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2006.11.30
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クロヒラタアブの産卵 を撮影した2日後、芙蓉の黄葉した葉の真ん中にヒラタアブの幼虫が居るのを見付けた。12mm位あり、ヒラタアブとしては大型である。


クロヒラタアブの幼虫
芙蓉の葉の上でじっとしているクロヒラタアブの幼虫(2006/11/06)



 充分大きいし、全く動かないので、もう直ぐ蛹になるものと判断し、葉を切り取ってシャーレの中に入れてしまった。どんなヒラタアブが出てくるか知りたかったからである。

クロヒラタアブの終齢幼虫(上から)
クロヒラタアブの終齢幼虫.上から(2006/11/06)



 背中が随分凸凹している。調べてみると、先日芙蓉で産卵していたクロヒラタアブの幼虫らしい。

 夜になってシャーレを見てみると、幼虫が葉の上にいない。よく見てみると、盛んにシャーレの中を歩き回っている。

 今までジッとしていた場所には、大きな水気を含んだ黒い固まりがある。幼虫のウンコである(写真なし)。

クロヒラタアブの終齢幼虫(横から)
クロヒラタアブの終齢幼虫.横から(2006/11/06)



 完全変態する昆虫は、蛹になる前に消化管内にあるものを総て排泄してから蛹になる。蛹の中では細胞の再構成が行われ、殆どドロドロの状態になると言うから、消化管内の異物があると非常にマズイのであろう(消化管内は生物学的には体外)。



 次の日の朝、シャーレを見てみると、幼虫が居ない。シャーレの蓋を開け、2枚ある芙蓉の葉の1枚をはぐってみたら、その下で蛹になっていた。幼虫と較べると随分縮んで短くなっている(今回の写真は最初の1枚を除いて、ほぼ等倍になるよう調節してある)。

クロヒラタアブの囲蛹(上から)
クロヒラタアブの囲蛹(上から)(2006/11/07)



 ハエやアブは蝶や蛾等とは異なり、蛹になるときに脱皮しない。終齢幼虫の表皮がそのまま固まって、囲蛹というものを作る。ハエの黒い繭の様な形をした「蛹」を見たことのある人は多いだろう。あれが囲蛹である。あの中で、幼虫は蛹になる。

 ヒラタアブの場合は、水滴の様な、片側が丸く反対側が細く窄まった囲蛹を作る。黒っぽいものが多いと思うが、このヒラタアブのは御覧のように褐色で中央に黒い楯筋があり、また、横帯がある。

クロヒラタアブの囲蛹(横から)
クロヒラタアブの囲蛹(横から)(2006/11/07)



 横から撮った写真には、少し濡れた部分が見られる。蛹化するときに水気を排出するのだろうか?



 一週間後、予想通りクロヒラタアブが羽化して来た。寄生蜂やヤドリバエが出てこなくてホッとした。夜なので、ホウネンタワラチビアメバチの時と同じ理由で、シャーレから出さずにそのままにしておいた。



 次の日の朝、シャーレから出せば明るい窓の方に行くと思って蓋を開けたが、チビアメバチの場合と異なり、窓の方へは行かない。天井付近をあちこち飛び回って、中々止まらない。ようやく止まったと思うと、エアコンや換気扇の縁だったりする。どうも昆虫の撮影場所としては余り相応しくない所がお好きな様で・・・。

羽化したクロヒラタアブ1
カーテンにとまるクロヒラタアブ(2006/11/16)



 かなり苦労して、どうにかカーテンに止まって貰った。しかし、どういう訳か羽を閉じたまま止まるので、写真にならない。辛うじて、1枚の羽を広げたところを撮ることが出来ただけである。クロヒラタアブの奴、全く苦労をかける。

羽化したクロヒラタアブ2
カーテンにとまるクロヒラタアブ(2006/11/16)



 撮影を終わって、クロヒラタアブを表に出してやった。庭の低いところにある葉っぱの上にでも止まったら、背景の綺麗な写真が撮れると思ったのだが、真っ直ぐハナモモの高いところへ行き、そのまま行方知れずになってしまった。



 蝶の場合とは違って、あっけない別れであった。



PS:今回から掲載場所を「園芸:虫!」から「アウトドア・釣り:日々自然観察」に変更した。今後共宜敷御願仕候。







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最終更新日  2008.11.20 16:28:15
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