早稲田旧選手・河野安通志談(2)
■東京朝日新聞の記事(9月5日付)に憤怒した 河野安通志
は、当時東京朝日の「野球とその害毒」に対立する形で8月31日から野球擁護キャンペーンを始めた東京日日新聞(現・毎日新聞)に投稿し(9月8日付)、「朝日に掲載された懺悔の記事は事実ではない」と述べている。
■その経緯はSF作家の 横田順弥
氏が著した『熱血児 押川春浪 野球害毒論と新渡戸稲造』(三一書房、1991年刊)に詳しいので、以下に引用。
9月5日朝日新聞に旧選手の懺悔として小生がさも野球をなせし事を後悔し居る如く書きしもこは大体に於いて小生が記者に対して云いたる事と相違して居るを以って再び余が記者に語りし野球に対する余の意見を発表する事とせり。(中略)
ここで河野は<東京朝日新聞>に掲載された談話の、ほとんどすべてを否定している。服装については、たしかに最近、少し派手になっているので安部部長が心配していることは事実。現今の選手制度に賛成している。入場料問題にも賛成である。演説会でも音楽会でも入場料を取るのだから、野球が取っても、問題はない。品行の悪い学生は、野球選手でなくともいる。・・・自分は<東京朝日新聞>記者に、新渡戸の虚言家発言の真相を訂正してくれと頼んだのに、無視したというのが、その要旨だ。
そして最後に付言がある。一昨日、名倉聞一氏にインタビューを受けたが、掲載された談話はほとんど間違っている。自分は早稲田大の講師を務めるものだ。こんな間違い発言を信用ある<東京朝日新聞>に掲載されては迷惑である。したがって、 「野球と其害毒」と同じ大きさの活字、同じページに上記の文を8日までに掲載してほしい。
(※)それがなされない時は、法律上の手続きを取るつもりであるし、他紙・雑誌に虚言紙であることを公表するから、そのつもりでいてもらいたい。
■河野の怒りはもっともである。また朝日の記者は 名倉聞一
という人物であることがこのとき初めて明らかになった。そして最後に「同じ大きさの活字」でと書いた河野氏の願いは叶わず、そして事実報道の要請も受け入れられないまま、東京朝日の9月10日付にまたも歪曲された記事が掲載された。(続きは 次回
に)
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