みちゆく読書・映画日記

みちゆく読書・映画日記

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2009.02.01
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カテゴリ: 小説



生温い水のようなホーチミンの男。乾いた風のようなソウルの男。夜のネオンのような東京の男。三つの都市で私を待つ、三人の愛人。それぞれに異なる性愛の味。果てしない快楽の三重奏に溺れていく私。そして、可愛がられることに慣れた男たちが、もっと多くを望むようになって―。男という触媒によって高まる、灼けるような欲望と甘やかな母性。女のエロスの表裏を濃密に描く官能小説。

いっさい読点を用いない文章は、慣れるまでは読みづらかったけれども、慣れれば、むしろそれが物語のリズムを作り出しているようにも思えた。
絶望と堕落の匂いがする退廃的な雰囲気と言葉の使い方が魅力的でした。
前にテレビで見た、ホーチミンの愛人と、韓国人の内縁の夫、東京の男に、小説家の主人公。。これはたぶん私小説ですよね?

あらすじを見ないで図書館で借りて読んだけれども、表紙裏のあらすじを読んだら「官能小説」と書いてあって、ちょっととまどった。
決して官能小説ではなく、直接的だけれども、文学界では良くあるレベルの書き方であると思いました。まあ、そっち系に偏ってはいたかもしれないけれど・・・。
読み終わって、え?と思って、彼女の続きの人生がとても気になりました。
著者の文章が、結構好きだったので、これから他の著書も読んでみたいと思いました。


自己評価★★★☆

楽園に酷似した男

著者: 岩井志麻子
出版社: 新潮社
サイズ: 文庫
ページ数: 207p
発行年月: 2008年01月










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Last updated  2009.02.01 17:49:11


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