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去年の秋からハードディスクにたまっていたフランスのサスペンス映画・・・しかも前後編の二本立て!撮ったはいいけど、どうすんのこれ・・・。と見て見ないふりをしていましたが、いつかは消費しなくちゃいけない。冷蔵庫にある賞味期限切れ真近の卵のように・・・。ゆで卵にするか、目玉焼きにするか、スクランブルエッグにするか・・・卵掛けご飯は、賞味期限ギリなのでちょっと勇気がいるといった感じ。
微妙な食べ物例えはともかく、フランスを震撼&熱狂させた伝説の泥棒ギャング、ジャック・メスリーヌの伝記(?)映画です。主演はヴァンサン・カッセル。他にもジェラール・ドパルデュー、マチュー・アマルリック、セシル・ド・フランス、そしてリュディヴィーヌ・サニエ嬢という結構豪華な役者陣なので、録画したのだな、きっと・・・。
2部作の前編にあたるこの映画はメスリーヌが除隊後、悪の道に入って刑務所に入ったり出たりするというあらすじになってます。結論から言うと、結構面白かった!いや「結構」はいらないかも。面白かったです!Part1観た後、間髪おかずにPart2観ようかと思ったけど時間がないのであきらめました(後日感想アップ予定)。それくらい面白かったのですね~。
クセモノを演じさせたらフランス一、最近ではハリウッドでも大活躍中のヴァンサン・カッセルのルックスがまたキャラに合う。美男ではないが独特の風貌、い わゆる役者顔って言うのでしょうか。ヴァンサン・カッセルのキレたら何するかわからない感が、怖いですね~。ヴァンサンのキャスティングで映画の8割は成 功したようなものかもしれません。
メスリーヌがどうして悪の道に入っちゃったのか?というところと、彼が優しそうな自分の父親のことが許せないってのも、説明不足な気がしたが、そもそもメインで観るフランス人はこの辺の事情を知っている人が多いだろうから、あえての省略なのかな?あと、実家住まいのヴァンサン・カッセルって結構面白い。40代なのに・・・と思ったけど、きっとメスリーヌ自身の年齢はヤングな設定だったのだろう。
金持ちの家に押し入ったり、銀行の小さな支店を襲ったりと、相棒と場数を踏んで行くメスリーヌ。途中、家庭を持ってカタギになったりもするが運命のイタズラか、そもそもカタギになるには才能がありすぎたのか、カタギの仕事をあっさり辞めてまた悪の道へ。
悪いお仕事のシーンよりも、妻の出産に今か今かと廊下をうろうろしたり、刑務所で小さな娘と対面して「パパ」と言われ涙したりと、わりと「メスリーヌって悪い奴だけど、こんなヒューマンなところもあるんです」な演出に重きを置かれている。裏社会の大御所、ジェラール・ドバルデューも怖いだけのおじいさんじゃない感じに描かれていたような気が。リアルなヤクザってこんな感じ?と微笑ましささえ感じます。
結局カタギを首になって、妻を振り払いまた悪いお仕事に行くシーンでも、ドパルデューと相棒は気まずいシーン中で、「俺・・・関係ないもんね・・・」と空気のように振る舞っていたのも人間臭くて面白かった。でも、こりゃあ奥さん出て行くだろうなあ・・・。しかし三人の幼い子供をギャングの夫の元に置いて出て行くのにビックリなのだった。
その後、やり手の娼婦ジャンヌ(セシル・ド・フランス)と出会いコンビで銀行強盗に明け暮れるメスリーヌ。セシル・ド・フランスは、いかにもビッチって感じじゃなくなんか清潔感があるな。富豪誘拐でドジを踏んだ二人はアメリカで拘束→カナダの刑務所行きに。
そしてPart1の白眉はカナダの刑務所脱獄につきます。厳しいってことで有名な刑務所らしいけど・・・月曜日は警備が手薄!なぜかというと、刑務官が週末飲み過ぎてるからと言う・・・全然厳しくないじゃん!!と思わずガクッとしてしまいますが。脱獄方法もものすごくアナログ!しかし、原始的な方法論ゆえに「お、おおお・・・」と思わず見入ってしまうものがあります。
そんでまたカッチョいいのが、ムショ内の仲間に「脱獄したら助けに行く」と言っておいて本当に助けに来ちゃうところ。有言実行な漢、メスリーヌとその相棒なのだった。もし自分が男でムショに入ってたら、「メスリーヌ抱いて!!」って言っちゃうかもってくらいカッコイイ。悪い奴だけど妙に義理堅いメスリーヌなのだった。
Part2の感想に続く。
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