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「これ以上、単純化できない複雑さ、その1」 2013年11月13日
インターネットのテレビ局CGNTV(Christian Global Network
Television)の番組「みことばに聞く」に当教会の牧師が出演しま
した。2013年5月28日放映「 父と子の交わり
」
「これ以上、単純化できない複雑さ、その1」
甲斐慎一郎
詩篇139篇13~18節
一、ネズミとりが教える「これ以上、単純化できない複雑さ」
について
「『単純化できない複雑さ』という言葉は、単純化できない複雑
なシステムをどうやって認識するかを問わねばならない。ある生物
システムが単純化できない複雑なものだということをいつ確信でき
るだろうか。
1.単純化できない複雑さを決定する第一段階について
単純化できない複雑さを決定する第一段階は、そのシステムの機
能とシステムのすべての構成要素の両方を特定することである。単
純化できない複雑なものは、いくつかの部分からなり、すべての部
分がその機能に寄与している。極度に複雑なもの(たとえば目、ゴ
ミムシ、その他の多細胞の生物システム)の場合に出会う問題を避
けるため、簡単な機械の例から始めよう。何の変哲もないネズミと
りである。
ネズミとりの機能は、ネズミを動けないようにして、小麦粉の袋
や電気コードをかじったり、自分の存在を知らしめるちょっとした
落し物を掃き掃除が行き届かない隅の方に残したり、という非友好
的な行動をネズミがとれないようにすることだ。わが家で使ってい
るネズミとりは、いくつもの部品からできている。
a.
土台となる平らな木製の台、
b.ネズミをはさむ仕事を実際に行う金属のハンマー、
c.罠を仕掛けたとき、台とハンマーに力がかかるようになってい
る、両端に枝の出たバネ、
d.わずかな圧力が加わっても、はずれる感度の高い引き金、
e.引き金につながっていて、罠を仕掛けたときにハンマーを押し
戻しておく金属棒(この他にもシステムを一つにまとめている
留め具がある)。
2.あるシステムが単純化できない複雑なものかどうかを決定す
る第二段階について
あるシステムが単純化できない複雑なものかどうかを決定する第
二段階は、すべての構成要素がその機能に必要かどうかを問うこと
である。この例で言うと、答えは明らかにィエスである。ある晩、
読書をしていると、食糧貯蔵室でパタパタという軽い足音がするの
を聞きつけ、小道具の入った引出しにネズミとりを取りに行く。不
幸にして不良品で、前に挙げた部品のどれかーつが欠けていたとす
る。その部品が欠けていても、まだネズミを仕留めることのできる
ものがあるとしたら、どれだろうか。木製の土台がなければ、他の
構成要素を取り付ける台がないことになる。ハンマーがなければ、
ネズミは木製の台の上に押さえつけられることなく、一晩中ダンス
ができるだろう。バネがなければ、ハンマーと台はゆるんだ音をた
てるだけで、やはりネズミは捕まらない。引き金か、金属の留め棒
がなかったら、使おうと思う間もなく、バネがバチっとハンマーを
閉めてしまう。罠を使うためには、罠を開いておいてネズミを捕ま
えなければならない。
(『ダーウィンのブラックボックス』68~70、72頁)。
一家に1枚ヒトゲノムマップ(A3判対応版)(PDF 4.0MB)
次回は11月20日(水)「これ以上、単純化できない複雑さ、その2」です。
甲斐慎一郎の著書 → 説教集