SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

08サロマ湖100kmマラソン完走記~第1章~

今年のサロマ湖は例年のメンバーに加え、アートスポーツのお客さんとHANAのご両親とHANAとピヨちゃん、ペコちゃんを加えた総勢15名の大所帯!メンバーは笑石人さん・マークさん・Aloha3さん・NAOEさん・シオジーさん・富士五湖と野辺山とご一緒している安田さん・今回サロマ湖初参戦のワコール松田さん・神戸からサロマ初参戦ハリーさんにアート鈴木が100キロに参加だ。50キロにはサンバカオリンさん・ほっすぃ~・コバミホさんの3名が出場!!HANAはペコちゃんの人見知りが激し過ぎ、ご両親にお願いするには無理な状態だったので急遽応援にまわった。

土曜日の朝一で女満別入りし、月曜日の最終便まで北海道を満喫した。では第23回サロマ湖100キロウルトラマラソンを振り返ってみるとしよう。


明日の朝は午前2時起床。悠林館出発は3時だ。その時間に出れば会場には3時40分には到着する。例年よりも20分早いので準備もしっかりしてから寝ないと。

富士五湖と野辺山で苦しめられた腹痛と下痢はない。前日のお酒、牛乳はすべて避けて万全に整えてきた。強いて気になる部分は、3週間続いた風邪による練習不足と咳き込みすぎて痛めた脇の下のスジである。大会2週間前の土曜日から痛く、息を大きく吸うにも痛みがある。肺と言えば5年前に発生した 自然気胸 だが、今回はそうではない。肋骨にヒビ疑惑もあったが、咳き込みが減るに従って痛みもなくなってきた。HANAには内緒で、病院にも行かなかった。1週間前の日比谷店ランでも走る振動や腕振りに違和感があった。水曜日の直前練習は5キロ40分がやっと・・・これは痛みの影響ではなく単に練習不足と言うことだけだ。北海道に上陸すればテンションも上がり、レースが始まれば気にならないと思っていた。

出発の3時。外はまだ暗く霧雨が降っている。半袖の重ね着にアームウォーマー2枚、ロングタイツで寒過ぎることはなかった。今回のベースレイヤーはアシックス肩バンランスアップアンダーの半袖。アウターには2XUのドライシャツを重ねた。朝の雨は好きな方だし、天気予報としては晴れるようだったのでモンベルのジャケットは54キロに預けることにした。

(こちらのメッシュタイプ)


会場到着後はいつものように室内で待機。トイレには45分前に向かったが、列がなかなか短くならないのと、それほど行きたくはなかったのでパスをした。荷物をサロマンブルー控え室に置き、これでスタートにはバッチリだ!

ウエストポーチの中身を記しておこう。今回はカーボショッツがメイン!味は甘くて美味しいワイルドベリーだ!4本をフラスコに入れ、さらにベスパハイパーを注入!これでアミノ酸の吸収が早くなり、無駄なく補給できるのだ!そして忘れてはいけないオキシショット!今回は小さいサイズで携帯力を重視した。ポーチの隙間にはもちろんしお飴を忍ばせる。そしてポーチには入れずにタイツに挟んだのがレモテープのXLサイズ。足の裏にはMサイズを始めから貼っておいたが、太股の付け根と腰周りが富士五湖の時に不安だったので3枚用意しておいた。



スタート前にはチーム『へろへろ』の皆さんと合流し、写真撮影!並んでからも初出場の仲間の方とお互いの健闘を誓った!嬉しかったのは自分のスタイルを見て『あっ、アートスポーツの鈴木さんですよね?』と面識はないものの、ブログで知って頂いている方からの問い掛けだった。レースが始まってからも、付いて行かせてください!と言って頂くこともあり、『僕よりも少し前を行ってください(汗)』と伝えていた。

午前5時スタート!スタートラインまでは約1分。ここから長い1日が始まる!16回目となるサロマ湖。いつも見慣れた風景。そして仲間達。約3000人のランナーと走ることを楽しみたいと思いスタートラインを抜けた。
スタート後

やはりスタート切ると水曜日の直前練習のようなカラダの不調はない。思ったよりも動いてくれそうだ。しかし左の脇の下の違和感はかなりあった。この調子ならば集中するまでは気になりそうだ。左腕の振りを抑えて走る。

スタートのロスを含み1キロは7分30秒。霧雨が少しだけ残っているが、濡れる程でもない。気温を落ち着かせ、呼吸も楽に感じるので周りのランナーは非常に速いペースだ。スタート付近に戻ると3キロ。1キロは6分20秒くらいに落ち着いてきた。このまま5キロで経過を見よう。

5キロ 33:10

予想通りだ。まったく問題ない。トイレの予感もないし、5キロの給水もいつも通りパスしてペース作りに専念する。やはり参加者が増えているので、エイドは大混雑!幸い涼しいので、空いてから補給しよう。

いつものように単独走行が続く。そして知り合いの方が見つけてくれてはお話をして進む。自分が追い抜く人は決していない、この前半戦では。パンフレットにはサロマンブルーの最近5年間のゴールタイムが記載されている。皆さんよくチェックしているようで『このままならば11時間台でゴールするでしょう?なんでいつもギリギリなの?』と聞かれる。『僕は休憩が多いんです。走るペースは変えないので、後半になれば落ちてきますし、関門でギリギリですよ!』と話す。

10キロポイントは先に見える林を抜けたところだ。この間はなにを考えていたかあまり覚えていない。話をしていることが多かったり、心拍数に気を配っていたようだ。

10キロ 1:05:36  32:25

このラップが今回のサロマ湖でのベストラップだ。(実際はスタートから5キロまでの方が速い)10キロのエイドもまだまだ大混雑!陽射しもなく、風も冷たいので喉の渇きもない。代わりにしお飴を舐めながら口を潤した。この辺りでは帰りのトイレもチェックが必要だ。寒い分だけ立ち寄る人も多いはず。野辺山の失敗は2度としない!ただでさえ、80キロの関門がギリギリなのにトイレでの10分待ちは致命的だ。

こちらはペースを変えずに6分40秒くらいで進んでいるが、一緒に走っていてトイレに抜ける方がまた5キロもしないうちに追い付いてくる。皆さん遅れを取り戻すためにペースを上げて5キロの組み立てをしている。自分の場合はそれはできない。と言うか、しない。

遅れを取り戻すために6分まで上げると、その分カラダに負担が掛かり後半のダメージに繋がってしまう。トイレなどに行ったらそれは積極的に休憩と考えるようにすることで、カラダを休め、ストレッチができ、3分の消費はそのまま5キロのラップに加算するのだ。50キロまでは35分が基本。前半の35分掛からないラップはすべて貯金だ。2分ずつでもチリ積で増やしていく。トイレで38分掛かっても次の5キロでまた35分以内ならば走るペースは崩れていないのでよしとする。
10キロ付近

15キロを迎えようとすると先頭ランナーが折り返してくる。いつもならば写真撮影をするところだが、ランナーが多いので危険と判断し応援区間とした。知り合いのランナーが来る前にトイレ小を済ませる。

15キロ 1:38:39  33:02

反対側には20キロの計測ポイントがあり、折り返しまでは約2.5キロだ。今年もたくさんの知り合いの方が声を掛けてくれた。来年はカウンターを持って数を数えたいくらい。そういった仲間意識の高いウルトラマラソンが好きだ。

折り返しの竜宮台までは基本的に向かい風だった。この向きは30キロを再び折り返した時にも、そしてワッカの折り返し後も向かい風ということだ。今は涼しい風だが、これが後半寒風になってカラダを冷やすことは間違いない。
竜宮台折り返し

折り返しでの位置取りはいつも同じような感じ。キロ6分30秒くらいで刻んでいるので、全体からすると真ん中より少し前といった感じだ。これから折り返しに向かうランナーには講習会に参加してくれた方や、お店でサロマ湖に出るんです!と準備に来てお話した方など、たくさんのランナーとハイタッチをした。やはり参加者が増えているようで、最後尾のランナーの位置もかなり後ろ寄りだった気がする。

20キロ 2:11:44  33:05

トイレには行かなかったが、6分40秒くらいで走っている。脚の張りはいつもの感じで軽くはない。左太もも裏のお尻の付け根にはやはり違和感がある。痛みが出ても良いようにレモテープを持っているが、まだその心配はない。ようやくトイレでスキッリしたい気分になったので、いつものトイレを見てみると、2つに対して1人待ち!これは待ちだ!並走していた『へろへろ』小川さんとシオジーさんに別れを告げてトイレ休憩に向かった。

所要時間は待ちも含めて3分。トイレに入る時はウエストポーチやカメラをトイレ前に置いていく。落としてもいけないし、中にいることのアピールと、自分の時間短縮にも繋がるのだ。出てきたところに待っている方も1人だけで、ここは毎年立ち寄る狙い目のトイレだ。

トイレを後にして『へろへろ』のゆきさんに追い付き、並走しながら25キロを目指す。ゆきさんとは54キロの着替えエイド付近でお会いするが、今回は良いペースで来ているようだ。途中、渋谷店にお買物に来てくれた女性を見つけたので、少しお話を。なかなか良いペースで走ってますね!頑張ってください!

25キロの標識をおしゃべりに夢中で見逃してしまった!焦る必要はない。次の30キロ計測でラップ1時間10分前後ならばイーブンペースだ。25キロ過ぎにはエイドがあり、ここでようやくバナナを口にした。そしてお腹も空いてきた感じだったので、オキシショットを注入!これでガス欠は防げる!次のエイドにはスペシャルがあるからそこまでの繋ぎだ。

ゆきさんはエイドでのロスを最低限にしようとしているようで、手を振り先にスタートした。自分は太もも裏を冷やしたかったので、かぶり水でタイツに水を掛けた。前半はカラダも動くので水を掛けても芯まで冷えたりはしない。この後は頻繁に水を掛けるようになった。30キロへと続く直線道路。風も追っているので寒さは感じずに走りやすい。やや薄日も射してきているが、雲がすぐに取れるような感じではなかった。

30キロの計測の手前にエイドがあり、スペシャルドリンクを貰う。今回もプロテインにカーボショッツのバナナを投入し、補給した。グリコーゲンリキッドと違うのは水に溶けやすいことだ!吸収がより早くできるので、今回は採用した。

30キロ 3:22:49  1:11:05

トイレとスペシャル補給でこのラップならば予定通り。計画に対しても7分の貯金ができている。昨年よりも走り自体のペースが落ちているので、タイム的には早くはないが、遅れてもいない。確実に進んで、少しだけでも貯金ができれば嬉しい。

コーナーを左に曲がると再び向かい風のコースとなる。気温も少し高くなってきたのか、風が気持ち良く感じる。前を走るゆきさんの姿は小さくなっていた。また4キロ近い直線道路。集中して走る。ここでもお客さんと一緒になり、言葉を交わしながら進む。エイドが遠くに見えてくると、無意識のうちにも頑張ってしまう。到着すれば休めるという考え方からか?
35キロエイド

35キロまではあと500メートルはあるが、この先は国道なのでエイドが先に来る。あまり食べていないから、若干の空腹感もあったのでスイカとバナナを食べてからスタートした。

前を行くゆきさんが近づいて来る。明らかにペースが落ちているようだ。『昨夜食べ過ぎで・・・なんだか胃がムカムカする。眠むたい・・・』と言うので、ここぞとばかりに『オキシショット!飲んでください。眠気覚めますよ!』5mlくらい口に含んでもらう。すると眠気はもちろん、胃のムカムカまで無くなったと言って頂けました!この間たったの30秒!まさに特効薬です!

35キロ 3:57:43  34:53

補給の時間が長くなっているのか、思ったよりもラップが35分に近かった。この先しばらくすると登りも出てくるので、50キロの貯金もギリギリだと感じた。この頃から脚の張りと今のペースを考えると、54キロではあまり休んでいられないなどと先を不安視するようになった。
芭露の街40キロエイド

芭露の街に到着すると、毎年おじいちゃん、おばあちゃんの応援が嬉しい!ランナーの数もまばらになってエイドも利用しやすくなってきた。スイカを頂き、水物ばかりであまり良い傾向ではないと感じながらも、固形の物はあまり喉を通らなくなってきた。この先に40キロ、そして42.195キロの月見が浜だ。

40キロ 4:35:35  37:52

やっぱり・・・。途中今回の旅に一緒に来たNAOEさんが痛んでいたので、レモテープでサポートしたのもあるが、ちょっと掛かってしまった。45キロから始まる丘陵地帯に不安を覚える。42キロの通過も昨年よりも15分遅かったが、予想外の応援に元気を貰った!

HANAとピヨちゃん、ペコちゃんとHANAのご両親だ!早くても55キロだと思っていたので、早い登場にビックリした。ピヨちゃんはHANAお手製の『がんばれ~!みなさ~ん!ファイト!』のTシャツを着て、バンダナを付けて応援!ハイタッチをして『パパ頑張って~!バイバ~イ!』と見送ってくれた。
応援ピヨちゃん!ピヨちゃん!月見が浜

よし!次は緑館だ(54キロエイド)頑張るぞ!月見が浜の側道の終わりにかぶり水がある。頭からかぶる人は少ないが帽子を濡らしたり、脚を冷やしたりしている。自分も脚にたっぷり水を掛けているとおじいちゃんボランティアが『やっぱり走ってると暑いんかい?じっとしてると寒いよ、今日は。と話し掛けてくれた。『脚が痛いので冷やさないとダメなんですよ。』なんてことない会話だが、なんだか嬉しいものだ。『ありがとうございます!行ってきます!』と走りだした。

再び国道に戻り45キロを目指す。この先の丘陵地帯は登りは歩かないといけないだろうな。なるべく平坦で落ちないようにしよう。45キロはエイドの後にあったが、計測忘れ・・・。ここでもまたまたお客さんと再会し、ペースを確認しあう。『いい感じですよね!鈴木さんよりも前を走っていれば!(笑)』
湧別町から佐呂間町へ

計呂地の街を過ぎていよいよ丘陵地帯に入る。始めの坂は湧別町と佐呂間町の境が頂点となる。緩やかではあるがダラダラと登っていく感じ。走れるところは走り、きつくなれば歩く!全部歩いては遅いので、走る時はペースをしっかりと刻む。野辺山では下りが走れないくらい膝の痛みが出たが、今のところ問題ないので下りでリカバーできそうだ。この辺りから周辺のランナーの顔触れが一定になってくる。抜きつ抜かれつ前を急ぐ。

下りに入ってすぐの駐車場で家族がまた応援してくれている!ピヨちゃんはお休み中で今度はペコちゃんを前抱っこしてHANAが応援してくれた。笑顔は忘れず声援に応え、下っていく。下り切った後にまっすぐ平坦な道を行った先に50キロがある。その前にちょっとトイレ!

用を済ませて走りだすと声を掛けてくるランナーが?僕より背の高いランナーの方は『あの~何歳ですか?』『今、33です!18歳から走っているので!』『道理で若いわけだ。お子さんもいるのにブルーメンバーだから・・・』その方はお子さんの幼稚園の運動会で2回はエントリーしていたが走れなかったらしい。自分もどちらを優先するの?と聞かれたら困るけど・・・ピヨちゃんもペコちゃんも理解してくれるよね!そして50キロに到着!

50キロ 5:48:35  1:12:59

なんとか計画に対して1分25秒の貯金!これだけでも違う。この先の着替えやダメージを考えると遅れていなかったのが一番のポイントだった。遅れてしまった場合、着替えを短縮して行くしか手はないが、後半の対策ができなくなってしまうのは痛い。貯金ができただけでもよしとしよう!

50キロの登りを歩きながら進み、サロマ湖湖畔に出るとエイドだ。50キロ以降は1キロ表示なので、ペースを把握しやすくなる。平坦ではキロ7分を維持して54キロ過ぎのエイドを迎えたい。しかし、着替えにどれだけ時間を掛けられるか計算をしたところ、かなり厳しいことがわかった。

計画にでは50キロまでキロ7分で80キロまでは8分で走ると9時間50分で80キロの関門を10分前に通過できる。しかしこの時点で貯金は1分少々・・・着替えには10分は欲しいとなると、トイレや補給を含めてキロ8分で刻まない限り、80キロの関門に掛かってしまうと言うことだ。

40キロから50キロは72分でクリアしているので、まだカラダ的な余裕はあるようだ。まずは55キロのラップは休憩を入れたとしても50分は掛からないようにしようと決めた。トイレはパスして、55キロ先の仮設トイレか道の駅サロマ湖で寄ることに決めた!

湖畔から離れ、一つ丘を越えてからまた登っていく。着替えエイドが500メートル先に見えているのだが、歩いてしまう。疲労が溜まってきたのだろうか?オキシショットを含み、なんとか走りだしてグランディアサロマ湖に到着した。

到着時間は6時間21分。出発は6時間30分だ!まずは上半身裸になり、X-FITHOTのロングスリーブを着用。そして前半着ていたアシックスの肩バランスアップアンダーのメッシュ半袖を重ね、アウターの2XU赤シャツを重ねる。アームウォーマーはここで置いていく。代わりに預けておいたモンベルのULウインドジャケットを持っていく。やはり風が強く、これから晴れるにしても絶対に必要なアイテムだった。そして前半から持ってきていたレモテープXLサイズを1枚腰に貼った。最後にオキシショット(小)をポーチに押し込んだ。食欲はあまりなかったので63キロのスペシャルで摂ればいいかと考えておにぎりも食べずにスタートした。そうこうしているうちに時間は6時間30分を経過する。



08サロマ湖100kmマラソン完走記~第2章~


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