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2025.11.21
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横溝・乱歩作品の感想を書かせて頂きます。
今回も横溝正史。金田一耕助物9編と、それ以外の作品1編の感想を書きたいと思います。

死仮面
結婚離婚を繰り返し3人も夫を取り換えてきた女性。その女性を母とする3人の異父姉妹。その中の行方不明になっている三女のデスマスクが届けられ、三女と思しい女性の影に慄きながら、心臓に持病のある長女はショック死してしまいます。
この物語は異父姉妹よりも長女の娘である女子高生を中心に見て行くと面白いです。彼女は長女が理事長を務めている学園の生徒で、理事長の娘と知らずに育ちました。そんな彼女に長女は莫大な財産を相続させようとします。その後から、女子高生の周辺で陰惨な事件が起きていきます。
理事長である長女の秘書をしている次女は、恋人である学園教師との仲を反対した上に奔放無比で素行が悪いという事で三女を折檻死させた長女に復讐する為、恋人と組んで長女を死に追いやります(三女のデスマスクは彼女の死の間際、乾き切らないコンクリートの床に倒れてできた物)。でも、罪の無い長女の娘の女子高生まで手に掛けようとしたので、結局は長女の財産が目当てだったようですね(野望を阻止した金田一さんの得意気な様子が・・・・・・:笑)。
内容は陰惨ですが、学園内の風景や寮生活の様子、女子高生の友人達がたくさんでてきて、学園物を思わせる健康的な場面もありました。独りぼっちになってしまった女子高生ですが、どうか幸せになって欲しいです。

幽霊座
歌舞伎座が舞台。歌舞伎役者の富と名声を手に入れようとする稀代の悪女が登場します。彼女は看護師時代に患者だった若き人気歌舞伎役者をたらし込み、彼との間の子を産んでしまいます。先代である彼の父は悪徳看護師に金を払って追っ払い、生まれた子を人気歌舞伎役者の「弟」として引き取りますが、ここから悲惨な事件が始まります。
弟として育てられた人気歌舞伎役者の息子は、母である悪徳看護師から自分の素性など色々吹き込まれて歪んだ性格に育ち、子供時代には甥(正確には異母弟で次男)を事故に見せ掛けて殺し、その現場を見た付き人を崖から突き落とし、成人してからは母と協力してもう1人の甥(異母弟で三男)を殺そうとしますが、打ち合わせが上手く行かなかったのか、看護師の母が仕込んだ毒入りチョコレートを三男だけで無く自分まで食べてしまい、舞台で死んでしまいます(ちなみに三男は毒が少なく無事)。
最終的に金田一さんに真相を暴かれた悪徳看護師は自害しますが、歌舞伎役者に限らず富や名声のある人達は気を付けなければいけませんね。

アパート内の部屋で発見された部屋の住人であるストリッパー女性の生首!!浴室で切断作業が行われた形跡があるのに、肝心の胴体が見つからない。一体どこに隠されたのかが問題になります。
実はこれは、パトロンの財産を狙ったストリッパー女性の犯行でした。彼女はパトロンを殺害した後、彼の通帳と印鑑で多額の現金を引き出し、自分自身も被害者に見せ掛ける為に何の関係も無い双子の妹を他の場所で殺害し、生首と切断道具だけを自宅であるアパートの部屋に持ち帰り、そこが犯行現場であるかのような工作をしました(妹の体には大きな蜘蛛のような傷跡がある為、体を隠す必要がありました)。
ここでも「​ 雌蛭 ​」同様、妹を殺して身代わりにする極悪女が出てきましたが、巻き込まれた惣菜屋さんが可哀そう。生首を発見するなんて、トラウマものですよ(汗)。でも、彼の証言で金田一さんが事件の真相に気付いたのですから良かったです。水上ボートに乗って川沿いのアパートの奥さん達に惣菜を売る商売というのは面白いですね。

きれいな花畑の中でオールヌードの美女が死体で発見されます。事件自体は惚れた女性の犯罪を隠す為に、犯人の女性の上司が彼女が殺害した女性の死体を工作するという単純なものですが、犯人のヌードモデルは他にもモデル達の憧れの的だった大学生の美男子を些細な事で殺害し、彼の服を着て男装してその場を逃走。ついでに邪魔な同僚モデルも殺害して大学生に罪を着せようとする知能犯な面を持っていました。真相を見抜いた金田一さん、また危ない目に遭います(汗)。

蝋美人
不倫の末に夫を殺害してしまった女優と不倫相手が、死体の復元術の権威である博士の協力を得て、女優は死んだものと思わせる為に身元不明の女性の白骨死体を女優そっくりの蝋人形に復元してもらいます。死体愛好家の男性にも協力してもらい、死体は女優のものと噓の証言をさせます。
金田一さんに真相を暴かれた女優と不倫相手は拳銃で自殺しますが、逢引の合図がオルゴールの音というのも、不倫相手の指先がオルゴールの中に入っていたというのも、由利鱗太郎先生が活躍する「​ 薔薇と鬱金香 ​」と共通しています。でも、あちらよりこちらの方が質が悪いですね。(「花園の悪魔」収録)

良家の家筋の美少年の腐乱死体と添い寝する男色家の死体愛好家!!(ギョエーーーーッッ!!)
この死体の美少年には両親がいますが、父親は祖父の実子では無く養子。実は、美少年は祖父と愛人の間にできた子で、祖父亡き後は彼が財産を相続する事になるので、当然義理の親達に殺人の疑いが掛かるのですが・・・・・・。
実はこの美少年、男色家の彫刻家とその妻の両方と関係を持っていました。妻が美少年の家の分家の者という事で、男色家は財産狙いの陰惨な計画を立てました。まず美少年を殺害して埋めた後、浮浪児の少年の死体を身代わりにします(美少年の体には訳ありで欠落した部分がありましたので)。
そして、美少年の義理の親達に殺人の疑いが掛かるように工作して刑務所送りにしようとしますが、金田一さんの活躍により阻止されます。しかし、金の為なら腐乱死体と添い寝する事さえ厭わないとは・・・・・・。恐ろしいです。(「花園の悪魔」収録)

16歳の年端も行かない少女の犯罪の物語。私も読み進めて行くうちに、まさかとは思ってましたが、本当にそうだったなんて・・・・・・。
この少女の父は銀座でバーを経営していて女性関係が多く、妻と別れてジャズシンガーの女性と結婚しようとしていました。その妻である少女の母も、少女にはあまり愛情を注いでいなかった感じ。そんな大人達の中で、父と再婚予定の女性ジャズシンガーだけが少女に優しくしてくれましたが、少女はそんな彼女まで手に掛けようとしました。
少女は手始めに事件発生を予感した女性ジャズシンガーのマネージャーの女性の持病の薬に毒を盛って殺し、自分の父親を刺し殺し(描写は無いけど母親にも毒を盛って殺害した可能性有り)、挙句の果てに彼女に優しくしてくれた女性ジャズシンガーにまで毒を盛ろうとしました。
金田一さんに見抜かれた少女は毒を飲んで自害しますが、金田一さんは彼女の目的を女性ジャズシンガーの財産狙いと判断し、彼女の事を同情の余地の無い鬼畜な少女と言います。そうだったかもしれませんが、ここまで人を信じられないお金に頼るしかない性格の子にしてしまったのは誰なのか、その辺も考えて欲しかったですね。

女怪
金田一さんが恋する女性が登場しますが、彼女は自分をなぶり者にする夫に危険を感じ殺害していました。耳の穴に極細のピンを差し込み脳溢血で死亡したように思わせる方法ですが(怖っ!!)、その秘密を知って彼女を脅す修験者も同じ方法で殺害しました。
でも、修験者の正体は彼女が恋する良家の男子!!彼は二重人格だったのです!!それを知った彼女は自害しますが、事件の謎を解いた金田一さんは切ないですね。(「悪魔の降誕祭」収録)

霧の山荘
信州・軽井沢で事件の依頼を受けた金田一さんですが、依頼人の女優がいる森の中の別荘に来てみると、女優は何者かに刺殺されていました。大慌てで警官達を連れて来ると、女優の死体は消えていました。
これは、狂言殺人で金田一さんを驚かせようと持ち掛けた女優の甥と姪の仕業。狂言と偽って女優を殺害した後、森の中に同じ別荘が2つあるのを利用して、金田一さん達が女優の死体の無い方の別荘へ行くように仕向けました。
結局、女優の財産狙いと思いますが、真相を暴かれた後の甥と姪の貶し合いは浅ましい限り。こんな連中に殺された女優さんも浮かばれないです。(「悪魔の降誕祭」収録)

呪いの塔
この中で唯一、金田一さんが登場しない作品。朽ち果てた娯楽施設「バベルの塔」に集まった探偵小説好きな7人のメンバー。そのメンバーで考え出した仮想犯罪劇の中で、殺される予定の人が本当に殺されます。警察が来て事件の再現をしていると、その最中でも殺人が起き、そうしている中で謎の怪人が現れ殺人は続きます。
横溝先生の初期の頃の作品で、どこと無く乱歩先生の作品の雰囲気に似ています。塔の中は閉鎖空間で立体迷路、通路は複雑で殺人を犯す者にとってこんなに好都合の場所はありません。おまけに、集まったメンバーは誰もが殺人の動機を持っているので、みんな怪しいのです。
結局、昔に犯した殺人の事を掘り返されるのを恐れた探偵小説家の妻が犯人でしたが、連鎖的に殺人を犯していくのが怖いです。犯人を追い駆ける警察の人達の、塔の中のドタバタ劇は楽しかったですけど(笑)。

今回は、ここまで。





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最終更新日  2025.11.23 09:37:41
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