コロガリ コロガル

コロガリ コロガル

PR

プロフィール

おうじょ

おうじょ

カレンダー

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月

コメント新着

おうじょ@ Re[1]:16歳(07/10) マイヒトさんへ 読んでくれてありがとう!…
マイヒト@ Re:16歳(07/10) ただ読んでいるだけのこっちまで笑顔にな…
おうじょ @ Re[1]:再会と告白(07/21) マイヒトさんへ 読んでくれてありがとう!…
マイヒト@ Re:再会と告白(07/21) 久しぶりに読んだけど、改めてすごい文章…
ようこ@ Re[1]:勝敗を越えて(05/05) mayumiちゃん コメントありがとう。ほんと…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2011年02月14日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
去年からはじめた「親学習」のファシリテーター。

ほとんど(子育てサークルや幼稚園保育園、小学生の保護者など)。
ただ、「親学習」というのは小学生から、中高生、妊婦さん、子育てを
終えた「子育て支援期」の方まで、幅広い層対象にテキストが作られていて、
それぞれの立場で、自分と周りの人との人間関係を考えることを目的としている。
ということで、今回は地元の府立高校から、高校生対象のワーク依頼があった。
家庭科の授業の中で「親学習」を行うのだという。
実は依頼が来たのは私の母校。

「受験」を意識した勉強に偏りがち。
そのことを危惧した家庭科の先生が、一年生を対象に、
自分のライフスタイルについて考えてもらったり、
地域の高齢者の方の話を聞いたり、子育て中の親子と触れ合う機会を持ったり、
とにかく「実社会」を知るための授業を、様々な工夫の上に行っている。
その授業の総まとめとして、私たちのやっている「親学習」を昨年から
取り入れているという。

公立高校の家庭科の授業を一コマまるきり私たちに任せてくれるという。
教師でもない私に、こんなチャンス滅多にないこと。
一年生8クラスを何人かいるファシリテーターで分担し、
各自自分が担当する授業については、今まで彼らが学んできたことを踏まえて


私は以前からどうしてもやってみたいワークがあった。
通称「卵のワーク」。
小学生~これから親になる子育て準備期の人向けのワークで、
参加者一人ひとりに卵を一個ずつ配って、それを赤ちゃんに見立ててもらう、
という一風変わったワークだ。

一度やってみたいと思っていた。

ただ、私としては「卵のワーク」は初めて。
そして、高校生相手というのも初めて。
そもそも、イマドキの高校生がどんな感じかもさっぱり想像がつかない。
いつも接しているのは幼稚園生や小学生ばかり。
それに自分の高校時代を思い出せど、遥か遠い記憶であると共に、
それは「高校生の目線からみた、高校生」で、客観性もなし。

とりあえず、対象がイメージできないことには、ワークが組み立てられないので、
依頼してくださった家庭科の先生に、今の生徒について色々リサーチしてみた。
先生がおっしゃったのは、
・全体的に幼い生徒が多い。
・とくに男子があまり元気がない。
・進学校のためか、そもそも家庭科に興味なし。
・「指示待ち」な生徒が多い。
などなど、どこかで聞いたような話が。

ただ、私たちに「親学習」を依頼した先生は、
ここ数年の生徒の様子や、それを取り巻く学校、親たちに明らかに危機感を抱いておられた。
だからこそ、受験勉強ではない、生徒に必要な授業について色々模索し、
試行錯誤されていた。
部外者である私たちに授業を依頼されたのも、それが、生徒たちにとって
新たな刺激になるのではと考えられたのだと思う。

生徒が変わった、というのはおそらく正確ではない。
なぜなら、先生がおっしゃった「最近の生徒たちの気になる点」は
私がいつもあちらこちらで見聞きする、子ども達の「気になる点」
とほぼ同じだから。
そして、そういう変化の原因の多くは、子どもたちを取り巻く環境であることは
身をもって感じている。
端的に言えば、
子どもが能動的意志で自由に行動、試行錯誤し
その結果を引き受ける機会が少ないということ。
そして、親が確実に過保護、過干渉になっているということ

先生が教えてくれたエピソードにぞっとなった。
授業の選択科目を決めるのに、親に決めてもらったり、親の顔色を伺う
生徒がいるという。ちょっと信じられない話。
高校生なら自分で決めるのがあたりまえでしょ??
もっと恐ろしいのは、親がしっかりしすぎていて
「お母さんの言うとおりすればいい」と母親に依存し
それを快適と(つまりは反抗する気すらない)生徒がいるという。
主に男子生徒らしい。ああ、末恐ろしい。

そんな、前情報に不安を感じつつ、とにかく自分のワークを組み立てた。

「卵のワーク」では、まず最初に一人ずつ卵を配り、
その卵に顔を書いてもらい、名前を考えてもらう。
それから、卵を手の中でしばらく温めてもらう。
今日は卵を赤ちゃんだと思って接してくださいという説明をする。

私のイメージでは、高校生にいきなり卵や赤ちゃんなどと言っても、
「は?」という冷めた反応か、照れて卵と向き合えないか・・と
思っていた。
実際、そういう生徒は少数で、案外ワイワイと顔を書いたり
名前をつけたり・・ある意味幼い反応。

その後、二人一組になって、どちらかが仕事に行くという想定で、
卵をもう一人に預けてもらう。
しばらくして、卵を迎えに行ってももらい、
今度は役割を交代。

そのあと、グループごとに卵を手にしたときの気持ちや、
預けた、預かったときの気持ちを話し合ってもらい、
そこから「赤ちゃんと接するときに大切な事は何かを」想像してもらう。

実はこの「卵のワーク」、途中で必ず卵を割る生徒が出る。
(小学生などはあちこちで割れるらしいが)
もちろん、その体験も必要なので、割れたらこちらはしめしめと思うのだけど。

そして、予想通り、卵に感情移入できず、コロコロ転がし始める生徒。
中には穴を開ける生徒。かと思えば、自分のひざ掛けで大切そうに卵を
包み抱っこしている生徒。黙って、じっと大切そうに卵を温める生徒。
本当に反応は千差万別で、「赤ちゃん」というワードを投げ掛けることで
今おかれている親との関係もやはり影響してくる。
「親がうざい」とワークシートに書いていた生徒は、最後までワークに入れずに
居た。

そういう、それそれが「卵という赤ちゃん」つまりは「壊れ易いもの=壊れたら
二度ともとには戻らないもの」を手にすることで、
ぼんやりでもいいから、もしかしたら「いのち」ってそんなものなのかなと
感じて欲しいな、と。
これから親になるというのも想像し難い。
自分が親にそういう風に育ててきてもらったのかも、という方がまだ想像できるかな。
とにかく、高校生にとっては「赤ちゃん」も、「自分のいのち」も、
そしてそれを「守り育ててきた親」もわざわざ考えたり、
感じたりすることは殆どないのだと思う。

とにかくこのワークでは、手にした卵からなにかしら「感じて」もらうことが
大切だと、色々考えて組み立てた。

しかし、グループワークをして、それを皆に発表という形をとると分かると、
生徒たちが何かしら、感じたことを文字にしてまとめるという作業が入る。
そうすると、とんでもないことが起こった。
「卵を手にして感じたこと」
「卵がいなくなったときの気持ち」
「赤ちゃんと接するときに大切なこと」
ワークシートや模造紙に「書く」という作業を入れると、
恐ろしいスピードで、生徒が文字を書き出した。

卵を転がしていたり、放置していた子も、すらすら、さらさらと文字を走らす。

「愛情が湧いた」
「預かると責任を感じた」
「言葉が通じないから、赤ちゃんが何を望んでいるのか
 良く観察して、こちらが察してあげる必要がある」
・・・などなど模範解答というべき答えがすらすらとでてくる。
おいおい、君たちホントにそう思ってる??的な。
行動と頭の中の恐るべき乖離があらわになった。

確かにウチの高校は特殊といえば特殊で、沢山受験勉強をして入って来る生徒が多い
超進学校。とにかく、「問い」⇒「解答」という流ればかり身体に染み込んでいる。
鉛筆を持った途端、人が変わったように紙に文字を埋めていく様子を見て、
「テストばっかりやってきたんだろうな」と思ってしまった。

とにかく「頭」が育ち過ぎている子たちなんだろうな。
そして「感じる」ということがおざなりにされてきたんだろうな。

それを目の当たりにして・・・それでも、何かこの生徒たちの
手の中に、心に残ればいいなあと、私なりにあまり押し付け
がましくならない様に、ワークを進めた。

最後は得意の「絵本読み聞かせ」で『いのちのまつり』という本を読んで
(これが結構反応良かった)、普段あまり受けていないであろう
刺激を与えるだけ与えて、教室を後にした。

今回は初めてだったので、学校の教室の配置やいつもの家庭科の形式を
踏まえていたので、幾つか制約があった。
ただ、正直、この『卵のワーク』をイマドキの高校生に響かせることができるか、
というと、かなり難しいものがあると思った。
でも、「卵」という実物があるのだから、
「頭で考えようとする」生徒たちには有効であるのも事実。

今度は机を取っ払って、車座になって、「書く」作業はせずにやりたいなあ
なんて思っている。
また、来年チャンスがあれば是非。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年02月17日 00時24分42秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: