あま野球日記@大学野球

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2008.02.10
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『花嫁のれん物語』
偶然に見た。


石川県・和倉温泉の老舗旅館 『多田屋』 を舞台に、一昨年
4月にこの多田屋に嫁いできた若女将が、少しずつ成長して
いく姿が描かれたノンフィクション。


嫁ぎ先では大女将(義祖母)・女将(義母)が取り仕切り、
ビビりまくる新米・若女将の弥生さん。弥生さんのご主人は
もちろん多田屋社長の跡とり息子。だが、東京支社時代の

父でもある社長には言われ放題。こちらも、ビビりまくりだ。


「東京に帰ろうよ」 と、たまに愚痴をこぼすことができるのは
まわりのどこを見渡してもご主人ひとりだけ。旅館従業員たちの
「キミたちにいったいどこまでできるの?」 と言わんばかり
の冷たい視線が常に二人を刺し続ける。


そんな中にあって「頑張り屋」の弥生さんはあることに気づく。
今のままでは、従業員の皆さんの信頼をまるで得られないこと。
そして信頼を勝ち取るには、ほかの人たちの3倍、いや4倍も
働かねばならないこと。その時から、目についた雑用を黙々と
こなし始める。





今ひとつ態度のはっきりしないご主人の尻を叩きながら、
少しずつ自分たち夫婦の『多田屋』での活きる道を見出していく。


そして、幾多の見習い修業を重ねた昨年3月。弥生さんは晴れて
正式に若女将と認められ、初めて着物を着てお客様の各部屋に
挨拶に出向く。



ずつこなし、最後に残った一部屋。緊張した面持ちで襖を
開けると、その部屋にいたのは実家の両親と弟。
多少戸惑ったものの、覚えたセリフをここでも言う。


「本日はご来館くださいましてありがとうございます。
当館の若女将でございます・・・」



そう言いながら弥生さん、涙が溢れだして止まらない。
ついこの間まで一緒だった家族が、いまは敷居を隔てた先に
お客様として座している。これは『多田屋』に嫁いだことで、
若女将として新たに生きていく儀式であることに気づいたから。




そして直後の3月25日、『多田屋』が天災に見舞われる。
能登沖地震 だ。


敷地には亀裂が入り、予約客のキャンセルが相次ぐ。
その被害額は、風評被害を含めおよそ3億円。


そんな時、弥生さんが復旧作業の合間を縫って行っていたのが
『多田屋ブログ』。被害の状況や、従業員総出で修復作業する
様子を写真を交えて日々、お客様たちに発信を続けた。
そして営業再開のメドがついた時、ブログでこう伝えた。
「もう能登・和倉温泉、そして多田屋は大丈夫です」 と。


そのメッセージに応え、次第に多田屋に客足が戻り始める。
客のある人は、こう言っていた。
「多田屋さんが地震に見舞われて、自分たちに何ができるのことは
何だろう? と思っていましたが、多田屋ブログで再開を知り、
多田屋さんに行こうと家族で話しました。若女将さんのお顔も
見たかったし(笑)」





「どんなに大変な時でも、必ずなんとかなる。そう思えるように
なりました」



弥生さんはそう話していた。まさに「災い転じて福となす」。
つまらないシャレにしかならないけれど、地震で新たな「自信」
を得ることができたようだ。


今日の放送は、昨年6月に放送したものの再放送らしいが、最後に
今年1月の弥生さんの姿を付け加えていた。
若女将として大宴会場にも挨拶に出向く姿は堂々としたもの。


「本日はご来館くださいましてありがとうございます。
当館の若女将でございます・・・」



以前は頼りなく聞こえたものの、いまでは声にもハリがあって、
その姿は 「凛」 としていた。




まっ、多田屋さんに限らず若女将になる修行は、どこの老舗旅館
も同じなのかもしれない。ただ、番組の節目節目に挿入される
能登の夕陽が、番組最初のころは重く沈んでいるように見えたのに、
最後にはイキイキと輝いて見えるようになったのは不思議だった。


『多田屋ブログ』 は、 こちら から見ることができます。



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Last updated  2008.02.10 17:47:14
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