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2015年12月18日
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カテゴリ: 日々徒然
めったに更新しないこのブロク。
たまに書いたかと思えば、病気の話ばかり。

長く付き合ってきた病気なので、ひとまずの区切りがついたところで
記録しておこうと思う。


【2013年10月】
ことの始まりは約二年前。
婦人科のがん検診の時に、右側の卵巣に見つかったのう腫。
のう腫と言うのは卵巣に出来た腫瘍のこと。
袋状になったもので、その中身が血液だったり脂肪だったり、様々な種類がある。

のう腫の中味が髪の毛だったり、歯であったりすることもあるらしい。

一番最初に受診したのは地元の総合病院。
エコー検査でのう腫を確認したところ、白いものが写っていた。
診察室で先生が絵を書きながら説明した。
先生の診断は「皮様性のう腫」ということで
中味はおそらく、脂肪もしくは髪の毛、歯などとのこと。
このタイプは大きくなることはあっても小さくなることは無いとのことで、
いずれは手術になことが多いという。

先生はとても気軽に「手術で取りましょうか?」という。
看護師さんに「手術の空きって何時があるかな?」と、どんどん話を進める。

私は全く先生のペースについていけず、必死で先生の話をストップして

何のことは無い「別に急ぐことはない」という。
ちなみにどういう手術になるのかと聞くと、「二回帝王切開をしているので
開腹手術になります」とのことだった。

手術という言葉にショックを受けつつ、あまり納得行かないまま帰宅。

で、いつもの通り疑い深く、調べ物大好きな私はそこから、病気の事、手術のことを

私の場合、調べると言うと割合で言えばネット6割、本雑誌など書籍が2割、
人づての情報が2割くらいになる。
これがどこかに偏るといけない。
当たり前だが、情報量は圧倒的にネットが多い。ただ、真贋を見極めるのが大変。
なので、先に本で大枠の知識を固めてから、ネットでの様々な情報を集めていく。

その上で最も重要なのが、人づての情報だ。
情報量は少なくても、信頼度が高い。それに、仮にそれが個人的な
傾きを持った情報だとしても、その人をよく知っていたらその辺はこちらで
修正して(例えば何でも大げさに言うタイプの人なら、そこを差し引いて)受け取る事ができる。

今回も同世代の女の友人に相談してみたら、意外にも同じ病気の人が数人いた。
中には既に手術した方も数人いて、その一人に「先生によっては開腹しなくても
腹腔鏡手術ができるかもよ」と言われて、早速腹腔鏡手術の道を探ってみることにした。

すると、どうやら過去に開腹手術をしていても、腹腔鏡手術は可能なことが分かった。
この腹腔鏡手術というのはお腹に穴を開けて、カメラと器具を入れ、
ガスでお腹をふくらませた空間の中で、カメラ頼りに手術をするというものだ。
いわゆる開腹手術に代わる術式として多くの病院で普及していて、
胃や腸、肝臓や胆囊そして婦人科などの領域で多く行われている。

お腹を大きく切らなくていいので、術後の痛みが少なく、回復も早いという。
ただ、術者の高い技量が必要らしく、それなりに多くの手術をこなしている、
腕の良い先生を探さないといけないということがわかった。

しかも、どのページにも書いてあるのが、過去に開腹手術をした人は、大抵の場合
腹腔内が癒着を起こしているので、癒着がひどければ腹腔鏡手術から開腹手術へ
術中に移行することが有るとの事だった。

私の場合、一回目の帝王切開で、卵巣の一部を切除している。
おそらく、何らかの癒着があってもおかしくない。
ということは腹腔鏡手術のハードルは高いだろうな、と予想された。


【2014年1月】
その後色々とネットで調べて、婦人科の腹腔鏡手術をやっているという病院を幾つか見つけた。
腹腔鏡手術を専門にやっている病院を受診し、そこでMRI検査を勧められ、
検査の結果卵巣のう腫は最初に診断された「皮様のう腫」ではなく、
『子宮内膜症』によるものだとわかった。
そして、過去に帝王切開を複数回していても、腹腔鏡手術は可能だということが分かった。
ただ私は手術する気分になれず、経過観察を続けた。


【2014年2月】
その後、また、知り合いに病状について相談する機会があった。
すると、たまたまその方の友人二人が、最近京都の病院で腹腔鏡手術を受けたという。
その先生がとても良い先生だったとのことで、その病院を受診してみることにした。

京都烏丸にあるその病院は、細い通りにひっそりと町並みに馴染んで建っていた。
後で知ったが、そこは京都で最初に出来た産婦人科医院だという。
現在は建て直され新しい建物であったが、歴史のある病院らしい。
院内はホテルのように高級感があり、受付の方、看護師さんが感じよく
キビキビと仕事をしていた。
予約をしていったにもかかわらず、かなり待つ事になったが、
ゆったりとした待合室で静かに過ごすことが出来た。

やっと呼ばれた診察室は待合室からドアを二回開けないと入れない、静かな部屋だった。
婦人科の診察室で、カーテン一枚の仕切りで次に診察を待っている人に丸聞こえの状態で
自分の話をしないといけないことが多々あった。
病院というのはそういうものだからと割りきっていたけれど、
婦人科という場所柄話しずらい内容の時もあり、もう少し配慮があればと思うことがあった。

通された部屋は大きなテーブルを挟んで向こう側に、先生がパソコンを前に座っていた。
開口一番「おまたせして申し訳ありません。」と頭を下げる先生。
私は少し恐縮しながら、手前にある座り心地の良い椅子に腰を下ろした。

先生はとても穏やかで、私が持っていったMRI画像を丁寧に見ながら説明をしてくださった。
ひとしきり説明が終わったあと、「私が一方的に話してばかりで、申し訳ありません。
何か、質問はありますか?」と仰った。
いつもお医者様にこちらから質問をする時、先生が忙しそうだったり、
急かされている様な雰囲気に負けたりで、タイミングを見つけるのに苦労することが多い。
こちらの先生は、「さあどうぞ」と私に質問タイムをくださった。
腹腔鏡手術についての不安、私の現状とどのくらい急ぐのかということ、
その他細かなことを聞いて、その一つ一つに丁寧に答えていただいた。
まだ手術に抵抗がある私の希望で、とりあえずは三ヶ月ごとの経過観察を
することになった。血液検査をして、特に投薬はなし。

会計を済ませると。領収書と共に一枚のA4の紙を渡された。
そこには今日診察で先生が説明したことと、今日行った血液検査の内容、結果が何時出るか、
次回の診察はいつかなどが詳細に書かれてあり、文末に先生の手書きのサインがあった。
この病院では毎回、診察の後にこのような紙を全員に渡しているのだ。
その上で「いつでもご質問等ありましたら、お電話ください」と先生はおっしゃっている。
このようなことは初めてだったので、いつも病院に行った時に残る「消化不良感」は
全くなく、毎回気持ち良く診察室を出ることが出来た。

こういうやり取りの中で、3ヶ月毎の経過観察と半年ごとのMRI検査を続けた。
とても人気のある病院らしく毎回待ち時間も生じ、場合によっては先生が少しお疲れで
やりとりが愛想のない時もあったが、先生に対する信頼感は段々と深くなっていった。

【2015年3月】
経過観察を続けていたが、残念ながら私ののう腫は段々と大きくなっていた。
それと同時に、最初からエコーに写っていた白い影のことを先生が気にするようになってきた。
卵巣のう腫はそのほとんどが良性であるが、なかには悪性のものが稀にある。
途中から悪性に転化するものもあるという。
普通、怪しきものは生検といって、直接その組織の一部を取って検査をすることが多いが、
卵巣の場合、体の奥のほうにあるのでそれが難しい。
そのために、私は半年ごとのMRI検査をし、血液検査で腫瘍マーカー値もチェックしてもらっていた。
ただ、MRIも血液検査も「絶対に良性」と確定診断出来るものではないらしい。
そういう不安要素に加え、のう腫の大きさが増していることも気になると先生が指摘した。
また、先生の最近の経験上卵巣がんはとても増えているとの事だった。
実際良性と判断して手術を行い、その後の病理検査で悪性であるとわかった患者さんが
ポツポツあるという。「そろそろ手術をしたほうがいいのでは」と薦められた。

漢方薬を飲んだり、食事に気を使ったり、運動してみたり、一応あがいては見たが、
のう腫は小さくなることはなかった。
そして自覚症状(下腹部痛、腰痛)も少しずつひどくなってきて、
自分の中では「手術は嫌だけど、今の先生だったら受けてもいいかな」という気持ちが
徐々に芽生えてきた。


【2015年7月】
経過観察で受診。半年ごとのMRI検査の結果が帰ってきた。
今までは「恐らく良性」との診断だったが、今回はのう腫の肥大もあるので、
一度造影MRI(造影剤をつかって、腫瘍内の血流などを調べる)を勧めるという
ものだった。
しかし、私は喘息の持病があるので造影MRIは行えない。
先生はの診断は「手術しましょう」だった。

あーついに来たか。
しかも、今回先生は何時になくシビアな表情で、「○○医大を紹介します」と言った。
「え?!先生が手術するんじゃないの??」私は混乱した。
先生の意見としては、医大だと手術中に取ったのう腫を迅速判断して、
悪性の所見があれば、必要に応じて反対側の卵巣、子宮などをそのまま
取る手術が出来るとのことだった。

私はようやく「この先生だったら、手術してもいい」と思えるようになってきたのに、
別の病院を紹介するだなんて、とても受け入れられ無かった。
普通はこういうのは先生の指示に従うのだろうけど、今まで築いた信頼関係か、はたまた、
追い詰められた火事場の馬鹿力か、何時になく我儘な私がむくむくと立ち上がった。

「今まで先生のところで手術可能と言われてきた状態と、今回とではどういう変化があったのか」
「今の状態で先生のところで手術することは、リスクが大きいのか」
「私は手術するなら先生がいいのですけど、いや、先生じゃなきゃ嫌なんですけど
  ここで手術していただくことは無理ですか」

最後は駄々っ子のように、懇願していた。
先生は一つ一つ穏やかに答えてくれた。

「状態は大きくは変わらないが、最近の手術で良性→悪性という方が立て続けに続いて、
 その方々は、別の病院で再手術ということになっているので、そのリスクを減らしてあげたかった」
「今の状態で良性→悪性というパターンのリスクは最初から変わっていなくて2%程度」
「もちろん私が手術することは可能です。ただ、悪性の場合は別の病院で再手術という可能性が
 残るということです。」

そういえば、色々な文献にも乗っているし、相談した医療関係者にも言われているが、40歳代の
私のタイプの卵巣のう腫の悪性化は2%程度。それを低いと思うか高いと思うか。
非常に難しい判断を迫られる。
そのため、それを補完する形で、MRI検査や血液検査、エコー検査が行われるが、
私の場合、なんらかの白い影が写っていることが先生の一番の気がかりだった。

診察室で、黙りこんだ私。
「先生が手術することは可能」という言葉が一番心に残った。
私は珍しく強く決断をした。しかも短い時間で。
「先生のところでやって下さい」。

先生の提言を覆すという、思い切った行動に出た私。
くるくると色んな不安はよぎるが、こんなに手術が嫌だという私が、
体を預けてもいいと思える何かがこの病院、先生にはあった。

毎回質問することに、嫌な顔せずそして包み隠さず答えてくれること。
忙しい中、明らかに診察時間外になっているにもかかわらず、電話の返事をくださること。
診察内容、検査結果を必ずコピーしてこちらに渡してくれること。
先生の所作の一つ一つが、とても静かで丁寧なこと。
無駄な検査、投薬を極力しないところ。
看護師さんが皆穏やかで、キビキビとしていて、採血がとても上手なこと。
病院が何時行っても塵一つなく、ピカピカに掃除されていること。
手術内容を録画して、術後に渡してくれること。

などが、疑い深い怖がりな私を納得させるに足りる要素だった。
だって、意識のない中体の中をあちこち、切った貼ったされる・・
誰だっていい訳はないでしょう。
先生には「この人だったら」と思えるものがあったのだ。

手術は10月8日に決まった。

帰りに「腹腔鏡手術を受ける方へ」という冊子をもらう。
A413枚に渡るその書類には、手術までの検査の流れ、
準備物、入院中~手術当日~退院までの詳細なタイムスケジュールが書いてあった。
検査、投薬なども細かに記されていて、どんな感じで事が進むのか手に取るようにわかる。
そして、術後に起こりうることも詳細に書かれていて、その対応法まで記されていた。
この冊子、手術までに何度目を通したことか。
考えうる質問はほとんど網羅されていて、コレを読めば手術に関しては特に何も
質問が浮かばないほどだった。完璧。


【2015年9月】
手術一ヶ月前の術前検査。心電図、レントゲン、血液検査、尿検査、止血検査などが行われる、
予定だったが、当日私の首が悪化。動くこともできず、泣く泣く術前検査をキャンセルすると、
残念ながら、手術自体も延期せざるを得ないとのこと。
大きな病院なら融通も利くが、先生一人でやっている個人病院。
その上患者さんが多く、先生は休みなしで毎日診察、手術をこなしているのを知っていた。
泣く泣く手術は延期になり、12月8日が手術日になった。

【2015年11月】
今度は無事に術前検査を受けられた。
検査諸々とは別に、詳しい問診があった。
麻酔のための既往、体質に関するものと、
手術に関する不安など何でも良いので言って下さいとのことだった。
私は痛めている首が不安だと相談した。
何故なら腹腔鏡手術はお腹にガスを入れる関係で、足を高く挙げる姿勢で
長時間居なければいけない。それが首に負担になりはしないかということが
とても不安だった。看護師さんはそのことを「できる限りケアしますので
何でも言って下さい」と言ってくださった。
術中の姿勢については麻酔医がきめ細やかに対応しますとのことだった。

首については、若干の不安あり。
ただ、手術についてはもう「お任せしよう」という大船に乗った気分で、
手術までの日々を過ごした。





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最終更新日  2023年08月09日 18時29分49秒
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