蒼い森の備忘録

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カテゴリ: 映画・日本
 一家4人惨殺事件で、修学旅行に行っていたため一人だけ生き残った奏子。自分だけ生きていることに罪悪感を持ち、「4時間の記憶再現」という発作をひきおこすほど癒しがたい心の傷をもったまま、大学生となる。加害者は死刑判決を受けるが、その娘未歩もまた、親の罪を引き継いで生きていかなくてはならない、という思いにとらわれたまま成長する。

 原作の緊迫感、精密な描写などすばらしく、加害者が殺人を犯すに至る経緯も、思わず納得してしまう。でも、さらにすごいのは、奏子が苦しみぬいた末、カウンセラーに「お父さんは殺されて当たり前の人間だった、そういう結論でいいか?」と聞かれ、「お父さんには…やっぱり生きててほしかった。」と答える場面。うまく言えませんけど、どんな理由をもってしても、殺されていい人間なんていないし、その理由を肯定する必要はない、ということ。「自分も死ぬべきだった」という思いにもがき苦しんだ末に、そこにたどり着けたということ。それを描いていることです。

 ただ、読んでいて、未歩の人物設定がいまひとつわからなかった。どう苦しんでいるのかよく解らなかったし、開き直っているようにも見えた(「あたしも殺せばいいのよ」とか)。


深紅


 それが、映画で「未歩」を 水川あさみ が演じることよって、すごくクリアになった気がしました。
 無意識に幸福を拒絶している感じ、長い間疎外されてきた感じ、強がってるけどすごく脆い感じ。そういうものを 水川あさみ はとてもよく表現していたと思います。
 「ああ、そうだったのか」と原作では解らなかったことが、「フッ」と解った気がしました。

 そういうことで、この映画化には、満足しています。


深紅


『深紅』野沢尚
第22回吉川英治文学新人賞受賞

発行所:講談社
価格:\1785(税込)

 文庫本 講談社文庫(税込\730)


『深紅』2005年(日本)
監督:月野木隆
原作・脚本:野沢尚
出演:内山理名 水川あさみ 緒方直人 小日向文世 他





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Last updated  2007.12.17 04:22:28
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