全2116件 (2116件中 1-50件目)
なんとなんと、宣言通りに続き。ミヤハラサトコ。昨日の日記でもちょこっとふれたとおり、今季の国際大会において、日本女子で最も優れた成績を残すのは彼女だと思っております。3位表彰台だったスケートカナダSP。あんまりいい動画がなくて、これも途中で映像がとぶのですが、画像がきれいで見やすかったので。この前の試合、優勝したロンバルディアトロフィーでこのプログラムを初めて見たときは、曲や振付の雰囲気がミヤハラのそれとは合わないなぁと思いまして、なので、なんだか本人もやりにくそうに滑ってるように見えて、これは演技構成点を伸ばせないプログラムなんじゃないかと、今からでも変えた方がいいんじゃないかと思っておりました。それが、スケートカナダで見て印象一変。音楽も振り付けもとても彼女になじんでいて、この短期間でしっかり自分のものにしてきたな、と驚いたしだい。ムラカミカナコについては技術的な変化に成長を感じたわけだけど、ミヤハラに関しては表現面での成長を特に感じます。実はもともと音に対する反応なんかはよくて小回りも効くし、表現よりも技術が勝ってるというタイプでもなかったのだけど、今季、特に顔の表情が大きく動くようになり、また、うつむきがちだった視線がぐっと上を向くようになった。ただし、昨季は見事に克服したかに思われたジャンプの回転不足が、各試合ちょこちょことられてしまっていて、ちょっと「狙われてるかな?」という不安材料はあるものの、NHK杯は彼女の優勝にベット。イマイハルカ。ああ、かわいい♡以上!というのは、もちろんウソ(笑)昨季後半とこの夏のアイスショーでの彼女の様子を見て、今季は絶対に来る!と私は確信したのだけれど、これまでのところ成績を残せていないのが、いかにも残念。エリックボンパール杯SP。映像のきれいなのを探したらスペイン語でした。「ムイ ビエン」=「問題ない」=「いいんじゃない」くらいでご覧ください。最後のステップでのまさかの転倒はありますが、ジャンプはどれも流れも幅もあってきれいに降りているし、なんでなかなか点数につながらないのかな、と気をもんでいるのですが、演技構成点という点で見れば、上半身の動きや音のつかみ方なんてのは、ダイナミックだし非常に気持ちがいいのだけれど、肝心の足元の方が、ただ走ってるって時間が長いのかな、と。ここは本人の力量に合わせて振付を積み重ねていかなくちゃいけない部分なので、次の試合で急に改善されるというのは難しいところではあるけれど。でもでも、全体的なスケーティングのスピードと、確かな意思を感じる演技の力強さは、昨季後半から急激によくなった部分で、だからこそ、私は彼女が今季大きく飛躍するだろうと思ったわけでして、ステップの転倒の後も、気持ちが途切れることなく、転倒前と同じスピードにすぐにのって大きく踊り続けるなんて、なかなかできることではない。なので、やっぱり、今季もっと上に行けると思うんです。期待します。終わった後の表情が、「しょんぼり」じゃなくて「あー、悔しい」って感じなのもいいですよね。で、外国人選手を語るところまでいけなかったので、これまた、明日以降に。
2014年11月25日
コメント(4)
珍しく女子について。グランプリシリーズここまでをざっと振り返って、印象に残った選手・演技を日本代表中心に簡単に。ホンゴウリカ。いやはや、びっくり。シリーズ前、「今年は日本男子5勝は堅いでしょ」同様「ロシア女子全勝か…」という大方の予想を覆し、まさかの、シニアデビュー2戦目にしてロステレコムカップ優勝。もちろん、点数的に言ってしまえばスケートカナダで3位だったミヤハラサトコよりも低いわけで、ソトニコワの欠場とパゴリラヤの不調が重なったという幸運が大きいのだけど、それでも「優勝」という称号と経験は大きな財産。フリー「カルメン」。ちょいと音が小さいですが、いつもの英ユーロスポーツ。ホンゴウは、もともとあんまりタイプの選手じゃない。スケーティングの姿勢が悪く、肩があがって肘が張る感じだし、あごも上がり気味だし、スピード出そうとするとガツガツ漕ぐし…でも、今回のこのプログラム、そういうところがあんまり気にならない。要所要所での上半身のメリハリだったり、表情の作り方だったり、そういう部分がとてもうまく表現されていて迫力があり、彼女の演技に、初めて魅了された。日本でのテレビ放送の解説によれば、表現についてスズキアキコのアドバイスを受けたとのこと。なるほど。「ここできちんとジャッジ席を見る」のみならず、「下から見上げる」のか「上から見下ろす」のか、そのあたりのいわば「見得の切り方」みたいなところが、この演技はとてもとてもうまい。そういうのって、いくらアドバイスを受けたからと言って、本人に素養がなければできっこない分野だし、今回のこの優勝は、ホンゴウリカの選手としての可能性を示したとともに、スズキアキコの指導者としての可能性をも示したのではないかと、ちょっと思ってみたり。今までのホンゴウって、演技もしゃべり方もぼんやりしててこういうタイプ伸びないよの典型だと思ってたけど、試合後のインタビューにおいて、そりゃしゃべり方なんてすぐに治りっこないからやっぱりぼやーっとしてたんだけど、だけど、コーチや周囲の人に対する感謝を述べているうちにみるみる涙ぐんでいく様がとてもかわいらしくて、なんかそこが、一番見方が変わった部分かもしれない。ムラカミカナコ。スズキアキコの引退、アサダマオの休養によって、今季「日本女子の新エース」と称される彼女。(←どうして、どのメディアもアンドウミキの引退ってのはふれないの?と思うけど)正直、成績から言ったらミヤハラの方が上回ると思ってます。でも、経験ある「お姉さん役」はやっぱり期待したいわけで。中国杯SP。フリートとともに、彼女のオペラ座の編曲は謎なんだけど。中国杯で3位という成績は残したものの、点数的にはミヤハラはおろかホンゴウにも及ばず、でも、私はこの大会の彼女を見て、ちょっと期待したい気持ちになっている。全体的にジャンプの質があがっている。まだ、若干踏切りの際に踏切り足の膝をまげて振り上げるくせはあるけれど、それでも、昨季までの妙なためはずいぶん軽減されて、踏切り、空中でのポジション、着氷の流れがとてもきれいでスムーズ。特に、このSPの3本目のジャンプである2Aの軽さといったら!このジャンプ一本で私は「ああ、今年のカナコはちょっと違うぞ」と思った次第。で、翌日のフリーも、前半、ジャンプのミスが続いて、昨季まで同様そのままずるずると失敗に失敗を重ね…かと思いきや、見事に立て直し、いや、立て直したどころか、後半はとても力強く見応えがあり、これは、さすがにカナコもやっと大人になったな、と今度に期待。と、ひとりあたり2、3行で簡単にざっと語るつもりが、やっぱり長々となってしまったので、続きはまた、明日以降にて。
2014年11月24日
コメント(2)
このところ地味に忙しくて、連日帰りがちょい遅めだったり、そのせいかどうも頭の中が疲れてる感じがしたり、加えて、ちょっと体調不良気味だったりするので、日記はぼちぼち行きます。毎日のように「あれとあれは書きたいな~」と思いつつ、眠くなっちゃうし、一方で、体力温存のために寝なくちゃとも思うし。ある意味、燃え尽きてるのもあるんだろうなぁと思うしね…
2014年11月20日
コメント(6)
え~っと、Wordでまとめはじめていたのですがあまりにホットトピックなので、今アップすることがちょいと怖くなりまして、ちょっと時間を置いてからアップします。へたれですみません代わりに、私の意見に近い記事をご紹介。ナカニワケンちゃんとは、前から意見があうと思っている。んでもって、もちろんアッコちゃんとも意見は合う。ちらっと言っちゃうと、気持ちが強いとか、根性とか、男気とかというよりも、アクシデント直後でアドレナリンでまくりでハイだったんじゃないかと、だから、そこが心配なんだよ、ってのが私が思ったことです。最後に、現場に居合わせた選手の生々しいインタビュー。これが一番重い。そして、ヒロタのシュークリーム、ムラくんセールやってた!今お知らせしてもおそらくは間に合わないんだけど、けどけど。不覚…
2014年11月09日
コメント(6)
昨晩は、たいした長い日記じゃないのにえらい夜更かしをしてしまって、何かと言えば、資料にする動画探してるうちにいろいろ見始めて止まらなくなって…のパターンでありました。そんな、夜更かししてあさってた資料動画は本日の日記にて使用予定。さて、ムラくんのジャンプの話。わかりやすいのは、四回転の跳び方を変えたこと。まずは今回のスケートカナダのSP。これはスリーターンからの四回転。ごく一般的な入り方で、だいたいの選手が4Tはスリーターンから踏み切ります。氷の上に「3」を描くようにターンするので「スリーターン」って言います。余計な豆知識でしたで、昨季四大陸選手権のSP。こちらはモホークからの四回転です。スリーターンからの入りが、大きく体全体で円を描くようにしながらジャンプ動作に入っていくのに比べ、モホークの場合は、足元だけでピョコッと向きを変えるのでわかりやすいかと。実は、これはムラくんくらいしかやってなくて、彼のひとつの特徴だったもので、なくなってしまってちょっとさびしかったりもするのだけれど、スリーターンからの入りの方が足の負担が少なく、結果、フリーに四回転2本を危なげなく入れられるようになったとのことなので、まあ仕方がないね。で、もうひとつムラくんの今季のジャンプを変化させたのは、イリア・クーリックによるジャンプ指導の成果。長野オリンピック金メダリストであるイリヤ・クーリック。昨季、ミヤハラサトコのジャンプも指導しており、そのことによってミヤハラのジャンプは回転不足やエッジエラーが劇的に減ったため、ジュニアからシニアへの移行をスムーズに行うことができたのだと私は勝手に思っていて、クーリックのジャンプ指導に対してはひそかに信頼を寄せていたのであります。そこにきて、このムラくんの変化。百花繚乱、群雄割拠の日本男子シングルにおいて、ムラくんと言えば「ジャンプの人」。なんだけど、そのジャンプに抜けが多いのもムラくんの特徴でありまして。今のルールって(いや、実は前からなんだけど)、転倒よりも回転が抜けてしまう方が失点が大きい。四回転なら、四回まわりきって着氷で転ぶ方が、四回のつもりのところで二回しか回れずに降りてしまうよりずっといい。それが、昨季までのムラくんは、転倒はしないけど回転抜けの多い人で、しかも、一回抜けるとそのあとも引きずって連発するくせがあったりして。そういうところ、どうやら今季は今のところ出ていないみたい。あ、あと、昨季まではいつもフリップが明らかにエッジエラーで、そうなると今季は基礎点から引かれてしまうところだったんだけど、それも改善の方向のようで。具体的に技術の部分と、ジャンプに対する心構えみたいな部分と、どちらもクーリックの指導からは得るところが大きかったようで、何だか安心してムラくんをみていられるような気分になっております。で、そんなクーリック先生の演技ご紹介。現在37歳。でも、まだショーではガンガン滑っておりまして、日本にもちょいちょい来てます。クリスマスのショーにも来るよ。(←チケットが全然当たらないんだよーーーーー!!(/_;))動画としては最新で昨年のものしか見つからず。あしからず。こんなにスピードあってフットワーク軽く、こんなにジャンプも跳べちゃってたりして、ロシアの方にしたは太らないし、老け込まないし。「すげーな、クーリック」と常日頃から思っておりますです。ショーで生で彼のスケートを見る機会があった時、小さな会場だったこともあって、彼がリンクを駆け抜けていくときの風圧がすごかったんです。体が大きいってこともあるんだろうけど、そのスピードが客席まで届く風が起きて、「ああ、この人はチャンピオンなんだ」って、恐れ入った次第。今まで見てきた外国人スケーターの中で最も「王者の風格」を感じる人なのであります。で、そんなクーリックの長野オリンピックの振り返り。直前の6分間練習から入ってる動画なので、お時間と興味のある方は全部見るといろいろ面白いんですけど、クーリックの演技そのものは3:20あたりから。あ、あれ?たいしたことないぞ…若いというのもあるのでしょうが、重心が前の方にあるのかスケーティングがつんのめるような形になってるし、なのでスケートが滑らずに一歩が短いですね。フリップとルッツの踏切りの使い分けもいささか怪しいし、上半身も固いので、「いかにも」という古臭い演技だなぁと。それが今では、今時なプログラムをショーで演じながら、今のルールにマッチした指導をして、選手の能力を引き出しているのだから、ますます尊敬に値する人だな~と思ってしまうのでありました。まあ、この長野五輪の演技、一番「えっ?」ってなるのは、そのキリン風味の衣装で「ラプソディ・イン・ブルー」ってところですけどね(笑)おっとムラくんのジャンプの話のはずが、いつの間にか、クーリック先生は素敵という話になってしまった(笑)なので、ググッと話を戻してムラくんのSP。どうでもいいことを箇条書き。・1:35付近、足を止めて客席に向かって振り返ってポーズを決めるところで、 ぜひとも「キャー!!」が来るようになってほしいもの。・2:28ステップに入る前後の動きが流れてしまっていて、しかも微妙に音とずれてしまっているのが何とも残念。 ここで、足元滑りながら上半身の動きをピタッと止めて、かつ音に合わせてステップをスタートできるようになると、演技構成点ググッと上がると思います。・2:50あたり、後ろに下がっているステップが何やらたまらなく好き♡以上!(笑)今年のムラくんのプログラムは、SP・FSともにフィギュアスケートの大定番の曲を使っていて、奇をてらわず、でも、オリジナルなとても素敵なプログラムになっていて、彼に似合っているし、とてもいいな~と思うのでありました。
2014年11月06日
コメント(4)
さて、うかうかしているともう次の週末です。書いたものが失われてしまっては、書き直している時間も、立ち直る時間もないので、急がば回れでWordで書いている次第。ようやくムラくん優勝の話題。いつもと順番変えてFSから。ボーカル曲解禁の話題のところでも取り上げたので、サラッと。祝・手袋復活。やっぱりこの振付けは手袋してないとおもしろくないですよ。では、またしてもノブナリ解説にて。ムラくんの涙で一緒に号泣してくんないかな~と思ったんだけど、それはなかった(笑)演技が進むにつれてだんだん観客が盛りあがってくる感じが伝わってきて、震えました。昨年まで1本だった四回転を2本に増やし、にもかかわらず技術的に危なげなところは見せずに、何よりも私が感動したのは、試合前に「今季の目標は250点」と言っていて、それを見事にこの試合で達成してみせたこと。255.81。それは彼のパーソナルベストでもあり、世界的にみても十分に高得点。ただし。日本男子シングルで戦っていくとなると話は違う。先週のスケートアメリカにおけるマチダタツキの点数は269.06。しかもこれは彼のベストではなく、自己最高得点は282.26。ハニュウユヅルのパーソナルベストにいたっては293.25。引退した選手も含め、世界の男子シングル選手のパーソナルベストランキングで言えば、今回の点数により、ムラくんは11位にランクアップ。が、日本男子シングルパーソナルベストでいくと、↑と同じランキングなものだからタカハシ、オダも入っちゃうんだけど、なんといまだ6位。ハニュウ、マチダ、タカハシ、オダ、コヅカ、ムラ、なんですね。ご参考までに、こちらがそのランキング。日本男子、怖っ!じゃなくて。SPでのジャンプのちょっとしたミスや、FSでのスピン・ステップのレベル取りこぼしはあるにせよ、これだけ技術的に確実な演技をしてなお、ハニュウやマチダに及ばないのはなぜなのか?もちろん、技術的に各要素の質をもっと上げていく必要もあるだろうが、やはり大きいのは演技構成点の差。今回特に、フリーのオペラ座の怪人を見て思ったのは、上半身の動きが流れてしまうってこと。例えばこの動画で1:19、音が変わるタイミングで両腕を上げるところや、3:12仮面に見立てた右手の白手袋を顔にあてるところとか、もっと「ピシッ」と腕の動きを止めてくれたならば、演技にすごくメリハリがつくと思うのだけど。そのあたりの、「パッと止まってパッと動く」「力を抜いて流れにまかせる」なんかが使い分けられるようになると、ググッと演技構成点の「CH:振り付け」とか「IN:音楽解釈」とか上がると思うのであります。で、欲を言うと、足元も同様に「急に止まる、急に動く、急に曲がる」とかが出来てないので、演技構成点上位の選手と比べると、どうしても「小回りが利かない」感じ。ここが「SS:スケーティング技術」「TR:つなぎ」にかかわってくる部分。このあたりの改善は一朝一夕ではいかないので、ピョンチャンに向けての長期的課題として取り組んでいくことになるのだろうけど。と言いながら、今回、ムラくんが大きく変わったのはやっぱり実はジャンプの安定感。そのあたりにつきましては、また明日。
2014年11月05日
コメント(2)
はい、一回書いたの全部消えた(/_;)すっかり油断してたよ…で、もう書くのやめちゃおうかくらいにショックでありましたが、内容を考える時間もかかってたわけで、それも悔しいから完成させます。はい。ここから本題。日本男子2連勝の喜ばしい話の前に、まずはちょっとした無駄話。いや、無駄ではないけど。かえって、ちょいと重いけど。例えば、先週のスケートアメリカならば、ジェレミー・アボットという大ベテランがいて、マルティネス、ナム・グエン、ピトキーエフとジュニアからあがりたてのフレッシュなメンバーがいて、マチダタツキ、ジェイソン・ブラウンというまさに旬の選手がいて、いろいろな世代の、それぞれの見どころがあったのだけど。今週のスケートカナダは、いささかメンバーが偏っておりまして、年齢的にも23歳から25歳くらいのスケーターとしてはよいお年頃の選手が中心で、成績としても、フェルナンデスはともかくとして、このところ、もうひと伸びができずに苦しんでいる選手が多かったりして、テレビの実況的に言えば「復活を期すシーズン」の人だらけ。中でも、私が勝手に「コヅカ世代」とくくっているコヅカ、アモディオ、リッポン、ブレジナ。ルックスだって技術だって人並み以上だし、キャラクターだってそれなりにたってるし、なのに、なぜだろう、常に「ちょっと何か足りない」感…バンクーバーオリンピックの代表選考において「若手」だった彼らが、きっとソチオリンピックの主役になるだろうと、あの時は誰もが思っていて、でも実際は、バンクーバーの主役たちはなかなかその座を降りようとはせず、驚くほどのスピードで彼らの次の世代が成長してきた結果、間に挟まれた世代は、すっかり存在感をなくしてしまっていた。それはめぐりあわせの不運としか言いようがなく、息の長い、キラキラのスターで大きな実績と人気を持ち合わせた先輩たちと、成長が早く、とてつもない技術力を持ち合わせた後輩たちと、その間に挟まれてしまった不運。誰が悪いわけでもなく、「譲れよ」「来るなよ」と言えるものでもないし、越えられなかったのも、越えられてしまったのも、実力なのだし。ただ、思うのは、同世代、バンクーバーの若手でソチの主役を張ることができたのは、前エースであるジェフリー・バトルがすでに引退していたカナダのパトリック・チャンと、すべてが「スペイン初」で、追うべき先輩の背中すらなかったハビエル・フェルナンデス。そう思うと、コヅカ、リッポン、アモディオ、ブレジナは、2番手という位置づけに、あまりになじみすぎてしまっていたのかもしれない。常に、タカハシ、アボット、ジュベール、ベルネルというエースの存在がまずあって、「先輩の調子が悪い時は僕にまかせてください」という時に、一番力を発揮してみたりして。本人たちがそんな風に考えていたとはもちろん思わないけれど、どこかで潜在的に、エースとは「なるもの」ではなくて、自然と「譲られるもの」みたいな意識ができちゃってたんじゃないかと思ったりもするのです。そして、いざ先輩たちが退いた時、「よし、自分の番だ!」と覚悟を決めるというよりは、すでに主役を後輩たちに持って行かれてしまってるというのもあって、まるでよりどころを無くしてしまったかのように見えてしまったのが、今回のスケートカナダだな、と。あ、アボットは退いてないですけど、まあ、大きな流れという話の中で、ということで。みんな一度は天下を取りかけたというのに、タイミングは違えど、その後の急な失速。残念でならないのです。というわけで、コヅカSP。そんなに大きな失敗をしているわけではないし、彼のSPの点数は常に77点あたりなので、75.85というのは、そこまで悪い点数じゃないのですね。ただ、グランプリで表彰台を狙うなら80点、世界選手権で表彰台なら90点が目安のこのご時世だと、たいしたミスがないのに70点台というのはつまり、トップ中のトップを狙うのは苦しいということに他ならず。だいぶ音小さいですけど、解説が好きなもので英ユーロスポーツにて。ミヤモトケンジ振付のタンゴなんて、タカハシと比べてくれと言わんばかりで「それってどうなの?」というのが第一印象。でも、ずっと気になっていた手首から先をきちんと振付けることで、全体的に上半身の動きが柔らかく見えるように工夫されているように思えるし、タカハシの幻影を頭から追い払うことができるのなら、ステップシークエンスの全身の使い方は今までのコヅカにない動きで画期的。いいね。それに、このスケーティングの美しさ。昨季までよりもさらに、スケートそのもののうまさがアップしたように見えます。なんだけど。で、フリー。ここは敢えてオダ解説で(笑)3Aの回転が抜けたときに、本当に悔しそうな声を出すノブナリが素敵。ってのは、ともかく。本当にいいプログラムだと思います。SPでも触れましたが、振付の工夫なのか本人の意識なのか、ずっと気になっていた手首から先のこわばりがだいぶ解消されて、ボーカル入りの曲のチョイスもいいと思うし、衣装も素敵。ただ。ジャンプの抜けも重症だけどそれよりも、SPもそうなんだけど、スピンがへたっていうか雑っていうか、何ともコヅカらしくない。スピンって練習量が出るのです。ってことは、キャラ的にさぼって練習しないとかありえないので、やっぱり故障の状態が厳しいんじゃないかと心配しちゃうわけです。そのあたりは、次戦で再チェックであります。というわけで、最後に、リッポン史上最高の演技など。2010年ジャパンオープン。これは実は会場で生で見てまして、本当に感動に打ち震えました。途中の両腕を広げてのパンケーキスピン、最後のステップに入る直前の高まり。本当に「あとはジャンプの難度だけ」だったのにのに。そして、この美貌。このころまではリアル天使な美少年だったけれど、時の流れは残酷なもの。25歳の今はすっかり男臭くなってしまって…(/_;)というのを見るとね、ユヅルがね、ルックス的にね、どう成長するかがね…
2014年11月03日
コメント(2)
オリンピックが終わった直後のシーズンは、大きなルール変更があるというのは、前にもどこかで書いたとおり。で、それをグランプリシリーズが進む中で少しずつ説明していけたらな~とは思っているわけですが、どちらかと言うと、説明するという形を取りながら、私自身がきちんと理解する勉強の機会となるのかもかも。というわけで、本日は最もわかりやすいルール変更「ボーカル入りOK」の話など。実は私は「大賛成」とは思っていなくて、特にポップスを1曲歌入りでというような使い方は、リンクの音の響き方として、安っぽく薄っぺらく聞こえちゃってどうかな、と思っております。今季ここまで見た中で、一番「あちゃちゃ」と思った例をひとつ。ロンバルディアトロフィー、女子シングルSPビクトリア・ヘルゲソンの演技。演技の出来がイマイチということもあり、「うーん…」度が非常に高いわけですが、アイスショーで照明の演出があったり、生演奏で歌手本人が歌ったりというのであれば、ポップス系ボーカル入りの曲も華やかなプログラムとなり、楽しく見ることができると思うのだけれど、きっちりと時間に制限がある競技プログラムでは、歌詞を変なところで切るとおかしなことになるこういう楽曲を使ってしまうと、盛り上がりどころの作り方が難しくなってしまうし、歌の音量が大きくて伴奏が抑え気味というのは、素明かりの競技会でみると何となく音量としてさびしいんですよね。で、今回のスケートアメリカ。これをやっちゃったのが、なんとジェレミー・アボット。残念でしかたがない。やっぱりね~、リンクでの音の響き方なんですよ。銭湯で遠くから聞こえる音楽に合わせて鼻歌うたってるみたいに聞こえちゃうですよ。これを、ボーカルの旋律をピアノとかオルゴール音とかで置き換えて作ったら、すごく繊細で素敵なプログラムになるんじゃないかな、と思うのだけど。じゃあ、せっかく解禁になったボーカル入り、どう使うのが効果的か。無難なのは、オペラやミュージカルの曲をつないでいくなかで、ここぞというところでボーカルを入れるパターン。ムラくんのオペラ座の怪人。ジャンプの出来としてはジャパンオープンの方がよかったのだけど、撮影の角度の問題なのか音に対する反応はこちらの方がいいように見えるのでロンバルディアトロフィーの動画にて。あと、この白黒の手袋すごくいいと思ったのに、ジャパンオープンではやめてたので、こっちを見てほしい(笑)このくらいポイントしぼって使うと、アクセントとして効果的だと思うし、音の編集の仕方としてもうまくいってるのではないかと。対して、ムラカミカナコのフリーのオペラ座の怪人は失敗だと思うんだ。音源って大切。映画のサントラを使ってるんだけど、あのファントム役の方は歌は下手だけど演技と合わせて見ることで説得力があったわけで、歌だけ抜いたら「ヘタ」なんですよ。でさらに、リンクで音ながすと「銭湯の鼻歌」になっちゃうわけで。中盤の合唱部分だけ使うなら、すごく効果的だと思うんだけど、ファントムのソロを使いたいなら、もっと違う音源を選ぶべき。と、ここまで長々語ってきましたが、今日語らねばならないのは、マチダの第九をどう見たか。あの合唱の使い方は、とてもうまいと思います。思うに。合唱やオペラであれば、まずはオーケストラの音の重なりがあって、その最後の一層として歌が重なってきているから、試合で聞いても違和感ないし、かえって迫力が増したりする。が、ポップスのように、まずは歌があって伴奏として他の音がついてくると、リンクで聞く音楽としてはさびしいし、響き方が銭湯の鼻歌になっちゃう。なので、これは正解。今回、後半目に見えて疲れているので、これがシーズンが進んで、最後まで体力が持つようになれば、合唱部分の迫力がもっと増すようになるかと思います。インタビューでマチダ自身が言っていた通り、今回、体力が持たないと判断してあえて2Aにした後半のアクセルが予定どおり3Aで、疲れて跳びきれずに手をついてしまった結果、単独なった3Fのところが3連続ジャンプなったなら。あわせて、もう一か所、演技の中盤、ジャッジ席に向かって滑ってきて目の前で跳ぶサルコウは、本当なら基礎点1.1倍の後半の予定が、タイミングがちょい早くてギリギリ前半のカウントになっておりまして、以上3つの今回基礎点を取りこぼしたところが予定通りに跳べていたならば、ジャンプの基礎点だけで9.55の上積みがみこめ、さらにGOEのプラスや演技構成点の伸びを考慮に入れると、最終的には190点を狙えるプログラムだと思います。あと、このプログラムにおいて、今季のルール改正にからめて語るべき点がもうひとつ。冒頭、音楽がかかってから20秒間の静止。これは、ルールの隙をついた革新的アイディア!男子シングルフリープログラムの持ち時間は4分30秒プラスマイナス10秒。そして、この時間のカウントは、選手が動き出したところから動きを止めるところまで。音楽自体の長さは関係ないのです。そして、今季改正されたルールのひとつとして、昨季まで1分間であった名前をコールされてからポジションに着くまでの時間が30秒に短縮されました。なので、このマチダの第九の冒頭20秒と言うのは、観客の視線を彼に集める時間となるとともに、ちょっと急いでポジションに着いた後に、音楽を聴きながら気持ちを整える20秒として使えるというナイスアイディア。マチダや振付のミルズさんの傾向として、あくまで表現がまずあって、そっちが主な理由ではないと思うけど、結果としてそうなってるという話だとは思うけれど。ただし、これをマネして、音楽がかかってから動き出すまでに時間をかける選手が増えてくれば、「音楽がかかってから○秒以内に動き出さなければならない」というような新たなルールができそうな気はするけれど。というわけで、ジャンプに関するルール変更の話などは、また次回。
2014年10月26日
コメント(2)
さて、始まりまして。とは言え、さすがに今年は緊張しすぎてはきそうになったり、お腹が痛くなったりはしないもよう。今年だけじゃなくて、ずっとそうなんだなぁ、もう…って思うと若干さびしいけれど、時の流れなのだから、仕方がない。と言うわけで、私のまっちー。もう、いい成績が出て当然の選手の仲間入りで、そしてその期待にちゃんと応えられる選手となりました。昨年よりも、スケーティングそのものがうまくなったなという印象を受けます。力を使わずにスピードにのることができていて、なので、その分の力を他で使うことができる。ひとつひとつの技の質が高まって「うまくなったな~」というのが初見の感想でした。この春の世界選手権の時にも書いたのだけど、マチダとハニュウの差と言うのは、当然ジャンプ構成の基礎点自体の差もあるけれど、実は、ジャンプの質の差が大きかった。そこが埋まってくれば、あるいは、ひょっとして、あり得るかも。リンクサイドで長い長いハグをかわす振付のフィリップ・ミルズ。何やらだんだん、彼が面白キャラポジションになりつつあるようで、今日も目が離せなかったわ(笑)マチダがミルズと出会ったことによって、自分が表現したいことを表現したいように表現する方法を手に入れたのと同時に、ミルズにとっても、マチダとの出会いは、彼の人生の質を高める大きな出来事だったのでしょう。男子シングルSPだけで、語りたいことは多々あれど、大分夜も更けてまいりましたので、これにて。あ、最後に今季のルール変更についてひとつだけ。今季のルール改正は複雑で細かく多岐にわたり、私もなかなか理解しきっているともいえないのだけれど、こちらのコラムにて、わかりやすくまとめられておりました。ありがたや。よろしければ、ご参考まで。
2014年10月25日
コメント(6)
というわけで。来週からのシニアのグランプリシリーズ開幕の前に、数回にわけてジュニアのグランプリシリーズで私が思ったことなど。まずは、うちの子ウノショウマ。日本フィギュアスケート界の母、ヤマダマチココーチの秘蔵っ子で、ここ数年、日本ジュニア男子のトップ3の一角をにない、今年の世界ジュニア選手権にも出場。その時の演技については、こちらの日記にて。ルイスーさんのコメント、実現しそうです。さすが、未来を見る力があるだけあります!ジュニアグランプリシリーズ最終戦クロアチア大会、優勝を決めたフリーの演技。これにて、ファイナル出場も決定。衣装のせいもあるのだろうけれど、ここ数カ月で体つきもぐっと大人っぽくなって、もともと、表現そのものはシニアレベルだったわけで、気になっていた幼さが消えました。ジャンプのくせもだいぶ治ったし、なによりも、驚くのは4回転2本降りちゃった!ただし、3Aが苦手で、なのでアクセルは2A2本、そのかわりの4回転であるとも言えるのだけれど、そもそも、ジュニアで3Aをコンスタントに跳ぶこと自体が普通は難しいことでして、そこを補うために4Tを持ってこれるなんてのは、どこのパトリックよって話なわけです。もともと持っていたスケーティング自体の巧みさ、音に対する反応の良さ、ジャンプの流れ、そしてスピンの入りと出のきれいな処理。ジャンプ以外が素晴らしい選手がジャンプを手に入れたら大変なことになるよ、というののお手本のような選手になったのではないかと。そうなれば、他のジュニア勢では到底太刀打ちできず、ファイナルや世界選手権、優勝が狙えるところに来ていると思います。と順調にいけば、来季からはシニアに移行することも考えられ、日本男子のバトンは、こうして着々と受け継がれていくのだな、と、姉さん、すっかり安心。そして、この演技、終わった後の表情がいいですよね。ちょっとうれしそうに、ちょっと誇らしげに、でも、「このくらいで大喜びしてちゃダメだ」ってちょっと我慢して、そんな笑顔がとってもキュート。これは世界で人気でますよ。今年の目標「全日本4位」だそうなので、(←つまりは、コヅカかムラには勝とうと思ってるってことですな)ぜひとも注目くださいな。
2014年10月16日
コメント(6)
ずいぶんとご無沙汰をしてしまっていて、自分で日記を書かないどころか、ページを開きもしなかったものだから、皆さまのところにもお邪魔しない日が続いておりまして。申し訳ないです。そろそろ復活しますただ。今日は一言、書き記しておいた方がいいのかな、と。私の中での覚悟は、ずいぶん前に決まっていたし、むしろ、引退以外の選択肢があるとは思っていなかったし、そのあたりことは、以前の日記、これとかこれとかに書いた通りでありまして、はっきりしないままダラダラとひっぱってみたり、心身の整わない状態で、また試合に出たりしてほしくなかったので、今回、よいタイミング、よい舞台、よい内容の会見を見ることができて、実はホッとしております。というのも。この夏、アイスショーでタカハシの演技を見る機会があり、まざまざと「もう二度と体も心も試合ができる状態に戻ることはないのだな」というのも見せつけられてしまったもので。特に、同じショーにハニュウ、マチダも出演していたので、今まさに頂点に登りつめ、さらに大きく咲き誇ろうとしているふたりと比べて、戦うための体も心も失ってしまっているさまは痛々しく、それは自分でもわかっているのに、それを認めてしまうのが怖くて、前に進むことも、戻ることもできずに立ち止まっている姿を見るのがかなりつらかったのです。なので、本人同様、こちらもとてもすっきりしました。私は、ソチでのあの演技が現役最後になったというのもよかったと思うのです。技術的、点数的にはいろいろと不満の残る内容だったかもしれないけれど、演技として、彼の競技人生をしめくくるに、あれほどふさわしいものはなかったと、今でも思います。正直に言うならば、私はタカハシダイスケに、みっともないことはしてほしくない。無理だとわかっているのにすがりつくような真似も、結論を出せぬまま、「まだ辞めてなかったの?」と言われるようになってしまうことも、私の思う「タカハシダイスケ」像として許しがたく、だって、それは、タカハシ個人の問題であるだけでなく、その背中を見続けているこれからの日本男子の問題であるだろうし、ひいては、ロールモデルとして彼を掲げる世界の男子シングルの問題じゃないかと思うもので。というわけで。「辞めるという決断」とその発表の仕方においても、後に続くものたちの手本となるようなものであること。それを私は望んでました。体つきも表情も引き締まった状態で、故郷の長年応援してくれた企業のパネルの前で、何の興業的宣伝も絡めずに、「現役選手のことを考えたらシーズン前に」と言って、多くのフラッシュを浴びながらの会見は、私の思う理想のタカハシダイスケとして、パーフェクトでした。お疲れさまでした。そして、実は、思ってたよりもずっとずっと扱いが大きくて戸惑っている(笑)そっか~、そんなにも重要人物だったか~(笑)と言うわけで、オリンピック終了後の今季は、細かいルール変更が多くて把握するのが大変。来週末のスケートアメリカにむけて、少しずつご紹介いたしたく。そして、ジュニアグランプリでも新しい波がきておりまして、そのあたり、ぼちぼち書いていきたいなと思っておりますです
2014年10月14日
コメント(6)
なんと長らくのご無沙汰でありまして。スケートシーズン終わったから書かないとかそういうんじゃないんですけど、忙しかったり、気持ちが向かなかったり、気が付けば、自分でもびっくりするほどこのページを開いておりませんでした。なんてこったい。さて、これまた旬を逃した話でありますが、このゴールデンウィーク、カレンダー通りの休みを、私はとてもとても充実したものとして過ごしました。と言っても、やったことは小さな事ばかり。コンタクトレンズを新調したり、市内の温泉施設で一日中ぐったり過ごしたり、スポンジとバケツの水で、丁寧に洗車をしたり。そう、ポイントは「車」。東京から田舎に居をうつし、必要にせまられてしぶしぶ免許を取得したもので、いつまでたっても運転は苦手で、車も、家族3人に対して2台、正確に言うと、主に母が使っている軽自動車を私が時々借りる形だったものだから、まずは母の予定が優先で、丸1日私が自由に車を使えるというのは、なかなかなくて、母が出かけるついでに同乗させてもらったり、できるだけ自転車を使うようにしたり。そんな状況なものだから、仕事で外出が必要な時も、前もって車を使えるように母と予定を合わせたり、結構不便だったのだけど、昨年、正社員になったことで、積極的に事務所の仕事にかかわるようになり、いよいよもって、その状態では不便なことになってきておりまして。ご報告遅れましたが、昨年末に自分専用で使える軽自動車を手に入れていたのであります。なもので、天気も誰の予定も気にすることなく、自分の意志だけで予定を組めるようになって、結局のところ、この中古の小さな車を買ったことで、私は日常の自由を手に入れたのだな、と、この連休中しみじみと思ったのでした。車を家族で共有していると思うと、自分一人で乗っていって、温泉施設の駐車場に一日置きっぱなしって気がひけちゃうし、自転車で行くのはちょっとしんどいなという買い物にふらっとは行きにくくて、実際のところはどうであれ、自分の気分として「家族にお伺いをたてて許可をもらう」あるいは、「母の予定に合わせて行動する」になっちゃってた。その枷がはずれたので、本当に本当に、とてもとても楽。車の運転そのものにしても、母の車を借りてる状態だと、「足元のトレーマットが邪魔」とか、「ミラーの角度が母向けだから、毎回自分用になおすのがピタッといかない」とか、ちょっとずつ「運転しづらい」のを我慢していたけれど、自分用の一台になれば、そこは自分が運転しやすいように整えられるので、前よりもグンとやりやすくなりました。というわけで、ちょっと大げさかもしれないけど、新しい翼を手に入れた気分でいます。
2014年05月08日
コメント(5)
この年になって、ようやく気が付いたことがある。どうも、私はパーソナルスペースが広いようだ。以前から、レジなどでぴったりくっついて並ばれたり、さほど親しくない人に近づいて話しかけられたりするのが苦手で、レジの時なんかは特に、「なんでこの人、嫌がらせしてくるんだろう?」くらいに思っていたのだけれど、おととしくらいになってやっと、「そうか!この人自身はそうされて嫌じゃないから、 普通の行為として近くに並んだり、近くまでよって話したりするのか!!」と気が付いたしだい。しかも、どうやら「近い!」と感じる距離が、私は人よりも広いみたい。ということを理解したおかげで、いちいち前みたいに眉をひそめたりはしなくなったけど、でもまあ、親しくない人に近くに立たれるのは苦手です(^_^;)で。最近もうひとつ気が付いたこと。それって、車運転しているときでもそうなのかも。車間距離が人に比べてすごく広いとは思わないんだけど、例えば、車線変更や右折の時など、「この距離なら安全」と思える距離が遠いみたい。なので、車線変更も右折も、とてもとても苦手です(-_-;)こちらは、慣れていかないといけないよなぁ…
2014年04月11日
コメント(4)
今日は雪が降りました。もちろん積もるほどではないけれど、近所のスーパーまで歩いて買い物に出かけたら、店を出るなり激しい風と雪。びっくり。夕方には日がさす天気になってきたのだけれど、風の冷たい一日でありました。さてさて。一個前の日記で、オリンピックでのフェルナンデスのジャンプリカバリーについて、私、間違ったことを申し上げておりました。7番目のジャンプを3F単独にして、最後のジャンプを3S+1Lo+3Sにするのもありなんて書いておりましたが、それやっちゃいかんですよ。そんなことしたら、3S3回跳んじゃいますってば。で、最後のコンビネーションが0点になって、実際にソチ五輪でやらかしたパターンより失点がひどくなっちゃうじゃん。正解は、3F単独にしたうえで、最後のジャンプを3S+3Tにする。多分、これが一番やりやすいパターンだったかと。で、本日の本題。ISUが、グランプリシリーズに次ぐ格付けの大会として、チャレンジャー・シリーズを設けるとの報道。この記事だけだと、まったく新しい大会が創設されるのかとも読めるんだけど、ISUのサイトで、もとのアナウンスの全文にあたってみると、どうやらすでにある国際B級大会をシリーズとしてまとめて格上げして、ポイントも今までよりも多く与えるし、ISUから賞金を出すようにするよ、という話みたい。たぶん、フィンランディア杯とかネーベルホルン杯とかオンドレイ・ネペラ記念とか、そういうのが対象になるんだろうな、と思うんだけど。でもって、ひとり3試合までという制限はあるものの、他に制限はなくて、例えば世界ランクが低くても、例えば、グランプリシリーズに参加してようとも、チャレンジャー・シリーズへのエントリーは可能。ただし、グランプリにエントリーしている選手は、グランプリの試合出場を優先させること、とはされているけどね。そりゃそうだ。つまり、エントリー行為について見る限り、選手にとって大きな変化はないもよう。グランプリの始まる前に調整としてこれらの大会に出場していたトップ選手にとっては、「調整できてみたら、今までよりポイントたくさんもらえたし、お金もらえた」みたいな状態だし、惜しくもグランプリに届かないような選手にとっては、がんばれば賞金ももらえるし、世界ランクを今までよりもあげることができるし、場合によっては、グランプリの補欠にエントリーできるという、つまりは朗報。バンクーバー後にグランプリシリーズのエントリー枠が減らされてしまって、ジュニア時代からのエリートでもない限り、上に行くのがなかなか難しくなってしまったのを、不満に思っていたもので、こういう形で、下克上の可能性を作るってのは私はとてもいいことだと思うので、歓迎です。ムラカミダイスケとかミーシャ・ジーとかフィリピン男子のおふたりとか、そのあたりの選手にとっては、これは朗報なのではないかと。短くまとめられた第一報を見たときは、「8月から新シリーズの試合とか、私の神経がもたないじゃん!」と慌てたわけですが、今までもあった国際B級大会の扱いが変わるという話であるならば、私のスケジュール的にも大きく変化はないので、ひとまず安心(笑)まあ、でも、そのクラスの大会は、全部日本男子が優勝するってことに、決まってるんですけどね!(笑)
2014年04月05日
コメント(3)
新年度になったし、上着がいらないほど暖かくなってきたし、タイヤだって冬用からはきかえたし。だけど、仕事は前年度の積み残しに追われていて、ちっとも区切りがついていないのでした。めでたし…いや、ちっともめでたくないし!(笑)というわけで、せめて前回からの話題くらい区切りをつけちゃおうじゃないかと。フェルナンデスの今季FSのジャンプ構成プランは、1.4T2.4S+3T3.3A4.4S5.3Lz+2T6.3Lo7.3F+1Lo+3S8.3Sここで、フリープログラムのジャンプに関する決まりをまとめると、・3回転以上のジャンプで、繰り返していいのは2種類2回まで。・同じジャンプを繰り返す場合は、 必ずどちらかをコンビネーションにしなければいけない。 ミスにより2回とも単独のジャンプになった場合は、 一方をシークエンス扱い (つまり、コンビネーションになってないけどコンビネーションを跳んだという扱い) にする。・ひとつのプログラムでコンビネーションジャンプは3回まで。 3連続は1回のみ。となります。ここでフェルナンデスのジャンプ構成を見てみると、2回入れてるジャンプは4Sと3S。なんとどっちもサルコウなんです。どんだけサルコウ好きなんですかって話です。サルコウは6種類のジャンプの中では、あまり基礎点の高いジャンプではないので、男子の上位陣で3Sを2回という人はめったにいないのだけど。ジャンプを基礎点の高い順に並べるとアクセル(A)>ルッツ(Lz)>フリップ(F)>ループ(Lo)>サルコウ(S)>トゥループ(T)なので。ユヅルが4Sと4Tを1回ずつで、3Aと3Lzを2回ずつというのが一歩前に出るための基礎点の高い組み合わせというのは前回ふれたとおり。マチダの4T2回、3A2回というのが、4回転を2回入れる選手の王道パターン。タカハシ、オダ、ベルネルなんかもこの組み合わせ。あとは、今回の世界選手権で言えば、トゥループよりもサルコウの得意なマックス・アーロンは4S2回に3A2回とかね。つまりは、サルコウばっかり繰り返して4回も跳んじゃうフェルナンデスのプログラムは、いかにもバランスが悪いわけです。これは、ミスがあったときに取り戻すのがとても難しい。それが致命的な失敗につながってしまったのが、ハビエルのオリンピックでの演技だったわけで。オリンピックのフリーでハビエルが実際に跳んだジャンプは次の通り。1.4T2.4S+2T3.3A4.3S5.2Lz+2T6.3Lo7.3F+1Lo+2S8.3S3.のとこ、もともとは四回転のはずが3回転に抜けちゃったために、最後の8.の3Sとだぶってしまい、8.はシークエンス扱い。となると、すでに2.5.7.と3回コンビネーションを跳んでしまっているので、最後のジャンプはコンビネーション回数違反で無効。0点になってしまったのです。おやおや。4.で3Sになってしまったのを取り返すために最も有効な方法としては、もともとがコンビネーションの7.は予定通り3Sをつけて、最後の8.をS以外のジャンプに差し替えるってのになるんだけど、そんな判断、とっさには難しすぎる。ジャンプの踏切りに入る軌道ってジャンプごとに違うので、Sを跳ぶ軌道でつくってある振り付けを変えてほかのジャンプって相当に熟練の技。ならば次善の策としては、7.を単独の3Fにして、8.を3S+1Lo+3Sのコンビネーションに差し替えるって方法があるけど、こちらは踏切の軌道を変える必要がない代わりに、このパターンを想定した練習を普段からしていない限り、これを思いつくってのは至難の技だろうなって思います。+1Lo+3Sにつなげるジャンプってのも、練習してないと、とっさにはできなさそうだし。このオリンピックでも今回の世界選手権でも、2.の4S+3Tの予定のところが2Tになってるから、8.を3Tにしてもよかったんだけど、それはもっと判断が難しいのかなぁ…だけど、これ、そもそもが最後のジャンプをS以外の3回転にしておけばいいだけの話。どうやら彼はルッツが苦手なようなので、フリップとかループとか、サルコウよりも基礎点が高いジャンプを入れておけばよかったわけですよ。おそらくフェルナンデスはサルコウが得意だというのがまずあって、多分アクセル、ルッツあたりは少々苦手。そして、残念ながら、苦手を克服しようという勤勉さに欠ける。なので、こんな得意ジャンプに偏ったジャンプ構成を組んで、ミスのリカバリーが難しいことになっている。対して、例えば日本男子勢のように、できるだけ苦手は克服するよう努力したうえで、基礎点の高いジャンプから優先的に組み込んでいくようにすれば、こういう事態にはならない。パトリック・チャンにしても実は、3Aより4Tの方が得意なので、苦手な3Aを1本に減らして4Tを2本にしたっていうそもそもがありまして、なので、オリンピックでは、その苦手意識のある3Aに足元をすくわれちゃいまして。もっと極端な例で行くと、アサダマオのフリープログラム、バンクーバーでは3A2本でソチでは1本だったけど、なんと全体的なジャンプ構成の基礎点で言うと、バンクーバー48.35、ソチ53.06と3A1本の今回の方が高いんです。というのも、バンクーバーシーズンは苦手な3Sと3Lzをはずして、それを補うためにどうしても3Aを2本、みたいな側面があり、一方、今季は、「8トリプル」とか煽られてたけど、すべての3回転ジャンプをプログラムに盛り込むバランスのいい構成となっていて、そちらのほうが基礎点は高くなりますよ、という話。そして、パトリックにしろアサダマオにしろ、苦手なものをはずして、得意なもので穴埋めというプログラムの作り方は、「じゃあ、絶対に失敗できない」というプレッシャーを生む。パトリックがソチで3Aどころか2Aまであやしくなってしまっていたり、バンクーバーでアサダが、3A2本は決めたものの、最も簡単なはずの単独の3Tがきちんと踏み切れずに1Tになってしまったり、そういう怖さもはらんでしまう。ユヅルが例え4Sで転倒したとしても、他をきちんとまとめれば大丈夫という自信を持つことができているというのは、まさに、そのあたりのプログラムのバランスがとれているからこそなのです。というわけで、本日は、本編とは全く関係ないのですが2010年の私のマチダなど。バンクーバーオリンピック直前の四大陸選手権。時期が時期だけに各国オリンピック代表はことごとく出場せず、大補欠大会となっていたところでチャンスを生かして銀メダル。SPから大きく順位をあげたフリーの演技。実は、私がマチダに注目したのはこの演技からでして、そこまで眼中になかった自分の見る目のなさが悔しかったりもする。19歳。体格も演技も、今よりだいぶジュニアっぽい感じ。そして結構タカハシくささはあるんだけど、このあと技術的に一段あがることでもっとタカハシっぽい時代を経て今のマチダ劇場に。まだ、お肌もきれいでしたね。ジュニア時代からこのころって、割とアイドル枠だったんだけどなぁ…
2014年04月03日
コメント(2)
本日は宣言通り、昨日の続き。おや、珍しい(笑)お互いにちょこっとした着氷の乱れはあったものの、転倒や回転抜けといった大きな失点につながるミスはなかったのに、なぜ7点近くあったSPでの点差を、ハニュウが逆転できたのか。これは、まず、たびたび出てくる話題ですが、そもそものプログラムの持つジャンプ基礎点の差。ジャンプをプラン通り跳んだ場合の基礎点は、ハニュウ71.72、マチダ69.92。同じ四回転2本のジャンプ構成ながら、ハニュウの場合は4Sと4Tの2種類を1本ずつ、マチダの場合は4Tの1種類を2本なので、同じジャンプを繰り返していいのは2種類2回までのルールがあるために、4回転以下の基礎点の高いジャンプを、ハニュウは3Aを2本と3Lzを2本という組み合わせで入れられるのだけど、マチダはすでに4Tの繰り返しをしてしまっているために、3A2本は入れられるけど、3Lzは1本になっちゃう。そのほか、ハニュウは3Lz+1Lo+3Sというより基礎点の高いコンビネーションをいれていたり、ハニュウがコンビネーションを全部後半に跳ぶのに対して、マチダは前半に2本跳んでしまっていたり、そういう細かい積み重ねなんかもありまして。体力がなくなっていく後半に、より難しいことをやるってのは、演技構成点のアップにもつながっていくんですよね、実は。で、そういう諸々の積み重ねで基礎点の差があるところに、踏切動作の短さ、さりげなさだったり、ジャンプの幅と高さだったり、ハニュウの方がもともとのジャンプの質がいい。なので、マチダがSPのようなジャンプが跳べていたのならばともかく、少々力んでしまっていたような状況だったので、そりゃ7点差なんて風前のともしび。と、ジャンプの基礎点の話をしてしまうと、じゃあ、4回転3本跳んだのに、なぜフェルナンデスは3位だったのか?というお話。彼も着氷の乱れはいくつかあったものの、目立つミスと言えば3Lzが1Lzに抜けた一か所だけで、それだけで4回転がひとつ多いというアドバンテージが帳消しになってしまうものなのか。そうなんです。実は、大きなミス、もう一個あったんです。説明のために、演技動画はります。音楽使用に問題があるのか、ハビエルのフリーも消されまくってていい動画が見つからず、こちら画像が乱れたり、音声が消えたりしておりますが、それゆえ消されずに残ってる動画なのかもしれず、ご容赦を。ハビエルのもともとのジャンププランだと、さすが四回転3本だけあって74.21とかなりの高ポイント構成。が、今回の演技、2本目のジャンプで4Sの着氷が乱れ何とか2Tをつけたところ、これは、単純に着氷の乱れたのでGOEでひかれたという話ではなく、もともとのプランは3Tをつけるところが2Tになってしまったのであります。となると、先ほどあげたプラン通りに跳んだ場合に比べ、ここが2Tになっただけだというのに基礎点は71.42に大幅ダウン。なんとハニュウのプランを下回る点数になってしまうのです。加えて、後半の3Lzが1Lzになってますから、ここでは元のプランよりも5.94のマイナス。いくら四回転は3本転ばずに降りたといっても、プラン通りのジャンプ構成でひとつの回転不足もなくやりきったハニュウ、マチダを、全体の基礎点で大きく下回ることになってしまったのであります。いくつか前の日記でもちらっと触れたのですが、複数の四回転を取り入れることが当たり前になってきてると、いかに3Aまでのジャンプをきっちり決めるかってのが、実は重要になってきているという話なのです、まさに。でもって、このフェルナンデスのプログラム、そもそもジャンプ構成のバランスとして「?」なところがありまして、オリンピックの時に「絶対書きます」と散々言っていた「ジャンプ構成のバランスって超重要」というトピックにいよいよ踏み込みそうなのですが、ほどよい時間となりましたので、ひとまず本日はこれにて。
2014年04月01日
コメント(4)
「続きはまた明日」と書いておきながら、次の日には更新しないというのが、最近のお約束のようになってしまいましたが、申し訳ない今日こそは。さっそく、私のマチダ。いつものとおり英ユーロスポーツでご紹介しようと思ったのだけど、なぜか、マチダの動画だけ消されちゃうんですよ。「IOCからの申し出により」って言うんだけど、世界選手権は関係ないのに。なぜ英ユーロスポーツの、しかもマチダのだけNG出ちゃってまして。「お、あった、あった」とブログでご紹介用にお気に入りに入れといたのが、ことごとく表示できなくなってるんですね。しょんぼり。なので、今回は安心と信頼の西岡実況にて。ホント今回も西岡さんの実況はうまかったわ~。特にアボットとかベルネルとか、引退の選手の演技紹介なんて泣けて泣けて…。おっと、まっちーの話でした。では、どうぞ。もちろん、オリンピックの時に比べれば、スケーティングも体そのものも軽く見えるのだけど、あのパーフェクトだったSPに比べれば、全体的に力が入ってしまったかな、という感じがする。特に前半は、ジャンプに突っ込んでいきすぎていて、つなぎのフットワークや肝心のステップの時に、ときどき音を見失ってしまってる感じがして、「最後まで持つのか?大丈夫か?」と不安になりまして。途中、この動画で言えば3:15あたりふっと音がかわって振付のテンポもかわったところで、「あ、ちょっと落ち着いて、音が聴こえるようになったな」とは思ったものの、そのあとの3A、3Lo、3Lzは置きにいくようなジャンプになってしまって、なので、ちょっと着氷が乱れたり。それでも、再度音のかわる4:30あたりから力強く火の鳥は舞い上がり、4:50付近、3Sからコリオシークエンスへの激しく燃え盛る表現はまぎれもなく今までで一番の出来。全体の流れやジャンプ単体での出来なんかで言うと、ひょっとしたらスケートアメリカの時のほうがよかったかもと思わないでもないのだけれど、あの時は、とても楽しげに軽やかに舞っていた。今回は、内から燃え上がる炎に自らの身を焦がしながら、必死に天をめざし羽ばたいていた。マチダの目指す「火の鳥」と言うならば、やはり今回のこちらの方なのだろうな、と思った次第。ハニュウユヅル。冒頭の4Sをなんとか耐えて、次の4Tがスパーンと決まった瞬間、私は夢の200点越え行けるんじゃないかとワクワクいたしました。が、あれよあれよという間に疲れていって、後半ひとつめの3Aコンビネーションを跳び終えたこの動画での3:20あたり、ふぅっと大きく息を吐く。マチダ同様「大丈夫か?最後まで持つのか?」とドキドキした次第。だけれども。こんな風に美しく疲れていくユヅルを、私は久しぶりに見た。気持ちと裏腹に動かなくなっていく体を「どうした、がんばれ!」と叱咤しながら、思いが体を引っ張って前に進んでいく。4:50付近からのイナバウアーからシットツイズルへとつながるあたり、こちらもこぶしを握り締めながら「がんばれ、がんばれ」と祈った。オリンピックの時も、ふらふらになっていたけれど、あれは心の方もふんばりがきかなくなってしまっていて、体も心もちぐはぐなまま疲れ果ててた感じだったので、なんとも美しくない終わり方になってしまっていたのだけれど。最初のジャンプ3つを決めた時点で、優勝することは間違いないなと思ったもので、「さあ、どうなるか!」みたいな実況を、「いやいや、わかってるくせに盛り上げようとしちゃって」くらいに聞いていたもので、実は、この僅差のほうがびっくりしたりしました。じゃあ、なんで私がそう思ったのかあたりについては、また明日。(←きっと!たぶん…できれば…)
2014年03月31日
コメント(4)
今日はホントにいいもん見た!まっちーはほんのちょっとの差で残念だったけど、もともとの基礎点の差がそのまま出た形だったので仕方がない。ループで着氷が乱れなきゃ、って話だしね。と、今日はなんだか自分の中の何かを燃やし尽くしてしまったので、詳しくは、また明日。微笑ましい表彰式の映像にて、おやすみなさい。そもそもが、時間差で来たソチロスの状態で、高校野球は始まるし、世界選手権始まるしで、エネルギーが全然チャージできてなかったってのもあるしね。
2014年03月28日
コメント(6)
何やら眠かったりするので、思いっきりのひとり言をいくつか。本日の女子シングルSP、採点マニア的に言うと、そりゃアサダマオの世界最高点更新もじゅうぶんにすごい話なんだけど、プロトコル見て「おお!」となったのは、コストナーのステップ満点および、リプニツカヤのスピンがふたつ満点のところ。コストナーのステップについては、女子では初です。たぶん、たしか、きっと。男子でも、タカハシ2回のパトリック1回しか見たことないので、これは相当に珍しいし、すごいこと。で、リプニツカヤのスピン満点ってのも、ただの満点じゃなくて、オール加点3という完璧なる満点がふたつ並んじゃった。美しいですな~、この数字の並び。このプロトコルの美しさは、壁に貼っておきたくなるレベル。んでもって、今大会は昨日の男子もそうだったんだけど、回転不足に厳しくて、エッジエラーに寛大だね。ざっとプロトコル見て、こんなに”e”マークの少ないのも珍しい。あるいは、各選手ともエッジの矯正頑張った結果なのかもしれないけれど。男子がSPでも四回転ってのが標準仕様になってきた結果、いかに3Aと3Lzをきちんときめるかということが重要になってきたのと同様、女子についても3回転―3回転が標準仕様になってきているので、ただ3-3を跳べばいい段階はすぎて、その3回転コンビネーションのジャンプの組み合わせは何か、単独の3回転ジャンプで何を跳ぶかってのが重要になってきた。となると、女子でも基礎点の高い3Lzや3Fは決めていかなければ勝負にならないし、苦手なジャンプをはずす構成では勝負にならなくなってきて、いやおうなしに5種類の3回転ジャンプをそろえることを目指さざるを得ない時代がきたんじゃないかな、と思うのでした。まんべんなくいろんなことができなきゃいけない今のルールを、「個性が出しにくい」と評する人もいるようだけど、私はバランスってのだって大事だと思う。得意なことばっかりやってちゃダメよってのは、スポーツとしてはすごく当たり前のことで、苦手なことをなくしていって、さらに得意なことを伸ばして個性とするってんじゃなきゃと思うのであります。マチダタツキが四回転ジャンプを苦手としたまま、「僕の個性は表現ですから」って言ったって、一部マニアに受けはするだろうけど、試合じゃ勝負にならないし、広く受け入れられることにはならなかっただろうし、彼自身、「僕の武器は表現。表現をするためには、それだけの技術がなければいけない」とも言っていたし。それは、本当にその通り。逆に「私の売りはジャンプ」という場合にだって、演技構成点で大きなウェイトをしめてくるスケーティングの技術が伴っていなければ、ジャンプが安定して跳べるようにはなっていかない。まあ、つまりは、技術をバランスよく伸ばしていくことが必須となってきて、全体的な底上げが進んできてるな、とうれしい限り。というわけで、明日の男子フリーに備えて、本日はこれにて。
2014年03月27日
コメント(0)
私の大本命不在につき、今回はそれほど緊張しないかと思っていたけれど、そうはいきませんでした(笑)まあ吐きそうになったり、頭が痛くなったりというほどではなかったけど、割と食欲が落ちた中、やってくれましたよ、私のマチダ。では、さっそく。べた褒めの英ユーロスポーツにて。「ハニュウの世界記録を越えたんじゃないか」まで言ってくださっていてうれしい限り。まあ、つなぎの濃さが若干ね…が、本当に素晴らしい演技でした。表現として、マチダくんがやりたかったことが全部できたんじゃないかと。私はなによりも後半の3Lzからステップへの流れが素晴らしいと思いまして、特に、この動画での2:50からの数秒の音のとらえ方は、私の中で「最高の瞬間認定」(笑)そして、表現だけじゃなく、技術的にも、今回のジャンプったら!すべてのジャンプが、一回ふわっと浮き上がったところで止まってからくるくるっとコンパクトに回転してみえる。これは本気で調子がいいんだなって思います。とても体が軽く見えるし、フリーも期待。でも、このSP、演技終わって膝をついたまま、腰に手をあてて胸を張り、改めてポーズ決めるところで絶対笑っちゃう(笑)さて、オリンピックチャンピオン、ハニュウユヅル。転倒はあれど、ああ、やっぱりうまいんだな、うまくなったんだなって思います。何よりスピードがあるし、要素のつながりがいいのでひとつのプログラムとしてとてもよくまとまっている。ただ、今回はちょっと“踊ってない”感じ。特に、冒頭から4Tの転倒まで。滑りだしてすぐ、この動画だと0:45あたり、いつもならもっとぴんと左足を上げるところが全然あがってないし、0:48あたり、カメラがよったところでふっと息を吐き出してるのが気になりました。オリンピックじゃ、滑り出しから表情が決まっていて、このあたりなんて不敵に笑いながら余裕で踊ってたもんね。なので、4Tそのものの踏切もちょいと急いじゃった感じで、踏み切る瞬間に「これはダメだ」ってわかるジャンプでありました。いつもなら、もっとたっぷりとしたカーブを描いて、グッと深いエッジにのってから跳ぶのだけれど。あとはあれですよ、ちょっとサイドの髪、短くし過ぎじゃない?そして、タカハシの代わりに出場となったコヅカ。本当にスケートがうまいですよね~。この摩擦を感じさせない滑り、それだけで、ごはん3杯食べられる感じ。本人も言っていたけれど、調整が難しかっただろう中、このレベルの演技を見せてくれてほっとしているというのが一番の感想。ただし。もちろんジャンプの着氷の乱れってのもあるのだけれど、マチダ、ハニュウとの点差は何かっていうと、ひとつひとつの要素が「ジャンプ」「つなぎ」「スピン」「ステップ」と、独立して見えがちってところかな、と思います。トップ中のトップを争う中では、というレベルの話ですけどね。あとは、衣装がもっさりしているので減点。でも、世界選手権がまわってくるかわからない間に油断してすごく短くしちゃった髪が、意外と若返って見えちゃって加点。形として「急きょ」ということにはなってしまったけれど、タカハシ本人からは、オリンピック前から「脚がもたないかもしれないから、準備しておいてほしい」とは言われていたそうな。なので、オリンピック期間中にバッジテスト8級のテストを受けて合格というニュースがあって「なんで?」と思っていたのだけれど、、その話を聞くと「ああ、なるほど」と思う。フィギュアスケートの級というのは試合に出るための資格でありまして、最高は8級なのだけど、7級あれば世界選手権もオリンピックも出場できるため、現役の間に8級を取得する選手は珍しいのだけれど、そういう目標を設定することで、ある程度モチベーションを保ったままプログラムの練習ができるようにしていたのかな、と私としては勝手に思っている。あとは、この演技、観客の手拍子がすごいですよね。私の中では、本日のMVP!(笑)ただでさえ7拍子で難しいのに、終盤だんだんテンポアップしていくのにもついていってる。驚き。家族で見ていて、オリンピックのソチの観客イマイチ具合が記憶に新しかったので、「日本の観客ったら、こりゃすごいね」という話になったので、「そりゃもう、始まる前にみんなで練習するからね」と言ったなら、一瞬、母が信じておりました(笑)いやいや、そんなことしませんって。アボットとかベルネルとかフェルナンデスとかハン・ヤンとか、他にもいろいろ語りたいのだけれど、本日はこれにて。
2014年03月26日
コメント(4)
本日もエディタの調子が悪い。さっきから何度も真っ白になるんですけど…まあ、たいして書いてない状態でなので痛手も少なかったので、気を取り直してWordにて仕切り直し。昨日の日記もずいぶんはしょって書いてて、自分で読み返しても「なるほど、わからん」と思ってしまったのだけど、おいおい今後の試合等々の機会にじっくり書いていきたいと思うのでご容赦を。というわけで、本日も急ぎ足で。昨日の宣言通り、私のイチオシ、ネイサン・チェン。今回は3位でした。フリーの演技。今回のこの演技を見て、私が最も「おお!」と思ったのは、プログラムを通して表情がつながっているということ。スタートポジションを取ってから、最後のポーズを決めるまで、曲想の変化に合わせて、自然に顔ができている。素に戻って、がっかりしたような顔を見せるのは、晴れやかな笑顔で、しっかりとプログラムをやりきってから。こういうのってそれこそ持って生まれたもので、教えたから練習したからできるようになるってものでもない。なので、表現が自然で、見ている側の集中も切れることがない。これで14歳。なんて大人びた表現をするのだろうと思う。ジャンプについても、この「跳ぶぞ感」のなさは、シニアでも相当のトップクラスでなければできないレベルだと思うし、軸がしっかりしていて回転がコンパクトなので空中姿勢も美しく、降りてからの流れもいい。さらには、前半2本後半6本コンビネーションはすべて後半というジャンプ構成は、いくら4回転なしの3A1本だとしても、かなりの難構成。3Lzまでのジャンプには自信があって、体力的にも自信があって、じゃなきゃできない。と、ここまではべた褒めなのでありますが、実のところ、今回のネイサンの演技はSP,FSとも、ちょっと物足りなかったの。ちょいとスケートが重く感じた。いい時にはもっとスピードに乗って、もっと緩急をつけた表現をしていたと思うのだけど、本人としても、そのあたり頭で思ってるようには動けなくてってのが、最後の表情に出てるのかな、なんて思ったのだけど。見ると右手首あたりにサポーター(あるいはギブス?)をしていて、そのケガの影響で思ったような練習ができていなかったり、痛みがあって思うように動けなかったりがあるのかな、とも思うけど。彗星のように現れ我々の度肝を抜いた先シーズン、だけどシーズン半ばでケガをしてしまって、それ以降思うような成績を残せず、今、3Aの調整に苦しんでいるのも、まだその影響があるように見える。つまり、「さあ、ここから」って時にケガをしてしまうってのが、どうも2シーズン続いてしまってる。それは、とてもよろしくない。私はケガがないのも才能だと思っているもので、ここぞでケガや病気をしてしまうというのが今後も続いていくと、結局、これだけのスケートの才能に恵まれながら、じゅうぶんに開花させることができずに終わるというようなことになりはしないかと、そこは、ちょっと心配しております。で、今回、ダークホースもダークホース、グランプリではさしたる成績も残していないし、カナダの国内大会は5位、四大陸に出たけど10位で印象も薄く、そんなナム・グエンが優勝。びっくり。今、のってるオーサーチームなもので、先輩方の演技からいい影響をうけての急成長なのかもしれないけれど。「こういうの久しぶりに見た」という衣装のインパクトに全部持って行かれちゃうSPの演技。今回優勝するまで注目したことなかった彼の演技を、初めてと言っていいくらいにじっくり見てみて、感想を一言でいうならば、「それっぽくないから、伸びないんじゃないかな~」です。なんかぼんやりとしてこと言ってすみません(笑)基準を明確に示せといわれると「ないです」としか言いようがないのだけれど、どんなスポーツでも、トップに立つ人って「それっぽさ」があると思っておりまして。一般的な容姿の良し悪しとはちょっと違うところで、ナム・グエンには、フィギュアスケート男子シングルでトップ選手になる「それっぽさ」がないな~と思うのです。もちろん、成長するにつれてそれっぽさが出てくる人もいるので、今のところ、という話ではあるのだけれど。演技の内容についての話をすると、「まだ、やっぱりジュニアだな」って感じがします。表現について言えば、体幹がしっかりしてないので、上半身がちゃんと下半身にのってないというか、上半身を支えるだけの下半身ができてないというか、一見すごく動いているように見えて、背骨は直立したまま腕だけで踊ってる。そのあたりの体がまだできてない部分で、ジャンプの着氷もちょいと不安な感じになってるなと思います。まあ、ジュニアなんだからジュニアっぽくてしょうがないんだけどね。とはいえ、彼が今季のジュニアチャンピオンであることは間違いなく、さらには、なんと明日からのシニアの世界選手権にも出場しちゃいます。さて、お楽しみに。もちろん、出番が早いのでテレビで放送されることはなさそうなんだけど…残念。そんな明日のSP滑走順。第5グループの流れ、素晴らしいですね。これは6分間練習から楽しみ。一方、最終グループのマヨロフとリーバースはとっても居心地悪そうな(笑)オリンピックで、大会中に大きく成長っぷりを見せてくれたおふたりですが、特にリーバースはユヅルの後とか、今週もっとも運が悪かった人認定レベル。さてさて、明日はなんとか一言、二言だけでも、と思っております。
2014年03月25日
コメント(2)
ひとつ前の日記にも書いたように、かくんと燃え尽き感に襲われているというのに、選抜高校野球は始まってしまうし、あさってからは世界選手権だし、いったいどうしたらいいものやら状態。語りたいんですけどね~、世界選手権。まさに「新時代の幕開けっ!」って感じで、若い選手たちがキラキラまぶしい試合になるなって思うし、アボットやベルネルや、コストナーやスズキアキコや、ここまでがんばってくれた選手たちの最後の大きな花火を見ることができるかもしれないし。なにより、私のまっちーのメダルがかかっておりますよ。出てこい、私のやる気!(笑)と、その前にジュニア選手権を片付けておこう。今日の話は、相当に私の好みが入ってて偏ってるとは思いますが、そこを前提に読んでいただけたらと思います。まずは、今回のソチ五輪で他種目に比べて圧倒的に強化が間に合ってなかったロシア男子シングル。アディアン・ピトキーフ2位、アレクサンダー・ペトロフ4位。このふたりはそろってグランプリファイナルにも出場して2位と5位だったので、ようやくロシア男子にも明るい兆し。ふたりともイニシャルだとA・Pだし、見分けがついてないわけじゃないんだけど、どっちがどっちだったかわからなくなることがたびたびありまして、でも、今回で覚えたよ。プルシェンコっぽい方がピトキーフで、クーリックっぽい方がペトロフ。あ、これは私の印象なので気にしないでください。加えて、プルシェンコと同じミーシンコーチについてるのがペトロフの方なので、逆に情報を付け加えていくと、余計に混乱しちゃうわけだけど。で、まずはペトロフの演技から。おそらくは、ミーシンチームの選手という先入観も大きいのだと思うのだけど、私はこの演技は、選曲から振付から何もかも「古臭い」としか思えなくてげんなりしちゃうのです。それはロシア男子シングルの良き時代。何よりもジャンプが大切で、しかもそのジャンプってのは、何回まわったか、転ばずに降りたかってことが重要で、踏み切るまでの流れとか、空中姿勢とは、曲想との一致なんてどうでもよくてっていう、現在の加点法による新採点に移行する直前の、私がちょいとひいてた時代のプログラムって感じがしちゃって…。スケートそのものはあんまりうまくないから、スピードもそれほど出てこないし、表現にしても、上半身の動きというよりは、ひじから先くらいの小さいところをそれっぽく動かしてるだけって感じがしてしまう。でも、この曲、ローリー・二コル振付でデニス・テンあたりがやったら、すっごくかっこよくて新しい感じになるんじゃないかって思っちゃうよね。なんかこう、多方面につくづく残念。一方、ソチ五輪のエキシビションでも演技をして世界中が大注目のピトキーフ。私も、彼は期待できるんじゃないかと思っております。フリーの演技。この演技の何がすごいって、もともとはプルシェンコのモノマネなんですよ。曲も振り付けも衣装も、プルシェンコの代表的なプログラムの丸パクリで、はじめてジュニアグランプリでこのプログラムを見たときは、「何ふざけたことしてんの、この子!」と思ったわけです。一生懸命プルシェンコっぽいことをしてるんだけど、技術的には到底追いつかないから、ものすごくできの悪いモノマネを見せられてるようで、ミーシンチームじゃない選手までこの状態じゃ、ロシア男子ったらどうなっちゃうのと憂いた次第。が、その後、シーズン中にピトキーフはめきめきと成長いたしまして、モノマネじゃなく、リスペクトとして参考にしているけれど、自分のスケートはちゃんと見えてますよって状態にはあるんじゃないかなと思うのです。スピードがあるのが何よりで、スケーティング自体に無駄な力をつかっていない。加えて、彼自身、各要素にくせがなくて、とても素直な表現をしている。プルシェンコさんにあこがれるのはわからなくもないけれど、思い切って全然路線の違う振付師にプログラムを作ってもらったならば、ポンと大きくステップアップするんじゃないかなんて、勝手に期待。これから来そうな中国男子。今回6位ながら、グランプリファイナル優勝のボーヤン・ジン。71.51、2位だったSPの演技。彼も「ジャンプだけいい」選手なんですよね、正直なところ。ジュニアはSPでは4回転が認められていないのでこういうジャンプ構成になりまして、なのでそのぶんフリーで4回転を3回入れるというすさまじいことをしておりまして、グランプリファイナルではガンガン四回転を入れた構成が成功して優勝したのだけれど、今回は、肝心のジャンプにミスが多くて6位という結果。アメリカのマックス・アーロンと同じようなイメージで見ているので、私好みからは大きく外れていて、シニアでの活躍は難しいかな、と勝手に結論付けている。申し訳ない。で、地味ながら推していたへ・ジャン。67.72で8位のSPの演技。悪くない。スケートもきれいだし、各要素丁寧で減点するところはないんです。でも、わくわくしない。初めて彼を見たとき、私は相当に盛り上がった。ハン・ヤンと同じく「ダイスケ+パトリックとか、なにそれ最強」ってイメージで、ハン・ヤンよりもダイスケ要素の強い選手だと思ったので、これは、これから世界で戦うには強いぞと期待したのだけれど。なんか、今回の演技を見る限り、「うまいけど平凡」だなと。体が大きくなることで、技術的にどうしようかと模索中で、表現面になかなか力を注ぐことができない状況なのかもしれないけれど、成長することでふつうになってしまった今の状態は、残念で仕方がないです。だって、前はさ、これだったんですよ。期待するなってって方が無理ですよ。このころは、ホント素敵。今だって10代なんだけど、うーむ…と、なんだかんだ長文になってしまったので、私の本命、ネイサン・チェンについては、また明日。
2014年03月24日
コメント(2)
もうずいぶん暖かくなって、はらはらと雪が舞う日がないわけではないけれど、ああ、もうこのまま春になって行くんだな~って実感できる日々。が。きたよ、ドカンと。この一週間くらいの燃え尽きっぷりが半端ないです。仕事が忙しいこともあって、まあ仕事してる間はそこに集中できてるんだけど、それ以外の時間が、ひたすらボーっとしちゃってます。「あー、日記書かなきゃなー」とか思っても、PCの前にぼんやり座ってるだけで時間がすぎてしまって、「だめだ、ちっとも考えがまとまらないし眠い」と、寝ちゃう毎日。ものすごい時間差で来ました(笑)で、ようやくちょっと今日から浮上してきた感じ。なので、先週末行われた世界ジュニア選手権について急ぎ足で。男子シングル。SPが終わった時点での順位&点数を見たときには、この70点前後に大勢がひしめくハイレベルな接戦具合にひたすらワクワクいたしました。最終結果についても、優勝ナム・グエン217.06こそ平凡な点数だけど、6位までが200点越えというのは、全体的な底上げが進んでいる証拠と喜ばしい限り。さて、うちの子たち。まずは、7位タナカケイジ。70.57で4位につけたSPの演技。彼の場合、何度も紹介してきているので、同じことの繰り返しになってしまうのですが、現時点で、他のジュニア選手と明らかに違って「いいな」と思うのは、すでに演技がシニアになっていること。体つきもしっかりと大人の筋肉のつき方が出来上がっているし、しっかりとバランスのとれた下半身の上に上半身がのっているので、大きく上半身を動かしても、滑りが乱れるようなことがない。さらには、ジャッジ席を意識しての視線の配り方、手首から先、首から上といった細かい動きもシニアレベルでできている。スピンが少々苦手で、バランスを崩してレベルを落とすようなこともあるのだけれど、入りと出の処理がきれいなので、致命的欠陥とはならず。今回、フリーでの回転抜けでの失点が大きく順位を落としましたが、シニアで戦うに大きく欠けている部分がないので、あとは、本当に経験と自信だと思うのです。ハニュウと同じく19歳。先を行くライバルに対して焦りはあると思うけど、彼には彼の道を行ってほしいなと期待しております。勝手な物言いですが、圧倒的スターとしてのハニュウユヅルを支える存在として、2、3年後くらいには、今のマチダタツキレベルの選手になってほしいなと思っております。(←あくまで成績の話ね。キャラはああいうの目指さなくていいから(笑))次に5位ウノショウマ。同じくSPの演技。70.67で3位でした。この演技のスケートのうまさといったら、驚愕のレベル。ジュニアにして、スケーティングのスピードや質感を曲想に合わせてコントロールしている。全体的な音のとらえ方も視線の決め方も、ジュニアのレベルを超えたうまさで自分の世界を作っているし、タナカ以上にスピンの入りと出がとてもきれいなので、各要素がすべてつながってみえるし、このステップのハイレベルっぷりには、うなってしまうのだけれど。だけど。おそらく、そこまでマニアじゃない人にこの演技を見せたとき、そこまで感心してもらえるかというと、それは難しいだろうなというのは私もわかっていて。なにしろ、ジャンプ構成と体格があきらかに「ジュニア」なもので、タナカケイジの堂々と大人っぽい演技なんかと比べると、本人はとてもシリアスなプログラムを演じているのに「あら、かわいい♪」な感想になりがち。ずいぶん矯正されてきたとはいえ、ジャンプの跳び方にくせあるしね。3Aがなかなか跳べないけれど、3Lzまでのジャンプは安定していて、滑りや踊りがうまいので、ジャンプでのビハインドは演技構成点で取り戻せるってのは、ジュニア時代の私のジェイソン・ブラウンと同じような戦い方なのだけれど、ジェイソンは、はやくから大人の体型をしていて手足が長く、少々酷な言い方をしてしまえば、ショウマがジェイソンなみの体格をしていたのなら、今回のこの演技、もっと演技構成点が出てもおかしくないと思うのです。ひとつの冗談として、よく私は「イケメン加点」とか「セクシー加点」とか「衣装減点」とか女子なら「化粧減点」とかいうわけですが、つまりは、本人のやろうとしていることと見た目が一致してるってのは、意外と重要。他のところで言われていたことなのだけど、「彼はまだ”baby Takahashi”だね」という感想があって、ああ、なるほど、と思う。もちろん、日本男子が「Takahashiっぽい」って言われるのは、ある程度仕方がない部分はあって、マチダだって「young Takahashi」扱いの時代はあって、だけど、「baby」かあ…そのあたりをどう乗り越えていくのか、もともとの体格という、努力だけじゃどうしようもない部分を含めて、能力としては次期エース候補の彼が、どう成長していくのか、ドキドキしながら見守っております。外国人男子勢については、(元気だったら)また明日。
2014年03月22日
コメント(8)
季節は確実に過ぎていて、こちらもすっかり暖かくなり、本日は雨。先週、雪の積もる日もあったのだけど、最初からびしゃびしゃと湿った雪で、やんで日が照ればあっという間に溶けてなくなる状態。もうそろそろ、春。が、私のシーズンは終わってはいない!(笑)今週末は世界ジュニア選手権。男子、女子ともに久しぶりのメダルを期待したし、期待できるメンバーだったし。が、終わってみれば、男子、ウノショウマ5位、タナカケイジ7位。女子、ミヤハラサトコ4位、ホンゴウリカ8位とメダル獲得はならず。ただし、選手個人とすれば、内容的に今後につながっていくいい演技だったと思うし、全体とすれば、男女とも来季の出場枠3を獲得。地味だけど、それはそれで素晴らしいこと。最近、シニアが安定して常に3枠を獲得し続けているのでそれを当たり前と思ってしまいがちなのだけど、ジュニアは毎年増やしたり減らしたりを繰り返していて、ここでとった3枠、毎年続けていけるようになったらいいなと思っております。「強豪国」というのは、そこがまずは大切なのだと思うのです。外国人選手を含め、個々の演技内容についてなどはまた改めて。今日は、また別の「うちの子」の話。実は今回、初めてといっていいくらいパラリンピックもちゃんと追ってます。テレビ放送があまりないので、映像としてちゃんと見ることができている競技は少ないのですが、少なくとも、Eテレで毎日20:00から放送されているダイジェストは、とても楽しみにして見ておりました。そもそもがパラリンピックの歴史は浅く、なんとなーくオリンピック開催地と同じ土地で車いす競技をやったよ的な時代が続き、正式に「オリンピックと同じ年に同じ年で」となったのは2000年代になってから。こちらあまりに聞きかじり情報なので、詳しくはこちら。なので、まあ、毎回「オリンピックに比べてパラリンピックの扱いが小さすぎる!」ギャンギャン!という人たちもいるわけですが、そこは、そういう歴史の浅さもあるわけで、今まさに扱いが大きくなりつつあるところなんだから見守りましょうよ、って感じだと思っております。実際に、現地での盛り上がり方にしても、前回夏のロンドンが相当にすごくて、なかなかチケットが買えなかったりがあったそうで、そんなのロンドンが初めての現象で、それは確かに開催地としてのロンドンの戦略があたったってのもあったようだけど、歴史的にようやく熟しつつあって、今がちょうど潮目がかわるところにきてるのかな~という気がします。おもしろかったですよ、パラリンピック。オリンピックよりもさらに季節があったかくなってしまって、雪質はもう最悪だし、天候も雨だったり濃いもやがかかったりで、「おいおい、この状態でスノーボードクロスとか正気かよ!」とか、「もやもやすぎて、バイアスロンの的見えてないじゃん!」とか、ツッコミどころも満載でしたけど(笑)そのダイジェスト番組で毎回出演していたタメスエダイが、競技の映像を見て「いかに効率よく筋肉を使うか、そこをつきつめた美しさがある」というようなことを言っていたのだけれど、なるほど、本当にその通りだと思いました。特に日本勢が活躍したアルペン競技は、なんかとにかくかっこよかったですよね~。中でもチェアスキーのスピード感はもうホントにひたすらかっこいい!!だったし、先に滑り終えた選手が、コース状況を後の選手に伝えて、チームとしてメダルを取りに行くっていう、そういうの私は大好きなもので、そういうエピソードも含め、すっごくかっこよかった。で、そのアルペンで活躍したスズキタケシ選手、実績や年齢的にそう呼ぶのは失礼とは思いつつ、でも「うちの子」って言っちゃう!父が「あー、よくあのあたり車いすで走ってトレーニングしてたよ」とか言っちゃってたので、もう、ものすごく「うちの子」です!回転で金メダル獲得後の生中継出演で、「金メダルを獲得できた一番の要素はなんだと思いますか?」というような質問に、「僕の障害が、他の人に比べて軽いってのがあると思います。 僕は両足がないだけで、腰の筋肉とかは動きますから」ってな回答をしていて、しびれました。確かに、今回のソチの悪条件のコースでは、脊髄損傷などで下肢が動かなくなった選手はコントロールが難しく、下肢切断などで神経系には障害のない選手のほうが有利だという解説は、滑降の時点できいていたけれど、「僕には両足がないだけですから」ってさらっと言えちゃうってすごいことだと思う。彼は、大会前のインタビューでも、なぜチェアスキーを選んだのかという問いに対して、「マラソンだと、普通に走っている人よりも車いすの方が速くなってしまう。 でも、スキーだと、普通の人が滑る速度とチェアスキーで滑る速度は変わらない。 みんなと同じ速さで滑ることができるから、この競技を選びました」というようなことを答えていて、もうそれで私はすっかりまいってしまって彼のとりこになりました(笑)そんな私がやられちゃったインタビュー記事はこちら。といったように、スズキタケシは語る内容がとても魅力的だ。内容だけでなく、佇まい自体がとても明るく人をひきつけるものがあり、「スター」になる素質のある人だと私は思う。前述のとおり、パラリンピックは今、ちょうど存在感を大きくしようとしているところである。他国に比べて、パラリンピックへの関心が低い日本において、2020TOKYOに向けての準備を行う中で、オリンピックとパラリンピックのバランスをどのように整えていくのかは大きな課題で、そんな時に、スターの誕生というのは重要なキーポイントであると思うのだ。東京の前のピョンチャンをスズキタケシは29歳というとてもいい年齢でむかえる。ぜひとも彼には、東京パラリンピックへとつながる、いやその後の日本におけるパラリンピックの地位にもつながる働きを期待したいな~と思うのであります。もちろん、今回の金・銅メダルだけで、もっとちやほやしちゃってくれても、かまわないですわよ(笑)そんなスズキタケシの活躍の様子はこちらからパラリンピックの公式、動画が多すぎて何をどう紹介したらいいのかさっぱりわからん(笑)というわけで、日付かわっちゃったけど、タカハシダイスケと私、誕生日おめでとう。
2014年03月16日
コメント(4)
「明日以降にでも」と棚上げにしたトピックを書かずじまいというのは、私のブログにありがちなことで、「これじゃあ、いかん」と思っているし、「この話はまた」って書いたときは、本当に書くつもりなのだけど。現在、保留中のトピックス。1.ジャンプ構成は大事。超大事。2.スポーツにおけるトップ選手の責任。忘れてないよ。書くつもりだよ。とか言ってるけど、世界ジュニア選手権始まってるし。うわ~ん。・゚・(ノД`)・゚・。でもって、今日はまったく別の話題。今日のニュースで散々取り上げられて、出てくるたびに「うわ~、気持ち悪ーい」ってなってるんだけど、「ベースアップ」を「ベア」って略すのが、とても苦手。もともと、略語が好きじゃなくて、まあ「スノボ」くらいは言ってしまいますが、「キムタク」も「リケジョ」も苦手なので、自分で発するのは「キムラタクヤ」「理系の女性」となります。でも、「ベア」ほど「うわ~っ」とはならない。いくらなんでも略しすぎじゃないですか。スノーボードを「スボ」、キムラタクヤを「キタ」、理系女子を「リジ」くらいの略し方。スノボ、リケジョなら、なんとなく元の言葉が想像つかなくもないけれど、「ベア」で「ベースアップ」って、言葉だけじゃ想像つかないと思うのですが。もっと言うと、タクヤならタクちゃんとかタッくんとか言うわけで、「タク」になるのもわかるし、「女性」や「女子」が「女」になるのは、そんなに変なことじゃない。だけど「アップ」が「ア」になるとか。私は許せない。違和感しかない。前職の時も今時期、チラシとかまわってきて「ベア○%要求」とか書いてあると、「うわ~」ってなっていたわけですが、まあ、チラシのキャッチとして短い言葉に略すのはぎりぎりありとして、言葉として発するときには「ベースアップ」って言えばいいじゃん。そんなに長いわけじゃなし。とにもかくにも、私の中では「許せない言葉ベスト3」に入るくらい嫌で、一日中「うへぇ」ってなっておりました。あとは、あれかな~、ずっと使われ続けているその略し方が、昔々の、それこそカタカナ言葉に不慣れな時代の略し方って感じがしちゃって、しばらくお目にかからなかった昔の流行語を喜々として使ってる人に出会っちゃったみたいな、そういう居心地の悪さも感じちゃってるんだと思う。
2014年03月12日
コメント(8)
ひとつ前の日記で予告した話を。今週、タカハシダイスケがやめると決めたことふたつ。ひとつめは、ふたつほどまえの日記でご紹介した、オリンピック出場選手プロフィールでリンク貼られちゃったツイッター、日曜の夜中というか月曜の明け方というかに一瞬「やめます」という書き込みがあったかと思ったら、翌日気が付くとアカウントは削除されておりまして、最後の文章、「これからもスケートをみんなで盛り上げていってください。 いえ、一緒に盛り上げていきましょう」みたいなの、とっとと保存しておくんだったと、少しばかり後悔。ほら~、みんなが「ワイルドでセクシーと思ってたのに、実は乙女でバカなの!?」とか言うから~、あ、言ってたの私か!(笑)と、冗談はさておき、今まで、公式なものとして紹介されたことはなくて、ファンもあんまり公にしないでこそっと楽しもうね、みたいな取扱いだったもので、今回、「タカハシダイスケさん、ツイッターやってますよー!!」みたいに大声で言われちゃうのはやっぱりちょっと困った事態で、2012年の夏くらいから、ほとんどつぶやいてはいなかったのだけど、本人にダイレクトにメッセージが送れちゃう窓口が公開されてしまったことによって、きっと心無い言葉を送り付けてくる人がいたんだろうなって、なんかとても胸が痛みました。熱烈なファンがいるということは、アンチだっているってことで。さらに、実は打たれ弱いタイプで、雑音に耳を貸さないってのができない、多分。99%応援のメッセージでも、1%批判が混じっていたら、そこを気にしてしまう。ホント、あのリンクには「余計なことしおって~!!(怒)」と思っております。最後のつぶやきを掲載されていたのは本当に短時間だったので、たまたま見ることができてよかったな~と思うとともに、ちゃんとノブナリが反応して、「やめたらあかん!」「いつでも待ってるよ」と声をかけてたのが、不覚にもグッときた。最近、ノブナリったらめちゃくちゃ楽しそうだし、いい立ち位置を見つけたなと思います。めでたし、めでたし。もうひとつは、ご存じのとおり世界選手権欠場を決めました。オリンピックでの様子を見ていて、普通に歩けてはいるものの、これは相当ひどいんじゃないかと思っていたもので、実は、出場しないと聞いてホッとしました。このまま無理を続ければ、アイスショーでも滑れないどころか、歩けなくなるんじゃないかレベルで心配していたもので。「普通に出るつもりで準備してますよ。え?なんで、出るんですかとかきくの?」みたいなスタンスでいるの、正直、ものすごく違和感もって見ていたし、崇ちゃん、ウォーミングアップ始めなさいよ、と思っていた。加えて、「休んで現役続行」みたいに書いてる記事あるけど、それは無理だろうと思っております。去年のグランプリファイナル前にケガをしたどうこうじゃないんですよ。おととしの秋くらいから、手術をした右ひざに痛みが出るようになっていて、グランプリファイナルで優勝、全日本でも神がかりのフリーを見せたけれど、脚をひきずって歩くような状態だったときくし、結果を出せなかった四大陸、世界選手権でも、そんな話、その時には全然出てこなかったけど実はひざの状態はずいぶん悪くて、さらに、国別対抗戦は医者に「できればやめた方がいい」と言われながら強行出場して、そういうのが積み重なった結果の今であるわけで。だから、もう辞めな、と思う。「右脛骨関節軟骨損傷による慢性膝関節炎」ってファイナルの時から診断名変わってるし、故障に無理を重ねて、さらに周辺を傷めてって悪循環にはいってるってことなわけで、だいたい「軟骨損傷」は自然に治癒しない。さらにメスを入れてまで、続ける覚悟があるのか。意味があるのか。オリンピックのフリーで見せてくれた柔らかい笑顔、その後の晴れ晴れとした表情。本人が自覚してないのかもしれなけど、あれでよかったのだし、やりきったのだし。私たちは、今までたくさんのものを受け取った。だから、じゅうぶん。そして、インタビューでは「まだいけるって自分がいたけど、今回(のハニュウの金メダルで)受け入れてしまった」と自分で言っていた。そういう気持ちで、この年齢で、故障を治してさらにもう一度なんて、あり得るのだろうか。だから、おそらくは本人も心の奥底では決めているのだと思う。だけど、それをいつどのような形ではっきりと口にするか。迷ってるのは、そこなんじゃなかって、私は勝手に思っている。ということで、このふたつ辞めたことって正しい決断だと思うけど、今のタカハシの気持ちを思うと、こっちもなんかずどーんと来ちゃってね。ハニュウに2連敗したことでダメージうけて世界選手権お休みするっていうパトリックと一緒に、温泉でもいってくればいいんじゃないの、と妄想を繰り広げることで補っている。湯治するダイスケとパトリック…うむ♪
2014年03月06日
コメント(6)
また今日も、書いた日記が消えまして。今日はホントに「消えた!」って感じでしたよ。リンクを貼ろうと別のタブでサイトを開いてURLをコピーして、「さて」と戻ってこようと思ったら、画面が長いことローディング状態になって、落ち着いたら、書いていたはずの日記が真っ白。私の頭も真っ白ですよ!このところ、楽天の画面自体が不安定だなと思うのですが、皆さん、そんなことはないですか?さて、気を取り直しまして。今日はまずは、同じ冬季採点競技でもフィギュアスケート以外の話から。一個前の日記でdokidokiさんに指摘いただくまで気づかずに間違えてリンクを貼っていたフリースタイルスキーワールドカップ猪苗代大会。めっちゃ楽しみにしてたんですね。なので、ついついリンク貼っちゃたんですね。つまりはステマなんですね。もちろんウソです。ソチのメダリストがみんな来るってのが楽しみってのももちろんのこと、私が期待したのは、会場を運営するホテル所属のホシノジュンコ選手。実は去年、彼女の勤務するホテルの温泉に友人と連れ立っていったのだけど、ちょうど7月七夕のころで、館内にあった七夕飾りに「ソチ五輪に行けますように。ホシノジュンコ」という短冊を見つけたのです。重ねて、偶然にも同行した友人の中に、お子さんのお友達がモーグルをやってるという人がいて、「そういえば、しょっちゅう『ジュンコ先生』って話してた」とのこと。普段はホテルで働きながら、次世代の子供たちの指導にあたり、そして選手としてもオリンピック出場を目指して励む。それは、応援したくなる。なので、ソチでは2次予選でミスがあって惜しくも敗退だったけど、1次予選ではとてもいい滑りをしていたし、地元開催、教えてる子供たちもいっぱい見に来る、ということもあって、今回はきっとやってくれるはず、と特に根拠なく信じて応援していたのであります。そして、モーグル6位、デュアルモーグル銅メダル。結果が素晴らしいのはもちろんのこと、とても素敵な戦いっぷりでした。お見事。特に今回は、イトウ、ムラタ、ウエムラと、五輪代表勢がそろってケガで欠場という中、ワールドカップクラスの日本代表が彼女しかいない中でちゃんと結果を出した。そのこと自体に、とても頼もしさを感じたのでした。そんな彼女の滑り&インタビュー。ハナ・カーニーってホントうまいのね&こんな声だったのか!(笑)そして、実はホシノ選手以上に私が期待しちゃってるのが、男子のエンドウショウ。バンクーバーでは7位、今季ワールドカップランク4位で迎えたソチ、正直、私はウエムラアイコよりも彼の方がメダルに近いと思っていた。が、ミスがあって準決勝敗退。本人も相当に悔しかろうが、私も悔しかった。なので、期待した。モーグルでは、派手に転倒して予選落ち。だけど、悔しさをにじませながらインタビューに答える姿をみて「ああ、これはいける」と思えた。そして、デュアルモーグルでの銀メダル。赤いウェアの方がエンドウくんなので、タイムでずいぶん勝ってるようにみえますが、他の要素で負けちゃったんですな。モーグルの採点表も読めるようになろうと、わりと真剣に考えているところ。どのスポーツでもそうなのだけど、勝つ人ってそれ相応のオーラがある。容姿も含めて、その競技のトップをはる「それっぽさ」があるかどうか。エンドウショウは、バンクーバーからのこの4年で、それを身に着けてきたように思うのだ。彼はこの大会を「次の4年のスタート」と言った。ならば、期待させてもらおうじゃないか。男子モーグル初のメダルを。という彼も、今は勤務企業が宮城にあるのだけれど、もとはと言えば猪苗代の出身。つまりは、地元のうちの子ふたりが大活躍した大会だったのであります。それはそれは、とても幸せな大会でありました。今度は、見に行こう。というわけで、タカハシダイスケが辞めると決断したふたつのことについては、また明日。
2014年03月04日
コメント(4)
「難しいことは明日以降にでも」と書いて、それっきり放置が続いておりますが(笑)まだちょっと頭がうまくはたらかないもので、ロスってるのか、体内時計のずれなのか、そのあたりのところが解消されたなら、基礎点等々もろもろきちんと分析したうえでの、ジャンプ構成のバランス重要、超重要!みたいな話とか、トップアスリートがその競技に対して果たすべき責任とか、なんかそのあたりの話をしようとは思っているのだけれど。って、あんまりひっぱってると、世界ジュニア選手権始まっちゃうし、あっという間に世界選手権になっちゃうし。……がんばります…。なので、本日は軽い話題。オリンピック期間中、たびたびJOCのサイトで動画をご覧いただけますよと紹介してまいりましたが、民放テレビ局が共同で運営しているgorin.jpの方が、動画が豊富でおもしろいかもでした。日本人選手の活躍だけじゃなく、海外の選手の動画もあるので、私のジェイソン・ブラウンの演技なんかもご覧いただけますし。私の一番のお気に入りは、閉会式後のタカハシ&マチダのインタビュー。シーズンを通して発揮されてきたマチダの語彙の豊富さと独特の言い回しはここでも健在で、対して、タカハシ先輩の語彙の少なさが何ともかわいらしい(笑)加えて、選手プロフィールのところでは、なんとなんとツイッターにリンク貼られちゃってて、これは何とも…(^_^;)「タカハシダイスケって、男の色気が素敵よね~」なんて言ってくださってる皆さんに、あの「今日わLIVE行ってきました~!♪~(´ε` )」的なアレはお見せできない。いや、お見せしたくない。見なかったことにしてください!(笑)一方、あっこちゃんのブログは、年相応の文章で、アスリート感もあるので安心して読めます。そうそう、エヴァンも来てたんだよねー。同じくテレビのお仕事でジョニーもソチ入りしてたし、ステファンもお仕事なのか観客としてなのか、デニス・テンと記念撮影していたし、もちろん、ダイスケとブライアンは選手として出場していたし、あとは、ジェフの姿が確認できれば、私の中で何かがコンプリートしたのだけれど。タカハシダイスケ、ステファン・ランビエール、ジョニー・ウィアー、エヴァン・ライサチェク、ジェフリー・バトル、ブライアン・ジュベール。たびたび話題にしておりますが、ルックスと実力を兼ね備え、一時期常にトップを争っていたこの6人に対しての、私の思い入れはひとしおなもので、今季でタカハシとジュベールも辞めてしまえば、ああ本当にひとつの時代が終わるのだなとだいぶしんみりしてしまうのです。タカハシに関して、本人もはっきりとしたことを言わないまま「辞めるの?どうするの?」になっておりますが、私は辞めた方がいいと思ってます。そりゃ、もっと見たいです。来季からのルール改正で、ヴォーカル入りの曲が認められるようになり、タカハシなら、なにか画期的なおもしろいことをやってくれるんじゃないかとか、思うところはいっぱいあります。実は「集大成」という言葉を、勝手にマスコミが「=引退」と決めつけてしまっていた側面はあって、本人としては「辞めるって言ってないですよ」とは、たびたび言っていたんですね。だけどそれは、グランプリファイナル前のケガをする以前の話。やっぱり今回の再度のケガがあってからの状態をみるに、もうあんまり脚に無理させてほしくないなって。それと、私の中ではこっちの方が大きいんだけど、全日本での様子なんか見てると、もうあまりにえらくなってしまったというか、存在として大きくなりすぎてしまって、周囲が彼の扱いに戸惑い始めてる気がするんです。それはよろしくない。年長者としてリーダーシップを発揮するというよりも、功労者だから特別な人だから、気を使っちゃうみたいなことになりつつあるんじゃないかと。加えて、タカハシの「続けるかも」という言葉には、現時点で言うならば、さらに成し遂げたいことがあるから、というよりは、辞めて別のステージにうつることが怖いから、という意味の方が大きい。そんなのダメだ。せっかく積み上げてきた日本男子の歴史、タカハシが現役を退いた後どうふるまうかというのも、これからの日本男子がどういう方向に進んでいくかにかかわってくる。おそらくは、そのあたりもわかっていて、だから余計に怖くて、「辞めます」と言えずにいるのだろうな、とも思う。だけど、そこはきれいに道を譲ってほしいなと思うし、新しい道に進むのならば、やはりそれなりに余力がある状態で若いうちの方がいい。まあ、ぶっちゃけた言い方すると、そういう意味でのプルシェンコになってほしくない。タカハシ自身がなかなか踏ん切りがつかなかったとしても、それこそ周囲が優秀なので、そう間違った方向にはいかないかな、とも思ってはいるのだけれど。…と、気が付くとちょいと難しい話してました。すみません(^_^;)
2014年02月28日
コメント(4)
そして、時差ぼけ(笑)いや、そこまではないけれど。というわけで、終わっちゃいましたソチオリンピック。難しい話は明日以降にするとして、本日、ざっくりとした感想。夏のロンドンも燃えたけれど、やっぱり冬は採点系の競技が多くておもしろい。今回、新採用のスロープスタイル、めっちゃ面白かったです。あのマトリョーシカのとこ、今後のオリンピックでは何が置かれるのかな、とか。そのあたりの雪組フリースタイル系の競技をちょっと集中してみていたら、縦軸回転と横軸回転が同時に行われてる場合の見方が、ちょっとだけ見えてきた気がするもので、これは、次回夏のリオデジャネイロオリンピックにおける体操競技のでんぐりがえし+ひねりを見極めるにも役立つことでしょう。というか、割と本気で、縦軸回転+横軸回転がみわけられるよう、すでにウォームアップ開始しております(笑)開会式、閉会式も、本職のバレー団、サーカスの皆さまを贅沢に配置していたので、すごく見応えのあるものになっていて、間延びした感じがなくて、とてもよかったです。あと、一応私の専門範囲であるフィギュアスケートエキシビション!すごーく、よかったです。バンクーバーの時って、何やら「オリンピックだから上品なことしなきゃ」みたいな雰囲気で、結果的に一本調子だった気がするのです。それが、今回は私のまっち―をはじめ、ムーアタワーズ&モスコビッチとかフェルナンデスくんとか、結構ふざけたことを堂々とやってくれてメリハリがついてよかった、よかった。ラジオノアが地元招待で出演すると聞いて、グランプリシリーズ中に演じていたゾンビのプログラムをやってくれるのかと期待していたら、おとなしめのロシア民謡的なプログラムになっていたのは残念だったけど。そんなわけで。日本男子3人のプログラムも、キャラが演じ分けられてて、すごくよかったな~と。まっちーが今季の「白夜行」をクリスマスイブで封印し、何を持ってくるかと思いきや2シーズン前の「ドント・ストップ・ミー・ナウ」。これはホント好きでね~…(/_;)これって内容が、「夢の中ならスターなのに、そんなスターになりたいのに…」なもので、2シーズン前の彼にはあまりにもリアリティがありすぎて、だって、こんなにうまいのに、他の国なら即代表なのに、日本男子は層が厚すぎて、君が主役になれる日はきっとこないって思いながら見てたから、楽しいプログラムなのに、なんだか切なくて、毎回、ちょっと泣きそうになりながらみてました。だけど、今回のエキシビション、夢がかなって、その夢の舞台で、世界中が「マチダタツキ」を知ってくれた。ねえ、うちのマチダくん、素敵でしょ?(笑)そして、世界のタカハシダイスケ。6位なのにエキシビションのお声がかかるというのは、まったくもってあなたはスター。結果的に、同じ順位のアサダマオも招待される形にはなったけれど、第一部のトリというのは、まったくもっての特別扱い。オリンピックで演じるエキシビションとして「Time to Say Goodbye」を用意していると、シーズン当初から言っていたもので、今回はそちらが披露されるかと思いきや、こってこての濃いお味、これぞタカハシのタンゴオブタンゴ「ブエノスアイレスの春」。おそらく衣装は「Time to Say Goodbye」用につくったのかなと思われる、ちょいと爽やか系のものでしたけど。だけど、普段フィギュアスケートを見ていない人たちには、このタカハシダイスケをみてもらってよかったな、と思う。男子シングルの可能性、フィギュアスケートの可能性ってすごいでしょ?動きの制限される氷の上で、こんなにタンゴを踊っている。色っぽく、せつなく、だけど技術的にはものすごく難しいことをしていて、何十年か後にタカハシを語るなら、このプログラムははずせない。もちろん今回は、「ああ、脚の状態がよくないのだな」とわかってしまう出来で、本当なら3A跳ぶところを3Fにしていて、しかもつまずいてしまっていて、世界選手権に向けて、彼がどれだけできるのか、あるいはやる気なのか心配してしまうのだけど、それでも、世界が彼に恋をするレベルにあったのは間違いなく。最後に、我らが金メダリスト、ハニュウユヅル。完璧な笑顔と、完璧なコメント、フリーの演技はちょっと完璧じゃなかったけれど、19歳の男の子にして、完璧な王子様。隙を見せてくれないと、心配になっちゃう(笑)おそらくは、各媒体でも紹介されていたと思うけど、今回の「ホワイドレジェンド」は、2010-2011のSPであり、震災で家と練習場所を失った彼が、そのあとで、初めて人前で演じたプログラム。その「初めて」の場が、タカハシダイスケが発起人となった復興支援チャリティーショーであり、その時の経験で、「自分がスケートを続けることによって、やがて復興の力になるのだ」と思うことができたという、例えばこれが小説や漫画なら、「ありえないほど出来過ぎ」と却下されるレベルで出来過ぎた物語。こうして、タカハシからハニュウへ、バトンは渡されたのです。いいじゃん、出来過ぎてたって。私もう、泣いちゃうし。いや、今回ずっと泣きっぱなしだし。2個前の日記の続きになっちゃうのだけど、大きな国際、大会で、ハニュウが初めて表彰台に上るとき、必ずひとつ上の段にタカハシがいたのです。2011四大陸選手権、タカハシ1位、ハニュウ2位。2012世界選手権、タカハシ2位、ハニュウ3位。2012グランプリファイナル、タカハシ1位、ハニュウ2位。そして、12月のグランプリファイナル、今回のオリンピックと、ハニュウが真ん中に立つなら、もう自分のいる場所はないとばかりにタカハシは表彰台を降り。いやいや、ここまでくると私の妄想ですよ。そうですよ。だけど、日本男子のバトンタッチはあまりに美しく、これはおそらく今後の日記で触れると思うのですが、ああ、長いことタカハシをはじめ日本男子を見てきてよかったな~と勝手に報われた気になっております。ただし!一個前の日記で書いたように、私は3人並んで女子を応援する日本男子を妄想していたわけです。タカハシ先輩が、オリンピックマスコット帽子を3種類3つ買ってきて、「ねえねえ、だれがどれかぶる~? 僕、寅年だから、とらー!!」「いや、それユキヒョウですよ」とか。結果、タカハシの勢いに負けて後輩ふたりも帽子かぶるも、ずーっとまっちーが真顔、とか。妄想にもほどがあるってほどに完璧に妄想しまくっていたのに、女子の応援は全員ばらばらにすわってるは、閉会式でも、ユヅルが別行動するは、結構イライラしておりました(笑)なんというか、バンクーバーの3人は同じ時代に同じものをみていた人たちで、だからひとかたまりできゃっきゃうふふしていたけれど、ソチの3人はそれぞれ立場が大きくちがっていて、それぞれ無理にあわせようとせずに、自分の立ち位置にいたということなのかもしれません。それでも、まっちーがダイスケと一緒にお買い物行ったり、閉会式で、まさかのノリノリだったりと、仲良しさんを発揮してくれたり、そのあたりの行動によって、「なんかおもしろい人いる」と思ってもらえたのは収穫。ダイスケが一線を退いた後のことを考えると、こういう個性を主張することによって、人気を獲得してくれる人がいるっていうのは重要。実際、今回のオリンピックで、「まっちー」という単語そのものがツイッターの人気ワードになったり、「マチダ語録」が文字媒体の人気コンテンツになったり、私のまっちーがみんなに愛されてうれしい!(笑)そんなこんな、JOCのサイトでは、ハイライト動画として、主な競技の動画が公開されています。動画が再生される枠の上のところ、動画プレイリストで日付を指定していただくと、今までの演技をご覧いただくことが出来ます。本日話題のエキシビションなら2月22日、男子シングルフリーなら2月14日といった具合。他国のメダリストの演技も紹介してくれたりするともっとうれしいんだけど、そこは、権利関係とかいろいろありそうなので、まあ、仕方がない。というわけで、最初に書いたかと思いますが、難しい話は明日以降にでも。
2014年02月24日
コメント(6)
なんてこったい、眠いです。ここ最近、早めに寝て夜中に起きてを繰り返していたら、21時あたりに眠気のピークが訪れまして、今日は普通に寝て朝まで寝ていてOKなスケジュールなのですが、眠い、眠いよ。パトラッシュ、僕はもう…いや、そうじゃなく。一個前の日記で、予告した件についてちょっとだけ。今回のハニュウとパトリックのメダルの色を分けたのは何か。確かにジャンプ構成は重要。加点が付く後半に、ジャンプを固めたハニュウの構成は、実は、4回転を3本入れた選手よりも、ジャンプの基礎点が高い構成になっておりまして、そりゃ点数がでるわさ、というプログラムだったのであります。が、それに加えて私は両者のプログラムの質の違いがあったように思うのです。今季のパトリックのフリープログラムは、常に出力大で、トップスピードで最初から最後まで駆け抜けるようなプログラム。これは、パトリック自身のスケートの質とはとてもあっていて、ミスなく最後まで駆け抜けることができたなら、とてもとても迫力があって、だからこその世界最高点更新につながったプログラム。ただし、つまずきがあると、とたんにプログラムが崩れる。今回、オリンピックの魔物に惑わされたパトリックは、ジャンプの着氷がことごとくつまってしまって、そのたびに演技の流れが止まってしまっていたし、最後の最後には、すっかり疲れてしまってスピードも落ちてスピンも回れず、本来のプログラムの持つスピード感からすると、その失速具合がとても目立ってしまって、実際のミスの加減よりも、より重症にみえてしまった気がするのです。対するハニュウ。悲劇のロミオとジュリエット、後半疲れて力を失っていく様子さえがドラマティックで、うまく曲と振付が、ミスを吸収していったように見えるのです。プログラムを通して緩急があるので、例えば前半にミスが続いたとしても、曲と振付に「切り替えポイント」みたいなものがあって、演じてる本人も見ているこちら側も、ふっと雰囲気をリセットできる瞬間ができてくるわけです。なので、全体的に息切れ気味でもトータルの印象としてさほどマイナスに働かず、一生懸命滑ってる姿そのものが胸をうっちゃったりして、そんなに点数を損しなかったのではないかと。ハニュウ自身の今後のことを考えると、こういう「へろっても頑張ってる風に見える」プログラムばかりでは、演技の幅として広がらないし、よろしくないとは前からたびたび言ってきたけど、今回ばかりは、それが有効に作用したと思います。もちろん、彼のSPの演技だけでも金メダルに値するし、胸を張ってのオリンピックチャンピオンであることは間違いないですけどね。実はこのプログラムの差ってのは、昨日のアイスダンスで、さらに痛切に感じまして、1位のメリル&チャーリーと、2位のテッサ&スコットの差ってのも、初見でのプログラムのわかりやすさと、曲と振付の緩急だなと思ったわけですが、それ以上に、3位に滑り込んだ若きロシアカップル、イリニフ&カツァラポフ組のフリー「白鳥の湖」は本当にお見事としか言いようがなくて、冒頭のユニークなリフトが最も印象的だけど、それこそ、アイスダンスを初めて見るような人でも楽しめる、耳慣れた音楽と斬新な振り付けという、ニコライ・モロゾフの真骨頂。ロシア選手権、ヨーロッパ選手権と転倒が合ったにもかかわらず高得点を出してきて、その転倒ゆえに2位に甘んじてはきたけれど、これはオリンピック本番ではくるんじゃないかと思っていたら案の定。ロシア開催のロシア代表ってのもあるけれど、客席の盛り上がりっぷりはそれだけではなくて、点数が出たときのモロゾフのにんまりっぷりも含めて、これはプログラムの作り方の作戦が最高にうまくはまったなと思ったのでありました。それで行くと、女子シングルでいいと思うのはユリア・リプニツカヤ。やはり彼女の今季のプログラムはうまい。SP、FSとも、最初と最後のポーズが対になっていて、ああいうのは初見でもグッとつかまれるし、万人にわかりやすい音楽で彼女自身の雰囲気に合っていて、プログラム2本トータルの評価としては、1位だと思います。ジャンプ構成の強さも合わせて、ね。そこを除くと、カロリーナ・コストナーの新作SP「アベマリア」と、昨季のプログラムに戻したフリー「ボレロ」もすごいよね。単独で考えると、スズキアキコのSPとアサダマオのフリーはすごい。音とエレメンツの配分、だんだんもりあがっていく音楽と振付の兼ね合い、毎回見るたびに、このふたつは鳥肌ものだと思っております。あとは、アシュリー・ワグナーのSPがオリンピック向きじゃないというのはふれたかと思うのですが、フリーは昨季のシェヘラザードにもどしたようで、そこは見もの。という流れで言うと、今季のヨナのプログラムは、私は感心しないのです。SPはメリハリがなくて感情移入のしどころがわからないし、フリーでタンゴというのは、少々流行をはずしている気がして。バンクーバー後、この数シーズンはタンゴ祭りで、特にアルゼンチンタンゴ、さらにはピアソラは流行りすぎてしまったおかげで、今季はちょっと食傷気味。いや、私にとってかもしれないけれどね。だから、今、ピアソラのタンゴを使うならば、よほどのオリジナリティをもった仕掛けが必要なのではないかと、でも、ヨナに限らず他にタンゴを持ってきた選手みんななんだけど、そういう「お!」と目を引く工夫がなくて、そうなると、単にちょっと流行を過ぎつつあることをしてるように見えちゃうのよね。昨季の流行を先取りした「レ・ミゼラブル」は素敵なプログラムで、衣装もとてもマッチしていたし、なぜにあれをオリンピックに持ってこなかったのかと、そこらへん残念です。とか、なんとか言ってるけど、女子シングルで一番楽しみなのは、観客席で応援してる日本男子の皆さんの姿。前回バンクーバーでは3人そろってフェイスペイントしてはしゃいでるのがかわいらしかったですが、今回は、タカハシ先輩が「みんなで国旗顔に描こう♪」とか言っても、後輩二人が「僕たちはそういうのいいんで」とか拒絶しそうとか、勝手に妄想して、今からにやにやが止まらない。3人並んでなかったら泣く(/_;)
2014年02月18日
コメント(4)
今日はアイスダンスの上位陣は見ようと思ってるので、そろそろいったん寝る時間。なので、簡単に。昨日の日記で、私は、「今回のタカハシに何を期待したらいいのかわからなくなっていた」と書いたけれど、実は、ひとつ、はっきりと期待していたことがあって、こんな言い方をしてしまうとふたりともに失礼かもしれないけど、それは、「ハニュウの楯になること」。世界中から金メダル候補にあげられ、だけど、まだ10代初オリンピックのユヅルを、無防備なまま世界の大舞台に放り出すのではなく、ダイスケが一緒にいることによって、注目も期待も分担して持つことができる。むしろ、すでに世界的に名の通ってるダイスケにメディアの注目はより多く集まり、さらには、思いもかけない騒動にまきこまれることで、よりダイスケが日々の報道の主役となっていった。メダルへの期待だって、ハニュウが一番手なのはゆるぎないとしても、「いやいや、いざとなるとタカハシさんだって」みたいなものは大きかったし、なんか、私には、ダイスケがディフェンスとして敵を食い止めている間に、フォワードのユヅルが点を取りに行って決めた、みたいな。もちろん、本人たちはダイスケだって、最後まで自分がメダリストとなる希望を捨てずにがんばったわけだし、ユヅルだって、「タカハシさんに取材が殺到してラッキー」だなんて思ってないだろうし、だけど、結果として、タカハシがいることによって、ユヅルは楽になったと思う。代表選考の段階から、2枚看板でいくみたいなこの方針は見えていたし、正直、タカハシの足の回復具合がここまで思わしくないのは誤算だったけど、タカハシと一緒にいることでユヅルを楽にさせるというのは、ピタッとはまったように思うのです。決して、タカハシが捨石だったという意味ではないですよ。そして、プラスもうひとつ。これは、ここまでとは思っていなかったのだけど、日本からかけつけた応援の皆さんの力。もちろん、その応援団のすべてがタカハシファンだったというつもりはないけれど、タカハシのためなら世界中どこにでも、のいつもの皆さんがいらっしゃることで、フィギュアスケート観戦の空気がつくられ、結果、出場選手がみんな気持ちよく演技をする環境ができていたと思うのです。団体戦もそうだったけど、ペアの観客は本当にひどかった。団体戦で気になっていたブブゼラはもちろんのこと、太鼓まで持ち込んで、通路に立って太鼓を打ち鳴らし、演技が始まってもそのまま通路で「ロシア!」と声を上げ続け、到底フィギュアスケートとの応援とは思えないような光景が繰り広げられていて、優勝したロシアのボロソジャル&トランコフ組の次に演技を行った中国、ドイツのペアについては、どちらもメダルに絡んでくる有力ペアだったためか、素晴らしい演技が繰り広げられているのに、客席はしんと静まり返り、最後のポーズを決めても、拍手はまばら。ドイツペアにいたっては、転倒に対してワッと歓声があがって拍手でもりあがるというひどさ。男子シングルでも、そんなんだったらどうしようと思っていたのだけれど、大挙して押しかけてくれたダイスケファンご一行のおかげで、どの選手に対してもあたたかな拍手がおくられ、いつも通りのフィギュアスケートの試合が行われたのではないかと思うのです。例えば、スケートを見慣れてる人にとっては、そのプログラムの「盛り上がりどころ」がわかるので、ジャンプ以外の部分でも、歓声と拍手が沸き起こります。例えば、ユヅルのSP。腰を落として、脚が「へ」の字で両手で前方を指さす変形イーグルが振付の胆で、「きゃー、かっこいい!」ポイントなのでありますが、団体戦の時は、まったくもって「しーん」となっておりまして。ところが、男子シングルSPではちゃんと盛り上がって、そういうのがあるとないとでは、本人の気持ちの乗り方がかわってくるので、技術的には団体戦でも個人戦でも、ユヅルのSPの出来に大差はなかったと思うのだけど、この観客との一体感によってのってのれたかどうかが、点数の差になって出たのではないかと思うのです。そういう、慣れた人たちが作り出す「観戦のお作法」みたいな雰囲気が、だんだんとそれ以外の観客にも伝わって行って、結果として、男子シングルは全選手に対して、とても暖かい雰囲気のある試合になったのではないかと。それでも変わらずブブゼラを鳴らす人はいたし、選手がポジションとってるのに声かけちゃう人はいたけど、まあ、ご愛嬌の範囲。タカハシがいたから、だから観に行こうと駆けつけたファンが多かったから、とてもいい雰囲気がつくられて、とてもいい試合になって、結果、ユヅルの金メダルにつながったんじゃないかって、タカハシファンの思い込みとして、勝手に思い込んでいる(笑)さて、今日からはアイスダンス。男子シングルの、あの観客の雰囲気が保たれているといいのですが。ユヅルとパトリックの明暗を分けたジャンプ基礎点だけじゃない、プログラムの持つ力等々については、また明日以降にでも。
2014年02月16日
コメント(6)
とは言え、世界選手権に向けての意思表示がまだされていないので、一言だけ。私も眠くてぼーっとしてて、うまく言葉が整理できずにいるし。SP当日、実は私はとても混乱していた。自分が今、タカハシダイスケに何を期待しているのか、まったくわからなくなってしまっていたから。こんなこと初めてで、例えば、バンクーバーなら明確にメダルを期待していたし、そのあとの世界選手権でも「勝て!」と思っていた。その後、「滑る姿を見せてくれるだけで十分」と思う試合もあったし、具体的に「この技でこの程度のことをしてほしい」と期待することもあった。だけど、今回はわからなかった。ソチに現れたタカハシは一見晴れやかな顔をして、自分がまきこまれた騒動を笑い飛ばして見せたかと思えば、楽しげに仲間たちの演技を応援していた。でも、自分の体のことや練習の状況に関しての受け答えや、ぼんやりとした不安を私の中に呼び起こしたし、練習に現れた彼の顔つき、体つきは、五輪仕様に整ってるようには見えなかった。ああ、やっぱり間に合わなかったのだ。四回転の高さが足りず、軸が緩いのははっきりとわかるし、加えて、スケートが滑っていない。ならば、私が期待すべきは「ここにいてくれるだけで十分」ということなのか?でも、それじゃあ、彼が今まで積み上げてきた日々を否定することになりはしないか?ならば「メダルを」なのか?いや、それは無理だと、私の奥底にある不安が告げているのではないか?他選手の失敗を期待して、タカハシのラッキーなメダルを望むのは、私が見たいと思っているものとは違うのではないか?ならば「精一杯の演技を」なのか?それは多分一番近いのだろうけど、タカハシ自身が「精一杯やった」と思える演技というのはつまり、メダルを取れるレベルのことができて初めて思うことなのではないか?ということは、それは「メダルを」という期待とイコールなのではないか?「メダルはなくてもいいから、彼らしい演技を」というなら、それは「いるだけで」と同じことになりはしないか?そんな思いがぐるぐる回ってしまって。だけど、結論として「メダルはなくてもいいから、彼らしい演技を」。その答えを出してくれる、集大成と読んでいい素晴らしい演技でした。後半ずっと微笑みながら、終わっても笑顔で、柔らかい表情で小さく「ありがとうございました」と繰り返しながら客席に頭をさげる姿に胸をうたれ、「ああ、私はこれが見たかったんだ」と、これ以上ない素敵なものを見せてもらった気分です。だから、今朝は泣きました。ユヅルの金メダルに、マチダのエキシビション出場に拍手をおくりながら、タカハシを見てきたこの12年を思って、ひとりで思う存分、泣きました。あなたと同じ時代を生きることができて本当によかった。ありがとう。ただただ、ありがとう。演技内容の詳細等々につきましては、明日以降にでも。
2014年02月15日
コメント(6)
昨日、早めに寝て、そのまま朝までちゃんと眠ったので、今日はすっかり体力回復。とは言え、本番は明日からの男子シングルですから、まだまだ今日は体力温存せねば。なので、本日のペアフリーは、上位選手だけ見ようと思います。2時くらいまでは寝てて大丈夫ってことね。ここまで、大本命と目されていた選手が次々と負けているお外での競技、雪の状態というのもあるけれど、コース設定に問題があるという話もたびたびきかれ、なるほど、だからこその番狂わせもありなのだなと思ってみているのだけど。一転、屋内での競技については、氷の状態も会場内の様子もいいようなのだけど、問題は観客だよなぁ…さっきもちらっとカーリング、ロシアvs日本見てたけど、なんだかなぁ、です。競技を見るにあたって、普段の試合であれば暗黙のルールとして守られてきた観戦マナーが、まったくもって無視されて、ひたすらの「ロシア」コール。競技に対する興味も、ルールに対する理解もないけど、とにかくロシアチーム、ロシアの選手が勝てばいいというような見方なので、かなりびっくりしてるし、がっかりしている。そう思うと、バンクーバーは運営にぼこぼこ穴あったけど、観客の雰囲気はよかったよな~。カナダの他都市の人はもちろんのこと、世界中から観客が集まりやすい環境にあったということもあるんだろうなぁ。その試合が見たくてチケットを買ってやってくる観客と、近くで何かやってるからなんだかわかんないけど見に来てみたって観客との違いみたいなの、痛切に感じております。東京でオリンピック開催するときには、テニス観に行って、野球みたいな応援することがないようにしたいものですね。では、寝ます。あ、明日からの男子シングルは、たぶん、日記書いてる時間がまったく取れないと思うので、全部終わったころにでも、また。
2014年02月12日
コメント(8)
そもそもが。いったん寝て、試合が始まる0時ころに起きて、終わる4時ごろにまた寝るってスケジュールは、まったくもって余裕がない。そこにきて、仕事が忙しい。何しろ明け方までフィギュア団体戦を観た日なのだから、サクッと仕事してサクッと帰ってきて、場合によっちゃ、スピードスケート始まる前に寝ちゃうかもな~くらいに思ってたのに、第1グループが1回目を滑り終えるくらいの時間まで残業しちゃったよ。しかも、今日も休日出勤ですよ。だれだよ、個人戦まではフリップとルッツの見分け方動画つくるとか言ってたのは!(笑)というわけで、スキージャンプもある意味採点競技だし、ペアのSPも気になるし、スノーボードハーフパイプの回転にも目が慣れてきて、もう少しがんばれば見えるようになる気がするのですが、本日は、これにて。
2014年02月11日
コメント(4)
眠い。昨晩は宣言通り、急いで夕食食べて急いでお風呂入って、早めに寝て、0時くらいに起きてフィギュア団体戦の予選見て、終わって4時過ぎからまたちょっと寝るというパターンで乗り切りました。こういう日、これから結構ある予定。結構きつい(笑)いや~、でもおもしろいですね、団体戦。ドイツと中国が団体戦は捨てるようだというのは一個前の日記でお伝えした通りなのですが、今日発表された女子SPを見ても、一番手のジジュンではなく、二番手のクーシンをエントリーしてきたので、むしろ絶対フリーに進みたくない方向なのかも。確かに、ペアでトップのパン・トン組は金メダル争いにもからめる力があるし、昨日SPをすべったペン・ジャン組にしても、いいところまでいく可能性がある。女子で上位が狙えるジジュンは、今季なかなか体調が整わないこともあったり、男子はハン・ヤンひとりしかいないので酷使したくない。「よし、フリーはやらない方向で」ってのは、すごくわかるわ~。そういう駆け引きのあれこれも、なんか今回おもしろいな~。というわけで、昨日の結果および明日のエントリー状況を見て作り直した予想表です。当初、5位でフリーに進むのをイタリアとみておりましたが、昨日、想定よりもポイントをとれなかったことで、逆に思ってたよりポイントを獲得したフランスが有利になった気がします。あ、それから、私としてことが大きな間違いをおかしておりました。団体戦の最終結果はフリーのポイントで決定され、SPのポイントは、あくまで予選通過ラインを決めるためのものと思い込んでおりましたが、実際は、SP、FSのポイントの合計が、最終的な順位となるとのこと。それだと、やっぱり日本がメダルってのは無理です。安定の4位だと思います。アメリカは、アボットが大誤算で昨日の成績は大きく出遅れてますが、やはりトータルでどの種目もそこそこの成績がとれるので、結果、メダルに届く位置にはいると思うのです。そして、私が昨日もっとも衝撃をうけたのは、イギリス男子シングル、マシュー・パー。いや、演技どうこうじゃなくて、衣装があまりにもその…だって、これってさ、どう見ても、これじゃない?なんだよ、イギリスにも憧れこじらせた奴がいたのかよ…彼は個人戦の出場資格は持っていなくて、イギリスが他3種目で出場資格を得たためにオリンピックにやってきたレベルの選手でして、技術的のあのそのだったもので、余計に「地方大会で見かけるタカハシを好きすぎる学生さん」に見えちゃって仕方がなかっただよ。こういう「出られてよかったね♪」と、まさしく「参加することに意義がある」状態でオリンピックを楽しんでる選手を見るのも、なかなかに楽しいです。では、最後に想定以上にすごくすごくがんばったペアのおふたりを紹介して、今日は寝ます(笑)他の皆さんの動画も紹介されているJOCの公式サイトです。2月6日の競技ダイジェスト解説でも言ってますが、ふたりはペアを結成してからちょうど一年。今回も補欠で個人戦に滑り込んだという状態で、世界的な位置づけからしたら、10位でもしょうがなくて、できれば何とか9位を取ってくれたら、シングル勢が楽になると思っていたら、大健闘の8位。すばらしい、本当にすばらしい。ジャンプが何とかまとまったこともなのだけど、ツイストとリフトがすごく軽やかになって、キハラくんがペアの選手になったのだな、という感じがものすごくしました。何度も同じ話を繰り返して申し訳ないのだけれど、彼がシングルの選手のままであったなら、オリンピックなんて夢のまた夢で、学生時代が終わるとともに、スケート以外にの道も考えなければいけなかったはずが、ペアに転向したことで、こうしてオリンピックという舞台に立ち、さらには、チームジャパンに大きく貢献するだけの活躍をすることができた。そんな彼の姿を見て、シングル一辺倒じゃなくて、カップル競技に興味をしめしてくれるちびっこたちが増えてくれるといいな~とつくづく思うのです。あっと、それから、今回の実況「全種目NHKの鳥海さんっぽい」とか間違った情報をながしてしまって申し訳ない団体戦はテレ朝の進藤アナでしたね。鳥海さんは個人戦全種目(←それもきついけど)私、進藤アナは苦手なもので、昨日も若干「うへぇ」ってなりながら見てました。ご紹介したペアの演技、すごく素敵なのに、進藤アナの実況が重なるので、ちょっと「うへぇ」ってなります。残念。とにもかくにも、楽しくも眠くて、そして緊張しまくる日々の始まりです。あ、ユヅルくんについては、皆さんが褒めてくださると思うので、もうお任せしちゃいます(笑)
2014年02月07日
コメント(4)
もう明日の夜中には予選が始まってしまうというのに、全然準備が整っていない。今季のテクニカルパネルハンドブックも、今までのプロトコルも全然読み込めてないし、有力選手のジャンプの基礎点計算くらいしておこうと思っていたのに、まったくもってさっぱり。思ったよりも動画作成に時間がかかったってこともあるけど、それ以上に、シーズン通して勉強不足だったよ、私。今更後悔しても、時間は戻らないよ…反省。というわけで、さらっと団体戦の見通しなどにふれて、明日から予想される睡眠不足に備えて早めに寝ようと思ったのですが、今日、さけるわけにはいかないこの話題。(←内容とは無関係なのですが、大学の公式だというのに、いったいいつの写真を使い続けてるんだと、このページをご紹介するたびに、そればっかり気になってしょうがない)早朝、このニュースを目にして、一番に思ったのは「ルイスーさんの涙を返せ!」でありました(笑)いや、まじめな話、本当にそれが真っ先に浮かんだのです。タカハシのSPについて、以前、私は熱く熱く語ってしまって、それに対して、ルイスーさんをはじめみなさんが素敵なコメントをお寄せくださっていたので、「私ったら、とんだことを…」と、しょぼーん(´・ω・`)となっておりました。タカハシ自身は、何の先入観もないまま候補曲をいくつかきかされて、その中から気に入って選んだとのことなので、それこそ誰が書いた曲だろうと、曲そのものの持つ力がかわるものでなし、と思ってるだろうし、今は、モスクワでニコライ・モロゾフと一緒に準備射てると思うので、ニコライは「で?それの何が問題?気にするな」ってタイプなので、そこんとこ、こういう時には頼りになるよな~と勝手に想像したうえで感謝してる(笑)曲選びやプログラムの作り方は、ジャッジに与える印象も考慮するので、そのあたりどうかな、とは思うけど、「今もめてるとか聞いちゃうと、ちょっと微妙」になるのか、「こんな大事な時にとんだことに巻き込まれて、ダイスケかわいそう。 でも、こんなにがんばってて健気。加点!」となるのか、「きいたことないけど、ダイスケの雰囲気にあってて素敵な曲ね。作曲者はどなた? あら、日本じゃそんなことになってるの。知らなかったわ」なのか、そこはちょっとわからないし、人によっても違うと思うし。懸念するとすれば、マスコミ対応がわずらわしいということだけで、そこは、周囲のスタッフを信頼しておまかせするだけ。だから、私もニコライっぽく「それが何か?」といられればいいのだけれど、やっぱり、前述の日記の中で紹介した「命を削って作った曲です」のくだりがひっかかって、実際のところ、タカハシ自身がどれほどの重みでそのセリフを受け止めていたのかは想像でしかないのだけれど、私自身が「これはタカハシダイスケは大きなものを託されてしまったのだから、何が何でもオリンピックで、最高の演技をしなければならないし、それが彼の使命なんだ」と思ってしまった気持ちの処理がうまくできずにいる。あの「ご対面」さえなければ、人は人、曲は曲でスルー出来たんだけど。んでもって、「なぜにこのタイミング」と思う人は多いだろうし、私もそう思ったけれど、逆に「このタイミングだから」なのでしょう。タカハシが曲を使用したことによって、オリンピックのタイミングに合わせての発売予定があれこれ。例えば、タカハシSPサイズでの配信であったり、楽譜の出版であったり。きけば、彼(彼ら?)の楽曲のスコア発売は初めてとのことで、そういういわば2次利用的に、思わぬ利益が発生することになって、そのあたりについての話合いがきちんとされてなかったことによるもめごとなんだろうと推測。前述のタカハシSPサイズでの配信というのが本日からだったようで、そんなちゃんと話がついてないのに、オリンピックに合わせてのいろいろの発売は絶対阻止、みたいなそういう流れなんだろうな、と。逆に言うと、タカハシが曲を使ったからこそ浮上してきたもめごとであって、それはタカハシ自身にはまったく罪のないことなんだけど、タイミングとして巻き込まれちゃうよね、それは、なのかなと。と、結局この話題で字数ついやしちゃったよ…(-_-;)本来なら、こちらを本題にしようと思っていた団体戦予想。まずは、予想のExcelはっちゃいます。まずは10か国がSPで予選を行い、1位10点、2位9点…と四種目の順位点合計で上位5か国が予選通過でFSを行うという流れ。各種目の出場選手は前日まで伏せることという取り決めがありまして、本日男子とペアの発表があったので、そちらは反映させましたが、女子とダンスについては、各国エース投入として予想してます。日本は誰がでるかまるわかりなので、そこは考慮するとして、他国のフリーについてはわからないので、すべてエースが来たとして、の予想です。男子SPは、やはり各国手持ちの中で一番強いカードを切ってきたので予想通りなんだけど、ペアがびっくり、びっくり。ドイツと中国が2番手できた模様。ドイツはもともとペア以外が全く勝負にならず、予選通過はないと言い切っていい状況なので、個人戦で金メダルも狙えるペアを使わないというのは想定できたのだけど、私の計算としては予選通過ライン上にいる中国は、絶対にエース投入でくると思っていたのですよ。あきらめたのか、それとも、男女シングルが相当がんばれると思っているのか。なもんで、さきほどまるっと予想しなおしたのが先ほどの表なのですが、基本的には今季のベストスコア基準+主に経験等の要素を考慮して作ってみました。そもそもが、四種目合計で競う競技ということは、圧倒的にロシア、カナダ、アメリカがつよくて、この3国のメダルの色争いだと思っていて、「日本、団体戦でもメダル獲得か!」とか言ってる予想を見ると、「ないない(笑)」と思っていたのだけれど、こうやって計算してみると、そこまで「絶対無理!」ってのでもないような…もちろん、男女シングルは絶対に1位で予選でダンスとペアがビリにはならないってのは、結構大変なこととは重々承知の上。というわけで、とにもかくにも、明日ユヅルがつまずけばその時点で団体戦終了くらいの話なので、ぜひともがんばってほしいもの。おっと、生放送視聴の方針なのですが、男子シングルは団体戦も含めて全部見る。女子シングル、ペア、アイスダンスの個人戦は、滑走順に応じて上位選手のみ見る。団体戦の女子シングルは全部見る。団体戦のペアとアイスダンスは状況次第で、と、自分の中で決めました。あと、開会式は連日の夜更かしになってしまってきつそうなので、翌日の録画放送で見ることに決定。そのほかの競技については、気力体力と相談しながら、と思っております。
2014年02月05日
コメント(6)
お待たせいたしました。なんとか、「ジャンプの見分け方動画」完成。動画中にもありますが、日本男子上位6人の今季のシーズンベストを出した試合の演技、SP,FSのジャンプをすべてつなぎました。なので、転倒をはじめ、失敗したジャンプも全部入ってます。そんなことやってるから、全部で11分!!だれが見るんだよっていうね…(-_-;)だって、選べなかったんだもの(笑)この中から3人とかという選び方もできないし、このジャンプはこの人のこの時のがいいので、なんて始めると、まったくもって収拾つかなくなるし…一方、せっかくだから6人のジャンプの違いなんかも見えてくる動画になるといいな、という思いもありつつ。なので、全員分全部のジャンプ動画。慣れてない方は、ひょっとしたら目が回るとか、気持ち悪くなるとかの可能性があります。ご注意ください。ちなみに、タカハシNHK杯、オダ・ハニュウ グランプリファイナル、コヅカ・ムラ 四大陸選手権、マチダ スケートアメリカ。並び順は、考え始めるとやっぱり収拾つかなくなったんで、単純に年齢順です。こうやって並べてみると、ユヅルの3Aの跳び方のすごさったら!日本男子は比較的アクセルが得意な人が多いのですが、それでも、他の5人ははっきりわかる助走をしてるんだけど、ユヅルくんはいきなり跳んじゃう(笑)これ、オリンピックで満点出すと思うんだ。でもって、タカハシの3回転までのジャンプのさりげなさといったら!やはり、この6人の中でも、踏切に力をつかわずにタイミングでとんでる。なので、逆に、マチダは力で跳んでるなあと…いや、彼も十分に表現を邪魔しないだけの自然な踏切り着氷が出来てると思うんだけど、6人並べると、ちょいと重い感じがしちゃう。ムラくんのジャンプは「高っ!」(笑)一方、ジャンプの入りと出なんかは、もうちょい小回りきいてほしい感じはする。で、ジャンプとは関係ない部分で、コヅカのこの四大陸でのスケーティングってのは本当に素晴らしい。なので、他の5人に比べて若干コヅカパートが長い気がします(笑)…だれか忘れてる気がするんだけど、たぶんノブナリだからいいか。(←でも、動画に入れただけ私って優しい(笑))あわせて、こちらもご覧いただけるとわかりやすいかと。私が今まで見た中で、見分け方を文章で説明した中では一番わかりやすいと思います。ただ、例で取り上げてるのがタカハシさんなので、フリップとルッツが、どっちも助走短すぎて何が何やら(笑)そのフリップとルッツについては、また別動画を作成予定。期待せずにお待ちください(笑)
2014年02月04日
コメント(4)
昨日の日記で書こうと思っていたことを、ちょいと短めにもう一度。今日は消さないようにがんばる(笑)タカハシ関連商品の話。まずはDVD。高橋大輔 D1SK高橋大輔(TAKAHASHI DAISUKE)楽天ブックスで詳細を見る今までで一番企画がいいと思います。「ステップ集」というから、過去の映像をつないでいるのかと思いきや、このDVDのために滑りなおして撮っているという贅沢な作り。アイスショーの会場で、誰も観客がいない状態で、素明かりで、でもちゃんと衣装をつけてステップ部分だけを演じているという何ともシュールなことになってるんだけど、私としては、それが面白かった。映像としてもね「なんでそこで寄った!」とかツッコミどころはあるんだけど、他の部分も含めて、そういう計算されてない生々しさみたいなのが、今回は多くて、それがすごくよかったのですよ。全編通してカメラがとても近くて、それって、2008年から始まってるタカハシ密着DVD撮影のスタッフ皆さんが、その時間の積み重ねによって精神的にタカハシに近づいてきたからこそなんだろうなと思った次第。タカハシダイスケという人は、基本的に人当たりがいい。実際にどういう人か、そこまで私がわかるものではないと重々承知ではあるけれど、今まで私が様々なメディアを通してみてきた彼は、初対面の人にも笑顔で当たりが柔らかく、とても親しみやすい対応をする人。だけど、内側に入ることがとても難しいタイプなんだろうなって。なかなか本心は見せない。例えていうなれば、玄関は簡単に開けてくれるし笑顔で対応してくれるけど、よほどのことがなければ、部屋に入れてくれないって感じ。それが、今回のDVDでは、撮影スタッフに対して、彼の心の中の部屋を見せてくれてる感じがするのです。なので、それはイコール我々も彼の心の中の部屋を見ていることになるわけで、そういう生々しさは、今までなかったよな~と、そういう意味でもこれは「すごい!」と思ったわけです。でもって、毎度おなじみ衣装を検討する過程での試着生着替えがあるわけですが、今回は今までにない近さで、今までにないアングルなもので、「あら、やだ♡」というサービスショットもお楽しみ(笑)そして、こちら。KISS & CRY氷上の美しき勇者たち2014 Winter価格:980円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る一応「日本男子シングル代表の本」なのですが、表紙をみただけでわかるとおり、マチダのページの驚愕の少なさ!まあ、混ぜてくれただけで良しとしよう(笑)でも意外とまっち―ファンも購買力あると思うよ。出版社の皆さま、来年以降ご検討ください(笑)で、ページ数の多いおふたりの話ですが、とにもかくにも写真がいいです。うっとり。ページごとのキャッチフレーズの数々が読んでるこっちまで恥ずかしくなるようなのばかりで、それはちょっとどうにかならんもんかと思いますが、それ以外は、文章もとてもよくまとまっているし、情報量としても十分。個人的には、フジで男子シングルの実況をずっと担当している西岡アナのインタビューが載ってるのがすごくよかった。彼のフィギュアスケート実況のキャリアは常にタカハシダイスケとともにあって、だからこそ、バンクーバーオリンピックでの実況は素晴らしかったし、やはりタカハシを語るには彼抜きでは終わらせられないのですよ。西岡さんは、忘れもしない2007年東京開催の世界選手権、タカハシダイスケが初メダルを獲得した試合において、表彰式で「バンクーバーオリンピックに向けて、タカハシの歩む『道』、そのあとに道ができています」って言うのですよ。(←もちろん、完璧には記憶してなかったので動画見直したよ(笑))でもって、バンクーバーで、フリーの『道』の演技が終わった瞬間、「すべての道はここバンクーバーに通じていた!」って言うわけです。もう、それだけでこの人すごいなって思う。あと、その直後の世界選手権、タカハシが優勝した試合で、フリーの最後のポーズとった時に「伸ばした手の先に、金色の光が見えたっ!」てのもよかったし、翌年の世界選手権、フリーでタカハシのブレードの金具がはずれて結果5位だった試合で、「転んでも立ち上がればいいと、タカハシダイスケが教えてくれたっ!」ってのも好きでした。我々以上に、彼は全部全部タカハシを見てきていて、だから自分のことのように喜んだり悲しんだり、かといって、ただ単にタカハシびいきなわけではなくて、スケートに対する愛情も深いから、ルールに対する理解であったり、タカハシのライバルになるような選手たちに対しての愛も深くて、スケートの実況と言えば、西岡さんがダントツで好きなわけです。が、今回のオリンピックは西岡実況じゃないんだって(´・ω・`)ショボーンフィギュアスケートは全種目NHKの鳥海アナが担当するようで、彼の実況は西岡さんに次いで好きなのでノープロブレムなのだけど、全種目って負担かかり過ぎっていうか、なんでそうなったっていうか…個人的に思ってるだけのことなんだけど、他の種目の放送予定なんか見ても、今ロシアに入るのは何かと気をつかうことが多いので、報道関係は極力人数をしぼろうとしてるのかな、とか。なの?と、西岡さんで字数をついやしてしまいましたが、前回バンクーバーの時も、代表3人を取り上げた本が出版されたけれど、このタカハシ&ハニュウのインパクトにかなうはずもなく、このふたりは、ひとりひとりでもそりゃ素敵なんだけど、ふたりが並ぶことでよりゴージャスになるという、奇跡のとりあわせだな、とつくづく思うのです。年齢的にもルックス的にも「男」と「少年」で、スケートのタイプも違って、でも、強く美しいことに変わりはなく、競技中は火花を散らしあいながら、表彰式とかその後になるとじゃれあってる姿が、同時代の同じ国にふたりそろってるなんて、なんて贅沢。そして、この贅沢な眼福ぐあいが今季限りだなんてさびしい限り。ああ、神様。タカハシの肉体的な年齢を止めてください。いや、願わくば2012年の春あたりの体に戻って止まるとベスト(笑)この後ハニュウがタカハシのようにいい男方向に成長していったとしても、そううまいこと、ある日、その座を脅かすような生きのいい美少年が現れるってのはなかなかに難しいだろうとおもってしまうし、もちろん、このままフェミニンなルックスでハニュウが大人になっていって、男らしい佇まいの若きライバルが現れるってのでも、もちろんいいんだけど。奇跡ですよね、やっぱりこれは。というわけで、ふたりの歩みの中で最も私がお気に入りの一枚。2012年ニースの世界選手権で、パトリックの採点を並んでみているダイスケ&ユヅル。ホントもうね、この写真だけでワイン1本あけられるレベルで好き。最初に「短め」って書いてたのに、ものすごく長くなった(笑)
2014年01月31日
コメント(8)
久しぶりに相当量書いたところで、ブラウザをうっかり閉じるというミスをおかしてしまい、全文が失われてしまいました(/_;)Wordで書く習慣、つけない私が悪いっすね。というわけで、本日書いてた内容箇条書きにてお知らせ。・今出てるDVDとか本とか、タカハシ関連のもの、基本的に買い。 私としては、おすすめの内容が多いです。・国体で成年男子終了。 1位ナカムラケント、2位タナカケイジ、3位ムラタカヒト。 ムラくんはさすがに疲れてるんだろうな~と思うわけですが、 同時に、数日前にISUのチャンピオンシップで優勝した人がぶっちぎりでトップに立てたりはしないってのが、今の日本男子の強さだよな~と思った次第。・タナカケイジが、この短期間で立て直してきたのは朗報。・ナカムラケントは今年で大学卒業だと思うんだけど、これからどうするのかしら? 彼こそ、日本男子にしては体格もいいし、恐れる選手なんだから、 アイスダンス転向とかいたら活躍できそうなのに、とひそかに思っている。・今、日本男子の映像をもとに、ジャンプの見分け方動画を作成中なので、しばしお待ちを。なんかこう、このふたりの年齢差とルックスのバランスの良さって奇跡的で、こんな幸運がめぐってくることって、今後まずないんだろうな的な話を一番長々としていたわけですが、タカハシもトリノ前あたりの若いころは、結構女性的なルックスをしていたわけで、ユヅルがどういう成長をしていくのか、心から注目しているわけであります。
2014年01月30日
コメント(2)
そう言えば最近、ブルーライトを軽減するPC用レンズメガネを購入いたしまして、仕事中、パソコンに向かうときはかけております。そしたらさ、すごく楽なわけです。実際の効果に関しては懐疑的な話もきくので、あるいはプラシーボ効果的なものもあるのかもしれないけど、少なくとも、先週から私はとても目が楽なわけで、それは間違いないのです。資料読んだり、PC画面見たりだと、かけたりはずしたりがちょいと煩わしいけれど。とか言ってるうちに、四大陸選手権終了。いや~、いい大会でしたね。今回の開催国である台湾は、有力選手がいるわけでもなく国としての経験が浅く、だけど、不慣れでありながらも一生懸命大会運営をしている感じがとても好ましかったです。国として、フィギュアスケートの競技人口を増やして強い選手の輩出につながる一助としたいという思いも伝わってきたし、こちらも、これから台湾の選手たちにが早く世界の舞台で戦えるようになるといいな~と素直にエールを送りたくなる感じでありました。まあ、結果としても非常に気分のいいものでしたしね(笑)優勝のムラ、カナコのふたりはもちろんのこと、ミヤハラサトコとイマイハルカも自己ベストを更新して、それが自信につながったように見えるので、今後に期待です。コヅカは、正直「君はまだまだそんなもんじゃないだろう」というか、「そんなとこで満足してちゃダメ」という内容ではあったけど、やる気、と言っちゃうとちょっと違うのかもしれないけど、スケートに対する集中力を取り戻したように見えて何より。夏のショーからグランプリシリーズにかけて、なんか表情とか口調とか、どこか「もう、いいや」みたいな投げた感じがあって、「けがの回復が思わしくなくて、もう辞めようとか思ってるんじゃ」と心配してたものだから、今回、現役を続けると明言してくれたことが、それはそれはうれしかったのでありました。正直、今辞めたら本当に、以前の日記でちょいとふれたような「タカハシの保険」で終わっちゃう。タカハシと言う防波堤がはずれた日本男子でどう存在感を示していくか、そこで真価が問われるのだろう。タカハシが退いた後に、日本男子の精神的支柱となれるのはコヅカしかいないのだし。…と、思ったり言ったりしてる人は多くて、もちろん私もそのひとりだけど、そのあたり、本人からしたら、「別に日本男子のリーダーになるために続けるんじゃないし、 大ちゃんの後を継ぐためでもないし」って感じで、結構言われるの嫌かも、と思ってみたり。でも、言っちゃうよね。「タカハシのあとは、君なんだから」って。さて、これで日本男子の時代はまだまだ続くよ。コヅカ、マチダ、ムラ、ハニュウ、加えてタナカケイジ。今回のシニアデビューは178.91点で17位というとても残念な結果だったけれど、やはり彼には期待してしまう。あと、彼に足りないのは「自信と経験」だと思うから。これは積み重ねていけば得られるもので、「あとは音楽的センス」とか「足りないのは華」なんてのより、ずっと簡単。今回のつまずきを経て、世界ジュニア選手権、表彰台に期待します。タナカケイジ同様、今大会で「次が期待できる」と思ったのがアメリカ代表ジョシュア・ファリス。昨季のジュニアチャンピオンで、四回転も跳ぶ選手だったので、今季、シニアにあがって怖い選手になると思っていたのだけれど、そんなすぐには活躍につながらず、ジャンプ構成も四回転重視というわけでもなくて、全米選手権でも4位ではあったけれど、その全米選手権、今回の四大陸選手権と彼の演技を見ていて思うのは、彼は、とてもよく自分がわかっているということ。「みんながやってるから、自分も何が何でもここまでやらなきゃ勝てない」みたいな気負いは全然なくて、「今自分ができることはここまでで、だからやるべきことをきっちりやろう」といった積み重ねがきちんとできてる気がするのです。マチダが昨季、「あなたが日本男子のトップで戦うために必要なのは何だと思いますか?」というような質問に対して、「個性です」と答えていて、それをまさに成し遂げることでオリンピック代表にまで上り詰めたように、今季のジョシュア・ファリスは、自分の立ち位置のようなものを見つけて、そこに立って着実に伸びていこうとしている。そして、それが実に楽しそう。その姿を見ていると、今シーズンが終わりジェレミー・アボットが一戦を退くと、アメリカ男子は、途中を一気にとばして、ジョシュア・ファリス&ジェイソン・ブラウンの時代になるのかな、と思ったのであります。そんなジョシュア・ファリスのフリーの演技。自らも振付に参加してるようで、音の使い方にセンスを感じます。ミスも多いし、ひどい転び方してるんだけど、それでも、そのことによって気持ちが途切れることなく、最後まで集中して演技している感じが、とても素晴らしいと思うのです。去年の、ジュニアなのにバンバン四回転跳んでたジョシュアより、今年の彼のこの佇まいがずっと好きだったりします。さて、最後に、ちょっと珍しい優勝者インタビューから表彰式までのフルサイズをご紹介。だいぶ長いですが。インタビュー始まるまでのもたつきっぷりとか、なにそのまどろっこしい通訳2段重ね、とか、だらっと見るには非常に楽しい(笑)そして、この動画に限らず今大会、ちょっと意外だったのがコヅカファンのがんばり。ようやく「花束加点」と「歓声加点」に気づいたようだよ。…というのは、冗談としても、なぜに今まであんなにも静かだったのか。突然絶対数が増えたというわけではないと思うので、今まで控えめだった応援を、前に出していきましょうよという感じなのだと思うのだけど。アイスショーとか試合とか、コヅカへの「キャー」の薄さにびっくりすることがあったので、これもまた、喜ばしい限り。これで、タカちゃんもちょっと路線がかわったりするのかしら?
2014年01月27日
コメント(2)
以前のエントリーでもふれたけど、こちら、今年は雪が少ない。散々脅すような天気予報だったりする日でも、雪は「舞う」程度で、ここ数年、この時期は、朝起きて出かけるまでに車を掘り出すところから始めなきゃいけないような日が続いたのに、今年は、車から雪をはらう程度で出かけられちゃう。雪道運転に自信のない私からするととても助かるんだけど、あんまり雪が降らなくても、のちに水不足につながったりするので、毎日ちょっとずつ降ってくれるのがベスト。なんてことをやっていたら、何も触れないうちにヨーロッパ選手権終わってるし、実はひっそりと四大陸選手権始まってるし。ひっそりやるなよー、四大陸選手権!(怒)基本、関東ローカルで夜中に放送とか、ふざけるなですよ。そりゃ、オリンピックシーズンの四大陸選手権は、大補欠大会になっちゃうけど。でも。四年前のこの大会での表彰台から、今のマチダタツキが始まったってことを忘れちゃいけない。それに、ちょいといやらしいことを言うならば、今季で数字もってるスター選手たちがごそっとやめるわけでして、だったら、今この大会に出てる選手たちを次のスター候補として推しておかなくてどうする!と、思うわけです。昨季の世界選手権で活躍したものの、今季のグランプリシリーズではどうもスッキリしない感じだったムラくんや中国女子シングルのジジュン・リが、ようやく調子出た感じだよ、とか、国内選手権での表彰台がオリンピックにつながらなかったコヅカやナガスミライは、やっぱりちょっと気落ちしてる感じがするね、とか、見どころは結構あるよ、とも思うのだけど。そんなわけで、ひとまず日本男子3人のSPをご紹介。言うならば、四年前のマチダの立場にあたるのがこの人だと思うのだけど、全日本ジュニアで優勝、シニアでは8位だったタナカケイジ。世界選手権はジュニアで出場が決まっているんだけど、当初から、6位だったムラくんをとばして彼を四大陸の代表に選出していたってのは、ソチ後、彼を日本男子の中心選手として育てていこうという連盟の方針が見えるわけで、私はそれは間違っていないと思うわけです。今回のSPは、回転が抜けてしまったり、なんでもないところで氷につまずいたり、もともとジャンプ構成がジュニア用なので基礎点が低いってのもあり、ちょいと厳しい点数にはなっているけれど、単純に力が入り過ぎただけだと思うので、フリーでうまい具合に力が抜けてくれれば、それなりの点数が出せるものと思います。ちょっと音小さいですが、お気に入りのユーロユポーツイギリス版。彼が今後期待できるなって思うのは、すでに大人の体が出来上がってるように見えること。つまりは、今後、体系の変化によってスランプに陥るみたいなことはないと思われ。加えて、とても手が大きい。もちろん、彼の腕の使い方がうまくできてるってのもあるけど、手が大きいことによって、さらに動きが大きく見えるし、とても華やかに見える。マチダの歩みを思えば、そんなに急にトップに駆け上がる必要はないのだし、これから四年をかけて、じっくり強くなっていってほしいもの。コヅカタカヒコ。まずは動画をどうぞ。最初の四回転があきらかに回転足りないのはわかるし、3Aの着氷も乱れてるし、コンビネーションもフェンスギリギリでなんとか跳んでる。けど。思った以上に点数が伸びず、あれ?って思った次第。パッと見の印象、そんなに悪いと思えないし、プロトコル見ても、スピン、ステップでの取りこぼしがあるわけでもない。全日本で、着氷の乱れがありながら90点越えたことを思うと、この出来で76点台というのは結構意外。今大会、ほかの選手の点数の出方を見ても、なかなかに渋い印象なのだけど、それを差し引いても、やっぱりこのプログラムは難しいよなぁ…点数が出しにくい。んでもって、今回のコヅカとドーンブッシュの結果を見ると、比較的冷静な全日本選手権、全米選手権といえども、やっぱり結構ゆるかったんだな、と思った次第。SP首位、ムラタカヒト。ムラくんがやっと本気出した(/_;)最初の4T、次の3Aとも高さが半端なくて驚く。なのに、この4Tにマイナスつけてるジャッジとかいて、ちょっと呼び出したくなります(笑)あとは、目でジャッジを2,3人落とせるようになるといいよね(笑)ムラくんなら、ちょっと意識すればできるようになると思うんだが。んでもって、男子シングルSPをざっと見た中で、私的大収穫は、中国代表ナン・ソン。ジュニア時代にはハニュウと表彰台を争い、シニア転向後もグランプリファイナルまでもう少しという結果だったり、なかなかに有望な選手でありながら、不運な衝突事故だったり、自身の体調不良だったり、フィジカルな理由により欠場や不振が多い選手で、そういうのって運も含め、頂点に立つには何かが足りないだろうなと思ったり、そもそもが、四回転も持ってるジャンパーで、でも滑りそのものは固くて、上半身の動きも固くて、「音楽を表現する」ってところまでは、とうてい行き着くことができてなくて、ってことはつまりはこの時代の流行からははずれたところにいて、ゆえに、本当にトップにはいけないんだろうな、と、中国男子としては、やっぱり時代にマッチしたハン・ヤンが主役なんだろうなと思っていたら。何やら一皮むけた模様。いったいどうしたことか、この動きの柔らかさ、音に対する反応の良さ。あんなに上半身の動きがパキパキしてた人が、首を使えるようになるなんて。もともとイケてるルックスだったのが、さらに2割増。あ、髪の色も変えてるじゃん!単純なスケート好きとしては、彼の覚醒はうれしいことなんだけど、前述のとおり女子シングルのジジュン・リも調子を取り戻したとなると、オリンピック団体戦において、日本がなかなかに厳しい立場においやられることになるのではないかと思うのでした。正直、よほどのことがないかぎり、団体戦は日本のメダルはないと思います。実は、フリーにすすめるかどうかの勝負だと思っておりまして、となると、気になるのは中国とイタリアの動向だと思うのです。この話は、オリンピックまでにいずれまた。
2014年01月23日
コメント(6)
ただでさえ、運転に苦手意識のある私のこと、ブーツやゴム長靴では運転ができないので、常にそこのぺったんこな靴を車の中に用意しておいて、履き替えて運転しております。で、ここ最近は雪が少ないものだから、例えばスーパーにちょこっと寄るときとか、駐車場からお店まで歩くのにゴム長に履き替えるのも面倒だと思って、その平べったい靴のままで車を降りたりしていまいます。なんてことをやっていたら、それはおとといのこと、雪はないけど、すっかり地面が凍っていて、見事にストンと転んで右脚を強打。ああ、これではまた4回転の練習が出来なくなってしまう(/_;)いや、もともとしてないけど。…と思っていたら、翌日には脚をぶつけたところはほとんど痛くないのに、かばってついた右腕が痛いという結果に。そんなこんなで、現在、頭洗ったりするのが不便です。短い距離でも、絶対ゴム長に履き替えよう。反省。だけど、痛いのは主に右腕だけなんで、オリンピックには間に合います。いや、出ないけど。と、それはさておき。昨日よりヨーロッパ選手権開幕。カロリーナ・コストナーとかハビエル・フェルナンデスとか、グランプリシリーズではイマイチ調子の上がらなかった有力選手が、オリンピックに向けて、どのくらいの仕上がりをみせてくれるのか、とか、この大会後に代表を決めると言っているロシア勢の結果がどうなるのか、とか、目が離せないわけですが、その前に、全米選手権の話を終わらせなくては。前回までは、男子と女子の代表選考について、熱く熱く語ってしまいましたが、点数マニア的には、さらに熱くなる出来事があったのです。アイスダンスのフリーダンスにおいて、ついについに、完全なる満点が出た模様。ちょっと見づらいのですが、プロトコルはこちら。点数のとなりにある「+」ってのをクリックすると、点数の詳細が見られます。で、シングルに関してはそこそこ詳しいつもりではいるのだけれど、ダンスについてはさっぱりなもので、これって「たぶん」満点なんです。ああ、自信を持って断言できなくてすみません。でも、きっと満点です。女子ならアサダマオかキム・ヨナか、とか、男子ならハニュウユヅルかパトリック・チャンか、とか、他選手よりちょっと抜けだした形で金メダル候補として名前のあがる選手がいるけれど、アイスダンスでは、ここしばらく常に優勝を争ってきたのは、アメリカのメリル・デイビス&チャーリー・ホワイト組と、カナダのテッサ・バーチュー&スコット・モイヤ―組。先にあげたシングルの選手たちは、相当に有力な優勝候補ではあるけれど、それ以外の選手が勝つことが絶対にないかと言われたら、そんなことはないとしかいえないのだけれど、アイスダンスのこの2組に関しては、絶対にどちらかが金メダルをとると断言できるほどに抜きんでているのです。なので、ほぼ同時に行われるアメリカとカナダの国内選手権において、この2組の点数をどうつけて、オリンピックに向けてのアピールにつなげていくのだろうかと興味をもって見ていたわけです。カナダのカップルは、完璧な演技とはいかなかったようで、ぽろぽろと点数の取りこぼしがあったのですが、アメリカのカップルは今できる最高の演技という内容で、前述のとおり、フリーダンスでついに満点という結果に。そんな驚愕の満点演技。今回の全米選手権において、メリル&チャーリーの点数は合計200.19。これはショートダンスにおいても、満点に0.31足りないだけという点数でして。もちろん、国内大会だからこその満点で、国際大会であれば、演技構成点オール10点をつけてしまうことに躊躇するジャッジはいるだろうし、すべての要素に上限いっぱいまで加点することも、迷うだろうとも思うけど、それにしても、この演技は各要素申し分なく完璧。とか、あまり詳しくない私が言っちゃって申し訳ないとは言え、彼ら、先月のグランプリファイナルでも191.35を出しておりまして、国際大会においても、そろそろ限界値に達するところには来ているのであります。そうなの。フィギュアスケートの現行ルールは加点方式なので、例えば、以前のような6点満点とか、一般的にある10点満点とか100点満点とか、そういう意味での満点は存在しません。でも、演技構成点の各要素の上限は10点だし、技に対する加点幅も決められている。なので、この技とこの技とこの技をチョイスしてプログラムを組んだなら、そのプログラムに対しての満点というのは、おのずと決まってくるわけです。シングルとペアにおいては、ジャンプという要素があるので、現実的に可能かどうかは別として、ジャンプの難度や回転数をあげていくことで、上限なく点数の高いプログラムを作っていくことは理論上可能。ただし、アイスダンスにおいては、そういう「理論上、基礎点をどんどんあげていくことのできる技」というのが存在しないのですよ。どんなに難しいリフトをしようとも、それは最高レベル4の基礎点+加点1.5の範囲でしかなく、3回転しか跳べなかったジャンプが、4回転跳べるようになったので基礎点が大幅アップ、みたいな点数増にはつながらないのであります。新しい採点方式が採用されて約10年、早くも限界値が見えてこようとは。びっくり。実は、これは男子の演技構成点でもおこっていることでありまして、そろそろ限界来るんですけど、どうしましょう?になっています。前述のとおり、演技構成点の各要素の満点は10点。なのに、パトリックとダイスケったら、9点台後半をばんばん出しちゃうし、時折10点満点をつけるジャッジもちらほら。そうなると、これ以上点数を伸ばすためには、技術点でより基礎点の高い構成を組んでいくことになるわけだけど、もともと、技術点と演技構成点は、大体50:50になるようにとバランスが考えられて採点の基礎が考えられている。だとすると、「演技構成点がほぼ満点に達しているので、あと伸ばせるのは技術点」というのは、点数のバランス上、よろしくないのです。ふむふむ、困ったね。とは言え、多くの選手が簡単に限界値に達しそうな状況ならばさておき、メリル&チャーリーとテッサ&スコット以外に、その域に達しているカップルはいないし、パトリックとダイスケ以外の選手がそこまでたどり着くまでには、少々時間がかかりそう。だとするならば、気にせず満点出すなら出させておけばいいとも言えるのだけど。日本だと、どうしてもシングルス中心に取り上げられがちですが、アイスダンスもそんな感じにおもしろいことになっておりますので、よかったら気にしてみていただけると楽しいと思います。いや、詳しくないのに、えらそうなこと言って申し訳ない
2014年01月16日
コメント(6)
とうとう、おかしなこと言い出しましたよ、私(笑)引き続き、無駄に熱い全米選手権語りですが、よろしければ、お付き合いください。さて、男子シングル。実は女子より、こっちの方がもめるかと思っていた。それがふたを開けてみれば、素直に1位と2位を選出。しかも、内容的にも文句なし。さらには、そのふたりってのがジェレミー・アボットとジェイソン・ブラウンなんだから、そりゃもう、私ったら歓喜!(笑)私のおおはしゃぎが始まったのは、ジェレミー・アボットのこの素晴らしいSPから。国内大会といえども99.86という超高得点。アボットほどのスケーティング技術と音楽表現を持った選手が、四回転を含めたジャンプを全部決めれば、このくらいの点数は出て当然。なぜ100点を越えなかったかと言えば、おそらくはジャンプが全部前半だったからかな~と推測。解説がずっと「素晴らしい」と言い続けてますが、本当にこれは「素晴らしい」。それ以外に言葉はいらないくらいに「素晴らしい」。なんのひっかかりもなく、滑らかに氷の上を移動していくから、「スケート靴で滑っている」ということを忘れてしまうほどに、すべてが自然で、ひとつの「演技」になっているし、彼のこの演技は、止まる瞬間がきれい。急停止からの急発進と言ってしまうと、ちょっとニュアンスが変わるかもしれないけど、きゅっと止まってアクセントのポーズをつけて、そこから何もなかったかのように、またすぐスピードにのって滑らかに滑って行くというのは、これはかなりのスケーティング技術と体幹の強さ。体の重心からはずれたところで上半身を動かしてもぶれないという、そのしっかりした体幹あってこその、この粋な振付でもあるわけで。で、このSPだけで、もうアボットは当確でいいと思ったわけです。確かに、このところ大きな大会でのドカンとした成績は残せていないけれど、長年積み重ねた実績と経験ならアボットに勝る選手はいないのだし、アボットのように演技構成点の強い選手は、ミスがあったとしても点数の最低ラインが高いので、団体戦のことを考えると、やっぱりアボットだよな~という思いもありつつ、そして、これだけすごい演技もまだまだできるんだよ、ということを証明することができた。なら、例えフリーでちょいと崩れて順位を落としたとしても、チーム編成としてアボットは入れちゃえよ、と思っていた。だとするならば、アボット+もうひとりであるなら、あとはどういう組み合わせでもいけるかな、なんても思っていたのだけど。この段階で、1位 ジェレミー・アボット99.862位 リチャード・ドーンブッシュ92.043位 ジェイソン・ブラウン87.474位 マックス・アーロン86.95なので、私の好みとしてはジェイソンを推したいけど、何しろ彼は昨季まではジュニアだったわけだし、四回転もないし。ところがところが、フリーではなんとジェイソン・ブラウンが1位。技術点では2本の四回転を入れた3位のアーロンが93.51と全体の1位だったけど、3Aまでのジャンプで組むなら最高難度と思われる構成のブラウンも89.27と高得点。そして、決定的な差としての演技構成点。ジェイソン・ブラウン 93.34。マックス・アーロン 79.98。ちょいと毒のある言い方をすると、ジェイソンのスケートは、ジャンプ「以外」が素晴らしい。アーロンのスケートは、ジャンプ「だけ」が素晴らしい。このふたり、この両極端のいいサンプル。前からの繰り返しになってしまって、若干しつこくて申し訳ないんだけど、ジャンプはあるとき、ひとつのきっかけで突然跳べるようになったりする。逆に、突然スランプに陥って跳べなくなったりもする。スケーティングの技術や音楽表現というのは、ある日突然うまくなったりしないし、持って生まれたものによって、決まってしまう部分も大きく、さらには、ある日突然スケートが下手になったり、踊れなくなったりはしない。なので、ジャンプ「だけ」うまい人がそれ以上伸びるのは難しく、成績も一定しない。ジャンプ「以外」がうまい人は、突然グンと伸びる可能性があって、常に一定以上の点数をとることはできる。今回の全米選手権、そのあたりが非常にわかりやすく出た試合だったと思います。というわけで、マックス・アーロンのFS。まずは、その衣装のどのあたりがカルメンなんだと小一時間問い詰めたい感じはしますが、コヅカの「毎年同じ型紙で衣装作ってる?」と同じ感じで、彼もこの型紙がデフォルトみたいなので、仕方がない(笑)タカハシダイスケやスズキアキコに、あれほど素晴らしいプログラムを提供したパスクァーレ・カメレンゴが、どうしてアーロンにこのプログラムを作ったのか理解に苦しむってのが、まずありまして。去年のフリーのウエストサイドストーリーもひどかったけど、アーロンみたいなタイプは、なんかこうヒーローが敵を倒していくとか、疾走感と力強さ重視みたいなプログラムだったら何とかはまるんじゃないかと思うんだ。実際、去年のSPのトロンはよかった。あれは振付の勝利。で、基本的にスケートが美しくないですよね。もともとがホッケー選手なのでスピードはあるんだけど、無駄な漕ぎが多い。表現としても、上半身がすくっと立ったままなので、「溜め」のようなものが感じられず。色がないというか。さらには、一見体力で勝負のタイプと見えて、意外と後半疲れてるんですよね(笑)なので、彼が、本当にトップ中のトップで戦うためには、もう一本四回転を増やして上で、技術的に完璧、とかそのくらいやらないと勝負にならない。と言っても、世界を見渡せば、ハビエル・フェルナンデスのように四回転3本跳びながら、彼独自の味を持ってる選手もいるので、アーロンタイプは、本当に難しいと思うのです。で、私のジェイソン・ブラウン!!まずは、フリーの演技。解説が私の言いたいことを全部言ってくれてる感じもするので、これ以上何も付け足さなくてもいいくらいなのだけど、ジャンプ「以外」が素晴らしいとは言ったものの、彼は、ジャンプがダメな選手ではないんですよ。四回転はないし、3Aがようやくコンスタントに跳べるようになったところだし、すべてのジャンプにおいて置きにいくような着氷なので、ちょいと流れずにひっかかるんだけど、この入りの難しさと独創性、これは十分にジャンプの技術の範囲にはいるもので、だからこそ、これだけの点数を出すことが出来ている。4:10あたり、ハイドロからの2Aであったり、引き続き4:22あたり、スパイラルからの両手を挙げての3Lzであったり、本当に素晴らしくて言葉を失う。この手のジャンプ、そんじょそこらの選手にはまねできない。3回転までのジャンプを、こういう跳び方が出来てるってことは、4回転習得も時間の問題だと思うし、全体的にジャンプも安定してくるはず。バンクーバーちょい前のパトリック・チャンがこんな感じだったな~と、若干懐かしく思うのでありました(笑)さらには、言うまでもなく、パトリック以上の音楽性と情緒。滑り自体のスピードのコントロールやスピンの回転のひとつひとつまでもが、きちんと音楽表現につながっているし、これぞ「今のフィギュアスケート」というプログラム。ジェイソンのスケートは、観客にもジャッジにも愛される。だって、「私の」ジェイソン・ブラウンだもの(笑)演技後の乙女っぷりもかわいいよね♪
2014年01月14日
コメント(4)
「寒波到来」と騒がれたこの連休、どんなひどいことになるのやらと身構えていたら、雪はちらほらと舞うのみで、ちょっと肩すかし。寒いことは寒いんだけど、他の地方で大雪が降ってるニュースを見ると、ぽこっとここだけ取り残されたように降ってないみたいで不思議。さてさて、そんなわけで、雪かき体制を作っていたのがそんな必要もなくなり、すっかり全米選手権とカナダ選手権に没頭できたわけですが、カナダ選手権はあちらでも放送がまだなのか動画を見つけることができず、また、勝つだろうなという人が勝って代表に選ばれているし、特に取り上げるべき話題もなさそうな感じなのだけど。全米選手権!!すっっっごく面白かった!!!全日本選手権も、みんなすごくて、みんな素敵で、ワクワクしたり、ドキドキしたり、悔しい涙もうれしい涙も共に泣いて、一言で言うと「いいもん見た」感満載の大会だったけれど、全米も負けず劣らず、「いいもん見た」という演技の連続。昨年まで、オリンピックおよび世界選手権の代表選考において、アメリカは基本的に全米選手権一発勝負だった。それは、個人競技でありながら「チームアメリカ」として考えると、あまり得策とは思えず、去年のブログなんかでも散々文句書き散らしてるわけですが(笑)それが今年は大きく方針転換。「全米選手権のみの成績だけでなく、今季全体を見て判断します」と、大会前から宣言されていた。これを見て、2枠しかない男子でちょっとなんかあるかな?とか思っていたのですが、特に問題なく代表3人が決定するだろうと思っていた女子シングルで大波乱。1位 グレイシー・ゴールド2位 ポリーナ・エドマンズ3位 ミライ・ナガス4位 アシュリー・ワグナー日本男子が他国からは「タカハシとハニュウは決まりだろうから、あと一人誰だって話でしょ?」と思われてたのと同じくらいに、アメリカ女子も「ワグナーとゴールドは決まりで、もうひとりどうするかってことよね?」だったし、そのもうひとりってのも、この2シーズンくらいの成績を見れば、ナガスミライか、アグネス・ザワツキーか、クリスティーナ・ガオか、と思っていた。なので。アシュリーの調子が悪かったのももちろん想定外だったのだけど、ポリーナって誰?の方が衝撃的。エドマンズは昨季のアメリカ女子ジュニアで優勝。今季ここまでの国際大会はジュニアで参戦していて、グランプリシリーズ2戦で優勝、ファイナルは4位という立派な成績。なので、「できる子」なことはわかるんだけど、ここでいきなりシニアの大会に出場するとか、ややこしいことやめてほしいわぁ…(笑)私が気になってた「一発勝負」が解消されたのはよかったのだけど、もうひとつ「ちょっと…」と思っていることがあって、全米選手権では、この前の試合までジュニアで出ていた選手が、いきなりシニアでエントリーが可っていうところ。んでもって、そのあたりを気にせずこれからの大きな試合の代表に選んじゃうってところ。全日本だと、別の日程でジュニア選手権が行われていて、そこで上位の成績をおさめると全日本への出場資格が行われ、だけど、全日本の成績によって選出されるのは、あくまで「世界ジュニア選手権」への出場。昨季、ミヤハラが全日本でスズキアキコの上に来て、だけど、まだシニアの世界選手権出場年齢に達してなかったのでスズキが代表になったってのがあったけど、おそらく、ミヤハラが年齢に達していたとしても、それまでジュニアの国際大会しか経験がない以上、選ばれなかっただろうと勝手に推測。だけど、全米は選んじゃうんですよ。上で紹介した昨年のブログでもごちゃごちゃいってますが、男子でドーンブッシュを選出した時も、ジュニアのグランプリファイナルで優勝した彼を、全米選手権の成績だけで、いきなりシニアの世界選手権代表にえらんで、結果、順位が伸びずに、全体の出場枠を減らす結果につながったわけで。このジュニア→シニアにかかる参加資格の整理、および選出基準の整理、必要だと思うんだけど。というわけで、アメリカ女子のソチオリンピック代表は、グレイシー・ゴールド、ポリーナ・エドマンズ、アシュリー・ワグナー。もちろん、ポリーナがオリンピック代表にふさわしくないとか、絶対に出すべきでないとか、そうは思わない。男子に比べてピークの早い女子シングルにおいては、ジュニアから転向したての選手がシニアの大会で主役になることだって、少なくはない。だけど、バンクーバー後、昨季までの様子を見ていると、もう彼女のピークは過ぎてしまったのだと思わざるを得なかったナガスミライが、今季もうひと踏ん張りを見せてくれて、この全米選手権でもとても胸を打つ演技を見せてくれた。それに何と言ってもバンクーバーの経験者。チーム編成として、入れておきたいと私は思うのだけど。とても、とても残念。もちろん、それ以上に、「アシュリーをはずさなかった」という判断は何より賢明で、その点において、この代表選考を私は支持するのだけれど。グランプリファイナル3位で、世界ランク3位の彼女をオリンピックチームのメンバーに選ばないなんて、あり得ない。特に、やはり大事にすべきは団体戦をどうするかで、アメリカは金メダル候補の一角であるから、ここでだれを選ぶかでメダルの色が変わる可能性すらある。ゴールドはまだ波があって、はまれば大きな得点が望めるが、ひとつつまずくと大きく崩れる可能性がある。ワグナーなら、最低ラインが高い。というわけで、そんな議論のただなかに今ある3人の演技をご紹介。アシュリー・ワグナーSP。ジャンプが決まらないだけではなく、スケート自体が重く感じられるし、他のエレメンツもイマイチ。キス&クライの様子では「緊張しちゃっただけ」みたいなこと言ってますが、実際は、靴の調整がうまくいってないとか、なんかそんなことがあったもよう。音量が全体的に小さかったりバランスが悪かったりで聞きにくいですが、スピンの詳細な説明をしてくれたり、解説内容がおもしろいので、ぜひ、ちょっと音量をあげてお楽しみください。イヤフォンなどをお使いいただくと、より聞きやすいかも。アメリカの団体戦のメダルのためにはアシュリーの力が必要とは強く思うんだけど、一方で、個人戦となると、彼女のメダルはないだろうな、と思っております。他の選手との兼ね合いももちろんあるんだけど、このSPもFSも、なんだかプログラムがあんまりよくないと思うんですよね。オリンピックにマッチした選曲や振付でもないし、彼女自身に似合ってるかっていうと、それもムム…って感じ。去年おととしのプログラムが素敵だっただけに、なんで、よりによって今年にこの2本を持ってきたんだと、そこはちょっと疑問。続いて、ポリーナ・エドマンズFS。とにかく女子選手としては相当に難度の高いジャンプ構成。ひとつめ3Lz+3T、ふたつめ3F+1Lo+3Sとか、これだけで「参りました」と言ってしまいたくなるレベルで、後半のプログラム構成もおもしろい。ただ、今回は演技構成点も出ているけれど、これがシニア1試合目になるオリンピックでここまで出るかっていったら、「出ない」と断言しちゃう。あくまで私の意見なのだけど、彼女は四大陸と世界ジュニア選手権の代表ってのが、妥当なんじゃないかと思っております。いや、いまさら私が何言ったって、オリンピック出るけどさ。そして、ナガスミライFS。まずは、動画をどうぞ。私がざっと今大会の動画を見た限り、観客の盛り上がりはこの演技が一番だったように思います。一見大きなミスもなく、はつらつとした彼女のキャラクターが存分に発揮され、有名な曲に乗って観客も盛り上がりやすく、そして、ナガスミライという選手が、アメリカで愛されているのだというのがビシビシと伝わってきて、それだけで、ちょっと泣きそうになりました。が。一方、解説でもちょっとふれてますが、実は、彼女の悪い癖が出まくりの演技で、一見できてるんだけど、ジャンプの回転がたりてないところがちょこちょこ見られたり、スパイラルポジションでのエッジがフラットだったり、技術的に粗いところが割と気になったりもして。こちらも、オリンピックに持って行って、同じような評価を得られるかといったら、厳しいだろうと言わざるを得ない内容なのです、実は。今大会、選考基準についてもそうなのですが、点数の出方についても、今までとは方針転換が見られて、カナダやロシアまではいかないものの、全日本くらいにはゆるめに採点が行われた印象。特にテクニカルについて甘く判断されてる印象があって、ナガスミライの回転不足しかり、ポリーナなのエッジのあやしさしかり。基本的には国内大会なんだから、それでいいと私は思うんだけど、そのあたりが、より一層、選考結果に不満を持つ人をうんじゃったかな~という気もするのでした。私好みの結果だった男子については、明日以降にでも。
2014年01月13日
コメント(2)
気が付けば今年もすでに9日。なのに元旦の日記以来さぼっておりました。お正月休み中は妹一家がやってきて、何かとあわただしかったのもあり、あけて仕事に出てみれば、やっぱり何かとあわただしく、また、ひとりで出かけなきゃいけないような用事が多くて緊張が続いたり、そんなこんなで疲労困憊。一年のスタートとしては、ちょいとよろしくない疲れ具合でありまして。今週末の連休は、上手に休んで力を抜きたいと思います。というわけで、軽く無駄話。旧年中の日記、全日本でのオリンピック代表発表の後、「おめでとう」メールをたくさんいただいたのだが、ということをチラッと書いたのだけど、その中に、「びびちゃんは目線として、彼女なの?母なの?姉なの?」という質問がありまして、ちょっと立ち止まって考えてみました。答えは、「多分、同一視」でした。実は、なんだかんだで、私はタカハシ自身になりたいのだと思う。そりゃ、本当になっちゃったら相当しんどいことになるわけだけれど、試合になれば、まるで自分のことのように緊張し、いい結果が出なければ、悩み苦しみ、彼が選び取っていくひとつひとつの決断を、自分自身のことのように思いに寄り添い共感する。確かに、バンクーバーシーズン、私は猛烈に彼に恋をした。それまで「お気に入りの選手」でしかなかったのに、恋に落ちた結果とてつもなく特別な存在となり、食事ものどを通らず、眠れない夜を過ごした。だけど、落ち着いてみれば、彼は、私にとって、「理想の私像」だったのかもしれない。強く美しく、世界中が憧れ恋をする。性別が違うことも、年代が違うこともわかってるし、誕生日が同じ人なんて、いくらでもいるってことはわかっている。だけど、彼の繊細さ、自己評価の低さ、反面プライドの高さ、どこか通じるものが多くて、いつも、同じような思考をするんじゃないかと、彼の動向を見守る。そして、彼の言葉や行動に「ああ、やっぱりな」としたり顔でうなずく。それはきっと、彼を追い続けている人ならば、当然読めるような流れにしか過ぎないのかもしれない。でも、私は、「似たところのある私だからわかったこと」と自己満足にひたる。私はタカハシダイスケになりたいんだ、きっと。その証拠に、私がタカハシの夢を見るとき、彼が恋の対象として目の前に現れることはほとんどなくて、私が彼の中に入ってしまっていることが多い。ふと気が付くと、試合前の公式練習直前、リンク近くでウォーミングアップをしていて、「あれ?私、タカハシダイスケになってる」と気が付く。で、試しに地面でジャンプしてみるんだけどうまく回れなくて、「やばい」と焦る。さらに当然にように、プログラムなんて覚えてやしない。そこで、「これは精神だけが入り込んでる状態で、いざ氷の上に出れば、体はタカハシのままで、身体能力はもちろんのこと、勝手に踊ってくれたりもするもんなんだろうか」とか悩むというパターン。こういう夢を、割と見るのです。憧れの有名人が夢に現れて、恋人になってくれるパターンは皆無と言ってよし!(笑)ルックス的にもタイプなことは間違いないんだけど、つまりは容姿としても、私はああなりたいと思ってるってことなんだろうなぁ、きっと…突然、話題かわって。今週末は、全米選手権とカナダ選手権が行われるので、そちらについても今後語っていきたいと思うわけですが、全米選手権のジュニア男子SPでの、若き怪物ネイサン・チェンの演技をご紹介。これでまだ14歳。次の次のオリンピックは、間違いなく彼のものがと思うのだけど、ユヅルの急成長っぷりなんかを考えると、次のオリンピックでの活躍も期待できる器。こういう、遠心力に首や肩をまかせるような動きができるっていうのは、体幹がしっかりしてるということであるし、音楽のとらえ方として可能性を感じます。プロトコルだけを見たときには、技術点の完璧さに比較して演技構成点が出てないなと思ったのですが、動画を見ると、少々固くなってしまったかな、という印象。が、しかし、それでも国内大会なんだから、もうちょっと緩く点数出してあげればいいのに。全米は以前から、できてないところを実感させるために点数を厳しく出す傾向があり、対して、同時期のカナダ選手権は、自国選手の優秀さをアピールするために点数の大盤振る舞いをする傾向があるので、両者を見比べて、毎年、点数の出方の違いにびっくりするのであります。全米ジュニア女子では、この子が好き。ジャンプが乱れて点数はイマイチだけど、音楽のとらえ方や、音によってスケーティングをコントロールしてる感じが見ててワクワクする。このタイプは、そのうちドカンと来ると思うので、乞うご期待。ふたりとも「チェン」だけど、残念ながら兄妹とかではないっぽいです。
2014年01月09日
コメント(8)
あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いいたします今年は例年になく穏やかな年明けで、ひどく冷え込むでもなく、大雪が降るでもなく、それだけで、ちょっと明るいスタートのように思えてしまう不思議。旧年中、最後の日記が、なぜかロシアの国内選手権について長々と熱く語ったエントリーで、しかも未完だったもので、これで一年を終えるのは中途半端すぎるんじゃないかと、短くても「仕事納め後の休日の過ごし方」的な日記を書こうと思っていたものの、なんとなくだらだらと年末のスペシャル番組をみたり、なんとなくだらだらと紅白をみたりしているうちに、年が改まってしまっておりました。ただ、この「なんとなくだらだらと紅白を見る」ことができたというのが、昨年の私の大きな変化のひとつで、実は、その前年、前々年と、紅白をはじめとする年末スペシャル的な番組が見られなくて、体調イマイチなこともあって、ずっと部屋に引きこもっていたのです。2年にわたって、仕事納めの夜からズドーンと落ち込んでしまい、その理由を探るとするならば、年末独特のあわただしい高揚感が、きちんと社会に参加してない自分とは無縁のものに感じられ、さびしくて仕方がなかった。「今年もお疲れ!」といった世の中の忘年会的空気に対して、ものすごい疎外感を感じてさびしく悲しく、加えて、もう二度とそこに参加することはできないのかもしれないという不安と焦りがあって、画面越しでも、そういう雰囲気にふれるのがつらくてつらくて仕方がなかった。それが、昨年ようやく普通に働けるようになって、身分的にも正社員になり、少しずつ、仕事に対して「将来の展望」みたいなものが見えてきた。なので、この年末は、疎外感も不安も感じることなく、笑ってテレビを見ることが出来てた。この調子で、少しずつ、今年も前に進んでいきたいと思います。「勉強しなくちゃ」「勉強したいな」と思うことが山積みなので、そのあたりからぼちぼちと。未完になっているロシア代表の話は、今月中ごろに開催されるヨーロッパ選手権のあたりにタイミングを合わせて、なんとか終わらせたいと思っておりますそのあたりになると、アメリカ代表とカナダ代表の話も出てくるんだが…
2014年01月01日
コメント(12)
昨日の午前中に事務所の掃除をして仕事納めとしたら、昨夜は早々に眠くなってしまってコトンと寝て、今日は気が付いたのが昼の12時。あら、びっくり。この年末は締切がいくつか重なって、頭が疲れたな~ってのはすごく感じてたので、やっぱりそれなりにホッとしたんだな、と思ったのであります。で。導入の導入で、それじゃ何も言ってないことと同じじゃん!な一個前の日記、非常に申し訳なかったですしかも「続きは明日」って書いておいて、眠気に負けるし。というか、割とヘビーな内容になるので、書くのに体力が必要なんだね。さて。では、さらに導入の話なのですが。わかりやすく言えば全日本選手権、同じコーチが何度もリンクサイドに立つ姿に気づかれた方も多いかと。当然のことだけど、コーチと選手の関係はまったくの1対1ではない。コーチが複数の教え子を持つのは当然のこととして、同時に、選手にとっても複数のコーチの教えを受けるのが一般的。例えば、タカハシダイスケが師事するナガミツウタココーチ。タカハシはナガミツコーチ以外にもホンダタケシ、ニコライ・モロゾフをコーチとして、その指導を受けている。一方ナガミツコーチも、タカハシ以外にもタナカケイジであったりナカムラシュウであったり、複数の教え子を抱える。ただし、現在、タナカケイジを主に指導するのはタカハシのジュニア時代にナガミツの補佐としてついていたハヤシユウスケコーチで、ナガミツウタコの名前は2番目に記載される。つまり、ナガミツウタコをはじめとし、ホンダ、ハヤシなどで形成されるコーチグループがあって、タカハシダイスケを筆頭に、タナカケイジ、ナカムラシュウ、コクブンシオン等々、そのコーチグループに指導を受ける選手グループが存在し、この選手を主に指導するのはこのコーチで補佐としてこのコーチが付くなど、チーム内での役割分担がありつつ、日々の練習や合宿などはチーム単位で行うという感じ。スズキアキコの属するナガクボコーチのチームとか、ミヤハラサトコの属するハマダミエコーチのチームとか、今回、割とわかりやすかったかもしれず。それでいくと、ご存じのとおり、ムラカミカナコはヤマダマチコチーム、アサダマオ&コヅカタカヒコはサトウノブオチーム。さらにまとめていくと、ナガミツ、ハマダチームは大阪チームで、ヤマダ、ナガクボチームは名古屋チームで、サトウチームは本来神奈川チームなんだけど、抱えてるメインどころが中京大チームなので名古屋にいれてもいいのかな、とか、練習拠点が同じだったり近かったりすると、さらに指導者がクロスしたりとかするわけなんだけど。あとは、福岡チームと仙台チームがあるわけで、そちらは、今後の活躍が期待されます。このような指導者くくりによるチーム分けというのは日本に限ったことではなく、おなじみなのは、前述のサトウノブオコーチの娘であるサトウユカさんのチーム。こちらはさらに国を越えていて、最も多く指導しているのはアメリカ代表ですが、イタリア代表のバレンティノ・マルケイであったり、日本のペア、タカハシナルミ&キハラリュウイチであったり、非常にバラエティに富んだチーム内容。加えて、時折、日本代表名古屋チームが合宿しにいったりするしね。と、長々語ってしまいましたが本題。このような指導者ごとのチーム分けをすると、ロシアで代表的なのはタチアナ・タラソワが率いるチームと、アレクセイ・ミーシンが率いるチーム。タラソワさんはバンクーバーシーズンにアサダマオのコーチであったことから日本でもおなじみかと。アレクセイ・ミーシンの代表的な教え子はエフゲニー・プルシェンコであり、リレハンメルオリンピック金メダリストのアレクセイ・ウルマノフも彼のチームであったりと、かねてより、世界的に高名なフィギュアスケートコーチ。奇しくもふたりは同時代に別のパートナーとペアを組んでいた選手であり、当時からライバル関係にあったとのこと。で、この2チーム、本当にわかりやすくライバル関係で、例えば、ソルトレイクまでの数シーズンにわたるヤグディン対プルシェンコ、バンクーバー後の「ロシアの天才少女」対決としてのソトニコワ対タクタミシェワ、ポストプルシェンコとしてのコフトゥン対ガチンスキー。ソルトレイク五輪金メダリストのヤグディンが、もともとはミーシンチームでありながら、その指導というか扱いというかに不満を持って離れて、その後タラソワのもとで、プルシェンコを破って金メダルを勝ちとったという因縁もあり。(←このころって、私がちょっとスケートに興味を失ってた時期なので、 間違ったこと言ってるかもしれず、そうだったらごめんなさい)ソルトレイクからバンクーバーにかけては、プルシェンコの独り舞台で、タラソワ陣営としては、アラカワシズカであったり、アサダマオであったり、請け負った他国の選手や、振付での活躍が目立つ形で、ロシア国内における力関係としても、ミーシンサイドの強いように見えていたのだけれど、両陣営の陣取り合戦が白熱してきたのは、昨年のロシア選手権から世界選手権にかけて。女子シングルについては、ロシア選手権において優勝のタクタミシェワが欧州選手権3位、世界選手権10位。同選手権3位のソトニコワが欧州選手権2位、世界選手権9位とどっちもどっちというか、ふたりそろってもうちょいがんばってくれないと、というかだったわけですが。いろいろ何かと渦巻いたのが男子で、ロシア選手権での順位は、1位 エフゲニー・プルシェンコ(ミーシンチーム)2位 セルゲイ・ヴォロノフ3位 コンスタンティン・メンショフ4位 アルトゥール・ガチンスキー(ミーシンチーム)5位 マキシム・コフトゥン(タラソワチーム)だったのですが、ヨーロッパ選手権の代表は、1位のプルシェンコ、2位のヴォロノフ、そして5位のコフトゥン。この時点で、ずいぶんタラソワさんの推しがきいてるな~とは思ったのだけど。んでもって、ヨーロッパ選手権では故障によりSPでプルシェンコ棄権、コフトゥン5位、ヴォロノフ7位。その結果を受けて、たったひとりでオリンピック代表枠を取りに行かなくてはいけない世界選手権代表には、そのシーズン、世界レベルではジュニアの経験しかないコフトゥンを選出。このことで、さらに、ソチオリンピックに向けては、ミーシンよりもタラソワさんの方が、ずっとずっと発言力を持っているのだろうなという感じは強まりまして。この時、実はヴォロノフはモロゾフチームでして、私としては推していて、当時の日記にも書いているもので、いくらなんでも、ここでコフトゥンってのは、タラソワさんのごり押しにすぎるんじゃないかとちょいと反発を覚えながらみていたら、案の定というかなんというか、世界選手権では17位。よって、ソチオリンピックにおけるロシア男子シングルの枠は「1」という残念極まりない結果。ところが、それで意気消沈して潰れちゃうんじゃないかと思っていたコフトゥンが、今シーズン始まってみたら大活躍。グランプリシリーズ2戦で表彰台に上がり、なんとなんとグランプリファイナル進出。ロシア男子としては2004年のプルシェンコ以来なわけで、それはそれはたいしたもの。結果として5位だったけど、大失敗して涙にくれたSPからフリーで意地を見せた演技は立派だった。そしてのロシア選手権。バンクーバー以降も故障に苦しみ、ヴォルヴォオープンで優勝したものの、グランプリロシア大会は棄権したプルシェンコが、はたしてどのくらいの演技をできるものなのだろうか、グランプリシリーズでは、緊張を見せながらも立派な演技を続けてきたコフトゥンが、一枠しかないオリンピック代表をかけたロシア選手権の場で、どのような戦うのか、あるいは、地味ながらひっそりとロシア男子を支えてきたヴォロノフやメンショフがどのような意地を見せるのか、そんなこんなで迎えたのでありました。結果、コフトゥン1位、プルシェンコ2位、ヴォロノフ3位、メンショフ4位だったわけですが、ここまでの前提説明で字数を費やしてしまったもので、演技内容等々をうけての、私の思うところってのは、また明日以降
2013年12月29日
コメント(4)
このところ仕事が何かとせっぱつまっていて、実は夜更かししてる場合じゃないというか、ちゃんと寝て余裕をもって朝の準備とかしようぜ、とか毎日思ってるのだけど、昨日も、ロシア選手権男子フリーの終了まで付き合ってしまってごめんなさい、な感じ。何らかの形でニュースを見た方もいらっしゃるかもしれないのですが、ロシア選手権男子シングル、優勝はGPFにも出場してた期待の若手マキシム・コフトゥン。そして、2位にエフゲニー・プルシェンコ。この結果を受けて、プルシェンコはヨーロッパ選手権出場の辞退および、ソチオリンピックへの個人としての出場を断念したと発表。試合結果ももちろんのこと、故障の回復具合の方が大きいのかな?こんなに潔く「若い選手に機会を譲りたい」とか言うとは思わなかったので、本当にびっくり。が、しかし、「団体では選ばれると思うので、そっちでがんばる」宣言。いやいや、団体戦出られるのも、個人戦に出る人に限られてるんですけど…なんか、そこでちょいともめちゃうのかという予感。プルシェンコの「俺がルール」はなかなかのもの。時間も時間なので、本日はひとまずプルシェンコとコフトゥン、ふたりの演技を並べてご紹介。時折映るコーチの表情などもお楽しみください。まずはプルシェンコ。技術点67.74 演技構成点95.22 合計162.96引き続きコフトゥン。技術点85.05 演技構成点89.00 合計174.05プルシェンコにジャンプミスが多く、とりわけ2Aの回数違反があったことが大きいけれども、それだけではなく、プログラムそのものや、要素一つ一つの作り方についての”新旧”を感じさせる演技だったな~と思うのでありました。詳しくは、明日。
2013年12月26日
コメント(2)
昨晩は続々と「おめでとう」のメールをいただきまして、でもそれに私が「ありがとう」と返すのも変だなと思いまして、ひとまず「これでまた、オリンピックダイエットができそうです」としておきました(笑)よし、やせるぞ!(笑)実は、バンクーバーシーズンのGPFから全日本にかけてでガクッと痩せてからは、減ったり戻したりで、そんなに体重減ってないという事実。しまった。なので、そのバンクーバーシーズンの全米選手権で1kg減らした経験をもとに、他国の代表選考もばんばん利用すべく、チェック中。まずは、チェコ。出場枠2に対して有力選手ふたりですから、なんも緊張しないわけですが(笑)結果はこちら。競技者が少ないために、近隣の国があつまって4か国選手権として毎年開催しているのですが、今年は1位トマシュ・ベルネル、2位ミハル・ブレジナ。2007年世界選手権4位にして世界ランク1位やらヨーロッパ選手権優勝やら、一時期、ヨーロッパの男子シングルのトップの一角を担っていたトマシュも、ここ数シーズン結果が出せず、今年はついにグランプリシリーズの出場権を失い、オリンピックに対するモチベーションもあがらないというようなことを言っていたのだけれど、どうやら復調の様子が見えてきたもよう。対して、現在世界ランク7位のミハルは、グランプリシリーズの成績もイマイチで、どうにも調子が悪そう。例年、世界選手権に向けて調子を上げていく選手ではあるのだけれど、昨季は、そこもうまくあわせることができずに、今季も同じような感じかなぁ…というわけで、現在日本でも話題の世界ランキング および シーズンベストランキング「ISUのHPリニューアルで消えた!」とかちょい前の日記で騒いでましたが、どうやら私の探し方が悪かったらしいです。すみませんでしたね、日本男子怖いっす。世界ランクでも10位以内に4人、シーズンベストの上位5人中4人日本男子。しかも5位ノブナリと6位ハン・ヤンとの点差といったら。そりゃ、パトリック&ユヅルと他の3人の点差もガッツリあいてるけど。もちろん、昨季も同じような状態で、グランプリ中は日本男子ノリノリだったのが、年が明けてみたら失速して、逆にグランプリじゃ表彰台にもあがらなかったデニス・テンやケヴィン・レイノルズ大活躍なんてことになったことは、わすれちゃいないけど。けど、前述のチェコ代表の点数とか、先日のフランス代表の点数とかと、こういうデータおよび全日本の結果なんかを見比べちゃうと、オダとかコヅカとか、選ばないんだったら譲ってくれよ、なんですよ、ホント。それはそうなんだけど…まあ、仕方がない。というわけで、もうひとつ、本日よりロシア選手権開催。男子シングルSPの結果はこちら。スケート愛の力で、ロシア語も読んだぜ!ってのはもちろんウソで、翻訳ソフト使ったわけですが、1位プルシェンコ、2位コフトゥン、3位ヴォロノフ。2011年世界選手権銅メダリストのガチンスキーはなんと12位。あ、全日本に比べてロシア選手権は激甘なので、点数は10点くらい引いてみると程よい感じ。現在出せる点数ならば、このままプルシェンコが逃げ切りそうだけど、だけど、何しろロシア男子のオリンピック代表枠は「1」。プルシェンコを本気のメダル候補と考えるのなら彼を選ぶという方法もあるけれど、そうなると、今後のロシア男子シングルをどう考えたらいいのか。それは男子シングルだけの問題ではなくて、団体戦を戦っていくうえでも重要なこと。一方のコフトゥンにはタチアナ・タラソワがついている。どうも、今年のロシア代表については、プーチンと近い存在でもある彼女の意向が大きく影響を与えるのではないかと言う気がする。昨季のヨーロッパ選手権や世界選手権でもそうだったけど。だとすると。もともと、ロシア選手権を最終選考の場とはせずにヨーロッパ選手権後に代表を決めると言っているのだけれど、これはもめにもめたうえに禍根を残しそうな…ああ、胃が痛い。ご参考までに、そんなプルシェンコの演技。この年齢&ブランクにしてジャンプはすべてお見事。なのだけど、全部前半に跳んでしまっているし、やっぱり他の要素が…ねえ…詳しくは、またフリー終了後にでも。
2013年12月24日
コメント(4)
昨日、私は「あきらめた」。だけど、今日のタカハシの演技はオリンピック代表に選ばれるには十分な内容だったと思う。正直、ここまでのものを見せてくれるとは昨日は到底思えなかったのに。本人は「もうダメだ」と思ってるから演技後は悲壮感がものすごいですが、スケートそのものは最後まで勢いを失っていないし、演技全体のまとまりとしてはさすがだし、「ああ、やっぱりうまいなぁ」と感心した次第。世界の反応が早くて驚いた(笑)やっぱり彼は、世界の恋人でヒーローで、だから、オリンピックの舞台には絶対に必要な人。そして、この演技は、何より壮絶に美しい。なので、あとは、実際のところケガの具合はどうなんだってことだと思うのです。団体戦はシーズンベストを考慮するという方針通りにハニュウ&マチダで行くと思うので、個人戦SP2月13日を基準として、それまでにどの程度体を戻し、ジャンプを戻せるのか。まあ、ぶっちゃけ、今回並の演技でも、そんじょそこらの選手よりはできてるわけで、加えて、点数やら順位やらなんて関係なく、タカハシの演技の「胸を打つ」具合は他の誰にもまねできない。世界が「オリンピックでタカハシを見たい」と言っている。もう、その声に応えちゃえよと思うのです。正直、今回の、というか今季のコヅカのジャンプ構成は弱すぎる。4Tを1本にするというのは仕方がないにしても、2Aを組み込んだ構成ってのはどうなのよ。このジャンプ構成では、メダルどうこうというところには到底達しない。ならば、タカハシでいいじゃない、という話。例え彼が万全の状態では臨めないとしても。コヅカ自身もある程度わかってるとは思うんです。表彰台に上ったことで、わずかに期待する部分もありつつ、でも、戦前の予想で「小塚が代表になるには優勝しかない」と言われてたのはその通りで、ここしばらくの成績であったり、前述のジャンプ構成の弱さであったり、そういうのを含めて、3位およびこの点数だとダメだろうってのは割り切ってると思うのです。今季は世界選手権が日本開催なので、そっちにコヅカを持ってくる可能性は高いだろうし。チーム構成としても、タカハシがいればハニュウが楽になる。注目はタカハシが引き受けてくれるし、オリンピックという場での過ごし方、選手としてのあり方を教えてくれるのは、やはりタカハシなのだと思うし。それにしても、やっぱりタカハシとコヅカはスケートがうまいなぁと感嘆しきり。ハニュウもマチダも、すいぶんよくなってきたとは思うけど、兄さんたちのエッジワークと比べてしまうとまだまだ。スケーティング技術においてベスト3は、パトリック・チャン、タカハシダイスケ、コヅカタカヒコとここ数年言われてきて、だけど、昨季、今季前半、コヅカのスケートは本来の輝きをうしなっていて、それが、今回の全日本フリーでとても素敵な滑りを見ることができたし、来季以降につながるような集中力を発揮してもくれたし、何やら、とてもとても安心したのであります。というわけで、タカハシに話題戻って。上で紹介した演技の動画以上に、インタビューの動画への世界の反応が激しすぎて驚いた(笑)「日本語だから何言ってるかわかんないけど、何でdaiは泣いてるの? 彼を愛してるから見てるのがつらいわ(/_;)」的な。いやいや、わかるけどさ、演技の動画先に見てからにしようよ(笑)というわけで、これまた超絶に美しい涙のインタビュー。これだけ美しくて、かっこよくて、世界に愛されてるんだから、もういいじゃん。んでもって、タカハシがオリンピック行かないとかなったらパトリックが泣いちゃうので、ぜひせひ、彼のためにもよろしくね。
2013年12月22日
コメント(8)
全2116件 (2116件中 1-50件目)