Leaving to Spokane


高校になって、進路を決めようという時期に、

”留学してみようかな?”

そんな安易な一言で、私に留学は決定した。

本当は、姉とは違う場所に行きたかったんだけど、
父親が、心配だからそれはダメと頑なで、
私の意見が通ることはなかったな。

高校を卒業して、約2週間後。
私は渡米した。

出発当日、
友達が見送りに来てくれるって言ってたけど、
両親は、姉の時に、見送るのがどれだけ辛くて、
人を構ってるような状況じゃなくなるってわかってたから、
友達の好意は丁重にお断りして、
両親と3人で関空に向かった。

車の中から関空が見えてきた頃、
後部座席に一緒に座ってた母親が、
何も言わずに、私の手をぎゅっと握ってきた。

泣きそうになった。
ついにアメリカに行くんだ・・・。そんな思いが私の頭をよぎった。

チェックインを済ませて、
3人でお茶を飲んで、
いよいよ、出国手続きをしないといけない時間に。

母親も、父親も、泣いていた。
私も泣きたかった。だけど、心配かけたくないし、
今泣いたら行きたくなくなっちゃう。
そう思って、一生懸命泣くのをこらえた。

飛行機に乗って、席に着いて、
友達が飛行機の中で読んでねって渡してくれた手紙を読み始めた。
抑えてたものが一気に溢れて、涙が止まらなくて、
一人でわーわー泣いた。
隣に座ってる人に変な目で見られても、
そんなの全然お構いなく、泣きじゃくった。

両親と、友達と、大好きな人達と離れるのが、
こんなに辛くて寂しいものなんだって、
人生で初めてわかった日だった。



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