A-World2

A-World2

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

a-chan8684

a-chan8684

カレンダー

コメント新着

a-chan8684 @ 可哀そうなカップル やすじ2004さん、おはようございます。 本…
やすじ2004 @ Re:ロミオとジュリエット(11/16) こんばんは ロミオとジュリエットの物語…
a-chan8684 @ 不具合が直って良かったです やすじ2004さん、こんばんは。 確か、7日…
やすじ2004 @ Re:楽天ブログの不具合が直りました(11/10) こんばんは 楽天ブログの不具合が解消さ…
a-chan8684 @ 睡眠導入動画でリラックス やすじ2004さん、こんばんは。 朗読動画は…

フリーページ

2025.11.18
XML
横溝・乱歩作品の感想を書かせて頂きます。
今回も横溝正史の金田一耕助物8編と、それ以外の作品1編の感想を書きたいと思います。

悪名高き麻薬密売王(故人)の愛人・スペードの女王。そのスペードの女王が水着姿で海に浮かんだ首無し死体で発見されます。彼女の名前の由来は、太股の際どい部分にトランプのスペードのクイーンの入れ墨が彫られている事からですが、彼女の他にも太股に同じ入れ墨を施された女性がいる事が判明。果たして、殺害されたのはどちらなのでしょうか!?
この事件は2人の男女の歪んだ正義感が引き金になっています。当初2人は麻薬密売組織の悪事に対する正義の怒りからスペードの女王に近づいて行きましたが、スペードの女王が女性の方を自分の替え玉にする為に自分と同じ入れ墨を彼女の太股に彫らせました。
それを逆手に取って、2人はスペードの女王を殺害。首無し死体にした上で、女性の方がスペードの女王に成り替わろうとしますが、男性の方はスペードの女王の宝石に目が眩み、仲間である女性まで殺害します。その後の彼は悪事の限りを尽くし、スペードの女王のもう1人の情夫の殺害だけで無く、入れ墨を彫らせた彫り物師や殺害した共犯女性の妹まで口封じに手に掛けました(妹さん、可哀そう。変な姉さんを持ったばかりに・・・・・・。金田一さんも肝心なところで留守にすなよ!!)。
犯人の男性は金田一さんにまで手を出そうとしたので、その場で警察に射殺されましたが、ここまで来ると2人の男女は本当に正義感から動いていたのか疑わしくなります。単なる悪事の口実だったのではないでしょうか?最後に、彫り物師の人が本物と偽物の入れ墨の区別をさりげなく付けてくれていたのがナイスでした。

高級住宅街の路上に止められた一台の車。そのトランクの中から女性の刺殺体が発見され、そこにはトランプのハートのクイーンが残されていた。それからしばらくして、同じく路上駐車した車の中から今度は高校生(小学生から見てオッサンに見えるらしい:笑)の刺殺体が発見され、そこにはハートのジャックが残されていた。
被害者は中国人実業家の若妻で、1年前に殺害された流行歌手と関係を持っていました。その流行歌手はゲス野郎で、関係を持った女性のエッチな場面やその本人の証しである唇紋(唇の型)を記録した「百唇譜」なる物で女性を恐喝していました。彼の死後は、彼の弟子だった被害者の高校生が百唇譜で女性を恐喝していたようです。とんでもない不良です。
犯人は、被害者女性の夫の会社の社員と清純派女優。流行歌手の存命時から恐喝されていた被害者女性は、それが原因で清純派女優から金をたかっていた為に殺害されたようです。不良高校生も2人で殺害しました。何か弱みを握られていたのでしょうか。
私はてっきり、被害者女性の旦那さんが犯人と思いました。だって行動が如何にも怪しげなんですもん(笑)。金田一さんに協力してくれた、被害者女性宅のお手伝いの少女が可愛かったです。

トランク詰めのストリッパー女優に続いて、塩酸まみれで面相の付かなくなった男性の死体(もー!こんなのばっか!!)。おまけに、またエッチな行為が元による恐喝が絡んできます(汗)。
事の次第は戦時中、このストリップ劇団の面子が工場で働いていた頃に遡ります。とにかく「性」を求める人々で、空襲警報で周囲が混乱している合間を縫っては淫らな行為を楽しんでいました(どうせ死ぬなら好きな事をやって・・・・・・という感覚ですね:汗)。その行為が高じて、女優の中の1人が死んでしまいます。巷では空襲に巻き込まれて死んだ事になりましたが、それ以前に彼女の恋人が彼女が受けてきた仕打ちの詳細が述べられた手紙を受け取っていたので、劇団の面子に復讐する為に近付いてきました。
恐ろしいのは、この女優の死の件で劇団の面子に恐喝されていたストリッパー女優の犯行。死亡した女優の恋人を殺害して容疑者に仕立て上げ、自分も被害者の1人と思わせて恐喝していた劇団員を次々と殺害していきました(一番怖いのが塩酸による殺人!!)。こんな連中の淫行に付き合わされて死亡した女優さんとその恋人の男性が気の毒です。

この中で唯一、金田一さんが登場しない作品。主人公の小説家の男性が、妻と喧嘩して家を飛び出した後に妻が何者かに殺害されます。小説家は容疑者になってしまいますが、妻が殺害された頃には小説家は街中にいて事件には関わっていませんでした。その事を証明する為に、小説家は友人と共に街中で出会った3人の女性達を探します。
3人の女性達も事件を知って、小説家宅へ彼は犯人ではないという手紙を送るのですが、これを受け取ったのは小説家に反感を持っている同居人の雑誌編集者。困った事に、こ奴はその手紙を警察に渡さず、小説家の疑いを深める行為に出ます。そうしているうちに手紙を真犯人に奪われ、同居人も被害者の1人になってしまうのですけど。
気の毒なのは3人の女性達。例の手紙が犯人の手に渡った為、彼女達のうちの2人が犠牲になってしまいます(その内の1人には病気の子供がいます)。でも、この事件を担当している警部補さんが出来た人で、小説家を犯人と決めつけず別の面からも捜査して真相に突き当たっていきます。この辺が、ワクワクして面白いんですよね(ひょっとして、この人が探偵役かしら)。
犯人は意外にも、小説家の恩師である大学教授。小説家がかつての恋人で今は親友の妻になっている女性に宛てた手紙を大学教授の妻が取り次いでいて、事情を知らずにその手紙を読んだ大学教授が小説家が自分の妻に宛てた手紙と思い込み、怒り狂います。
偶然、小説家が妻と喧嘩中なのを知ったので、彼の妻を殺害して彼を殺人者に仕立て上げる事を思い付いて決行し、更に邪魔になる者達を次々に・・・・・・。何てこったい、オリーブ!!
こんな事に巻き込まれて命を落とした人達は浮かばれませんよ!犠牲になった女性の子供さんが気になりますが、せめて関係者の誰かが面倒を見て病気を治してあげて欲しいです。

ボート部に所属する大学生と彼が娘の家庭教師をしている家の役所課長の妻が、ボート上で心中死体で発見されます。妙な事に、2人共ノコギリで首を半ばまで切られていたり、大学生は刺殺された後で首を絞められ、課長の妻は絞殺された後でナイフで刺されています。
真相は痛ましいもので、婚約者がいる身で課長の妻と不倫関係になっていた大学生(とんでもない奴ですね)は彼女と関係を打ち切ろうとするものの、彼女が同意しなかったので首を絞めて殺害してしまいました。それを偶然見てしまった大学生の婚約者(ボート部のマネージャー)をも殺そうとした為、彼女は側にあったナイフで大学生を刺殺します。当然これは正当防衛なのですが、こんな事で殺人者になってしまうなんて・・・・・・!!
2人の死体が妙な事になっていたのは、この事を知ったボート部員が大学生の婚約者を庇う為に死体に小細工を施したのでした。全てはボート部の名誉を守る為。ボート部員の友情は、これから前途多難と思われる大学生の婚約者を支え続けてくれる事でしょう。お母さんがあんな事になった課長の娘さんも気になりますけど。
(余談ですが、合宿の食堂で金田一さん達が振る舞われたライスカレーが美味しそうでした♪)

湖泥
金田一物らしく田舎が舞台の話。ここでも、村社会特有の勢力争いや排他的な特徴が見られます。人間関係もドロドロの泥。大陸からの引き揚げ一家(村から見れば余所者一家)の村一番の美人の娘と添い遂げようと争う2つの良家の息子達。そのうちの1人は、その娘と婚約が決まりながら村長の後妻と不倫している有様。後妻の方は自分は不倫相手でしかないという事で良家の息子の婚約者を妬み、もう1人の良家の息子に「彼女を無断で自分の物にしてしまえ」と、けしかける始末。そうしているうちに、良家の息子の婚約者と村長の後妻が殺害されてしまいます。
これは大陸からの引き揚げ一家を妬んだ、もう1人の大陸からの引き揚げ者の仕業。同じ余所者の身でありながら、何であいつらは優遇されて自分は冷遇されるのか!?という半ば僻み根性から来る感情で、一家の娘や村長の後妻を殺害し、2つの良家にスキャンダルを巻き起こそうとしました。被害者の娘は片目が義眼で、それを所持している者が犯人と決定付ける証拠となりました。(「貸しボート十三号」収録)

社会の授業の為に街の交通量を調べに来た女子中学生が、トラックの荷台から人間大の木箱が落ちるのを発見します。中に入っていた石膏像には、若い女性の死体が塗り込められていました!!
大変ショッキングな物を目撃してしまいましたが、この中学生の少女、後々事件に協力して金田一さんからプレゼントを貰うのかと思いきや、ここまでの登場でした。確かに、年端も行かない少女が関わるような内容の事件ではありませんです(汗)。
とにかく、犯人の男女が人を殺し捲りです。保険金を掛けた女性を殺す!動機のカモフラージュに関係無い女性を殺す!秘密を知った女性を殺す!彫刻家の男性を殺して容疑者に仕立て上げる!!
金目的というよりも殺人自体を楽しんでいるかのような凶悪なカップルに、金田一さんも珍しく感情的になって嫌悪を露わにしていました。私も気が滅入りました(汗)。(「貸しボート十三号」収録)

本当に女性が可哀そうというか気の毒な事件です。とにかく、犯人の男が非道です。弁護士である叔父の妻(義理の叔母)と不倫しているのを弁護士夫婦の娘である女子高生の従妹に知られ、殺害を計画します。
その呼び出しに書いた手紙を全く面識の無い女性が拾ってしまい、偶然にも従妹と似たような名前だった為に、名前を呼ぶ声に反応したところをハット・ピンで刺し殺されてしまいます。それを見てしまった従妹は、今度は自分が殺されると思い逃げるところを自動車で轢き殺されてしまいます。本当に痛ましい、巻き込まれた女性も女子高生も気の毒な事件でした。
でも、この事件では金田一さんは結構な額の報酬を受け取る事ができました。当分、金欠病から救われるのが良かったですね。

金田一さんが珍しくリゾートな海水浴場に来ています。そこのホテルの泊り客の教授さんにミスコンの審査員になって欲しいと誘われます。金田一さん、柄にも無くミスコンの審査員を引き受けますが・・・・・・。
ここでも犯人の男がえげつないです。叔父の財産狙いで邪魔になる者を次々に殺害していき、叔父と結婚する予定の子爵婦人(夫は故人)の娘まで殺してしまいます。以前には、叔父のかつての結婚相手も自動車で轢き殺しています。
事件に巻き込まれて亡くなった教授の娘さんとお孫さん、娘を亡くした子爵婦人、彼氏の正体を知った犯人の恋人など、気の毒な人が多くて後味の悪い事件です。(「​扉の影の女」収録)

今回は、ここまで。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025.11.21 23:24:17
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: