれはナンだったのでしょうか)。
"what are they doing?"
"They are just シッティング"
"Oh?!"
ただ座っているだけですよ、と言いたかったんだけどね。違う意味になってしまうよ。


あるいは、きょうの装いはシック(cick=しゃれた、あか抜けた)ですね、というつもりでも、発音を間違うとsickと聞こえ
「きょうの装いはビョーキですね」
になってしまう。

shの音は、日本語のサシスセソの「シ」の音に近い。 歯の間の左右から音が出る感じだ。sheなら、そのままカタカナと同じ「シー」という発音でいい。しばしば、「英語らしく発音しなければ」と思いすぎるのか素直に「シー」と言えず、「スィー」と発音してしまう人がいるが、これだとsee(見る)あるいはsea(海)の発音になってしまうのだ。
後ろにア系の母音がくれば「シャ」となるし、ウ系の母音なら「シュ」である。つまり、「シャ シ シュ シェ ショ」の発音と思えばいい(ここでは母音を単純化=日本語風にしてある)。

対して、 sの音は、サシスセソの「ス」の音がベースになる と思えばよい。歯の真ん中から出る感じの音。50音風に表せば「サ スィ ス セ ソ」 である。サ&スセソはいいとして、スィはつまり、スを出す口の形のままで「シ」を発音するという感じ。分かりにくければ最初は「ス」「イ」ーと言ってしまっていい。それをできるだけ早くいっぺんに言うのである。

ネイティブたちにとってもこれらはそれなりにこんがらがることもあるらしく、非常に有名な「早口言葉」がある。
She sells sea shells by the sea shore.
(彼女は海岸で貝殻を売る)
むりやりカタカナで書けば 
シー セウズ スィーシェウズ バイ ザ スィーショア
となるか。

こんなのもある。
I SLIT A SHEET
A SHEET I SLIT.
UPON THE SLITTED SHEET,
I SIT!

(私はシートを細長く切る。
シートを私は細長く切る。
細長く切ったシートの上に、
私は座る!)

この早口言葉の前には(But be reee-ally careful with the one below):
「でも下のヤツにはとーっても気をつけて」と書いてある。もちろん、最後の部分が前のsheetに釣られてI shit! とならないようにね、ってことである(^_^;)。


ところで、早口言葉は発音の練習には実によい。慣れてしまえば日本語の早口言葉よりはるかに楽だと思う。私は自分の授業のウォームアップによく使うが、そんなに速く言えなくてもよい(ところで今気づいたが、早口言葉は本当は速口言葉と書くべきものだよねえ…でも辞書的にも「早口」言葉となっている)。ゆっくりでもつっかえずにスムーズに言えるようになると、かなり発音の改善になるだろう。


早口言葉は英語ではtongue twisterという。tongueは「タン」と発音して、「舌」のことだ。焼き鳥や焼き肉の「タン塩」は英語なんですよ!ついでにいえば「ハツ」もheart=心臓で、英語なのだ。twistは「ひねる、ねじる」という意味で、つまりtongue twisterは「舌をひねるもの」。


それはともかく、tongue twisterでインターネット検索してみるとたくさんのサイトがヒットするが、お勧めなのはここ。
1st International Collection of Tongue Twisters

英語だけではなく、世界中の早口言葉が集められている。フランス語やドイツ語などのメジャーなものばかりではなく、アゼルバイジャン語、キクユ語、ズールー語など、言語名自体聞いたこともないようなものもたくさん。その数、105言語!

日本語のものも紹介されている。31例あるうちのひとつ。
Tokyo tokkyo kyoka-kyoku kyou kyuukyo kyoka kyakka.
東京特許許可局、きょう、急遽、許可却下

こんな後半は知らんかったな。前半だけで十分難しいのに。いやほんと、英語の方がはるかに簡単です。このサイトではおまけにこのおおざっぱな英語訳まであるのが愉快。
東京特許許可局~は
The Tokyo patent office hurriedly rejected the permission today.
である。

Raw wheat, raw rice, and raw eggは?

はい、、もちろん、「生麦生米生卵」ですね。


The reason I have leaned this bamboo aginst this bamboo fence is that I just wanted to lean a bamboo aginst it!

「この竹をこの竹藪に立てかけたのは、竹を立てかけたかったから立てかけたのです」


A Japanese plum is a kind of peach, a peach is also a peach, both Japanese plum and peach are kinds of peaches

「すももも桃、桃も桃、すももも桃も桃のうち」


The gasoline of the bus exploded.

「バスガス爆発」

たしかこの前か後に「ブス バスガイド」とかつくバージョンもあり、昔それを言おうとして
「ブス ガス爆発」と言ってしまい、5分ぐらい笑いがとまらなくなってしまったことがあったっけ…って、余談すぎ!!

ニュージーランドの原住民マオリのもひとつ紹介されている。

Taumatawhakatangihangakoauauotamateaturipukakapikimaungahoronukupokaiwhenuakitanatahu



………。よ、よめません……。



以前に紹介した、
English Pronunciation/Listening

にもtongue twistersはあり、shockwaveがあれば音も聞ける。パソコンにマイクがついていれば、自分の発音を録音して比べてみることもできるようだ。

さて、以下に、私が授業などでもよく取り上げる、比較的なじみやすいtongue twistersをもういくつかご紹介しておこう。

Two tiny tigers take two taxis to town. (2頭の小さなトラが2台のタクシーで街へ行く)
He threw three free throws. (彼は3つのフリースローを投げた)
If a noisy noise annoys an onion, an annoying noisy noise annoys an onion more!
(もしうるさい騒音がタマネギを悩ませるとしたら、カンに障るうるさい騒音はもっとタマネギを悩ませる)
A big black bug bit a big black bear and made the big black bear bleed blood.
(大きな黒い虫が大きな黒いクマを刺して、大きな黒いクマに血を流させた)
Shy shelly says she shall sew sheets. (恥ずかしがりやのシェリーはシーツを縫うだろうと言う)
Ted fed Fred bread,and Fred fed Ted bread. (テッドはフレッドにパンを食べさせ、フレッドはテッドにパンを食べさせた)


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