蒼い森の備忘録

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カテゴリ: 本・まんが
一家を惨殺した「怪物」はどこに潜んでいたのか? さまざまな証言から浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。人間という生き物は、こんなにも愚かで、哀しい-。痛烈にして哀切、「慟哭」「プリズム」に続く、第3の衝撃。


(一部、内容・結末に触れています。ご了承ください。)






一つの事件を様々な人から見たとき、全く違う側面が見えてくる。
貫井徳郎 の作品では 「プリズム」 もそういった手法を用いて描かれた作品といえるでしょう。)


この作品も残虐で陰惨な一家4人殺害事件の真相を、被害者を知る人々へのインタビューという形で浮かび上がらせようとしているのかな、と最初は思います。
途中、誰なのか、どういう状況にいるのかわからない女性のモノローグ(?)がはさまれ、この人が被害者とどういう関係なのか?という謎はありますが、比較的早くに正体はわかってしまうと思います。驚かせるのが目的ではないようです。
しかし、第三者であるはずだったインタビュアーの正体・本当の目的がわかった時はかなりの驚きがありました。


インタビューにおいては、全ての人が真実を語っているわけではありません。本人は(おそらく)嘘をついているつもりはないのです。自分の目に見えたもの、自分に都合のいいこと、自分が有利になること、すなわち自分にとっての事実を語っていきます。その中で被害者たちは多くの顔を持っていた(彼らにはそう見えた)ことが解ってきます。





登場人物それぞれの人間性が浮き彫りになっていきますが、一番謎なのは 「夏原」 です。
「夏原」 は、いったい何を考えていたのか、ほんとはどうしたかったのか、望む生き方ができていたのか。
彼女はどんな人間だったのか…?
彼女はどんな思いで殺されていったのか?
「夏原」 のことが知りたい!と強烈に思いました。



※学生生活における階層社会の生々しい描かれ方は、 「グロテスク」 (桐野夏生)を彷彿とさせるものがあります。わたしはそういうエリートたちの実態は知りませんが…。





愚行録

『愚行録』貫井徳郎
2006年上半期第135回直木賞候補作
発行:2006年

価格:\1785(税込)





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Last updated  2008.02.11 22:45:17
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